ステータスに竜人って言われました。は?人間だが?   作:鋼色

7 / 7
学舎のドラゴン

「奏多!久しぶり!」

 

「ふわぁ、久しぶり。霊」

 

昨日は色々あった。オーク、コボルトの攻略配信。初日で盛りだくさんだったもんだから、翌日になっても疲れが消えてねえ。

 

今日から学校が終わったってのに。あーあ、春休みがもう少し続いて欲しかったなぁ。

 

「眠そうじゃん!せっかく一緒のクラスだってのに」

 

「おぉ、マジか」

 

「なんだよ!全然驚いてねぇな!さてはそんなに嬉しくねえな!?」

 

……竜人になってから視力が良くなったからな。お前が確認しに行ってたのは見えてたし、俺と一緒で喜んでたのも見えてた。

 

「そんなことないよ。霊、お前が一緒でよかった」

 

「お、おぉ……いつの間にそんな言う子になったの君」

 

「さぁな」

 

多分竜の体になってたせい。この体になってからとか口説きに対しての羞恥心がなくなってるから。

 

しかもアレだから!美兎ちゃんから背中押してもらった今の俺は更にブーストしてるぜ?

 

クラス表に書かれてある"相沢春香"の名前に目が止まる。

 

「相沢春香……確か結構持て囃されてたよな」

 

「まあ結構な美人だしな。妥当だろ」

 

周りと比べたら美人だしな。……つーか、芸能人と比べても美人だ。そりゃモテることもあるわな。

 

美兎ちゃんと張り合うほどの美人だ。そりゃ周りもアタックしまくるわな。可哀想なぐらい撃沈してるけど。

 

「てかさ!自己紹介なにするか考えてきたか?」

 

「自己紹介?……あぁ、そっか。新しく考えなきゃいけないよな。面倒くさいなぁ、霊代わりに考えてくれ」

 

「ごめんなさい。あなたの魅力を考えるのは私よりも良い人がいると思うの」

 

「別れ話を持ち出した彼女かって」

 

お遊びはそんぐらいにしといて……マジでどうすっかな。俺は今のクラスだと出席番号2番だからな。バリ早い。

 

しかも前の人がよりによって人気ありまくりの相沢春香様だ。生半可な自己紹介したら俺は今年塵になる。

 

仕方ない。最終手段だったが、魔法を使うしかない。さすがに「竜性魔法」は危険すぎるから擬似魔法になるけど。

 

まあ探索者未満の人達だったら擬似魔法でも喜んでくれるでしょ。喜んでくれるよね???

 

「おっ、教室人数多いな!」

 

「最初の時なんて大体こんなもんじゃね?」

 

「それはそうかも」

 

はー……緊張する。魔力反応的に探索者はいね……ッ!?相沢春香が探索者だと!?

 

クソぉ!俺は目新しい自己紹介がしたいのに!種が分かってるマジックなんておもんねぇんだよなぁ!

 

……よくよく考えたら白けなきゃいいだけだから問題ないのでは?

 

はっはー!天才的だな俺!

 

「君は私の直後の人だよね。よろしく、私は相沢春香」

 

「ん、よろしくな。俺は朝倉奏多だ」

 

握手を交わす中、妙に鋭い感情を感知する。これは周りからじゃなくて至近距離。つまり相沢からだ。

 

-----

名称:朝倉奏多

レベル:18

種族:竜人

 

スキル

竜王の血を引くもの(ドラグーン)

《ヴェルス・バスター》new

 

竜王の意見(ドライサー)

《ドライグ・パンサー》

 

竜性、傷を負いても不退転なり(ドラッツァ)

無意味な警戒(ノヴェルス・ノーヴァル)》new

-----

 

--《ヴェルス・バスター》

竜王の血を引くもの(ドラグーン)〉の発展スキル。例え同世代の実力がある人間に吠えられても、我らにとっては蟻が吠えるのと同じ。怯えず、恐れず、徹底的に可愛がりながら叩き潰すのが我らの流儀なり。

