オレは、ヤニカスな君に一目惚れしました。

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大学の友達がボロアパートで獣人彼女と同棲し始めたので遊びに行ったら「ニャーは何も悪くないにゃ」とか言っている美人に一目惚れしました。

大学の友達が学生結婚した。

 

マジでかと驚いたりもしたけど。いつも彼女の事を嬉しそうに話していたし、大事に想っているという事は大学でもわりと有名な話だったりする。

 

「(まあ、獣人フェチなんだろう)」

 

獣人は美男美女ばかりだ。外見に騙されたなんて言われることもあるが、秀夫の場合は高校二年生の頃に出会い、大学進学までの二年間という交際期間を経て、しっかりとお互いの良し悪しを知っている。

 

「オレも彼女作るかあ…」

 

タプタプとスマホの液晶をスライドし、秀夫とその彼女こと越司丸益子の住んでいるという、にゃなみ原市と町田市の境界の近くに建つ「コーポ大谷」を目指して、歩いていると見つけた。

 

見つけたには、見つけたけど。

 

こりゃあ、すげえボロアパートだな。

 

「ウチに何か用か?」

 

「あ、大家さんですか?初めまして、大学で秀夫の友達やってる日暮晩(ひぐれ ばん)です。気軽にバンちゃんって呼んでいいですよ」

 

「お、おお、そうか」

 

オレの自己紹介は刺さらなかったようだ。

 

「あ、これ挨拶のお菓子です。ウチの秀夫は基本的に惚気るし、面倒臭い激重メンヘラ思考のヤバい彼氏なんで嫁さん束縛してたりしません?」

 

「ナチュラルにオレのウソを言うな」

 

「彼ピ、知り合いッスか?」

 

「大学の友達だ」

 

バシン!と頭を叩かれ、後ろに振り返る。

 

すると、そこにはお腹の少し大きくなった獣人を支えるように一緒に歩いている友達がいるわけで、必然的にこの妊婦は越司丸益子さんということになる。

 

お前、ヤったのか!?なんて問い詰めているはずだった。いや、そうすることを忘れていた訳じゃないんだ。その理由だって言えるさ。

 

────だが、だが、しかしだ!

 

オレは目の前の美女に見惚れていた。

 

「ニャーは何も悪くないにゃ」

 

「いや、スーパーで試食食い荒らしはダメだろ」

 

「せ、先輩も反省していますから」

 

そんな秀夫と越司丸益子の二人を避けて、オレはフラフラと彼女の目の前に移動していた。

 

「にゃ、なんにゃ?」

 

「貴女に一目惚れしました。好きです、付き合って下さい」

 

「キモいからイヤにゃ」

 

「ぐふぅっ…!」

 

ドシャリとオレは地面に倒れ伏した。

 

お、おおお、だ、だが、オレは負けん!

 

「アプローチして良いですか!?」

 

「じゃあ、メビウス買ってこいにゃ」

 

「メビウスって何ですか!?」

 

「……はあ、めんどくせーけど。コンビニに行くにゃ、教えるから買うにゃ」

 

なるほど、コンビニでデートということか!?

 

とんでもないことになってきたな!

 

「行ってくるぜ、秀夫!」

 

「お、おお、気を付けてな」

 

「ユニークな人ッスね」

 

「それで良いのか?益子」

 

猫耳美女ってマジでいるんだな!!

 

 

 




【明らかにボロアパートで暮らす獣人彼女はキメているのに「これはタバコ!これはビタミン剤!」とか言い訳しているのだが?】の続編です。

https://syosetu.org/novel/422325/

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