無個性『龍』少女のヒーローアカデミア 作:角っていいよね
継血龍の朝は早い。
なんてことはない。
龍の、というか継血家の朝は遅い。というのも、"個性"の影響で「龍」の形質を持つように先祖返りした結果、大体の能力は制御可能なものの一部能力は制御不能……もとい常時発動となり、維持にエネルギーを消費し続け、休息に長い時間を要するからである。
しかし、そんな継血家にも朝からハキハキと動く一人の女性がいた。
「雷ちゃん!リューちゃん!そろそろ起きないと入学式に遅刻するよ!!」
「ゔゔゔゔゔ〜」
「あと20年……」
「早く起きなさい!」
「「イエッサー……」」
「全く……だから昨日早く寝ろってあれほど……」
「お母さーん、朝ごはんなにー?」
「昨日の残り物と味噌汁」
「りょーかーい」
「龍、忘れ物しないようにね」
「んー、ママこそカメラね」
「ウッ!」
今しがた龍に釘を刺された黄色の角に黄金の瞳を持つ、
「『雄英合格記念に旅行行こう!』って言ってわざわざカメラまで買ったのに雷ちゃんてば忘れちゃうんだもんね」
「ヤメテ……ヤメテ……」
「しかも宿になんか忘れたんでしょ?」
「うん。自分の枕でしか寝られない癖によりにもよってその枕を……」
「ぎぎだぐないっ!!」
ファンが見れば驚くであろう状況。「デンセン」は常に顔を隠しており声も滅多に出さない、その上落ち着いた発言をするためクールと思われる事が多いのだが、家でのカーストは最下位。というより、ポンコツすぎて全く頼り甲斐がなくまた怒ることも少ないため軽く見られているのだ。
「いやー、それにしても龍もついに高校生……しかも雄英高校か〜!」
「はぐらかしたな」
「だね」
「ゴホンッ!そ、そういえば私とふっしーが初めて会ったのも雄英だったよねー!」
「あ、お母さんって雄英だったんだ」
「普通科だけどね。なんか……文化祭だったかな?の時の出し物の後、『一目惚れしました!』とか言って連絡先交換を迫って来たんだよ」
「やべー奴だ」
「私の傷を抉るのは楽しいか!?」
その後もわいわいと、賑やかな朝食が続いていく。
ここは継血家。龍の血を引く
「それじゃ……行って来ます」
「「いってらっしゃい」」
───その娘は、人を救う一歩を踏み出す。「龍」として、いつか赦しを賜るために。
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「……お、教室見っけ」
どうもこんにちは。龍ちゃんだよ。
今私は、雄英高校に来ているんだ。なんでかって?そりゃあ勿論、私が受験に受かったからさ!!しかも首席だ。頑張った甲斐があったというもの。ほぼ雷落としただけだけど。というか首席なことより合格発表したネズミが校長なことにびっくりしたわ。
「失礼しまーす」
「ム……君もA組の生徒かい?」
「おー、いえすいえす。ないすとぅみーちゅー」
ドア開けたらなんか見覚えのある堅物そうなメガネが出て来た。誰だっけ。
……あぁ、思い出した。
「試験の時質問してた大声メガネか」
「い、一体どういう覚え方を……」
いやそれしかないでしょ。名前知らないし。声デカくて覚えてるだけだし。試験の風景見てたらもっとまともな覚え方だったかもしれんけど。
「私継血龍さん。今あなたの目の前にいるの」
「ぼ……俺の名前は飯田天哉だ。出身中学は……」
「必要ない。出身中学を知ったところで何になる」
「そ、そうかい?あ、君の席は……」
「私は私立流麗中学な」
「自分のは紹介するのか!?」
何でだよ。まずお前が紹介しようとしたんだから私も紹介するのは当たり前だろう?
「ありがとな飯田。これからよろしく」
「何事も無かったことにした…!?」
メガネは飯田というらしい。初日で早速友達が一人できた。嬉しい。飯田はいい奴っぽそうだし仲良くしよ。いい奴とはとりあえず仲良くなっとくに限る。
ひとまず私の席を探して座ろう、ということで席に向かったのだが……
「……お」
「……うん?って、継血さん、だっけ」
知ってる人がいた。試験で一緒になったはず。……そういえば名前を聞けていなかった。受かってたんだな。良かった。
「合ってるよ。そういうあなたは?」
「ウチは耳郎響香。よろしくね」
「ん、よろしく」
彼女の名前は耳郎響香というらしい。少しだけ話した後席についた。なんてこった、初日に二人もお友達を作ってしまった。キャリーオーバー発生中ですねこれは。素晴らしい成果だ。
他にはとりあえず前後左右と仲良くなっとこう。まずは前のあなたから!
