「いいですか皆さんッ! 確かに転売バイヤンと『強そうな人』を打ち破った功績は認めます! ですがッ! 他社様の格闘ゲームの超必殺技や、伝説の格闘漫画のフィニッシュホールドを勝手にアレンジしてぶちかますなど、カルデアのコンプライアンス管理担当として断じて見過ごせませんッ!!」
ツルツル天空城の最深部、重厚な装飾が施された黄金の大門の前。
マシュ・キリエライトの怒号が廊下に響き渡っていた!
手帳をこれでもかと振りかざし、仁王立ちで説教を繰り出すマシュの前に正座させられているのは……なんとあのネロ・クラウディウスとジャンヌ・ダルク〔オルタ〕の二人!
「むぅ……奏者(マスター)よ、助けておくれ……マシュのこの眼光、ローマの闘技場で出会ういかなる猛獣よりも恐ろしいぞ……」
ネロがドレスの裾を小さく握り締めながら、立香へ助けを求めるように上目遣いを向ける。
「チッ……なんで私がこんな小娘に説教されなきゃいけないのよ……! 焼き払ってやる……後で絶対に焼き払ってやるんだから……ッ!」
ジャンヌ・オルタは顔を背けながらブツブツと呪詛を吐き捨てるが、マシュの「ジャンヌさん、何か仰いましたか……?(ゴゴゴゴ……)」という冷徹な声覚に「な、何も言ってないわよッ!」と即座に姿勢を正す始末!
「あはは……マシュ、気持ちはすっごくよく分かるんだけど、そろそろ扉の向こうに突入しないと……」
立香が苦笑いしながらフォローを入れるが、マシュのお説教エネルギーによって廊下全体にはどよんと重苦しい『萎縮オーラ』が立ち込めていた。
「ぬうぅぅ……マシュの説教パワーの前に、俺のハジケ魂まで『しょんぼりモード』になっていくぬ……」
天の助がシナシナに萎びたトコロテンになり果てる!
「おいボーボボ! お前からも何か言ってやれよ! このままじゃ突入する前に俺たちの精神が正座で痺れ切っちまうぞッ!」
首領パッチがボーボボのツナギの裾を激しく引っ張る!
だが――
「……いや、待て」
ボーボボは首領パッチの言葉に耳を貸さず、深く被ったサングラスの奥で、目の前に立ちはだかる「黄金の大門」をじっと見つめていた。
その背中には、いつものハジケリストとしてのギャグオーラではなく、どこか重々しく、そしてどこか懐かしい『因縁』を感じさせるシリアスな気が漂っている。
「ボ、ボブ……? 一体どうしたの……?」
ビュティが不安そうにボーボボの顔を覗き込む。
「……感じないか、ビュティ。この扉の奥から漂ってくる、あの『嫌な科学の匂い』を……」
ボーボボが低い声で呟いた。
「科学の匂い……!?」
ヘッポコ丸が思わず息をのむ。
その瞬間――!
ギィィィィィィィィィッ……!!
誰が触れたわけでもないのに、目の前の黄金の大門がゆっくりと重低音を立てて開き始めた!
門の奥から溢れ出すのは、妖しく明滅する紫色と緑色のサイバー光線、そして巨大な宇宙戦艦のメインコンピューターが発する重低音の稼働音!
『フハハハ……ハッハッハッハ! よくぞ来たな、毛深きハジケリストども、そしてカルデアのマスターよッ!』
大広間の奥、高々と設置された漆黒と黄金の玉座。
そこに深く腰掛け、両肘を肘掛けに置いて下を見下ろしていたのは――
黄金の甲冑を全身に纏い、頭部から眩いばかりの光(※毛根殺しの輝き)を解き放つ、ネオマルハーゲ帝国最高権力者**ツルツルリーナ6世**!
「出たわね、ツルツルリーナ6世ッ!」
マシュが説教を中断し、すぐさまシールドを構えて立香の前に立つ!
