白い少女はただ善く生きたい ――人々の瞳に映る少女は、ひとつではない―― 作:不明さん
アドリアンは、朝から出かける支度をしていた。
リヴィアが礼拝堂の掃除を終えて執務室の前を通ると、机の上には鞄が開かれている。アドリアンは机の横の鍵付きの引き出しから、すでに封を切った一通の書面を取り出し、短く確かめて鞄の内側へ入れた。
リヴィアの位置からは、宛名も内容も見えない。教会本部へ持っていくものなのだろう。それ以上のことは分からなかった。
「掃除は終わりましたか」
「はい」
「今日は教会本部へ行きます。戻るのは夕方になるでしょう」
「お仕事ですか」
「ええ」
「昼食は、向こうで食べるんですか」
「その予定です」
「では、夕食の下ごしらえをしておきます」
「一人で火を長く使わないでください」
「切るところまでにします」
「それなら構いません」
アドリアンは鞄を閉じた。
普段と変わらない声だったが、出かける前に何度も留め具を確かめていた。
昨日の会話が、アドリアンを困らせることにつながったのではないか。
リヴィアは少し迷ってから口を開く。
「神父さま」
「何ですか」
「昨日、私が言ったことですが」
「正しいか分からないものは、捨てる前に調べた方がいいと言ったことです」
「ええ」
「難しいことなのに、簡単に言ってしまいました。余計なことだったなら、気にしないでください」
「余計なことではありません」
「でも、神父さまを困らせたのではありませんか」
アドリアンはすぐには答えなかった。
「あなたが謝る必要はありません」
「ですが」
「それに……」
アドリアンは何かを言いかけ、言葉を止めた。
閉じた鞄へ一度視線を落とす。
「いいえ。留守をお願いします」
「分かりました」
リヴィアは正面扉まで見送った。
教会本部で何をするのかまでは、結局聞けなかった。
アドリアンが自分から話さなかったことを、これ以上尋ねれば、また困らせるかもしれない。
ならば、帰ってきた時に少しでも休めるようにしておきたい。
リヴィアは、夕食の準備を早めに済ませておこうと決めた。
* * *
アドリアンは、王都中央部にある教会本部の正面入口を通った。
地域教会を預かる司祭が本部を訪れること自体は珍しくない。
鞄へ入れてきたのは、提出した辞任書面を教会本部が受領したことと、辞任について審議するため今日の出頭を求める旨を記した通知だった。
南東地区の教会に関する通常報告や教義上の相談、祭事の打ち合わせもある。表向きの記録には、司祭として訪れたことだけが残るだろう。
受付を通った後、案内役の助祭に従って中央棟の奥へ進む。
広い廊下には、教会本部で働く聖職者や事務員が行き交っている。
アドリアンの黄色い髪と司祭服へ目を向ける者はいたが、特別な反応を示す者はいなかった。
助祭は記録保管区画の手前で足を止める。
「この先でお待ちです」
「案内をありがとうございます」
助祭が一礼して戻ると、用途を示す札のない扉だけが残った。
アドリアンが指先で決められた箇所へ触れると、扉の確認術式が一瞬だけ働き内部から鍵が外され扉が開き、内部にいた教義保全院の構成員から声をかけられる。
「院長。お待ちしておりました」
呼び方を訂正するにはまだ早い。辞任は承認されていないため、アドリアンは何も言わず部屋へ入った。
窓のない室内では中央の長い机の奥に教主、その左右に教義保全院の存在を知る三人の大司教が座っていた。
四人目の姿はない。就任して間もなく教義保全院について知らされていない者を、この場へ呼ぶことはできなかった。
案内した構成員が扉を閉め、外側へ下がったのを確認して、アドリアンは机の手前まで足を進めた。
「アドリアン・レイ・オルヴェイン。出頭いたしました」
「座りなさい」
教主に促され、用意されていた椅子へ腰を下ろした。
机上にはすでに封を切られた辞任書面が、送った時の折り目を残したまま置かれていた。
