目覚めたら、パパ黒が来ていて目のクマを馬鹿にされた。鼻で笑われたあとに何も無しかと思ったら、また笑われた。解せぬ。
流石に両面宿儺のことは言えないので、パパ黒に会うのが嬉しすぎたと言った。真顔になった。イケメンの真顔こわい。
最近思うんだが、イケメンが急に真顔になった時は絶対何かあるんだよ。もう私イケメン笑顔恐怖症でいいと思う。世の中のイケメンごめんね。これ呪術界限定だから安心してね。そんな誰に向けたか分からない言葉を心の中で説いつつ、パパ黒の来た理由を左から右に通す。
ああ、そうそう。パパ黒は、やっと名前で呼んでくれるようになったんだっけ。
「……おい仁志。聞いてねぇだろ」
「ねおきだから」
「起きねぇとお前の有り金使ってやるよ」
「ちょっ、それは大人気ない!!今起きます。ただちに起きます!!」
「フッ…………クク」
やだもう、パパ黒の笑いのツボは特殊な海流の下にでも隠れてるんですか?? ちょっと笑いどころの分からない私はムスッとした顔で見つめた。
笑い終わったパパ黒は私の首根っこを掴み、腕に座らせてから玄関にまで私を連れていく。すれ違った両親にだけ行儀正しいの私知ってるんだからな!! その表向きの性格を私にも向けたまえ!! プンスカしてるとパパ黒はエスパーなのか「お前はまだクソガキだから」と答えた。
「丁度仁志と同じくらいのガキが居る。そいつと友達になっとけ」
「え、なんで。誰と?」
「仲間は作っておいて損は無いだろ。会えば分かる」
なんでだよぉぉぉ。誰だよそれぇぇぇ。
費用を出され、親にも(勝手に)許可を取られて夏休みを使った旅行がまさかパパ黒と一緒だとは。「大丈夫? 不審者に間違われない?」と心配したら優しめのチョップをされた。それでも痛いので涙目ながら頑張った。手加減の手加減を覚えて……パパ黒。
そんなこんなで麦わら帽子に白いワンピースとありきたりな服装で出掛けた先____。
「あの、禅院家って見えるんですけど」
何度目を擦っても、見える表札は筆書きされた禅院という文字のみ。禅院家とは、いわゆるパパ黒の実家な訳で……。
「もしかして紹介されるんですか?」
「馬鹿か」
ハッとなって答えたものが即答でダメ出しされたので、パパ黒に抱えられながらぐったりと項垂れる。
パパ黒曰く、「今は宴会中だ。他方のガキ共も集まってる」とのこと。古くから伝わる大きな家のせいなのかは知らないけど、繋がりは大事なことはどこへ行っても昔も今も変わらない。私だって小学校で、見た目がめちゃくちゃ可愛い女の子なのに行動がクール過ぎる子と友達になりたいな、とか思ったことがあるし。
まあ、呪術界にそんな可愛らしい理由で繋がりたいとか無いのは分かっているけれど。
とりあえず、その中から探せってこと? え?? 本当に誰と仲良くなるべきなの?? というか選べる立場なの私???
パパ黒は言った。
私の疑問を無視して言った。
「今から別行動だ」と。
「殺す気か」
絶対迷子になるぞ。
ジト目で見れば、パパ黒はククッと喉を鳴らして抱えたままの私の頭をさらりと撫でる。あ〜困りますお客様。人の萌えをその場流しに使わないで下さい。
パパ黒は何故別行動かは答えるつもりが無いのだろう。
暗殺業ではなさそうだ。それにしては目が何となく力籠っているし。
もしかして私の為に何かしてくれてたりして。
……なーんてそんな訳ないか。
だって一緒につるんでるだけで、パパ黒からすれば赤の他人だものね。それにわざわざ私が理由で行きたくない実家に帰るのもありえない。
ま、とりあえずパパ黒の無事を祈ろう。
「……とーじ兄さん怪我しないでね」
「ああ」
ややぶっきらぼうに返された返事に嬉しくてニマニマしてると「調子乗んな」と頭を叩かれた。だから天与呪縛!!!!