スキル「存在威圧」、「竜性武拳」、「秘匿言語」を獲得

 

--《無意味な警戒(ノヴェルス・ノーヴァル)

竜性、傷を負いても不退転なり(ドラッツァ)〉の発展スキル。警戒して慎重に歩いても、死ぬ時が早まるか遅くなるか。自然の摂理として、人間は死を受け入れるしかない。圧倒的な個を前にして砕け散れ。

朝倉奏多への尊奉、感心、絶望、恐怖、愛の感情を取り込み、肉体を強化する。

 

やめてやれ。なんてフルボッコに言われているんだい。確かに俺と比べたら弱いが、そこまで絶望的なわけじゃない。

 

……ったく、価値観が合わねえな。

 

わぁ、随分と警戒されているな(ーーーーーーーーーーーーーー)

 

「ッ!」

 

あまり固まらないでくれる?(ーーーーーーーーーーーーー)俺が不自然なことを(ーーーーーーーーー)言ったみたいになるでしょ(ーーーーーーーーーーーー)

 

君の気持ちは分かる(ーーーーーーーーー)でも、今はやめてくれ(ーーーーーーーーーー)

 

俺の存在……というか魔力はヤバい。量自体は人間と大差ないが、その濃さが異次元だ。直接当てられようものなら、死を覚悟するレベル……らしい。

 

美兎ちゃんたちから散々言われた情報だから、確かなのは間違いない。

 

「おら!そろそろ座れよお前ら!」

 

少々の硬直状態ののち、担任が現れたことによって事態は収束する。とりあえず、表に出すことはなくなった。

 

『あなた、何者なの?』

 

相沢から思念が飛んでくる。俺持ってないから返信ができない……あ、獲得した。

 

『竜の因子を持ちし者、としか言えないな』

 

『……まあ、そっか。会ったばかりの私にはそう易々と言えないもんね』

 

『あぁ、いや。そうじゃなくてだな。俺も実はあんまり分かってないんだよ』

 

『分かってない?』

 

『最近ステータスくんから心を開いてくれて打ち明けられたばっかりで』

 

『……まさか直近で目覚めたの?』

 

『探索者免許をとって2日目でごわす』

 

『私も強さには自信があったんだけど……。はぁ、ショック受けちゃう』

 

『せっかくの探索者仲間なんだ。一緒に教え合って強くなろうぜ!』

 

『一緒に……ふふっ。あなた……いや、朝倉くんが言うと頼もしいね』

 

そんな思念を飛ばし合っているうちに自己紹介の流れになったみたいだ。

 

うわっ、上手くできるか緊張してきた。

 

「私は相沢春香です。知ってる人、知らない人、色々たくさんいるけど、皆と友達になれたら嬉しいなって思ってます。よろしく!」

 

パチパチパチと拍手喝采。さすが人気者は違いますね。このあと自己紹介すんのかぁ、ハードル高いなあ。

 

まあ?竜性種としてバッチリ決めさせてもらいますけどね?

 

「俺は朝倉奏多。ちょっとばかし仕込みが得意な男子中学生だ。よろしくな?まあ、親交の印に……季節外れのプレゼントだ。親愛なる暖かい雪(メリー・メリー・メリー)

 

うむうむ、喜んでくれて幸いだ。相沢と同じで皆と仲良くなりたいんだよ。そのためにはさ、強さこそ絶対とかいうの、あんまいらないかな。

 

俺は面白そうな奴、人柄が良さそうな奴と友達になる。強いからなんて理由で関わるんじゃねえの。

 

だからさ、竜王。テメェが強さ主義なのは分かったからさっさと消え失せろやカス。今となっちゃ、相沢は俺のダチだ。

 

俺のダチを馬鹿にするのは、身内でも何でもねえ。これ以上俺の目の前に立ってみろ、牙たてて食い破んぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

