常盤経蔵と珠緒の依頼を熟してから暫く経過した、ある日の週末。比名子は居間で荷物の準備をしていた。
荷物を準備している理由は、美胡が受け持っているバスケ部の合宿があるからだ。週末の合宿に美胡も参加する事になるのだが、マネージャーの子達が用事(葬式だったり、結婚式だったり)があって行けなくなり、顧問の先生から代わりに行けそうな子を探して欲しいと言われ、比名子に声を掛けたのだ。ただし、汐莉もその場に現れてまたもや二人で喧嘩する形になるのだが、比名子は美胡の頼みならと引き受けてくれた。
そして今日が週末。荷物を纏めて、合宿先に向かう準備は整えた。
比名子「……よし」
比名子は鞄に荷物を纏めた。
比名子「行こっか。留守番、お願いね」
比名子は玄関から外に出て、家に鍵を掛ける。泥棒が入って来ても特に盗むものは無いとは思うが、念の為に家には留守番をさせる怪異を忍ばせている。
伽椰子『アアアア…………』
俊雄「ミャー……」
ゆきおんな「いってらっしゃい、比名子」
貞子『―――』
家の留守番を任せたのは、伽椰子と俊雄、そして以前の依頼で全てを凍らせる冷気を操るゆきおんな、そして伽椰子に並ぶ現代怪異最強格の一角にして、顔が長い黒髪に覆われて見えない少女の霊、山村貞子だ。
貞子もまた、比名子と美胡が苦戦した現代怪異である。呪いのビデオを見た人間に1週間の猶予を与えて、1週間後に呪い殺しに来る現代怪異だ。彼女もまた強く、多くの霊媒師や呪術師の手も借りた。かの経蔵と珠緒のコンビも凌ぐ、比嘉琴子の手も借りて、漸く弱らせて比名子が取り込んだのだ。今では家の留守番を任せられる、最強のセコムである。
比名子が出発した直後、4人は居間に移動する。静かになる家の中で、四人はそれぞれの方法で寛いでいた。
俊雄「……ゴロゴロ」
俊雄は床でゴロゴロと喉を鳴らしながら寝転んでいる。
伽椰子『アアア……』
伽椰子は洗い終えてある程度乾いた皿を、食器棚に片付けている。
ゆきおんな「今日は何をして過ごしましょうか」
ゆきおんなは窓から差し込む日向を浴びて、日光浴をしていた。
貞子『―――』
しばらく沈黙した後にテレビを眺める。そして、テレビが勝手につく。
ゆきおんな「……貞子さん?」
貞子「―――」
伽椰子「アアアア……」
俊雄「ミャー」
全員「…………」
テレビには怪談番組が入る。但し、比名子はテレビ番組が見られるように繋げてはいない為、比名子が留守の間は貞子の力でテレビ番組を見られるようにしているのだ。
ナレーション『続いては、今夜の特集――あなたの知らない恐怖の世界をお見せしましょう。今回のテーマは……『呪いのビデオ』と『エルム街の噂』です』
伽椰子『アアアア……?』
俊雄「ニャウ?」
ゆきおんな「呪いのビデオって、貞子さんの事かしら?」
三人は貞子を見つめる。
貞子『―――』
貞子は耳鳴りのような音を立てるだけで、画面を見つめて何もしない。呪いのビデオに関する考察を四人で淡々と見つめながら、次の話題に入る。
ナレーション『呪いのビデオに関する考察は以下の通りでした。次は、『エルム街の噂』について語って行きましょう』
ゆきおんな「エルム街って、もしかして海外かしら?」
伽椰子『アアアア………』
貞子『…………』
ゆきおんな「……分からないわね」
俊雄「ミャー」
貞子と伽椰子は、エルム街を中継する映像を凝視していた。そして、取り上げられた新聞には、不自然な塗りつぶしが所々に見られる。ゆきおんなと俊雄は、首を横に傾げるだけだ。
女子アナ『ご覧の様に、エルム街の古い新聞の一部分は、いずれも黒く塗りつぶされています。エルム街では過去に、子供を狙った奇妙な事件が相次いでいました。しかし、その事件について記録された新聞記事の多くが、現在では何者かによって黒く塗りつぶされています。まるで、その事件を忘れさせようとしているかのようです』
まさかそのニュースが切っ掛けで、比名子達が新たな怪異の事件に遭遇するとは、思いもしなかったのだった。
――――――――――――――――――――――
合宿先。電車にガタゴトと揺られ、都会の喧騒から少し離れた先にある、体育館が隣にある大きな建物だ。
汐莉「ここが合宿所、ですか」
比名子「みたいだね」
すると、体操服に着替えていた美胡が、二人の元に来た。
美胡「比名子。比名子達は食堂に。オーナーがそっちに居るから挨拶に行ってだって」
比名子「うん。美胡ちゃんも、練習頑張って」
美胡「もっちろん!あっ、お前は比名子に変な事すんなよ?」
汐莉「早く練習行ってくださーい」
美胡は比名子に元気よく返事を返すと、汐莉の方へすぐに向いて詰め寄る。
そして、比名子と汐莉は二人で食堂へ向かう。
食堂に付くと、初老の女性が出迎えてくれた。おおらかで優しい雰囲気があるが、左腕にはギプスをしている。
オーナー「よろしくねぇ。八百歳さんに近江さん。マネージャーの代わりなんて偉いわねぇ」
