最終話 トゥルーエンド。
「さて……それでは、世界を作り変えましょうか」
女神ユウガが、あっさりと、そう言った。
「――まずは、猛田と綾大路を、男にしましょう」
「は? え、なんで?」
「いいですから」
強い口調で言われて、仕方なく、【世界を改変する】を実行する。
世界を作り変えるのは、拍子抜けするほど簡単だった。
項目を選んで、対象を指定して、決定するだけ。
……猛田を男に改造……
あの生意気なメスガキを、生意気なクソガキにすることに何の意味が……
「次に、時間を戻しましょう。かなり大幅に……猛田たちが生まれた時ぐらいに。そこで、トウシも生まれたことにするんです」
「……そんなこともできるのか。自由自在だな……」
ふと、疑問が浮かぶ。
「この世界改変の力で、ゾーコとやらを倒せばいいんじゃ……」
「できそうな項目、あります?」
言われて、頭の中の一覧を、もう一度、見直す。
上から、下まで。
「……確かに……ないかも」
「53万を殺すというのは、そう簡単のことではありません。ちなみに、私は、ずっと最善だけを提案しているつもりです。それが気に食わないなら、私のことは無視してくださって結構です」
その後も、さらに、色々と調整を加えていく。
やがて、ユウガが、小さく、息をついた。
「終了です。お疲れ様です」
そして、俺の目を、まっすぐに見て、
「……あとは、先生が、内側から、トウシを導いてあげてください」
「ちなみに、方法ってこれしかないのか?」
「トウシを使わずに、先生だけに全てを託すという方法もあります。しかし、その場合、ゾーコを殺せても、先生が死ぬ可能性が高いです」
「……そうなんだ……」
目の前には、眠ったままの少年。
砦トウシ。
「……融合か……融合ねぇ……まあ、しゃーない」
小さくぼやいてから、
俺は、【対象と融合する】を実行した。
体が、光の粒子になって、ほどけていく。
ほどけた俺が、少年の体の中へと、吸い込まれていく。
――気づけば、俺は、トウシの内側にいた。
外の景色が、少年の目を通して、ぼんやりと見える。
声は出せない。
体も動かせない。
ただ、ここにいる、という感覚だけがある。
(頼むぞ、トウシ……)
心の中で、呟く。
(お前のステータスは完璧だ。お前なら……勝てるはず……)
レベル53万の怪物。
異世界帝王ゾーコ。
正直どうやって勝ったらいいのかわからないが……
(レベル53万の敵を、どうか……殺してくれ……)
『名字が田中になる』に続くエンドーー
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