自己紹介と始業式が終わった俺の気分は最悪。これから新しいクラスメイトと共にカラオケ行ってるってのにテンションローだ。

 

その原因はこのスキル……〈我竜覇道(オリジンロード)〉。〈竜王の血を引くもの(ドラグーン)〉と《ヴェルス・バスター》、《無意味な警戒(ノヴェルス・ノーヴァル)》を統合進化させたようなスキルだ。

 

効果は強いが、それ以上に説明文が気に入らん。宣戦布告したばっかりなのに速攻踏み込んできやがった。

 

「相沢」

 

「朝倉くん、どうしたの?」

 

「これ見ろ」

 

「ぇ?……うわぁ」

 

--〈我竜覇道(オリジンロード)

誰の道もなぞらない。どの竜よりも可笑しく、強く、面白い。規則化されている本能の理さえも打ち破り、誰も見たことのない景色が広がる。世界の祝福は今集う。我が息子よ、天に翔け。

スキル「竜性傑体」、「竜性威圧」、「ブーストアップ」、「竜性魔力」、「隠匿」、「竜性魔法」、「煌々竜道(ドミニネイトロード)」を獲得。

 

見たら分かる。これは厄ネタスキルであると。スキルの効果でスキルを獲得するとかいう意味分からない状況が出てきている。

 

それは前からだから良いんだが、問題は説明文の「我が息子」という部分にある。誰が息子じゃぶち殺したるぞ。

 

「その…頑張って?」

 

「はぁ………もうこうなったらヤケじゃ!歌いまくるぞ!」




ステータス

名称:朝倉奏多
レベル:18
種族:竜人

スキル
我竜覇道(オリジンロード)
《トライブースト》
《バックブースト》

竜王の意見(ドライサー)
《ドライグ・パンサー》
竜族思念(ドラゴテレパシー)

名称:相沢春香
レベル:32
種族:人間

スキル
〈魔力剣術〉
《エストパズル》

〈支援魔法〉
《ヒール》
《スタンドアップ》

竜性王子と共に高めあう者(シュトラヴァルツ)〉new!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

若返った老騎士、落ちこぼれ公爵令嬢の使い魔になる(作者:ですわお嬢様スキー)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

王国唯一の独立騎士にして、騎士の中の騎士と謳われた男、ラングリッド・ラントブルグ・フォン・エシュタール。▼ 七十年の生涯を祖国に捧げ、最後は王国へ迫る竜を討ち果たした彼は、確かにその人生を終えたはずだった。▼ だが次に目を覚ました時、ラングリッドは最盛期の肉体を取り戻し、見知らぬ世界に立っていた。▼ 彼を喚び出したのは、赤髪赤目の公爵令嬢レティシア。▼ 気位…


総合評価:2673/評価:8.67/連載:16話/更新日時:2026年08月14日(金) 10:37 小説情報

とある転生者の受難日記(作者:匿名)(原作:七つの大罪)

これは、ひょんなことから転生した男の、ありとあらゆる苦難が綴られた日記である。


総合評価:18229/評価:9.16/連載:33話/更新日時:2026年08月22日(土) 19:07 小説情報

転職のスキル授かったらそりゃ全職極めるに決まってんだろ(作者:水色の山葵)(オリジナル現代/冒険・バトル)

人より道のりは長いが、ダンジョン中毒の彼にはあまり関係がない。▼カクヨムにも投稿してます。▼https://kakuyomu.jp/works/2912051601499000526


総合評価:8133/評価:7.93/連載:39話/更新日時:2026年08月13日(木) 07:03 小説情報

六眼と無下限持って生まれたけど何か世界観が違う(作者:杏鷲)(原作:僕のヒーローアカデミア)

呪力もなければ呪霊もいない世界で生まれた転生者が、高額納税者ランキングに名前を刻むためにヒーローを目指す話。▼───なお、その肉体は常に魔王に狙われているものとする。


総合評価:17871/評価:8.38/連載:24話/更新日時:2026年08月29日(土) 07:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>