汐莉「いえいえ。それより、その腕は?」
オーナー「ああっ。階段から転んじゃったのよぉ。でも大丈夫よ。難しいお仕事はパートさんがやってくれるから。ね?あやめさん」
オーナーがそう言うと、暖簾を潜って、野菜をたっぷり詰めた籠を抱え一人の女性が、ピンク色のエプロンの端を揺らしながら入って来た。大きな三つ編みを後頭部に垂らしていて『口』の形をした髪留めを二つ付けている。また、溢れんばかりの母性を感じさせる柔和な女性だと、比名子は感じていた。
しかし、それと同時に別の気配も感じ取っていた。あまりにも人としての気配が強過ぎて上手く読み取れなかったが、確かに感じるのだ。
比名子「……始めまして。八百歳比名子です」
汐莉「……近江汐莉です」
汐莉も同じく、あやめからとある気配を感じていた。
あやめ「千羽あやめです。分からない事があったら、聞いてくださいね」
比名子「……よろしくお願いします」
あやめ「よろしくね」
比名子はあやめと挨拶を交わした時に、嘗て人間社会に上手く溶け込んでいた妖怪に似た気配を感じ取り、確信に変わる。
千羽あやめは、妖怪だ。それも人間社会に上手く溶け込み、長く暮らしてきた者に共通する気配だ。
オーナー「それじゃあ、館内の簡単な案内でもしましょうか」
比名子「……はい」
そして、比名子と汐莉は館内の案内を無事に終えて、それぞれの仕事に就いた。
汐莉は皆の泊まる分の布団を用意する役目に入る。人魚からすれば大した重さでもないので、汐莉は何十もの布団を軽々と持ち上げてオーナーを驚かせた。
そして比名子は、あやめと共に台所で料理を作る事に。美胡から教わった為に料理は出来るので、あやめと共に料理を作っていく。
あやめと料理中、比名子は食材を食器へ盛り付ける最中にあやめを見た。
あやめ「あら?どうかしたの?」
比名子はあやめの仕草を観察していた。料理もそうなのだが、あやめの家事スキルは一つ一つが丁寧な上に効率的だ。
そんな仕草をしていると、ふとある人物が思い浮かんだ。
比名子「……お母さん」
あやめ「……えっ?」
あやめが味噌汁を茹でながらお玉でかき回す手を、ふと止めてしまった。
比名子「あっ、ごめんなさい。うっかりしてました」
独身とはいえ、あやめから母性を感じるあまり亡き母の面影を見てしまい、うっかりそう呼んでしまったなんて、比名子も流石に恥ずかしい思いだ。
あやめ「良いのよ。言い間違いなんてよくある事だから。それに………」
あやめは懐かしむようで、しかし哀しむような顔を浮かべながら、数秒だけ間を置いた後に口を開く。
あやめ「私も、お母さんだった頃があるから」
あやめはお玉を動かし始める。
比名子は料理を皿に盛り付けていき、人数分の夕食を揃えていく。
比名子「それって……」
すると、比名子が台所に置かれたうっかり包丁に触れてしまい、落としてしまう。
比名子「あっ」
あやめ「八百歳さん!」
あやめが手を伸ばすが、比名子の足に落下寸前だ。間に合わない。あやめにはそう見えた。
呪霊『ニョホホホホホォ〜』
所が、比名子の足元から伸びる腕が現れた。イボのような目を無数に生やし、腕だけの姿をした呪霊だ。呪霊が落ちてきた包丁を掌の口に生えた歯で噛んで受け止めて、比名子の足に刺さらなくて済んだ。
あやめ「その子は?」
比名子「………見えるんですか?」
あやめ「………」
大方予想はしていたが、あやめは呪霊を認識している。あやめを見ると、視線は比名子の足元に注目していた。
比名子は包丁を拾い上げて、台所に置いた。今度は縁に置かないようにした。
あやめ「もしかして………貴女が操ってたの?」
比名子「はい。呪霊操術と言いまして………他にも呪霊以外の怪異を持ってます」
あやめ「………そうだったの。怪我はしてない?」
あやめは比名子の頬を撫でる。
比名子「はい。それにしても………あやめさんってやっぱり………人間じゃないんですか?それとも、見える側の人間?」
比名子は正体が分かりかけてきたものの、一応尋ねてみる事に。
あやめは少し悩み、味噌汁をお椀に入れ終えてから、比名子の問いに答えた。
あやめ「……私がお母さんだった頃があるからって、言ったわよね?」
比名子「はい」
あやめ「日本がまだ開国していない辺りの時代に産まれたわ。その時代では普通の女性だったのよ。それで、妻を失った男に嫁入りしてたの。でもその男の家には先妻の娘がいて、その娘からも懐かれていたわ。でも、私は彼女を愛する事が出来なかった」
あやめの顔は、後悔している事が分かるくらいに哀しそうだ。
あやめ「養子だったけど、血の繋がりが無い先妻の娘だからという理由で関心を寄せる事が出来なくて、挙句の果てにネグレクトをして死なせてしまったの」
衝撃的な過去の話に、比名子は何も口を出せなくなる。
あやめ「娘が死んだ後、天罰と言わんばかりに後頭部を斧で深く傷つけてしまう事態が起きたの。そして、私はこうなったわ」
