東方剣創記   作:スペイン

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私だけなのかもしれないが、私は、目を瞑ると安心する。

どんな場所でも、目を瞑れば見えてくる景色は真っ暗だ。

変わらない景色というのはとても安心する。

それに加えて、耳を塞いでみれば自分だけの空間にいるかのような気持ちになれる。

心に余裕を持ちたいとき、わたしはそうする。

そうするのに・・・今は、真逆だ。

目を瞑ることで、耳を塞ぐことで、私は自分の心臓が跳ねる音に集中することとなっていた。

それもこれも、全てはこの男のせいだ。




番外編5 上白沢慧音のお悩み

「マッサージ?」

 

たまの休日、寺子屋に行くこともなく縁側でお茶を楽しんでいた私のもとを訪れた衛宮士郎が提案してきたのはそんな話だった。

 

「あぁ、実は得意なことの一つでさ、普段からお世話になってる慧音に何か恩返しがしたいと思って、思いついたのがマッサージだったんだ」

 

「お世話になってるって・・・はぁ、助かっているのはこっちなんだけれども、士郎が寺子屋で働いてくれるようになってから山根先生もどこか明るくなられたし、女性職員の中には士郎の作ってくるスイーツがこの世の癒しと言い出す者もいる。士郎にこそ助けられてばかりだ」

 

その言葉に士郎は笑顔で喜びながらも、優しげな目をして私を見つめた。

 

「俺は寺子屋の先生に恩返しをしたいんじゃないんだ」

 

 

意味がいまいち伝わらない、寺子屋の先生ではないとすれば、私でもないのでは?

 

「俺が恩返ししたいのは、上白沢慧音っていう一人の女性だ」

 

あぁ、こいつはこうやって自覚のないところで私を少しだけ喜ばせる。

 

同僚として意識されているのではと思っていたが、なんだ。

 

私のことをきちんと女性として見てくれているのではないか、

 

いや、別に私が士郎のことを好きとかそういうわけではないのだ。

 

ないのだが・・・

 

女性として生まれた以上は女性として見てもらいたいものなのだ。

 

「そうか・・・なら、してもらおうかな」

 

そんな嬉しさに包まれた私が断れるはずもなく、私は士郎からの申し出を了承した。

 

「それじゃあ、少し準備してくるから居間でこの服に着替えて待っててくれ」

 

そう言って、士郎は私にバスローブのようなものを手渡した。

 

・・・ん?

 

「えっと、士郎・・・私の目がおかしくなければこれは・・・」

 

「あぁ、バスローブだ、あ!それと下着はつけてもつけなくてもいいからな」

 

し、下着!?

 

何故下着が関わってくるのだ!?

 

ま、マッサージってもしかして全身なのか!?

 

私はてっきり肩揉みとかそういうものだと思ったのだが違うらしいぞ!

 

「それじゃあちょっと待っててくれ!」

 

抗議の声をあげる暇もなく、士郎はどこかへと走り去ってしまった。

 

「あ、あぅ・・・し、仕方ない、着替えるか」

 

家の中へと引っ込みながら、私は襟元へと手をやって自分の着用している下着を確かめた。

 

・・・ふむ

 

も、もう少し可愛らしいものに変えておいたほうがいいのだろうか。

 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 

「慧音、ただいま」

 

そう言って士郎が持ってきていたのは、

 

やわらかそうなマット、ローション、不思議な・・・湿布?それと、ロウソク?

 

居間で一人、バスローブ姿で待っていた私はどうすればよいのだろうかとギクシャクしていた。

 

士郎は早速マットをそこに敷くと、そこにうつ伏せの状態で寝転がるようにと促された。

 

寝転んでみると、マットはひんやりとしており、夏真っ盛りの現在の気温には優しい、心地よい温度だった。

 

うつ伏せに寝転んだ私は胸元に苦しさを感じながらも次に士郎がしてくることが何なのだろうかと警戒した。

 

マッサージで、うつ伏せの体制といえば行うことができるのは肩や腰だろうか・・・いや、脚からという可能性もあるな、

 

ま、まさか先ほどのロウソクで私の背にロウを垂らしたり・・・?

 

そう思案していた私の期待をよそに、士郎がまず手を伸ばしたのは

 

「あ、ちょっとどけるな」

 

「ひゃっ」

 

私の髪だった。

 

背中を隠すように伸びていた私の髪、そこに櫛を通すような優しい手で士郎は髪をよけた。

 

その際に触れた背中、その触れた感覚がどうにもこそばゆくて変な声をあげてしまった。

 

「んで、これをつけてっと」

 

士郎は持ってきたロウソクに火をつけると、燭台の上にそのロウソクを置いた。

 

ふわりと香る花の香り、ラベンダーだろうか?心が落ち着いていく。

 

「少し乗るぞ」

 

そう言うと士郎は私の脚を自分の足で挟む形で私に馬乗りになった。

 

「ん・・・すこし前に出るぞ」

 

士郎の体温と体重をももで感じる。

 

恥ずかしさで背中に汗をかいていないだろうかと心配になる。

 

そして、士郎の手が伸びてきた。

 

肩甲骨の下、そして少し内側の辺りへの圧。

 

「ふぁ・・・くっ、ん・・・」

 

押し込むような指使い、じわりと染み込むような熱の訪れに驚きと悦の声が漏れる。

 

指を当てられたその部分からまるで波紋のように熱が広がり、私は心地よさに包まれた。

 

「くぅ・・・っあ、んぅ」

 

指から圧がかけられるたびに、その都度違う形の気持ちよさが襲い来る。

 

全てが同じような感覚ならまだしも、予想を超えてくるその気持ちよさに私の口元は結ぶことをわすれ、自然と声を漏らしていた。

 

「はっ・・・あ、あぁ・・・ふっ・・・」

 