四人の手元には、それぞれ内容を書き写した紙があった。
「教義保全院長の職を退き、実行任務からも離れたい」
教主が書面の一部を読み上げた。
「間違いはありませんか」
「ありません」
「一時的な休養ではなく、辞任を求めているのですね」
「はい」
火の大司教が、写しから顔を上げた。
「理由が簡潔すぎる。これで辞任を認めろというのか」
「職務を続けることが、教義を守ることにつながっているのか確信を持てなくなりました」
水の大司教が、辞任理由の記された箇所へ視線を落とした。
「確信を失ったのは、いつ頃からですか」
「以前から疑問はありました」
「以前から疑いながら、それでも続けてきたのだな」
火の大司教が問いを重ねた。
「ええ」
アドリアンは否定しなかった。
疑いながら命令を受けた。
疑いながら人を動かした。
疑いながら、回収した記録の処分を認めてきた。
「疑問を持つことと、任務を放棄することは別の問題です」
土の大司教が、机上の写しを指で押さえながら発言した声は硬かったが、責めるような調子ではなかった。
「教義保全院長には、命令の正当性を検討する責任もございます。問題があるのであれば、内部から正すべきでしょう」
「院長として、私はこれまで回収と処分を命じてきました。ですが今は、その中に内容を十分に確かめる前に失わせるべきではなかった記録が含まれていた可能性を否定できません。その疑いを抱いたまま、これまでと同じように処分を命じ続けることはできません」
「過去の判断がすべて誤っていたと言うのか」
火の大司教が尋ねた。
「いいえ」
危険な文書は存在する。
人を害する教えも、悪意を持って広められた記録もある。
黒の魔力によって実害が生じることも否定できない。
「正しい判断もありました。必要な任務もありました。ですが、危険だと確認できた記録を処分することと、内容を十分に確かめていない記録まで処分することは同じではありません。私はその区別をせずに扱ってきました」
室内が静かになった。
水の大司教が、机上の紙を指で押さえた。
「最近、古い記録について何か新しく確認したことはありますか」
「確証のある新事実は得ていません」
「新しい事実は得ていない。それでも、今辞任すると決めたのですね」
「ええ」
「ならば、なぜ今だ」
火の大司教が問いを挟んだ。
アドリアンは、すぐには答えなかった。
リヴィアの言葉が、最後の契機になったことは事実である。
だが、リヴィアが教義保全院について知っているわけではない。
幼い少女が秘密組織の在り方へ意見したわけでもない。
「異なる記録を残さなければ、後から比較することもできない。単純なことを、私は長く認められずにいました」
「誰かにそう言われたのか」
「答える必要がありますか」
土の大司教が口を開く。
「院長の辞任へ直接影響した者がいるのであれば、確認する必要がございます」
質問の形を取ってはいなかった。
辞任書面が届く前から、リヴィアを後継者とする噂は広がり始めていた。
「白い少女か」
火の大司教が尋ねた。
アドリアンの表情が硬くなる。
「リヴィアは、教義保全院とは関係ありません」
「その言葉は、すでに何度も聞いている」
「何度尋ねられても答えは変わりません」
水の大司教が尋ねた。
「では、辞任と同時に、あの少女を現在の教会で育て続けると決めた理由を説明してください」
前夜に書き上げた通常の保護記録は、教会本部へ向かう途中で南東大教会へ提出していた。
教義保全院の秘密経路を使ったものではなかった。
それでも、辞任を申し出た院長が同じ日に白い少女の養育継続を決めたとなれば、南東地区を上位監督する水の大司教に、すでに内容が伝わっていても不思議ではなかった。
「それは司祭としての判断です」
土の大司教が確認した。
「それは院長としてではなく、地域教会の司祭としての判断だということですか」