あやめはそう言うと、三つ編みの髪をたくし上げて、比名子に髪に隠れた場所を見せた。其処には後頭部の縁まで届きそうな程の大きな口が、唇を僅かに開いて歯を剥き出しにしていた。
あやめ「悍ましい姿の妖怪になってしまって………それと同時に娘を死なせた罪悪感に目覚めて深く後悔するようになったのよ。それから長く生きてきたけど………その後悔はずっと……消えなかったわ」
二口女『だけど………貴女を見た時から、ずっと感じてたのよ』
頭の裏に現れた口が開き、パクパクと動かしてないにも関わらず声を比名子に伝える。
比名子「私?」
二口女『一つ。貴女から香る、芳醇な香り。妖怪にとって抗い切れない位の、美味しい香り。二つ。それでも貴女には面影があるの。見捨ててしまった、娘の、ね』
あやめの言葉に感じる、後悔の気持ち。しかし、妖怪として比名子を喰らいたい思いもある。そのせめぎ合いの中で、あやめは後頭部の口を隠すように髪で覆った。
あやめ「……ごめんね八百歳さん。ご飯、冷めちゃう前に運びましょうか」
比名子「………はい」
比名子は何も言わなかった。あやめと共に食事を運び、食堂に来たバスケ部の皆と合流し、夕食に入るのだった。
バスケ部「いただきまーす!」
バスケ部「美味しい!比名子、お料理上手だねー!」
夕食、バスケ部の皆は体を動かした為かモリモリとお代わり含めて沢山食べる。運動するので尚更沢山食べなければならない。
美胡「いやー比名子に料理教えて良かったわー!今じゃこんなに美味しいもん!」
汐莉「ホントですねー」
汐莉はバスケ部の皆と変わらない量を食べ始める。
比名子はモグモグと野菜や少なめの肉を食べながら、あやめの方を見つめていた。
食事中のあやめは比名子の視線に気付くと、ニッコリと微笑んだ。
比名子は気まずそうに視線を逸らす。
その様子を見ていた美胡と汐莉。美胡は比名子が珍しく自分から他人に接する様子を見て、僅かな嫉妬感と愛しい子の成長を喜ぶ雰囲気を見せた。
美胡「比名子、珍しいじゃん。自分から人に興味を示すなんて」
比名子「うん。あやめさん………なんだかお母さんによく似てるから、かな?」
美胡「……そうね。確かにそっくりだものね」
美胡は妖狐だが、土地神として八百歳一家とは親しくしていた。両親の事も子供の頃からよく知っており、比名子の母親である八百歳由利の事もよく知っている。そんな比名子が、あやめに対して母親の面影を感じているのだ。美胡も、あやめが由利とよく似た雰囲気がある事を理解した。
汐莉「………」
汐莉はモグモグと食べる中で、何も語らずにあやめを見つめている。比名子に何をするのか?そんな疑問だけが今の汐莉を支配していた。
そして、夕食を終えて食器を洗う比名子とあやめ。二人は特に会話を交わす事なく食器を片付け終えた。しかし、食器を片付けて比名子が部屋へ戻ろうとする。
あやめ「ねえ八百歳さん」
比名子「……はい」
比名子はあやめに呼び止められる。
あやめ「あの二人………やっぱり妖怪よね?一人は人魚で、もう一人は妖狐。合ってるかしら?」
比名子は、あやめが其処まで見抜いていた事に驚いていた。二人きりなので特に否定する理由は無く、あやめの問いに答えた。
比名子「はい。そうです」
すると、あやめは何処か寂しそうで、しかし安心した様子を見せた。
あやめ「良かったわ。一人じゃないのね」
あやめは、比名子を正面から抱き締めた。比名子はその抱擁に動かず、ただ静かに身を任せた。
あやめ「娘を見捨ててしまった私に、貴女を食べるかもしれない私に………貴女は『お母さん』と呼んでくれた。それだけでも、私は嬉しい」
比名子はあやめの抱擁を、ただ静かに受け入れた。比名子はあやめの抱擁を受けて、何も言わず、ただ静かに抱き締められるだけだった。
暫くして抱擁を解いてもらい、部屋に戻る直前にあやめに言った。
比名子「………ご飯、美味しかったです」
比名子はそう言って、廊下を歩いて行った。
あやめは去っていく比名子の姿を、ただ愛しく見つめるだけだった。
―――――――――――――――――――――――
その日の夜。皆で枕投げをしたり、美胡と汐莉が喧嘩漫才(比名子が思ってるだけ)したり、夜中の何気ない会話をした後、皆で眠りに入っていた。
比名子「………ん」
深夜2時。比名子は急に眠気が収まり、布団から起き上がる。
比名子「トイレ……」
比名子はトイレに向かう。
トイレに入って用を足した後、扉を開けた後に洗面台で手を洗う。初めて利用した合宿所だが、暗闇を怖がる本能も希薄な比名子には関係なかった。
比名子は蛇口のノブを捻って水を止めた後、皆の寝る部屋に向かう。すると、後ろから蛇口が捻って水が流れる音がした。
比名子は振り返ると、蛇口から水がまだ出ている。閉め忘れた?そう思った比名子は、再び蛇口のノブを捻って水を止めた。
その時だった。
少女『ヒグ………グス………』
比名子「……誰?」
