いつも『GUNDAM TRIANGLE』をお読みいただき、本当にありがとうございます。
第49話「呼び合う光」をお届けします。
前回は、小惑星帯でシュウたちとミネバの艦隊が手を組むまでを描きました。ハマーンの変わりように驚いてくださった方が多く、作者としても嬉しかったです。
今回は、久しぶりにロロたちの側へ戻ります。
グラナダに帰ってきたリーンホースに、連邦から新しい命令が届きます。行き先は、これまでで一番遠い場所です。
『機動戦士ガンダムUC』や『機動戦士ガンダムNT』をご覧になった方には、懐かしい顔ぶれや、聞き覚えのある言葉が出てくるかもしれません。
もちろん、ご覧になっていない方にも楽しんでいただけるように書いています。
詳しい中身は、あえて伏せておきます。ぜひ本編でお確かめください。
それでは、第49話をお楽しみください。
木星の縞模様が、窓いっぱいに広がっていた。
その手前を、金色の光が走っていく。
「目標、前方! 距離、詰めます!」
シェザール隊の機体が三機、光を追って加速した。
推進器の炎が、長く尾を引く。
追いつけない。
近づいたと思えば、光はもう一つ先の岩の向こうにいた。
「回り込め! 網を――」
隊長が言い終える前に、光が向きを変えた。
三機の間を、まっすぐにすり抜けていく。
金色の装甲。額に伸びる、一本の角。
装甲の隙間から、青い光がこぼれていた。
次の瞬間、その姿は消えていた。
計器の上から、反応が一つ、なくなっていた。
「……また、か」
隊長は、操縦桿から手を離した。
*
母艦の通信室で、隊長は画面の前に立った。
「本部へ。シェザール隊、目標を再び見失いました」
画面の中の将校が、眉を寄せた。
「これで何度目だ」
「数えるのは、もうやめました」
隊長は、一度言葉を切った。
「あれは、速すぎます。この宙域にある機体では、とても追いつけるものではありません。あれと同じだけの速さを持つ機体でなければ」
将校は、しばらく黙っていた。
それから、手元の資料をめくった。
「……今、グラナダへ移送中の機体があるそうだ。シンギュラリティ・ワン。あれと、同じ系列のものだ」
将校は、資料から顔を上げた。
「あの機体であれば、あるいは届くかもしれん」
◇
ガニメデの観測所は、静かだった。
机の上に、記録の束が積まれている。
湯気の消えたカップの横で、端末が木星の観測値を流し続けていた。
フェニーチェ・シロッコは、窓辺に立っていた。
窓の外を、金色の光が横切った。
岩だらけの地平の上を、ゆっくりと弧を描いていく。
フェニーチェは、窓へ手を当てた。
「……鳥になりたいの? あなた」
光は答えなかった。
もう一度だけ窓の前を通り過ぎ、木星の方へ消えていった。
◇
小惑星帯。ゼネラル・レビルの艦橋で、ナナイが通信席の後ろに立っていた。
「シュウ様。連邦の通信を拾いました」
シュウは、艦長席の横から画面をのぞいた。
「木星圏で、連邦の部隊が何かを追っています。金色のモビルスーツ、とだけ」
「金色?」
「それと、月から艦を二隻、木星圏へ向かわせるよう命令が出ています」
シュウは、航路図へ目を移した。
月から木星へ引いた線が、小惑星帯の上を通っている。
「……ここを通るな」
「はい。ミネバ様の艦隊の、すぐそばを」
シュウは、しばらく航路図を見ていた。
「ただ通り過ぎるだけか、ここを嗅ぎつけてくるか。見てこなければ分からんな。リディを呼べ」
格納庫から上がってきたリディに、シュウは航路図を示した。
「連邦の艦が二隻、この近くを通る。そいつらを追ってくれ。どこへ、何をしに行くのか。見届けてくるだけでいい。手は出すな」
「俺一人で、ですか」
「弔星なら、つかず離れずでついていける。今、それができるのはお前だけだ」
