大学の友達がボロアパートで獣人彼女と同棲し始めたので遊びに行ったら「ニャーは何も悪くないにゃ」とか言っている美人に一目惚れしました。 作:SUN'S
大学の食堂。
流石に抜け出せない講義を受け、日替わり定食を食べている途中、愛妻弁当を自慢するように広げる秀夫に中指を突き立てると向こうも中指を突き立ててきた。
おのれ、勝ち組野郎が、貴様の幸せを願ってやるから覚悟しろよ。元気な赤ちゃんが産まれると良いな!ククク、出産祝いを山ほど贈ってやる!!
「お、おおおおお、おはよよよお」
「アル子先輩、お昼ですよ」
「んぐっ…バンちゃん、ノート見せてぇ」
「はいはい」
食堂のテーブルにノートを置いて、オレの隣でカップ酒を飲むアル子先輩に今回の講義で話していた重要な場所をマーカーでなぞり、分かりやすくする。
「カラー印刷ですよ?」
二度とゲロまみれは御免被るぜ。
「ね、ヤニ子ちゃんと仲良しだね~、好きなの~?」
「はい。オレはヤニ子さんが大好きです。必ず振り向かせると覚悟を決めてる次第です、この前も親御さんに挨拶してきました」
「段階を飛ばしとるやんかい!」
「西先輩、こんにちは?」
「カンサイちゃんだ~」
嬉しそうに抱き着くアル子先輩の存在に西先輩を見ていた何人かの女性が、ガタガタガタガタと机や椅子を揺らし、ものすんげえ顔をしていた。
「(助けてくれ、秀夫)」
「(オレのために死んでくれ、バン)」
「(お前は親友だろう?)」
「(親友のために逝け)」
この野郎、目だけで喧嘩売ってきたな。
此方はアルコールとツッコミに挟まれた上、複数のレズ疑惑の女性に睨まれてるんだぞ。オレの愛するヤニ子さんのために代われよ、パパ。
「日暮君、ちょっといいー?」
「ウッス」
呼び出しを受け、二人から離れるも見えないところでオレは壁ドンを受けている。受けるなら、ヤニ子さんが良かったんだ。
「私の薫子に近付かないで貰える?」
「先ず、一つだけ言わせてほしい」
「なに?」
「オレには結婚したい女性がいます。最近、その人の親御さんに挨拶してきました。その女性はアル子先輩と西先輩の知り合いなんです」
「......アンタ、ズボラ系が好きなの?」
「いや、この人に一目惚れしました。今日も帰りに彼女の家に寄っていくつもりです」
「ふぅん。にしても美人ね」
分かる。至高の美だよな。(言語不可)
「まあ、アンタにそういうつもりがないことは理解したけど。アル子ちゃんも気にかけてやりなさいよね。アンタがいなかったら今年も留年してるわよ」
......彼氏じゃないけど、分かった。
オレの目標のために頑張るぜ。
とりあえず、今日はカートン十箱にしとくか。
ついでに晩飯はどうしようかね。