誰かの泣き声がする。比名子は泣き声のする方向を見る。月明かりに照らされて、廊下の突き当たりから誰かの影が伸びている。
比名子は怪異が襲って来たと思い、手を翳す。しかし、不思議な事が起きた。
何故か狼霊や人体模型を呼び出したいのに、何故か出て来ない。呪霊操術が使えない。
比名子「あれ?」
すると、影は次第に比名子の元へ伸びてくる。そして、比名子の元に迫る影は、一瞬で比名子の足元を過ぎ去った。
少女『うう………ひぐ……グスッ………』
泣き声は、背後から聴こえてきた。比名子は手にしたスマホのライト機能を使い、振り返りながらライトで照らす。
すると、其処には一人の少女が座り込み、泣いていた。
比名子「大丈夫?」
比名子が話し掛ける。本当は危険な気配がするが、泣いてる子を見てられないからだ。
すると、少女は話しかけられてコチラを向いてきた。
その目は抉り取られ、血が涙のように流れ出ていた。
少女『やったのはフレディ・クルーガー……』
比名子「……フレディ・クルーガー?」
少女『子供が大好き。特に小さい女の子。けどその力は無くなる筈だった。エルム街で静かに封印される筈だった』
少女は語り続ける。
少女『だけど、人の口に戸は立てられない。また人の手でエルム街の事件が取り上げられた。フレディはまた戻って来るよ』
比名子「……もしかして此処は?」
少女『フレディの力はまだ完璧じゃない。だから他の奴等を呼び出した。だから気を付けて。もう其処まで来てる。貴女のように特別な血肉の子供達を狙い始めたから』
すると、蛇口の方から赤い水が噴き出した。赤い水から香る鉄の香り。比名子は何度も嗅いだ事のある、血の香り。
あの日の事故を思い出す、妖怪を取り込む味に含まれる血の味が、香りと共に口の中に感じる。
比名子「ひっ!」
比名子は、怖い物に対する耐性は人一倍強い。しかし、殺されるかもしれない時と、両親や兄を亡くした事故を思い出させる血の香りだけは、どうしてもトラウマを芽生えさせる。
比名子はその場から逃げ出した。呪霊も妖怪も呼び出せない、今となっては逃げるしかない。
皆の居る部屋へ逃げて来た。襖を開けて部屋に入り、襖を閉めた後に美胡の布団を捲る。
比名子「美胡ちゃん!」
しかし、布団の中に美胡が居ない。
比名子「汐莉さん!皆!」
布団の中に、寝ている筈の皆の姿が無い。どの布団にも、皆の姿が無いのだ。
比名子「な、なんで!?」
比名子は慌て始める。その場から立ち上がった、その時だった。
周りの景色が変わる。目の前には、比名子の自宅。しかし、壁や窓が血の滝によって埋め尽くされる。
比名子「ひっ!」
比名子はその場から逃げ出そうと振り返った、その時だった。
少女達『『〜♪』』
歌声が聴こえる。
その歌声は、比名子の目の前で、縄跳びで遊んでいる少女達のものだ。二人の少女で振る長い縄を、一人の少女が地面に着く前に跳んでいる。
その歌は………フレディと呼ばれた男の来訪を表すような、不気味な歌声だった。
比名子は後退りをしながら、自宅の方向を振り返ろうとした。
フレディ「ハァッ!!」
比名子「きゃあああ―――」
―――――――――――――――――――――――
比名子「―――ああああああっ!!!!」
美胡「比名子!!比名子!!どうしたの!?しっかりして!!」
比名子は目を覚ますと、上半身を起こしながら叫んでおり、美胡によって両肩を掴まれて前後に揺らされていた。
比名子「………あ、あれ?」
比名子は周りを見渡す。其処には、汐莉やバスケ部の女子達までもが起きて、比名子を心配する目を向けていた。汐莉の視線は特に余裕が無い事が分かりやすく、青い瞳も金色に染まっている。時刻は午前4時。かなり早い時間に起きてしまった。
バスケ部女子「だ、大丈夫?凄くうなされてたけど……」
バスケ部女子「どうしたの?悪い夢でも見た?」
比名子「夢………?」
比名子は息を荒くしており、体を起こした。
比名子「……ごめん」
汐莉「比名子、大丈夫ですか?」
美胡「汗酷いじゃん………シャワー浴びてく?」
比名子「うん………二人とも、付いてきて欲しい」
汐莉「勿論ですよ。シャワーだけなら出来る筈です」
美胡「こいつと一緒とか勘弁なんですけど………そうも言ってられないか」
二人は一緒に比名子を抱えて、部屋を出る。バスケ部女子達も心配していたが、比名子はこれから話す事に彼女達を巻き込みたく無かったのだ。
比名子は脱衣所で服を脱ぎ、汗まみれの衣類を籠に放り込んで即座に浴室に来てシャワーを浴びた。熱めではなく冷たい方を浴びたかった。冷たいシャワーを浴びて眠気を覚まさせ、すっきりさせる。比名子の体は、非常に痛々しいものだった。その体は痛ましいほどの火傷や打撲といった傷が出来ており、どれだけ危険な目に遭えばこれだけの傷を負うのか?そう思わせる程だ。