「お前は誰だ!」
「勢い強っ!?」
「誰だと聞いているんだ。私は継血龍だ」
「お、俺は瀬呂範太!よろしくな!」
3人目ェ!
「ふぅん……君からはなかなか強い闇の力を感じるね……」
「そう言う貴様こそ、凄まじいエネルギー。まさに『龍』と言ったところか?……俺は常闇踏陰、よろしく頼むぞ、『龍』よ」
「ほぅ……面白い。君とは仲良くできそうだ。継血龍。仲良くしよう、『闇の支配者』」
(((何だあのイかれた空間!?)))
4人目ェ!!
「ねぇ、君の名前はなんて言うの?」
「………!」
「口田君ね。私は継血龍。これからよろしくね!」
(((急にまともになった!?)))
よし、5人目。これで私の席の近くの奴らとは友達になれたぜ!しかし左のが来てないな。名前を確認すると「緑谷出久」というらしい。遅いのう……先に斜めとも交流しとくか。
「ヘイ赤髪」
「……ん?俺のことか?」
「そうだ。さあ!自己紹介をしろ!」
「テンション高いな!俺は切島鋭児郎!よろしくな!」
「私は継血龍。今日の朝ご飯は昨日の唐揚げの残りだ」
「その説明いるか?」
6人目。この調子で全員私の友達にしてやるぜ!
「ねぇそこのヤンキー」
「……テメェ、そりゃ俺のことか?」
「……え?他にもヤンキーいる?」
「ブッ殺されてえようだなテメェ!」
普通に話しかけたらなんかキレられたんだが?やっぱヤンキーって怖いね。何でこの教室にいるんだこいつ……
「まぁ落ち着いて。髪型と目が凄く尖ってしまっているよ」
「髪は元からじゃボケ!!」
「君ってもっと怒ったら目が吊り上がりすぎて一周したりしないの?」
「する訳ねえだろ馬鹿が!」
「つまらん男だ……」
「俺をイラつかせんじゃねぇよクソモブがぁぁぁぁぁぁ!!」
なんか急に叫び出したぞ!?大丈夫かコイツ!?
「持病か!?」
「黙れや!!」
なんか怒られた。何でだよ。泣いていいか?
というかもうだいぶ集まって来たけど謎の緑谷とやらはまだ来ないんか。と思ってたら入り口に頭からワカメを生やした奴が居た。私の直感が囁いている……あれこそが緑谷だと…!
「ヘイユー、ホワッツユアネーム」
「えっ!?英語!?えーっと、ま、まいねーむいず……」
「ソーリー、アイキャントアンダスタンドイングリッシュ」
「なんで英語使ったの!?」
だって格好いいじゃん。憧れは止められないのさ!
「ぼ、僕は緑谷出久、です!」
「私は継血龍。至って普通の女の子だ。隣の席だからよろしくね!」
「は、はい!」
やはり緑谷だったか。にしてもコイツ……
私の「目」は特殊である。単に見た目が、というのもあるが、私の目は大体のものを見通す事ができる。「龍」の常時発動能力のうち一つ、「龍の目」。人の目には見えないようなものを見る事ができる。受験の時もこれを使って地面に埋まってたロボットを発見して壊した。非常に有用な能力である。これのせいで頭痛起きる時とかあるしメリットだけじゃないんだけど。
閑話休題。
まぁ今時エネルギー量が多い"個性"なんていくらでもあるし、どうでもいっかぁ!という感じで、緑谷と別れて席に着いたんだけど……
「お友達ごっこがしたいなら他所へ行け……ここは」
「ヒーロー科だぞ」
───親愛なる二人の我が母へ。
───どうやら私がここで初めてすることは入学式ではなく、警察に通報することのようです。
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Profile→継血雷槍(つぐちらいそう) 実年齢40歳。誕生日4月1日。
髪は金髪ロング、瞳は常に金色。身長162cm。断崖絶壁。「雷撃ヒーロー デンセン」として活動中。ポンコツ。
龍の血を引く人間。"個性"は「速度上昇」。
龍の「ママ」。腐飾の妻。腐飾のことを「ふっしー」と呼ぶ。親に「水流ヒーロー ダクリュウ」がいる。彼は青い角と水色の目を持つ。"個性"は「増水」。
正体不明のヒーローでありクールな印象を受けるがファンの事を腐飾と龍の次に大切に思っている。
好きなものは家族とファン。趣味は旅行。
ネコ。
寝て起きたら続きが書かれてないかな。ないか。