「ツルツルリーナ6世! あんたの『全宇宙ツルツル化計画』も、転売バイヤンの悪事もここまでよ! 一体あんたは何者なの!? なんでこんな無茶苦茶なことをするのよッ!?」
ビュティが玉座に向かって勇ましく言い放った!
すると――
ツルツルリーナ6世は、くっくっく……と肩を揺らして不気味に笑い始めた。
『フハハハ……私の正体だと? ビュティよ、そしてボーボボよ……貴様らは本当に、この私の顔を忘れてしまったというのか……?』
「な、なんですって……!?」
ツルツルリーナ6世が、ゆっくりと自分の黄金のヘルメットへと手を伸ばす。
プシューッ……という高圧ガスの噴出音とともに、ヘルメットがゆっくりと持ち上がり、その下に隠されていた真の素顔が白日のもとに晒された!
そこに現れたのは――
鋭く尖った巨大な鼻! 眉間に刻まれた深い皺! そして怪しげな丸メガネと白衣を纏った、あの忘れもしない異形の悪魔的マッドサイエンティストの顔面であった!!
「「「が、画策と悪知恵の塊――**ドクターバイキン王**ーーーーーッ!?!?!?」」」
ビュティ、ヘッポコ丸、そして首領パッチの目が目玉焼きの如く飛び出した!
そう、ツルツルリーナ6世の正体とは、かつて旧マルハーゲ帝国において数々の凶悪な兵器や毛狩りメカを開発し、ボーボボたちを苦しめて倒されたはずの**ドクターバイキン王**その人だったのだ!
「な、なんであんたがネオマルハーゲ帝国の皇帝になってるのよーーーーっ!? 過去のボスラッシュ枠じゃないのッ!?」
ビュティの魂の叫びが玉座の間に響き渡る!
ドクターバイキン王は白衣をバサリと翻し、冷酷な笑みを浮かべながら立ち上がった!
『フハハハハ! 驚くのも無理はない! かつて旧マルハーゲ帝国が貴様らハジケリストどもの暴走によって崩壊したあの後……私は失意の底で宇宙の果てへと流されることとなった!』
ドクターバイキン王が激しい身振り手振りで語り始める!
『だが! 私は諦めなかった! ボーボボ……貴様らへの深き憎悪! そして我が科学力(とパロディ技術)を全宇宙に見せつけるという執念だけで、私は暗黒宇宙の果てで新たな技術を開発し、宇宙規模の軍備を整え……この**ネオマルハーゲ帝国**をゼロから創り上げたのだッ!!』
「ゼロから創り上げただと……!?」
立香が驚愕の声を漏らす!
『そうだッ! 転売バイヤンを配下に収めたのも、胃袋特異点を悪用してパロディ同人誌を世界中にバラまいたのも、すべては我が帝国の軍資金稼ぎと、カルデアの戦力を攪乱するための計算通りの布石! 我が真の目的はただ一つ……!』
ドクターバイキン王が、鋭い爪をボーボボに向かって突きつけた!
『ボーボボ! 貴様らハジケリストと、それに肩入れするカルデアをこの全宇宙から完全に消し去り! 旧マルハーゲ帝国の無念を晴らすことッ!! そして全人類の毛根と萌えアニメのフワフワ髪をツルツルにして、我が『バイキン帝国』の真の絶対支配を確立することなのだぁぁぁッ!!』
ドクターバイキン王の凄まじい叫びとともに、玉座の間の床が激しく振動!
彼の背後の壁が観音開きに割れ、そこからおどろおどろしい巨体を現したのは――
ドクターバイキン王の怨念と超科学力の結晶、超巨大決戦兵器**『ツルツル・バイキンメカ・ギガMAX』**であった!!
「ククク……ハッハッハ! 命乞いなら今のうちに聞き届けてやるぞ! 我が復讐の科学の前に、死に絶えるがいいッ!!」
復讐に燃える旧帝国の遺物・ドクターバイキン王の凄まじい執念と、超巨大決戦兵器のプレッシャー!
果たしてボーボボと立香たちは、この最大最後の危機を乗り越えることができるのか!?