これは全て、家族を亡くした事故の際に出来た傷だ。生きていたのが本当に奇跡と呼べる程の傷痕だ。綺麗に見えるのは、首から上と手首から上だけである。夏でも長袖をしている理由が、この傷を誰にも見せないようにしている為である。幼馴染の美胡さえも中々見ない、比名子の痛ましい傷痕。
二度も言うが、比名子は美胡にもこの傷痕は中々見せない。しかし、今はそんな事も言ってられなくなった。二人で共にシャワーだけでも浴びたかったのだ。
比名子「…………ふう」
夏の蒸し暑さに、この冷たさは有難かい。目を覚ますには充分だ。
汐莉「酷い傷ですね」
比名子「事故の時にね。両親やお兄ちゃんが亡くなって、この傷だけが残った」
年頃の女の子が背負うには、あまりにも痛々しい傷痕。美胡はその傷痕を見る度に、目を逸らしてしまう。
汐莉「良かったではありませんか。凄惨な事故で貴女は生き残れたんです。ラッキーだったとは思わないんですか?」
美胡「おいお前!もう一度それを言ってみろ!そしたらお前を―――」
比名子「大丈夫だよ美胡ちゃん。汐莉さんがこういう妖怪だって分かってるから」
美胡はシャワーをその場に捨て置く程に立ち上がるが、比名子が抑えた。
比名子「大切な人達が突然居なくなって、それで自分だけ生き残った事が幸運だと思う?」
汐莉「当たり前です。私は幸運だと思いますよ!」
比名子「ホンッとに………ひとでなし」
比名子はそう言うが、穏やかに笑っていた。汐莉ならそう言うと分かっていたように。
美胡は色々と言いたい事はあるが、比名子の様子を見て余計な事は言わないよう黙った。
比名子「それより………話したいのはさっきの事なの」
美胡「ああっ。さっき、凄くうなされて、叫びまくってた時?」
汐莉「あの時、何を見たんですか?」
2人の問いに、比名子は体を洗いながら答える。
比名子「あの時……夢の中で閉めた筈の蛇口が勝手に開いたりしたから、何かあったと思って呪霊操術で何時もの探索用に狼霊や人体模型を呼ぼうとしたけど、出来なかったの」
美胡「えっ?嘘でしょ……」
美胡も驚いた。比名子の呪霊操術の強さは、これまでに何度も目にしている。その為、呪霊操術が使えない状況というのがあまりにも信じられない事だった。
比名子「それで、目がくり抜かれた女の子が言ってた。フレディ・クルーガーが来るって。夢の中だったから、皆の姿が無くて驚いた。そして………気付いたら自宅に居て、家が血塗れにされた後に、歌が聴こえて…………フレディらしい男に会ったの」
汐莉「もしそれが、ただの悪夢で無ければ………比名子を喰らい力を得ようとしたのでしょうね」
美胡「さっきも言ってたけど、呪霊操術使えなかったってマジ?」
美胡の問いに、比名子は何も言わずに首を縦に振る。
美胡「……比名子。あんた、起きてからも何か変な感じしない?」
比名子「……分からない。でも、あの夢から起きてからずっと、嫌な感じがする」
汐莉「……参りましたね。夢を見ないようにすれば良い話ですし、夢に干渉する妖怪の知り合いなんて………まあ私は人魚ですし、他の妖怪からもあまり好かれてはいないんですよねぇ」
汐莉は軽く言うが、表情は真剣だ。
美胡「ほら、なんかあるでしょ?かの『ピンクダークの少年』ではさ、夢を操る敵に対して、眠る前に能力を発動させて、夢の世界に持ち込むとか」
比名子「うん。衣類は持ち込めたし行けそうだけど……」
比名子達はシャワーを終えて、更衣室で体を拭いて下着に着替え始める。
比名子「現実は甘くないよ。もしかしたら、連れ込んだ怪異全部、消されるかもしれない」
美胡「そっかぁ。なんか無いかなぁ?枕返しに頼み込みたいけど、アタシはあまり離れ過ぎたら力を発揮しきれないし……」
比名子「……久々に出向くかな。呪術高専」
汐莉「呪術高専?」
美胡「比名子が昔お世話になった人達がいるんだよ」
汐莉「……つまり、呪術師の集団ですか」
その話を聞いた汐莉は少し考えて、気乗りしないという表情を見せる。
汐莉「人間の術師に相談するのですか?」
比名子「うん。夢に干渉する術式や、精神に作用する呪いについてなら、私達より詳しい人がいるかもしれない。それに……新しい戦力も手に入れて夢の対策もバッチリにしたいから」
比名子はそう語る。
美胡「けど半魚人。アンタが比名子に同行するのほ良いけど、行き先で変な事すんなよ!というか、人間社会で生きるなら比名子の言う事は絶対聞け!いい?」
美胡は汐莉が何かやらかしそうで怖いのだ。比名子に対して何か手を出される事もそうだが、一番恐ろしいのは汐莉が人間社会で行く先々何かをやらかして比名子に迷惑を掛けることだ。だから釘を刺して置かなくてはならない。
汐莉「分かりましたよー」
果たして分かったのか分かってないのか、汐莉は伸びた返事を返す。
そして、更衣室で新しい服に着替え終わった比名子達は、洗濯場で脱いだ衣類を洗濯したのだった。
―――――――――――――――――――――――
