「奏多!久しぶり!」
「ふわぁ、久しぶり。霊」
昨日は色々あった。オーク、コボルトの攻略配信。初日で盛りだくさんだったもんだから、翌日になっても疲れが消えてねえ。
今日から学校が終わったってのに。あーあ、春休みがもう少し続いて欲しかったなぁ。
「眠そうじゃん!せっかく一緒のクラスだってのに」
「おぉ、マジか」
「なんだよ!全然驚いてねぇな!さてはそんなに嬉しくねえな!?」
……竜人になってから視力が良くなったからな。お前が確認しに行ってたのは見えてたし、俺と一緒で喜んでたのも見えてた。
「そんなことないよ。霊、お前が一緒でよかった」
「お、おぉ……いつの間にそんな言う子になったの君」
「さぁな」
多分竜の体になってたせい。この体になってからとか口説きに対しての羞恥心がなくなってるから。
しかもアレだから!美兎ちゃんから背中押してもらった今の俺は更にブーストしてるぜ?
クラス表に書かれてある"相沢春香"の名前に目が止まる。
「相沢春香……確か結構持て囃されてたよな」
「まあ結構な美人だしな。妥当だろ」
周りと比べたら美人だしな。……つーか、芸能人と比べても美人だ。そりゃモテることもあるわな。
美兎ちゃんと張り合うほどの美人だ。そりゃ周りもアタックしまくるわな。可哀想なぐらい撃沈してるけど。
「てかさ!自己紹介なにするか考えてきたか?」
「自己紹介?……あぁ、そっか。新しく考えなきゃいけないよな。面倒くさいなぁ、霊代わりに考えてくれ」
「ごめんなさい。あなたの魅力を考えるのは私よりも良い人がいると思うの」
「別れ話を持ち出した彼女かって」
お遊びはそんぐらいにしといて……マジでどうすっかな。俺は今のクラスだと出席番号2番だからな。バリ早い。
しかも前の人がよりによって人気ありまくりの相沢春香様だ。生半可な自己紹介したら俺は今年塵になる。
仕方ない。最終手段だったが、魔法を使うしかない。さすがに「竜性魔法」は危険すぎるから擬似魔法になるけど。
まあ探索者未満の人達だったら擬似魔法でも喜んでくれるでしょ。喜んでくれるよね???
「おっ、教室人数多いな!」
「最初の時なんて大体こんなもんじゃね?」
「それはそうかも」
はー……緊張する。魔力反応的に探索者はいね……ッ!?相沢春香が探索者だと!?
クソぉ!俺は目新しい自己紹介がしたいのに!種が分かってるマジックなんておもんねぇんだよなぁ!
……よくよく考えたら白けなきゃいいだけだから問題ないのでは?
はっはー!天才的だな俺!
「君は私の直後の人だよね。よろしく、私は相沢春香」
「ん、よろしくな。俺は朝倉奏多だ」
握手を交わす中、妙に鋭い感情を感知する。これは周りからじゃなくて至近距離。つまり相沢からだ。
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名称:朝倉奏多
レベル:18
種族:竜人
スキル
〈
《ヴェルス・バスター》new
〈
《ドライグ・パンサー》
〈
《
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--《ヴェルス・バスター》
〈
スキル「存在威圧」、「竜性武拳」、「秘匿言語」を獲得
--《
〈
朝倉奏多への尊奉、感心、絶望、恐怖、愛の感情を取り込み、肉体を強化する。
やめてやれ。なんてフルボッコに言われているんだい。確かに俺と比べたら弱いが、そこまで絶望的なわけじゃない。
……ったく、価値観が合わねえな。
「
「ッ!」
「
「
俺の存在……というか魔力はヤバい。量自体は人間と大差ないが、その濃さが異次元だ。直接当てられようものなら、死を覚悟するレベル……らしい。
美兎ちゃんたちから散々言われた情報だから、確かなのは間違いない。
「おら!そろそろ座れよお前ら!」
少々の硬直状態ののち、担任が現れたことによって事態は収束する。とりあえず、表に出すことはなくなった。
『あなた、何者なの?』
相沢から思念が飛んでくる。俺持ってないから返信ができない……あ、獲得した。
『竜の因子を持ちし者、としか言えないな』
『……まあ、そっか。会ったばかりの私にはそう易々と言えないもんね』
『あぁ、いや。そうじゃなくてだな。俺も実はあんまり分かってないんだよ』
『分かってない?』
『最近ステータスくんから心を開いてくれて打ち明けられたばっかりで』
『……まさか直近で目覚めたの?』
『探索者免許をとって2日目でごわす』
『私も強さには自信があったんだけど……。はぁ、ショック受けちゃう』
『せっかくの探索者仲間なんだ。一緒に教え合って強くなろうぜ!』
『一緒に……ふふっ。あなた……いや、朝倉くんが言うと頼もしいね』
そんな思念を飛ばし合っているうちに自己紹介の流れになったみたいだ。
うわっ、上手くできるか緊張してきた。
「私は相沢春香です。知ってる人、知らない人、色々たくさんいるけど、皆と友達になれたら嬉しいなって思ってます。よろしく!」
パチパチパチと拍手喝采。さすが人気者は違いますね。このあと自己紹介すんのかぁ、ハードル高いなあ。
まあ?竜性種としてバッチリ決めさせてもらいますけどね?
「俺は朝倉奏多。ちょっとばかし仕込みが得意な男子中学生だ。よろしくな?まあ、親交の印に……季節外れのプレゼントだ。
うむうむ、喜んでくれて幸いだ。相沢と同じで皆と仲良くなりたいんだよ。そのためにはさ、強さこそ絶対とかいうの、あんまいらないかな。
俺は面白そうな奴、人柄が良さそうな奴と友達になる。強いからなんて理由で関わるんじゃねえの。
だからさ、竜王。テメェが強さ主義なのは分かったからさっさと消え失せろやカス。今となっちゃ、相沢は俺のダチだ。
俺のダチを馬鹿にするのは、身内でも何でもねえ。これ以上俺の目の前に立ってみろ、牙たてて食い破んぞ。
自己紹介と始業式が終わった俺の気分は最悪。これから新しいクラスメイトと共にカラオケ行ってるってのにテンションローだ。
その原因はこのスキル……〈
効果は強いが、それ以上に説明文が気に入らん。宣戦布告したばっかりなのに速攻踏み込んできやがった。
「相沢」
「朝倉くん、どうしたの?」
「これ見ろ」
「ぇ?……うわぁ」
--〈
誰の道もなぞらない。どの竜よりも可笑しく、強く、面白い。規則化されている本能の理さえも打ち破り、誰も見たことのない景色が広がる。世界の祝福は今集う。我が息子よ、天に翔け。
スキル「竜性傑体」、「竜性威圧」、「ブーストアップ」、「竜性魔力」、「隠匿」、「竜性魔法」、「
見たら分かる。これは厄ネタスキルであると。スキルの効果でスキルを獲得するとかいう意味分からない状況が出てきている。
それは前からだから良いんだが、問題は説明文の「我が息子」という部分にある。誰が息子じゃぶち殺したるぞ。
「その…頑張って?」
「はぁ………もうこうなったらヤケじゃ!歌いまくるぞ!」
ステータス
名称:朝倉奏多
レベル:18
種族:竜人
スキル
〈
《トライブースト》
《バックブースト》
〈
《ドライグ・パンサー》
《
名称:相沢春香
レベル:32
種族:人間
スキル
〈魔力剣術〉
《エストパズル》
〈支援魔法〉
《ヒール》
《スタンドアップ》
〈