ナナイが、端末から顔を上げた。
「木星圏までとなると、遠い道のりです。増槽を積ませます」
リディは、航路図の先を見た。
木星の印が、小さく灯っている。
「……了解しました」
「急げ。連邦の艦より先に、岩の陰へ入っておけ」
弔星が、レビルの格納口を離れた。
岩の間を抜けたところで、腕と脚が畳まれ、翼が開く。
灰色の可変機は、月から伸びる航路の方へ小さくなっていった。
◇
グラナダの格納庫で、ロロはガンダムXの背中を見上げていた。
「僕がいない間に、こんなの造ってたんだ」
「カロッゾさんと、モニカさんが中心になって」
足場の上から、ハサンが答えた。
「サテライトキャノン、っていうんです。撃ったのは、まだ一度だけですけど」
ロロは、折り畳まれたリフレクターを見つめていた。
何か言いかけたとき、格納庫に放送が流れた。
『ロロくん、ハサンくん。ジュドとカミュも、艦橋へ来てくれたまえ』
アークの声だった。
*
リーンホースの艦橋に、四人がそろった。
アークは、手元の文面から顔を上げた。
「連邦司令部から、命令だ。リーンホースは、木星圏へ向かう」
「木星ぃ?」
ジュドが、声を上げた。
「シュウのやつを追えってのか」
「いや。木星圏に現れた、正体不明の機体を捕獲せよとのことだ」
「捕獲……」
カミュが、小さく繰り返した。
「応援として、エコーズも加わるそうだ」
「エコーズ? なんだ、そりゃ」
「連邦の特殊部隊だよ。あまり表には出てこない人たち」
ロロが答えた。
ジュドは、顎をさすった。
「そんな連中まで出てくるのか。よっぽどの獲物なんだな」
アークは、文面の続きへ目を落とした。
「エコーズは、移送中のシンギュラリティ・ワンを運んでくる。それも、本艦に積んでいくとある」
「シンギュラリティ・ワン?」
ロロが、顔を上げた。
「技術的特異点、という意味だそうだ。……私には、何のことだかさっぱり分からんがな」
ロロは、その名前を口の中で繰り返した。
ハサンが、一歩前へ出た。
「あの。僕のガンダムXも、積んでいくんですよね」
「いや。今回は、置いていく」
ハサンの顔が、固まった。
「キャリッジを付けずに出る。リーンホースの格納庫だけでは、入りきらんのだ」
「……あ」
「それに、我々がそろって月を空けるわけにもいかん。君には、グラナダの守りを頼みたい。エイデンくんと一緒にな」
ハサンは、しばらく黙っていた。
それから、小さく頷いた。
「はい」
アークは、画面に艦の図を映した。
リーンホースの艦尾に、見慣れない大きな筒が描かれている。
「キャリッジとブライドルも、今回は付けん。代わりに、これを付ける」
「ブースター?」
「長距離航行用だ。木星は遠い。何より、足の速さが要る」
ロロが、図をのぞきこんだ。
「キャリッジがないと、格納庫は狭いね」
「積めるのは、数機だ。炎虎と蒼天。あとは、エコーズの持ってくるものになる」
◇
その日のうちに、一隻の艦がリーンホースの横へ並んだ。
灰色の、飾り気のない船体だった。
艦名を示す表示さえ、どこにもない。
連絡通路がつながり、黒い服の兵たちが先に渡ってきた。
その後ろに、民間人の服を着た者が三人いた。
兵の一人が、アークの前で足を止めた。
「エコーズの者です。移送の荷と、民間の協力者をお連れしました」
兵は、後ろの三人へ顔を向けた。
先頭にいたのは、四十前後の男だった。
落ち着いた目で、艦の中を見回している。
「バナジです。今回、移送に付き添ってきました」
ジュドの眉が、ぴくりと動いた。
「バナジ……? まさか、
「……その呼び名は、勘弁してください」
バナジは、困ったように笑った。
ジュドは構わず、その手を取った。
「炎虎のジュドだ。こっちは、蒼天のカミュ」
「よろしく頼む」