合宿二日目。比名子はあやめと共に家事を熟している間に、あやめが自分を見つめているのを感じた。
あやめ「八百歳さん、大丈夫?あまり眠れてないのかしら?」
比名子「あやめさん………実は……」
比名子はシーツや早朝に洗濯した自分達の衣類を干しながら、あやめに何があったのかを説明した。
あやめ「そう、そんな事があったのね。夢の中から攻撃してくる男ね………獏や枕返しのように夢に干渉出来る妖怪の知り合いは、私も居ないのよ」
比名子「やはり高専に行って聞くしかありませんか」
あやめ「それが良いわ。比名子ちゃん。子供達はきっと、比名子ちゃんを精一杯守ろうとして、忠告に来たのよ。きっと、比名子ちゃん達なら乗り越えられるわ」
比名子「あやめさん……」
すると、あやめは比名子の頭を撫でる。そして、ある事を口にした。
あやめ「それに………貴女はあの人魚から血を分けてもらったかもしれないわ。だとするなら、色んな妖怪に狙われる事も、悪夢の男が貴女を狙う理由も説明が付くわ」
経蔵と同じ事を言うあやめ。長く生きていると、その様な事もすぐに分かるのだろう。
あやめ「けど、あの人魚は貴女にこう言わなかった?貴女を喰べたいと」
比名子「言ってました」
あやめ「やっぱり。やお………比名子ちゃん。私達妖怪にとって、『血』は分け与えてはい終わり、なんて簡単に片付く事じゃないの。契りや縛りは勿論の事、人間に分け与える事は自らの命を分け与える事。そしてその人間の血肉は、その妖怪にとって『美味しくない』のよ。あの人魚は恐らく、大きな自己矛盾を抱えてる」
比名子「…………」
あやめ「だから、もし全てを思い出したなら………手遅れになる前に、きちんと話し合いなさい」
比名子「……はい」
比名子はあやめの忠告に、色々と言わずに頷くだけだ。記憶が朧気な所があるのは自分でも分かっている。それでもあやめさんは、自分の為に其処まで言ってくれたのだ。
全てを思い出したら、ちゃんと話そう。
そう決意した比名子であった。
―――――――――――――――――――――
昼食後。比名子は昼間に出来る家事業務を一通り終えて、スマホからある番号へ電話を掛ける。
比名子「もしもし。八百歳比名子です」
???『もしもしぃー?おっひさー!比名子!いよいよ高専に入学する決意が出来たか!』
通話先から聴こえてくる陽気な声。
比名子「すみません間違えました」
???『酷いなぁー!切らないでくれよー!僕の所に電話掛けたって事は、何か相談したい事があるんでしょ?』
比名子「………はい。五条さん」
五条悟。呪術高専の教師であり、比名子の呪霊操術についてもよく知る人物だった。
五条『それで? 今回は何かな? また変な妖怪でも取り込んだ?』
比名子「……いえ。今回は、私自身のことです」
五条『へぇ?』
比名子「昨日の夜、夢を見ました」
五条『夢?』
比名子「ただの悪夢かもしれません。でも……その中で、呪霊操術が使えませんでした」
五条『…………』
先程まで軽かった声が、一瞬だけ止まった。
五条『それ、本当に?』
比名子「はい。狼霊と人体模型を呼ぼうとしました。でも、何も出てきませんでした」
五条『なるほどねぇ』
比名子「それから、フレディ・クルーガーという名前を聞きました」
五条『……フレディ・クルーガー?』
比名子「夢の中にいた女の子がそう言っていました。夢を使って人を襲う男だと」
比名子の言葉に、電話の向こう側から考え事をしてるのか少し唸る音が聴こえる。
五条『夢を……ねぇ』
五条は少し考えるように黙っっているようだ。
五条『比名子。君が普段使っている呪霊操術って、当然だけど現実世界の術式だよね』
比名子「はい」
五条『じゃあ、夢の中で術式が使えなかったっていうのは、術式そのものを封じられたとは限らない』
比名子「……どういうことですか?」
五条『君が「夢の中にいた」からだよ』
比名子「…………」
五条『夢っていうのは、普通の術式領域とは違う。少なくとも、僕らが普段扱ってる呪術の常識だけで判断するのは危ない』
比名子「では……夢そのものが、私の術式を阻害した可能性が?」
五条『あるね』
五条の声から、いつものふざけた調子が少しずつ消えていく。
五条『それに、君が見た内容も気になる。名前を名乗る存在がいて、君の術式が使えなくなって、その上で「フレディ・クルーガー」なんて名前まで出てきた』
比名子「……やっぱり、ただの夢じゃないと思いますか?」
五条『断定はしない。でも――』
一拍置いて、五条が言う。
五条『僕なら、警戒する』
比名子「……分かりました」
五条『それと比名子』
比名子「はい?」
五条『今夜は一人で寝ないこと』
比名子「…………」
五条『できれば、君の周りにいる妖怪達にも協力してもらった方がいい。夢の中に引きずり込まれた時、現実側から何かできる奴がいるかもしれないからね』
比名子「分かりました。ありがとうございます、五条さん」