「フハハハハ! 泣け! 叫べ! そしてハジケの歴史とともに消え去るがいいッ! 我が怨念の超科学力、**『ツルツル・バイキンメカ・ギガMAX』**の威力を思い知れぇぇぇッ!!」
ズズズズズズズズズズン……ッ!!
玉座の間の天井を突き破り、地鳴りのような重低音とともに降臨した超巨大決戦兵器!
その全貌は、無数の毛狩りドリルとバイキン砲、そして怪しく光るハイパー・ツルツルレーザー砲塔で埋め尽くされた、まさに「悪の科学の超巨大集合体」!
「死ねぇぇぇッ! **『ハイパー・バイキン・ツルツルビーム』**照射ァァァッ!!」
ドドババババババババババババッ!!!!
『ギガMAX』の全身から一斉に放たれた破滅の極太レーザーが、玉座の間全体を呑み込む!
「くっ……! マシュ、宝具展開だッ!」
「はいッ! **『いまは遥か理想の城(ロード・キャメル)』(※簡易展開)**ッ!!」
マシュが間一髪で展開した白亜の城塞の仮想壁!
しかし――
ドガァァァァァァンッッッ!!!!
「な……ッ!? 宝具の防御障壁が……メリメリと削られていきます……! 相手の攻撃に『ハジケ属性』と『アンチ・サーヴァント特効』が二重で付与されていますッ!?」
マシュがシールドを必死に支えながら、悲鳴のような声を上げる!
「ふハハハ! 無駄だ無駄だぁッ! 我がバイキンメカは、過去に貴様らが繰り出した無数のパロディ・ハジケデータをすべて解析済み! カルデアの概念礼装も、ハジケリストの理不尽なギャグ補正すらも無効化する『絶対論理(アンチ・ギャグ)シールド』を搭載しておるのだッ!!」
ドクターバイキン王が高笑いを上げる!
「ウソだろおい!? ギャグ補正が無効化されたら、俺たちの存在理由の8割が消えるじゃねえかーーーーーッ!?」
首領パッチが目玉を飛び出させて叫ぶ!
「ぬわぁぁぁぁっ! ギャグ補正がないトコロテンなんて、ただの『カロリーゼロの水分』だぬーーーッ!」
天の助が物理法則に従ってペチャンコにつぶれていく!
「くっ……ボーボボの鼻毛真拳まで弾かれてる! 冗談抜きで大ピンチだよマスターッ!」
ヘッポコ丸が歯噛みする!
まさに絶体絶命! ギャグ補正を封じられ、超科学の威力の前にジリジリと後退を余儀なくされるカルデアとボーボボ一行!
その時である!
「へっ……おいおい、どいつもこいつも景気の悪いツラしてんじゃねえよ!」
暗雲立ち込める戦場に、軽快な足音とともに跳び出してきたのは――真っ赤なタイツを身に纏い、朱色の槍を軽々と肩に担いだランサー、**クー・フーリン**!
「クー・フーリン!? 無茶だ、相手はハジケ補正も無効化する絶対シールドを——」
立香が制止しようとするが、クー・フーリンは不敵にニヤリと笑ってみせた!
「ハッ! 相手が『論理(ギャグ無効)』で来るなら、こっちはそれ以上の『超論理』でぶつかればいいんだよ! 俺にいい考え(アイデア)があるッ!」
「えっ……ク、クー・フーリンさんの『いい考え』……!?(※嫌な予感しかしない)」
マシュの頬に冷や汗が流れる!
「おいアフロ! そしてトコロテン! 俺の槍の穂先に『ゲイ・ボルクの必中呪言』と『トコロテンのタレ』を同時注入する! これをあいつのメカの排気口に突き刺して、内部から『因果を逆転させたトコロテン爆破』を起こすんだッ!!」
「「「なにそのメチャクチャな付け焼き刃の策ーーーーーっ!?!?!?」」」
ビュティの魂のツッコミが響く!
だが、ボーボボは力強く頷いた!
