大学の友達がボロアパートで獣人彼女と同棲し始めたので遊びに行ったら「ニャーは何も悪くないにゃ」とか言っている美人に一目惚れしました。 作:SUN'S
佐藤ヤニ子さんに告白し、玉砕した。
しかし、ずっと慕って好いている事を伝えて、ほとんど毎日のように通っていたら、向こうも少しだけ警戒心を解いてくれている気がする。
好きだ。愛している。
その言葉と想いを伝える度、ヤニ子さんはだらしなく面倒臭そうな表情を浮かべ、ピコピコと耳を揺らし、最近は照れているようにも思える。
「ヤニ子さん、今日はどこへ?」
「ニャーの実家にゃ。静江に話したら、連れてこいってうるさいにゃ」
つまり、お義母さんにご挨拶を。(天地明察)
遂に認めてもらえるのですか!と期待しながら挨拶の品を持って佐藤という名札の付いた一軒家に入ると、おっとりとしたどこかヤニ子さんに似た女性がいた。
「初めまして、日暮晩です!ヤニ子さんに清い交際を申し込んでいる身ですが、ご挨拶にやって参りました!どうぞよろしくお願いします!!」
「あらあら」
「うるさいにゃー」
「これ、挨拶の品です!!」
ささっと各種高級品のシガーを差し出した瞬間、ヤニ子さんとお義母さんの腕が同時に弾けた。
「ヤニ子ちゃん、これは私の貰ったものよぉ?」
「違うにゃ。バンの物はニャーの物にゃ」
バシバシと起こる高いシガーを巡った争いを眺めていると妹さんも帰ってきたらしく、リビングにオレの姿を見つけると警戒心フルパワーマックスだった。
「うっ、タバコ臭い」
「違うにゃ。タバコじゃなくて葉巻にゃ」
「妹さん、個別の挨拶の品を!!」
「…タバコじゃないですよね?あ、写真だ」
「スマホの写真フォルダに納めたヤニ子さんの写真集です、三部まであるのでどうぞ」
「……貰っておくけど。お姉ちゃんに変なことしたら許さないからね」
「愛で射止めます!」
そう言いながらオレは妹さんに宣言する。
「キモいにゃー」
「あらあら、満更でもないのね」
「お姉ちゃん!?」
「違うにゃー」
さっきの満更でもないというのは本当ですか!?と思わず、詰め寄ろうとするも流石に女性に急接近するのはダメなので我慢することにした。
くっ、オレも一緒に混ざりたいぜ!
そんなことを考えながらもオレは、家族で仲良く楽しく話しているヤニ子さん達の事を見つめる。やっぱり貴女は可愛くて素敵だとオレは思う。
この一目惚れは真実だ!!
「なんか考えてるにゃ」
「日暮さん、唸ってるね」
「あらあ」
「ヤニ子さん、先ずは交際しませんか?」
「断るにゃー」
「くっ。オレのどこがダメなんです!直します!」
「別にダメなところはないにゃ」
「え?」
つまり、オレは直さなくても有りということか!