五条『どういたしまして。それと――』
比名子「?」
五条『高専への入学届、いつでも待ってるからねー!』
比名子「やっぱり切ります」
五条『待って待って待って! 最後まで聞いてよ!明日の朝、迎えを寄越すから!僕も信用してる男だし、君も知り合いだろ?七海を迎えに行かせるから、後は彼に案内してもらって』
比名子「分かりました。では、失礼します」
比名子は通話を切る。明日の朝が合宿最終日だ。朝になれば早退という形で、高専から迎えが来る。
それならば後一日耐えきればいい。
比名子「七海さんなら、安心だね。美胡ちゃんにも知らせておくか」
比名子はそう言うと、練習に行ってる美胡の元へ向かって歩き出す。
すると、途中から運び業を終えた汐莉と合流した。
汐莉「おや、お仕事が終わりましたか?」
比名子「うん。汐莉さんも?」
汐莉「はい。ゴミ出しも終えたので、今は暇なんですよー。オーナーさんの許可も貰って、皆さんのジュースの買い出しに行くんです」
比名子「そっか。じゃあ、私も来て良い?」
汐莉「勿論です!あの狐にも報告しますか?」
比名子「うん、お願い」
この間も、日常は過ぎていく。比名子は汐莉と共に、バスケ部や職員全員分のジュースを買いに出かけるのであった。
エルム街の悪夢らしい導入方法。フレディVSジェイソンモチーフだけど、これで良かったよね?フレディ出現の合図。フレディの歌って……歌詞転用出来るか怪しかったし、タイトル分からないし、読者の想像に任せる形にしました。
登場怪異纏め
山村貞子:『リングシリーズ』
生前は母と同じく予知や念写などの能力を持つ超能力者であったが、そのことで父や母が社会から迫害を受けた過去があり、以降はその力を直隠しにしていた。また、外見については「この世にこれほど整った顔が存在するのか」とおもわせるほどの美女であるが、半陰陽でもあった。ある日、病院で父の看病中、担当医師の長尾城太郎に襲われた末に殺害され、井戸に遺棄された。享年19歳。その無念から成仏できなかった貞子の恨みが世の中への強大な怨念となり、「呪いのビデオ」を念写し現世に呪いを広めることになる。
比名子や美胡が本気で戦っても打ち勝てず、呪いの真相に深入りしたせいで二人も殺されかけるが、当時の霊媒師や呪術師の一団に加え、現代最強の霊媒師である比嘉琴子の手も借りて結界術で弱体化。そして比名子が取り込んだ事で、比名子の戦力として使えるようになり、現在は比名子の使役する怪異の一体として、伽椰子や俊雄、ゆきおんな達を含めた留守番を任せられる怪異と共に比名子の家で暮らしている。呪いのビデオを利用した情報収集やテレビへの干渉も可能で、比名子の留守中にはテレビ番組を受信するなど、能力を家事や娯楽にも利用している。
登場予定(呪術廻戦や妖怪ウォッチ、ゲゲゲの鬼太郎を調べたらゴゴゴ西遊記思い出してきた。アレもかなり強め又は厄介な妖怪が数多く出てましたね。他にも何か居ましたっけ?)
つまよう人:『ゴゴゴ西遊記』
懐かしの漫画、ゴゴゴ西遊記に登場する妖怪。つまようじのみで出来たような妖怪だが、体はコンニャクのようにしなる。突けば破裂する『破裂点』を見極め、あらゆるものを粉々にする妖怪。
さまよい幽霊:『ゴゴゴ西遊記』
懐かしの漫画、ゴゴゴ西遊記に登場する妖怪。霊体なので、物理的攻撃が通用しない。他人の魂が大好物だが、念仏による除霊などが苦手で、長く受けると成仏する。
ミズミズ魔人:『ゴゴゴ西遊記』
懐かしの漫画、ゴゴゴ西遊記に登場する妖怪。流動体なので物理攻撃は効かないが、地面に着くと蒸発してしまう謎弱点があり、生物の体内に侵入して移動する水妖怪。
イケメン鏡:『ゴゴゴ西遊記』
懐かしの漫画、ゴゴゴ西遊記に登場する妖怪。円形の鏡の見た目をした妖怪で、イケメンに変える『イケメンビーム』を放つ。見た目だけでなく心もイケメンに変えるといった細かい効果も指定可能。
骨魔鬼:『ゴゴゴ西遊記』
懐かしの漫画、ゴゴゴ西遊記に登場する妖怪。人型の骨妖怪で、他者の体の骨をチェンジして乗っ取る事が可能。チェンジされた相手は骨だけになるが、そのまま生きてる状態なので問題なく動ける。骨魔鬼倒すか、元の体に移る事で多分戻れる。『ホネ』や『〜ネ』が口癖で、特に話す時は語尾に『ネ』が付く。
チュウリップ:『ゴゴゴ西遊記』
懐かしの漫画、ゴゴゴ西遊記に登場する妖怪。見た目は絵本に出るような擬人化チューリップだが、タラコ唇が特徴的。何にでもキスしたがるが、キスした箇所は腐ってしまう。治すには頭部の花弁から摂れる蜜で塗る事。必殺技は唇を伸ばして雨のような連打を浴びせる『チューチュー十雨(トーレイン)』。
なんだっけな:『ゴゴゴ西遊記』
懐かしの漫画、ゴゴゴ西遊記に登場する妖怪。大事な事を事細かに忘れる妖怪。二本の小さな角を持つ、簡易的な鬼の姿をした妖怪。相手をおバカに変えてしまう催眠術を持つ何気に危険な妖怪。一度飛ばせば獲物を捕らえるまで舞い続ける『死のブーメラン』が必殺技。