「乗ったぜクー・フーリン! 必中の槍+トコロテンのタレ=**『因果逆転・三色トコロテンシュート』**だッ!!」
「行くぜぇぇぇッ! 突けッ! 穿てッ! **『刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)〜トコロテン味〜』**ッ!!」
クー・フーリンが音速の踏み込みから、朱色の閃光を放つ!
因果を逆転させ「心臓(排気口)に刺さった」という結果を先につくる絶対の魔槍が、『ギガMAX』の弱点めがけて一直線に飛んでいく!
「勝った! これで内部から崩壊――」
カコォォォンッ!!
「なッ……!?」
なんと、『ギガMAX』の排気口から突如として「大量のクーラー室外機とバイキン防護ネット」が自動展開!
必中のゲイ・ボルクは虚しくネットに引っかかり、そのまま『物理的なクーラーの風』で明後日の方向へパカーンと吹き飛ばされた!
「ぐはぁぁぁぁっ!?」
クー・フーリンが自分のはね返った槍の柄で後頭部を強打して崩れ落ちる!
「「「付け焼き刃の策が1秒で撃沈されたーーーーーっ!?!?!?」」」
「ハッハッハッハ! 愚か者めがッ! このドクターバイキン王の科学力を見くびるな! ゲイ・ボルクの因果逆転など、我が『エアコン室外機・風圧防御システム』の敵ではないわッ!」
ドクターバイキン王が狂喜の高笑いを上げながら、メカの最大出力レバーを限界まで押し倒す!
「これで終わりだッ! 全エネルギー開放! **『バイキン・ギガ・ツルツル・キャノン』**発射ァァァッ!!」
ズドォォォォォォォォォォンッッッ!!!!
太陽の如き閃光が爆発!
クー・フーリンは撃沈、マシュのシールドも破られ、立香、ビュティ、ヘッポコ丸、そして首領パッチと天の助も吹き飛ばされ、床に伏せて絶体絶命の煙が立ち込める……!
「くっ……ここまで……なのか……!?」
立香が膝をつき、悔しさに拳を握り締める。
「ふ、ふはは……どうだ、我が完璧な勝利だッ! 立ち上がる力など、もう誰も残ってはおらんわッ!」
ドクターバイキン王が煙の向こうで勝ち誇る。
――だが。
シュシューッ……と立ち込める蒸気と紫煙のただ中。
ゆっくりと、しかし確実に立ち上がる、ひとつの巨大な影があった。
眩しい黄色のアフロヘア。
黒いサングラスの奥で、ギラリと妖しく輝く鋭い瞳。
**ボ ー ボ ボ** である!
「……おい、バイキン」
ボーボボの低く重厚な声が、崩壊しかけた大広間に静かに響き渡る。
「な……なにッ!? まだ立てるというのか……!? ギャグ補正も無効化され、頼みのサーヴァントの策も破られたというのに……なぜだッ! なぜお前たちは諦めないッ!?」
ドクターバイキン王が動揺を隠せずに叫ぶ!
ボーボボは、静かに自分の両拳を握り締めた。
その背後に、傷つきながらも立ち上がる首領パッチ、天の助、そして「マスター、まだ行けます!」と目を輝かせる立香とマシュの姿が重なる!
「理由だと……? そんなもん、決まってんだろ」
ボーボボが大きく息を吸い込み、全宇宙の毛根とハジケリストたちの魂をその胸に満たしながら、高らかに叫んだ!
「**俺たちの『ハジケの心』は……どんな超科学やアンチシールドごときじゃ、1ミリも削りきれねえからだァァァッ!!**」
「「「そうだーーーーーッ!! 俺たちのバトル(ハジケ)は、ここからが本番だーーーーーッ!!!!」」」
首領パッチと天の助、そして立香の叫びが一つになり、絶望の空間を黄金のハジケオーラが貫き通す!
敗北のフチから何度でも蘇るハジケリストたちの不屈の魂!
絶体絶命のピンチを越えて、物語はついに真の最終決戦・第23話へ向かって爆発する!!
(第22話・完! 怒濤の超クライマックス・第23話へ続く!)