カミュが短く言うと、バナジは二人の顔を見比べた。
「お二人の名前も、聞いています」
バナジの隣に、女が並んだ。
同じくらいの年頃で、背筋がまっすぐに伸びていた。
「オードリー・バーンです。しばらく、お世話になります」
三人目の男は、少し後ろに立っていた。
くたびれた作業着に、工具の袋を下げている。
「こちらは、長いことあの機体の手入れをしてくれている人です」
バナジが紹介すると、男は軽く頭を下げた。
それだけで、また荷の方へ目を戻した。
*
荷は、二つの大きなコンテナで運び込まれた。
一つ目の扉が開くと、黒い機体が立っていた。
一本の角を持つ頭が、格納庫の灯りを受けて鈍く光った。
「バンシィ・ノルンだ。連邦の管理下で、ずっと眠らされていた」
エコーズの兵が言った。
二つ目のコンテナには、白い装甲が並んでいた。
腕。脚。肩。胸。
一つずつ固定具に収められ、番号が振られている。
一番奥に、角のある頭が置かれていた。
ロロが、コンテナの中へ足を踏み入れた。
「……ばらばらだ」
「誰かに勝手に動かされちゃ、困るんでな。ばらして、しまっておいた」
作業着の男が言った。
ロロは、白い装甲の継ぎ目へ顔を寄せた。
「でも、ちゃんと戻せるように外してある」
男が、わずかに目を細めた。
ロロは振り返って、黒い機体を見た。
「もう一機あるんでしょ? だったら、見ながら戻せるよ」
「……簡単に言うな」
「簡単じゃないよ。だから、面白いんじゃないか」
ロロの目が、輝いていた。
バナジは、何も言わなかった。
ばらばらになった白い装甲を、黙って見つめていた。
◇
リーンホースの艦尾に、大きなブースターが取り付けられた。
格納庫には、炎虎と蒼天、バナジのシルヴァ・バレト・サプレッサー。
黒いバンシィと、白い装甲の詰まったコンテナ。
それで、いっぱいだった。
「リーンホース、発進」
アークの声とともに、ブースターに火が入った。
小さな艦は、エコーズの艦と並んで、月を離れていった。
木星圏に着いたのは、それから長い航海を経たあとだった。
◇
木星の縞模様が、リーンホースの艦橋の窓いっぱいに広がっていた。
正面の画面には、先に来ていたシェザール隊の隊長が映っている。
「あれは、捕まえようとすると牙をむきます。近づくだけなら、こちらを見ているだけなんですが」
「見ているだけ、か」
アークが、繰り返した。
エコーズの兵が、作戦の図を画面に重ねた。
「バンシィを前に出します。同じ系列の機体なら、あれは寄ってくる。そこを、周りから網で囲みます」
「バンシィには、誰が乗る」
「こちらのパイロットを――」
「私が乗ります」
オードリーだった。
艦橋の目が、一斉に彼女へ向いた。
バナジが、そちらへ一歩寄った。
「オードリー」
「戦いに行くのではないのでしょう」
オードリーは、画面の中の金色の機体を見ていた。
「迎えに行くのなら、銃を持つ人より、私の方がいいと思うの」
バナジは、しばらく彼女を見ていた。
それから、静かに息を吐いた。
「……分かった。俺が、すぐ横にいる」
「ええ」
艦橋の隅で、作業着の男が画面を見ていた。
金色の機体を、じっと。
「……あいつは、追われるのが嫌いなんだ」
誰に言うでもない、小さな声だった。
隣にいたロロだけが、その横顔を見上げた。
◇
黒い機体が、宙へ出た。
その横に、サプレッサーが並ぶ。
少し離れて、炎虎と蒼天。さらに外側を、シェザール隊とエコーズの機体が囲んでいた。
『オードリー、聞こえるか』
「ええ。大丈夫」
バンシィの操縦席で、オードリーは前を見ていた。
木星の縞模様が、視界の半分を埋めている。
計器の端で、小さな灯がともった。
「……来た」
金色の光が、木星の手前に現れた。
ゆっくりと、こちらへ近づいてくる。