「ええ」
火の大司教が続けた。
「十年近く手元へ置き、辞任を決めた日に正式な養育継続を決めた。それで無関係だと信じろというのか」
「信じるかどうかは、私が決められることではありません」
アドリアンは三人の大司教を順に見た。
「ですが、彼女へ教義保全院の教育は行っていません。今後も行いません。構成員にもさせません」
火の大司教が勘繰るように言う。
「院長を辞めれば、教義保全院の管理外で育てられる」
「普通の子供として育てます」
「普通の子供が、教義保全院長の辞任を決めさせたのか」
「彼女が辞任を命じたわけではありません」
「影響は受けたのだな」
否定する必要はなかった。
「彼女との生活を通して、自分が疑問を持ちながら続けてきたことを認めました」
それ以上は話さなかった。
リヴィアの魔力が確認できないこと。
一時保護を続けてきた本当の理由。
現行経典について、リヴィアと交わした具体的な会話。
どれも、教義保全院長の辞任を審議するために必要な情報ではない。
「少女に秘密を話したか」
教主が尋ねた。
「話していません」
「教義保全院の存在も、あなたの地位も」
「知りません」
「今後、知らせるつもりは」
「ありません」
教主はしばらくアドリアンを見ていた。
「辞任を認めなければ、どうしますか」
「院長として新しい任務を受けることはできません」
火の大司教が眉を動かした。
「命令に従わないつもりか」
「辞任の意思を示したまま秘密組織を指揮することは、組織にとっても危険です」
「自分が危険だと言うのか」
「判断に確信を持てない者が命令権を握り続けることが危険だと言っています」
教義保全院長は、多くの情報へ触れられる。
構成員へ命令し、表へ出せない対象を監視させ、場合によっては排除へ動かすこともできる。
その地位へ、本人の意思だけを無視して留め続けるべきではない。
教主が、机の上の書面へ目を落とした。
「長い間、あなたは機密を守り、命令を遂行してきました」
「はい」
「その実績があるからこそ、辞任後も同じ責任を求めます」
「承知しています」
「まだ条件は示していません」
「機密保持が不要になるとは考えていません」
教主が小さく息を吐く。
左右の大司教へ視線を向けた。
三人のうち、土の大司教が別の書面を机の中央へ置いた。
「辞任を認める場合の条件です」
アドリアンは差し出された紙を受け取った。
最初に記されているのは、生涯にわたる機密保持だった。
教義保全院の存在。
構成員。
命令系統。
過去に実行した任務。
監視対象や回収した記録。
辞任によってそれらを外部へ話すことは認められない。
続いて、院長の印、鍵、管理記録の返却。
後任へ必要な情報を引き継ぐ義務。
辞任後は独自に構成員へ接触し、命令や任務を与えてはならないこと。
予想していた内容だった。
「異論はありますか」
「ありません」
土の大司教が尋ねた。
「すぐに返却できるものはありますか」
アドリアンは椅子の横へ置いていた鞄を開き、布に包んだ院長印を取り出した。続いて、教会本部の秘密区画と中央保管庫に関係する二本の鍵を机へ置くと、金属が木の机へ触れて硬い音を立てた。
「院長印と、本部で使用する鍵です」
土の大司教が続けた。
「地域教会に保管しているものは、何がありますか」
「南東地区の連絡記録、構成員の確認符、連絡物の一時保管箱に使用する鍵があります。分類したうえで返却します」
「返却期限は七日です」
「可能です」
「後任が決まるまで、院長印はこちらで保管いたします」
「承知しました」
机上から、長年命令書の末尾へ押してきた印が取り上げられた。手元から離れても特別な感情は湧かず、むしろ戻すべき場所へ戻ったように見えた。
「もう一つ、確認しておくことがあります」
水の大司教が続けた。
「南東地区の連絡経路についてです」
アドリアンは条件書へ目を戻した。