金蟹&銀蟹:『ゴゴゴ西遊記』
懐かしの漫画、ゴゴゴ西遊記に登場する妖怪兄弟。金蟹が兄で、銀蟹が弟(多分)。蟹の見た目なのに横歩きだけではなく人間や他の生き物のように前へ移動する事も出来る。そして口から吐く泡攻撃『カニバブル』は、三蔵法師一行の動きを止めて、孫悟空がキントウン3号を呼ばなければガチで勝ち目が無かった強敵妖怪。
オマーエエビ:『ゴゴゴ西遊記』
懐かしの漫画、ゴゴゴ西遊記に登場する妖怪。イケメンを見るとイライラするエビ妖怪。硬い甲殻を持つので通常の攻撃が効きにくい。当たるとオマーエエビのように目が飛び出たような顔付きになる『オマーエキャノン』が必殺技。
ウフォー:『ゴゴゴ西遊記』
懐かしの漫画、ゴゴゴ西遊記に登場する妖怪。見た目はUFOなのだが、生々しい人間のような手足を生やす一頭身の宇宙人妖怪。妖怪だけど宇宙人でもある。
ぱ:『ゴゴゴ西遊記』
懐かしの漫画、ゴゴゴ西遊記に登場する妖怪。見た目は4足歩行の可愛らしい妖怪。鈍すぎる妖怪であり、攻撃を受けても何ともないように思えるが、実際は鈍いので後からダメージを受けるという謎の生態を持つ妖怪。もし仮に即死させようとしても、鈍いのですぐに効きはしない。ムリカベのような壁妖怪同様の壁要因であり、比名子はこの妖怪の鈍さを利用して肉壁にする。無慈悲である。
ワワワ:『ゴゴゴ西遊記』
懐かしの漫画、ゴゴゴ西遊記に登場する妖怪。藁人形の妖怪であり、全身が藁で出来てるので炎熱以外の攻撃は効かない。名前を書いた紙を体に貼り付け、釘を打ち込むとその対象に対する願いを叶える力を持つ妖怪。
切りカブ大王:『ゴゴゴ西遊記』
懐かしの漫画、ゴゴゴ西遊記に登場する妖怪。切り株のような見た目をした妖怪であり、切った相手を切り株に変える斧を持つ。比名子が取り込んだ後も、出現させてる間は何でも被るのを本能的に嫌う。
タン・スー:『ゴゴゴ西遊記』
懐かしの漫画、ゴゴゴ西遊記に登場する妖怪。タンスに相手を閉じ込めたり、挟んだりする攻撃を得意とする妖怪。比名子に取り込まれてからは、多すぎる荷物を収容する為の運び屋妖怪となってしまっている。
ドスコイン:『ゴゴゴ西遊記』
懐かしの漫画、ゴゴゴ西遊記に登場する妖怪。見た目は力士の格好をしたコイン妖怪で、不死身になれば最強の横綱妖怪になれると信じていた。シコを踏む事で地震を起こせるという細い手足にしてかなりの力がある。
オシャカ様:『ゴゴゴ西遊記』
懐かしの漫画、ゴゴゴ西遊記に登場する妖怪。頭はお釈迦様を彷彿とさせる見た目だが、丸めな胴体に線のような四肢をしたパンツ一丁の変態妖怪。自分で作った罠に、自分でハマってしまう程のおバカな妖怪。しかし、首飾りの水晶は冥界と繋がっていて、死者を現世に呼び戻す事が出来る。比名子にとっても呪霊操術で失った駒を呼び戻せる便利屋。何故彼がこれを持ってるのか不明。
白皇・黒皇:『ゴゴゴ西遊記』
懐かしの漫画、ゴゴゴ西遊記に登場する妖怪。名前を呼んで返事をした相手を瓢箪に吸い込む白皇と、天竺へ旅する僧を食べて不死身になった黒皇の二人組の山賊妖怪。白皇はともかく、黒皇は汐莉と同格の不死身なので倒すのに一苦労したが、白皇の瓢箪を利用して黒皇を吸い込み、不死身故の苦しみを味わわせた事で降伏させ、取り込む事に成功した。エネルギー弾も強力であり、六尾とはいえ美胡を瀕死に追いやった程。
ひょうたん魔王:『ゴゴゴ西遊記』
懐かしの漫画、ゴゴゴ西遊記に登場する妖怪。腰にひょうたんを提げた妖怪で、身体もなんとなくひょうたんに似ている。返事をした相手を瓢箪の中に閉じ込めて中の酒で溶かしてしまう他、瓢箪は酒の他にコーラやオレンジジュースの入った瓢箪がある。その為、宴会の時にかなり役立つ妖怪。
絶望:『ゴゴゴ西遊記』
懐かしの漫画、ゴゴゴ西遊記に登場する妖怪。ひどく絶望しており、「NO 希望」という褌をし、宗教、新聞の勧誘は一切お断わりの看板を持っている。攻撃方法としては絶望オーラを凝縮させ、体から射出する「ゼツボール」で、この技を受けた者はこの妖怪と同じようにひどく絶望してしまい、この技は対人だけでなく物にも通用する。
魔鬼物:『ゴゴゴ西遊記』
懐かしの漫画、ゴゴゴ西遊記に登場する妖怪。経典の姿をした妖怪で、口調はオカマっぽい口調で話す。体に刻まれている経文の能力で、体から妖力を吸収する光線を出し、妖力を吸収された妖怪は普通の動物に戻ってしまう他、妖力を失った妖怪が再びこの光線を浴びると生命力を吸収されて命に危険が及ぶ。また、この光線は呪力にも通用する為、伽椰子や俊雄、貞子戦において大活躍した妖怪でもある。とはいえ、比名子も当時取り込んでた妖怪の全てを手放しかけた強さであり、美胡を瀕死に追い込んだ強敵だった。世界平和=妖怪全滅を掲げる危険思想の持ち主だったが、平和にしたい思いだけは少なくとも本物である。