これまで逃げ続けていたとは思えないほど、静かな動きだった。
バンシィの装甲の隙間に、淡い金色の光がにじんだ。
金色の機体が、バンシィの前で止まった。
一本の角を持つ頭が、こちらを見ている。
「……来てくれたのね」
オードリーは、操縦桿からそっと手を緩めた。
そのとき、外側の機体が動いた。
『今だ、網を出せ!』
シェザール隊の機体から、何本もの線が放たれた。
金色の機体を、四方から包み込んでいく。
『待って!』
オードリーの声は、間に合わなかった。
網が触れた瞬間、金色の装甲が開いた。
一本だった角が割れ、隙間から青い光があふれ出す。
網が、焼き切れた。
『目標、変形! ――速い!』
同時に、バンシィの操縦席が揺れた。
画面の中央に、見慣れない表示が浮かぶ。
――NT-D。
「何……?」
黒い装甲が、内側から押し開かれた。
金色の光が、機体じゅうを走る。
「止まって……! お願い、止まって!」
オードリーは操縦桿を引いた。
だが、バンシィは止まらなかった。
黒い機体が、金色の機体へ向かって飛び出した。
『オードリー!』
サプレッサーが追う。
追いつけない。ほんの一瞬で、距離が開いていく。
*
「なんだありゃ……目で追えねえぞ!」
炎虎が、金色の機体の前へ回り込もうとした。
その横を、青い光がすり抜けていく。
「蒼天!」
「分かっている!」
カミュが、蒼天の翼を広げた。
光の先へ回り、進路を塞ぐ。
金色の機体は、止まらなかった。
蒼天と炎虎の間を、まっすぐにすり抜けていった。
「……速い」
カミュの声に、悔しさがにじんだ。
その背後を、黒い機体が追っていく。
金色と黒の光が、木星の手前でぶつかり合った。
一度。二度。
ぶつかるたびに、光が弾けて広がる。
『オードリー、返事をしてくれ!』
バナジの声に、答えはなかった。
バンシィの操縦席で、オードリーは歯を食いしばっていた。
操縦桿は、もう自分の手の中にない。
機体が、勝手に動いていた。
金色の機体だけを追い、手を伸ばし、弾かれ、また追う。
頭の奥が、焼けるように熱かった。
「バナジ……」
金色の機体が、強く光った。
次の瞬間、その姿は消えていた。
残された黒い機体は、なおも前へ飛び続けた。
追う相手のいない宙を、まっすぐに。
やがて、機体を走っていた金色の光が、少しずつ薄れていった。
開いていた装甲が閉じ、割れていた角が、一本に戻っていく。
オードリーは、もう一度操縦桿を引いた。
何も起きなかった。
正面の画面は灯ったまま、黒い機体は、流されるままに宙を漂っていた。
操縦桿から、指がほどけた。
オードリーの目が、ゆっくりと閉じていった。
*
「バンシィの信号、途絶えました!」
リーンホースの艦橋に、声が響いた。
「最後の位置は」
「木星の影の方角です。この辺りは木星の磁場が強くて、拾いきれません」
アークは、画面を見つめた。
「全機、捜索に回れ。バナジくんには、無理をさせるな」
『無理をしなきゃ、見つからない』
バナジの声が、割り込んだ。
サプレッサーは、もう黒い機体の消えた方角へ向かっていた。
艦橋の隅で、作業着の男が目を閉じていた。
ロロは、何も言えずにその横に立っていた。
◇
岩の陰に、灰色の可変機が身を潜めていた。
月から来た二隻を追って、ここまで来た。
リディは、さっきまでの光を遠くから見ていた。
金色と黒の光がぶつかり、弾け、やがて消えるのを。
「……今のは、何だったんだ」
計器に、小さな反応があった。
動いていない。流されているだけの、何か。
弔星が、岩の陰を出た。
近づくにつれ、形が見えてきた。
黒い装甲。一本の角。
装甲の隙間に、わずかに金色の光が残っている。
リディの手が、止まった。
「……バンシィ……?」
見間違えるはずがなかった。