その項目は、後任への引き継ぎという言葉だけで簡潔にまとめられていた。
「あなたの教会を知る構成員は多くありません。しかし、長く使われてきた経路です。場所と担当者を同時に変更すれば、連絡が途絶える可能性があります」
「新しい連絡場所を指定すればよいでしょう」
「指定するだけでは済みません。新しい場所を用意し、担当者を選び、既存の構成員へ順に伝える必要があります。急げば、秘密を知る者と連絡の重複が増えるでしょう」
アドリアンにも理解できた。
昨日まで使っていた連絡場所を、今日からすべて変更する。
それだけなら簡単に思える。
だが、任務中で連絡を受け取れない構成員や長期間戻らない者もいる。古い確認符しか持たない者が、新経路を名乗る別人を信用するとも限らない。
「新しい南東地区の連絡担当者と連絡場所が安定するまで、現在の教会を移行用の連絡場所として残します」
「私は辞任します」
「承知しています」
「教会を使い続ければ、構成員は私へ判断を求めます」
「判断する必要はありません。封をした報告を受け取り、後任か指定された連絡役へ渡してください」
「任務相談は受けません」
「認めます」
「新しい構成員へ教会の場所を知らせることも認めません」
「既に知っている者だけに限定します」
「複数人を集める会合には使用しません。回収文書、武器、任務用の物品も長期保管しません」
火の大司教が、わずかに眉を寄せた。
「条件を増やすつもりか」
「辞任後の権限を明確にしています」
「こちらも、あなたへ指揮を続けるよう求めてはいません」
水の大司教が淡々と答えた。
「構成員がそう受け取らない保証はありません」
教会を訪れる者の中には、アドリアンを長く院長として見てきた者がいる。封をした報告を渡した後で判断を求めたり、古い命令の続きを確認しようとしたりする者もいるだろう。
受け答えが曖昧なら、院長職を退いても実質的な指揮を続けていると考えられる。
「連絡物は、封を開かずに指定された相手へ渡します。報告内容の評価、任務判断、人員管理、命令には関わりません。相談を受けた場合は、後任へ報告するよう伝えます」
「それで構わない」
教主が答えた。
「今の内容を、移行期間の条件へ加えます」
火の大司教が何か言おうとしたが、教主が先に書記用の紙へ手を伸ばす。
「移行が終われば、あなたの教会を教義保全院の連絡場所から外します」
「期間は」
「現時点では定められません」
「完了条件は必要です」
「新しい連絡担当者と連絡場所が定まり、現在活動中の構成員への通知が終わること。旧経路を使用する者がいないことを確認すること。地域教会にある記録、確認符、鍵、物品をすべて回収することです」
水の大司教が項目を挙げた。
「その後、一定期間、旧経路への接触がないことを確認できれば、閉鎖条件を満たしたものといたします」
土の大司教が補った。
「承知しました」
期間は不明でも、終わりは定められた。
アドリアンは条件書を机へ戻した。
「この条件で、辞任を認めていただけますか」
三人の大司教は、すぐには答えなかった。
教主が一人ずつ確認を始める。
土の大司教が、最初に答えた。
「異論はございません」
水の大司教は、アドリアンを見たまま、わずかに間を置いた。
「私も、この条件で構いません」
火の大司教は、机上の院長印へ視線を落とした。
「……認める」
「教義保全院長アドリアン・レイ・オルヴェインの辞任を認めます」
教主が告げた。
「同時に教義保全院の実行任務から外します」
「承知しました」
「今後も地域教会の司祭としての職務は続けるのですね」
「はい」
「白い少女も、そこで育て続ける」
「リヴィアです」
アドリアンは訂正した。
「彼女を、現在の教会で育て続けます」
「教義保全院と関係させずに」
「ええ」
火の大司教が、低い声で尋ねた。
「噂が消えると思うか」
「思いません」
