プロットだけ作った東方projectの二次創作の設定を使っています
あと超かぐや姫!要素はまだ出てきません
今は昔──…
そりゃあもう大昔も大昔
月に帰ったどっかの金髪ギャルのお姫様が仕事を終わらせて地球に帰ってくるよりもずっと昔の話
知ってるか?
月に居る連中って昔は地球に住んでたんだぜ
あちこちで爆発音と怒鳴りや悲鳴が聞こえる
穢れた地上を捨てて月へ上がるロケットが次々に打ち上がっていく
燃料に使われている膨大な霊力に惹かれて無数の妖怪達が押し寄せてくる
手にした小銃でバリケードに張り付きていた妖怪の頭を吹き飛ばす
だが吹き飛ばされた死体を踏み潰してまた新たな妖怪がバリケードに張り付く
「…キリがねぇ」
こっちの残弾も霊力もそろそろ尽きる
もう半日近く戦い続けているが妖怪達の勢いは減るどころかどんどん増してくる
何度目やったか数えるのを辞めたバリケードに張り付いた妖怪を処理する作業を終えると別の地区を防衛していたはずの部下が負傷をしながらやってきた
「報告!西地区前線崩壊寸前!G班全隊員ロスト!」
全滅寸前か一つ穴が開くと総崩れになっちまうか…なら
「全隊に通達!現在の前線を放棄しろ!中央広場まで撤退これ以上は削り殺される!」
「し、しかし!」
「しかしも案山子もない命令だ!」
「り、了解!」
まだ通じる内に通信機で指示を出しつつバリケードに爆弾を仕掛けて自分達の班も撤退を開始した
「全体の被害報告をしろ!」
「A班からC班全員生存してます!」
「D班二名ロストE班全員生存F班一名ロストです」
状況は最悪
残存戦力は二割を割っている
防壁を張ってはいるが待って精々10分
ギリギリ避難は完了し打ち上げに作業に入ってはいるが全機打ち上がるかどうかはギリギリ
防衛班が撤退する事を考えると時間も戦力も足りてないがそれは考えなくてもいい
「全滅寸前か…だが、最後の踏ん張り所だそれに姫様達は最後のロケットに搭乗するんだ忠義の張りどころだ!行くぞ!」
「「「「了解!」」」」
美しかった都市は廃墟と化した
往来が絶えることのなかった中央広場に人影はなく瓦礫や様々な残骸や肉片で埋め尽くされていて、それを名状しがたい液体が穢していた
ここがかつて最大の栄華を誇った場所だと誰に言っても信じないだろう
どうにか群れを退けたがもう弾も霊力も残っちゃいない正真正銘すかんぴん
「…最後のロケットが…私達を置いて…」
「…だろうな」
最後の脱出ロケットが発射された
穢れから逃げる為に地上を離れるの穢れを溜め込んだ防衛班をロケットに乗せたら意味が無い
どちらにしても搭乗スペースなんて無かったろうし
「薄々わかってたろ乗せてもらえない事ぐらい」
「…」
長い付き合いの部下の彼女は俯き拳を握りしめていた
玉兎の命なんざ上層部からしたら安く軽く使えるコマでしかないからな
「…そういえば何人生き残った?」
「私たちだけのようです…」
「…そうかい」
100万近くいた兵がだったの二人か全滅と言っても過言はない殆どの被害
「あー…しんど…」
ばたりと地面に仰向けに倒れ伏す
軍服の内ポケットに手を突っ込み避難する高官から擦りとった防衛班の給金では買うのに、数年はかかる高級なタバコを引っ張り出す
封を開け一本取り出して咥える
「…それどうしたんです?」
「擦った。お前もどうだ?俺らの給金何年か分だぞ〜」
何ならこの一箱で玉兎の命が何個か買えるくらいの高級品だ
「窃盗…それも高官から…公開処刑ものですよ」
残念だったな処刑する上層部はみんな上に上がったから無罪放免だ
「別にもう咎める奴もいないし良いだろ」
「…それもそうですね頂きます」
普段真面目な彼女からすると意外だが、二人で並んでタバコに火をつけて紫煙で肺を満たしそれを吐き出す
「「………くそ不味ぃ…」」
何だこれクソまずいこれならそこらの草を巻いた紙タバコのほうがマシなぐらい不味い
えぐみに強烈なハーブの香りがミスマッチ過ぎる
兵士に配られる安タバコ取っとくんだったな…
「…ははははは!!!」
「どした?イカれたか?」
「失礼な…いやぁ…最後に吸うのがこの激マズタバコなのって悲しいなぁって」
「はは…雌雄で残れたんだワンチャンこっから文明作り直して月に向かうかどうよ」
「…貴方の子なら是非産みたいですが…そういう訳には行かなそうですね……」
「……あぁ…そうか…逝くのか…」
「はい…」
彼女が座っていた場所に血溜まりが出来ていた。血溜まりの量からしてもう助からない
先程まで話せていたのは彼女の気迫や根性による物だったのだろう
崩れ落ちた身体が地面に倒れ伏す前に受け止める
「…ああ…ろくでもない命だったのに最後がこんなに満ち足りたものになるなんて思いもしませんでした」
「そう言うなよ…助かるかも…………助からねぇか…お互いに」
妖怪達を全滅させられたわけじゃない。それに新たな気配も近付いてきている
今のすっからかんの状態で襲われたら確実に死ぬ
「最後は上層部か妖怪達に慰み者にされてから死ぬか生きたまま食い殺されるかだと思ってたんですがねぇ…」
「改めてろくでもねー…」
「ですねー」
いやホントろくでもない。慰み者が大分マシな最後な辺りホントろくでもない
「でも私は貴方の腕の中で逝ける…今まで生きてきて今が一番幸せですよ」
「……そうか…」
「はい!…………じゃあ……隊長……またどこかで…」
「…おう」
彼女はもう息をしていなかった
内臓がズタズタになって苦しかった筈なのに彼女の顔は安心したように安らかだった
一見すれば眠っているようにもみえるがもう…死んでいる
力の抜けた身体を比較的綺麗な瓦礫の上に寝かせる
またどこかでか、生まれ変わりなんて信じちゃいないが今回に限っては信じたい
もう少し干渉に浸っていたいが、既に広場には無数の妖怪の群れが迫って来ていた
咥えたタバコを吐き捨て踏み潰して火を消し瓦礫の中から棒切れを拾う
といっても抵抗する手段はもう残ってないので死ぬのは変わらない
やれやれ最後は嬲り殺しか…それに一人きりだ
その時、ポッという大きな音が上空から聞こえた。最後の支援でもくれたのだろうか
「…は?」
姫様や八意様が乗ったロケットから放出されたのは支援物資でも援護射撃でも無かった
「おいおいおいおい…姫様方…いくら何でもそりゃぁ……無いだろ…!」
地上に取り残されるまではまだ良い。覚悟もしてたでも今落ちてきている物は話が別だ
ロケットから放たれたのは兵器開発局で何度か見た滅びの光だった
その威力はこの星全てを焼き尽くすどころか何一つ残らないようにしてしまう物だった
技術者連中は浄化の力だとか何とか言ってたけど要するに穢れごと何もかも消す
小石の様なサイズで島を丸ごと消し飛ばす威力の代物なのに今の落ちてきているのはそこそこの上流階級の住居程のサイズ
その威力は都どころかこの星その物を焼き尽くすだろう
「…け…………ふっざ……」
「ふっざけんなああああああああああ!!!」
その慟哭は光に飲み込まれていった
続きは近いうちに