かつて、自分が乗っていた機体だった。
「なんで、こんなところに……」
呼びかけても、返事はない。
リディはヘルメットを確かめ、操縦席を開けた。
宙を渡り、黒い機体の胸へ取りつく。
外からハッチを開ける手順は、まだ指が覚えていた。
ハッチが、ゆっくりと開いた。
中に、人がいた。
ぐったりと座席に身を預けている。
リディは、その肩に手をかけた。
ヘルメットの奥で、閉じていた目がゆっくりと開いた。
リディの息が、止まった。
「……オードリー?」
かすれた声が、返ってきた。
「リディ……?」
(つづく)
第49話「呼び合う光」、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回の舞台は、木星圏です。
冒頭で金色の光を追っていたシェザール隊は、『ガンダムNT』に登場した部隊の名前です。あれから二十年以上がたち、隊の顔ぶれはすっかり入れ替わっていますが、同じ光を追い続けていました。
「この宙域にある機体では、とても追いつけるものではありません」
隊長のこの言葉から、今回の物語が動き出します。
ガニメデの観測所では、一人の女性が窓の外の光を見ていました。
フェニーチェ・シロッコ。姓を見て、『機動戦士Ζガンダム』の、木星帰りのあの男を思い浮かべた方もいらっしゃるかと思います。
「……鳥になりたいの? あなた」
この一言の意味は、今は書かずにおきます。『ガンダムNT』をご覧になった方には、何か響くものがあったかもしれません。
小惑星帯のシュウは、連邦の通信を拾い、リディを偵察に出しました。
足の速い可変機の弔星なら、連邦の艦につかず離れずついていける。シュウらしく、できることとできないことを見極めた判断です。
「手は出すな」と言い含められたリディが、この先どう動くのか。それは次回のお楽しみです。
グラナダでは、アークが命令の中の聞き慣れない名前を読み上げました。
「技術的特異点、という意味だそうだ。……私には、何のことだかさっぱり分からんがな」
分からないと言い切る老艦長と、その名前を口の中で繰り返すロロ。同じ言葉を聞いても、受け取り方がまるで違う二人です。
そして、エコーズの艦から乗り移ってきた三人。
バナジは、『ガンダムUC』の主人公をこの作品に迎えた姿です。ジュド、カミュと同じように、名前を短くして登場してもらいました。二つ名は「
隣にいたオードリー・バーン。そして、名乗らずに頭を下げた作業着の男。この人については、また改めて。
コンテナの中には、ばらばらにされた白い装甲がありました。
「誰かに勝手に動かされちゃ、困るんでな」
壊れたのではなく、守るために、わざとばらして眠らせていた。その装甲を前に目を輝かせるロロと、黙って見つめるバナジ。二人の顔の違いも、覚えておいていただけると嬉しいです。
木星圏での捕獲作戦では、オードリーが黒い機体、バンシィ・ノルンに乗りました。
「迎えに行くのなら、銃を持つ人より、私の方がいいと思うの」
戦うためではなく、迎えに行くため。けれど、網が放たれた瞬間に金色の機体は牙をむき、それに引きずられるように、バンシィも彼女の手を離れてしまいます。
同じ系列の機体同士が引き合い、互いに目を覚ましてしまう。『ガンダムUC』でも描かれた仕組みです。題名の「呼び合う光」には、そんな機体同士のことも込めています。
最後に、流されていく黒い機体を見つけたのは、リディでした。
かつて自分が乗っていた機体。そのハッチの向こうにいたのは――。
「……オードリー?」
「リディ……?」
『ガンダムUC』で、この二人の間に何があったのか。それをご存じの方には、この再会の重さが伝わるかと思います。
次回も、どうぞよろしくお願いいたします。