「ならば、なぜ残す」
「噂を消すために、彼女の暮らす場所を決めるつもりはありません」
辞任と同じだった。
他者がどう解釈するかではなく、自分が引き受けるべきものを決める。
「彼女を普通の子供として育てます」
「普通、か」
火の大司教はそれ以上続けなかった。
教主が、書面へ正式な承認印を押した。
「これ以後、あなたは教義保全院長ではありません」
アドリアンは、その言葉を静かに受け止めた。
「長い間ご苦労でした。アドリアン司祭」
院長ではなく、司祭と呼ばれた。
それだけで、十年近く身につけていた重い外套を脱いだような感覚があった。
* * *
教会へ戻った時には、日が傾き始めていた。
正面扉を開けると、礼拝堂の奥からリヴィアが顔を出した。
「おかえりなさい、神父さま」
「ただいま戻りました」
「夕食の準備は、切るところまでにしました」
「約束を守ったのですね」
「はい」
以前なら、戻った直後に報告書を整理し、次の命令へ目を通していたが、今日はその必要がない。
アドリアンが鞄を置くため執務室へ向かおうとした時、正面扉が控えめに叩かれた。まだ礼拝を求める信徒が訪れる時間だったため、扉へ向かおうとしたリヴィアをアドリアンが先に手で制した。
「私が出ます」
扉を開けると、外には見覚えのある教義保全院の構成員が、普段どおり荷運び人に見える服装で立っていた。
アドリアンが外へ出て背後の扉を閉めると、男は周囲に人がいないことを確かめ、懐から封書を取り出した。
「院長。北東からの報告です」
「私はもう院長ではありません」
男の手が止まった。
「本日付で辞任しました。判断が必要な内容は、後任へ報告してください」
「後任は、どなたですか」
「まだ伝えられていません」
「では、これは」
アドリアンが封書の表面だけを確認すると、現在の連絡経路を示す印があった。男は以前から、この教会を連絡場所として知っている構成員である。
「移行が終わるまで、既存の連絡物は受け取ります。封は開きません。指定された連絡役へ渡します」
男は封書を差し出した。
アドリアンは受け取った。
「任務についての判断はできません。急ぎであれば、教会本部の既存経路を使用してください」
「承知しました」
男は答えたものの、すぐには立ち去らなかった。
「何かありますか」
「いいえ」
男は深く頭を下げた。
「長い間、ご指導いただき、ありがとうございました」
「今後は、後任の指示に従ってください」
「はい」
男は夕暮れの街へ去っていった。
アドリアンは教会へ戻り、扉を閉めた。
「お知り合いですか」
礼拝堂の奥にいたリヴィアが尋ねた。
「これまで、仕事で関わっていた方です」
リヴィアは、閉じた扉を一度見た。
「お仕事で、何か変わったんですか」
アドリアンは少し考えた。
「これまで夜まで続けていた仕事の一部を、ほかの方へ引き継いでもらうことになりました」
「では、前より早く休めるんですか」
「しばらくは引き継ぎがありますが、今までより夜遅くまで働く日は減るでしょう」
「そうですか」
リヴィアの表情がわずかに緩んだ。
アドリアンが夜まで執務室へ残っていることは、以前から気になっていたのだろう。
「神父さまは、これからもこの教会にいるんですよね」
「ええ」
アドリアンは礼拝堂を見渡した。
「これからも、ここで神父を続けます」
それを聞くと、リヴィアは安心したように笑った。
「では、夕食にしましょう」
「そうですね」
アドリアンは、受け取った封書を入口近くに用意していた施錠箱へ入れた。
辞任は認められた。
院長印も返した。
それでも、長年使われた経路は、一日では消えない。
受け取った封書は、明日、指定された連絡役へ渡す。
内容は読まない。
判断もしない。
自分はもう院長ではない。
そう繰り返す必要があるのだろう。
アドリアンは施錠箱から離れ、リヴィアとともに礼拝堂の奥へ向かった。