赤子の頃に教会の前へ置かれた彼女を拾ったのは、アドリアンという一人の神父。穏やかに人々へ手を差し伸べる彼に育てられながら、前世の記憶を取り戻したリヴィアは思う。
前の人生では、悪人ではなかった。けれど、面倒や危険を避けて、手を伸ばさなかったこともあった。
だから今度は、ほんの一歩だけでも、前より善く生きてみたい。
困っている人がいればできる範囲で手を貸し、不安そうな相手には安心してもらおうと笑みを向ける。
リヴィアにとっては、それだけのことだった。
だが彼女は知らない。
自分を育てた神父が、教会の秘密組織を率いていたことを。
そして彼女の何気ない振る舞いが、その事情を知る者たちの瞳には、まるで別のものとして映っていることを。
優しい少女。
秘密裏に育てられた後継者。
得体の知れない何か。
あるいは――。
これは、ただ前より少し善く生きたい白い少女と、その姿にさまざまな意味を見る人々の物語。
- 第1話 白い赤子 (改)
- 第2話 見えない祝福 (改)
- 第3話 目覚め (改)
- 第4話 眩しい世界 (改)
- 第5話 経典より先に (改)
- 第6話 女神の子 (改)
- 第7話 大柄な司祭
- 第8話 親しみやすい男
- 第9話 艶やかな女
- 第10話 後継者という噂
- 第11話 一時保護の終わり
- 第12話 これからも、この教会で
- 第13話 知らないところで
- 第14話 見ている者
- 第15話 縫い留めた言葉 (改)
- 第16話 見られた者
- 第17話 増えた食卓 (改)
- 第18話 新しい日課
- 第19話 みんなで
- 第20話 今度は、その手を
- 第21話 変わらない袖
- 第22話 修道女の仕事
- 第23話 もう半分のパン
- 第24話 一歩の先
- 第25話 遅い成長
- 第26話 今はこのまま
- 第27話 選んだ道
- 第28話 伸ばした手
- 第29話 縛られた手
- 第30話 届いた声、届かない声
- 第31話 光のあとに
- 第32話 まだ守れる
- 第33話 裁きの意味
- 第34話 認められた道
- 第35話 救いのかたち
- 第36話 それぞれの歩み
- 第37話 選んだ一歩
- 第38話 踏み出した先
- 第39話 教わった通りに