目元が段々と熱くなってきて、眠たさにも似た気怠さが体を包む。

 

「慧音、少しバスローブ緩めるぞ」

 

次に指が添えられたのは背中の中央、背骨の通る線から少し外側のところ。

 

揉むような指使い、くすぐったさと、そこに交じる心地よさと呼ぶには大きすぎる快楽が私を責めた。

 

「どうだ?気持ちいいか?」

 

問うてくる士郎に答えを返そうと口を開くが、そのタイミングで士郎が強く揉み込んだせいもあって肺にあった空気を全て出したのではと思える程の溜め息が漏れた。

 

「んはぁっ・・・あっ、あぁ、きもち、いいぞ」

 

緩められ、バスローブは段々と上半身をさらけ出す形へと変わっていく。

 

確かに伝わってくる熱、熱というよりも、温かさ。

 

外側へと広げるように、(てのひら)を使って圧をかけ始めた辺りから私は考えがまとまらなくなってきていた。

 

気がつけば、バスローブは完全に開かれ、上半身をさらけ出す形になっていた。

 

士郎はマッサージの手を緩めると、持参したローションをその手に塗りたくった。

 

ゆっくりと、ゆっくりと士郎の手が私の背中へと近づいてきた。

 

粘液、粘着質とまでは呼べないものの、水とは違う感触、肌を熱が這う感覚。

 

段々とその範囲は広がっていき、やがては私の背中全体を覆った。

 

「んっ・・・んん」

 

背中が士郎に支配された。

 

そんな思考がふとよぎった。

 

背中全体を揉みほぐす。

 

「ふぅ・・・ん、ふぅ」

 

内から外へ、揉みほぐしていく。

 

気持ちよさと恥ずかしさ、声を我慢しようとすればするほどにそれらは高まっていく。

 

刺激、刺激、刺激、何度繰り返されるのか、うなじを

 

「ひゃうぅ」

 

そこから下へと移りゆき揉みほぐし

 

「だめ、せなか・・・あったかくなって・・・」

 

時に強く。

 

「や、あぁ・・・も、もっと、やさしく・・・してくれ」

 

時にきわどく。

 

「し、しろ・・・そこ、だめ・・・」

 

時に、甘く。

 

「慧音、声がすっごい気持ちよさそうだな」

 

「いわ、ないでぇ・・・はぁあっ、んぁ」

 

まるで悪魔のようなマッサージ、慧音はそのマッサージの虜になりつつあった。

 

「じゃあ次は腰な」

 

親指をもって、ほぐされていく筋肉。

 

まるで羽毛布団のように形をかえる慧音の肢体はローションのせいもあって輝いていた。

 

腰から来る刺激は、もはや快楽だった。

 

「んっ・・・んっ・・・くっ・・・はっ・・・」

 

親指に力が込められるたびに走る電流、熱が下腹部へと染み込むように伝わる。

 

「だ、だめだしろっ、しろう・・・そこ、おかしいっ・・・」

 

気持ちよすぎる。

 

気持ちよすぎて、思考を放棄したくなる。

 

抗議の声さえも、甘さを持った媚びた声になってしまう。

 

「やだっ・・・はぅ・・・き、きかないでっ・・・」

 

自分で、自分へと聞こえてくる声に恥ずかしさを覚える。

 

「あっ・・・ふっ・・・んっ・・・」

 

漏れる。

 

声だけじゃない、このままだとおかしなことを口走ってしまいそうだ。

 

「しろぉ・・・」

 

新しくローションを追加したのだろう。

 

粘着質な液体が体を蹂躙する。

 

暖かさがさらに深く染み込み、さらに深い快楽へと誘われる。

 

「んやぁ・・・あっ・・・それだめぇ・・・」

 

心地よさはついには言葉にまで現れ、いつもの口調すらも崩れ始めていた。

 

聞きたくない、聞きたくないけど、この声を士郎に出させられていると思うと、不思議な気持ちになってしまう。

 

気持ちいい、でも、これはマッサージが気持ちいいのだろうか。

 

それとも、士郎が気持ちいいのだろうか。

 

「わか、んない、わかんなくっ・・・なる・・・」

 

頭の中が液体で満たされるような、何かに浸るような、溺れるような。

 

 

 

そんな、快楽。

 

 

 

「ははっ、くすぐったそうにしてる声ってやっぱり聞かれるの恥ずかしいのか?」

 

くすぐったそうにしているわけではないのだが、士郎の勘違いが今回ばかりはありがたい。

 

それなら・・・と、士郎は何かを取り出した。

 

「ほら耳栓、自分の声が聞こえても恥ずかしいって人がいるからさ、これ付けるといいぞ」

 

「そ、そうか・・・ありがたい」

 

士郎が手を伸ばし、耳栓を耳へとつけてくれる。

 

「ん・・・」

 

耳へと触れた士郎の手が、指が、ゴツゴツとしたその確かなものが興奮を助長する。

 

耳栓を装着した。

 

あぁ、確かに周囲の音が何も聞こえない、これは便利だ。

 

これなら少し落ち着ける・・・

 

「よし、じゃあいくぞ」

 

「んひゃあぁ!」

 

腰への圧、あぁ、気がつくのが遅かった。

 

目元への熱で瞼は重く。

 

耳栓の効果で音は無い。

 

結果、触れられることで感じる刺激が何倍にも・・・!

 

 

 

 

 

 

「よしっ!マッサージを続けるぞ!」

 

 

 

 

 

 

勘弁してくれ・・・!




たんに!

卑猥なものが!

書きたかっただけです!

お酒に酔ったペースで書いたのでもしかしたら、本当にもしかしたら後で冷静になった自分が消すかもしれませんのでもしかしたら期間限定公開になるかもしれません。
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