ちょっとだけ痛いわ!
*
これ被ってろ。
と、最初に渡されたのは黒い犬の着ぐるみだった。
なんとなく玉犬を思い出してしまったのは私だけじゃ無いはず……。
(失礼ながら)天与呪縛で頭のネジがどっか行ったのかな。
嫌だと言ったら、「だろうな」と何故か1人でウケている。
ちょっと仁志ちゃんウケ所わかんないなぁ。
代わりに渡されたのは、ひょっとこの面。
私女なんですけど。いやひょっとこって何だっけ。
なんかもういいや。
考えることを放棄して、パパ黒が屋敷の中に入るのを見送った。
テクテクと歩いてると白髪の人間がチラホラと居た。
あ、もしかしてもしかしなくても五条家も来てたりする?
禅院家に五条家って、一体どんな宴会が開かれているのやら。
……駄目だ。
もうパパ黒がとんでもないダークホースに見えてきて仕方がない。
それに……。
なんだあのモブ。
「俺の父上はおまえのより凄いって知らないのか?」
「でっ、でも! 僕の父上だって」
「弱いだろ。だから俺の父上がおまえなんかと繋がってやるんだよ」
ちょっとだけムカついたので、陰をしてからポケットに入れてたヘアゴムを飛ばした。すると意地悪をしていた男の子の頭にパチン!と軽い音が鳴って当たる。
太めのゴムなので多少は痛いかもしれないが、それでもちゃんと計算して力加減をしているので激痛は無いはず。
案の定「何かが当たった!?」と元気に騒ぎ出した。
しかし周囲の子や大人は知らないフリをしたのでその子は泣きそうになる。が、見下してた子に心配されて友情感じちゃったシーンになってたので結果良し。
自分でも思うが、結構冷酷さを持ったと思う。
「ゴム投げた奴は誰だ!!」とまた犯人探しが始まったので、投げた所から大分離れたところで陰を解いた。
先程のを見てしまえば、パパ黒が何故連れてきたのかも分かってしまった。つまりコネを作れってことだよね。
周りを見ればそうだった。
大人はともかく、子供でさえも横の繋がり縦の繋がりを意識して話しかけあっていた。
そんな中、子供らがワチャワチャと1人を対象に集団となっている所を見つける。
そんなに繋がりを持ちたい凄い人物なのかな。
なーんて。
そんな風にじっと観察しながら誰に話しかけるか見極めていると、いきなり背後に移った気配があったので振り向く。
背後に居たのは、真っ白が似合うような子。
風がフワッと吹いて綺麗な白髪がさらさらと触りたくなるくらいの柔らかさで揺れる。
目だ。
目が印象的だった。
夏の青空みたいな。綺麗な青の色。
そうとも。目の前には_____
あの男が。
いや男の子が。
推しが。
「......お前、ザコそうなのに何で反応出来んの?」
一瞬何を言われたのか分からず、氷が溶けだしたように理解していく。私は首を横に全力で振って否定した。
「いやいやいやいや!!今やっと話しかけられたことに気づきました!」
そう言うとジト目で見られて「あっそ」と言葉を投げかけられる。
「目ぇズラしてんのバレバレなんだ、よっ!!」
いきなりパンチが来たので手で止めちゃう。あっ、あっ、危ないでしょう!?!?! マイハートがドッキドキの展開に困惑していると、目の前のチビ五条さんも困惑していることに気づく。
そして段々と私はやってしまったことに気づくのであった。
「俺お前のこと嫌いかも」
眉を寄せ、イライラした顔立ちで睨んでくる推しに冷や汗と共にタジタジになる。
「戦えよ。そのくらい出来んだろ?」
訳:戦わなかったら赦さん。
そんな副音声が聞こえてきたあとに私は心の中で合掌した。
ああ、神様。そんなにも私のことが嫌いですか。
やっとpixivで載せてるとこまで載せれた!!
意味:続き書いてない。
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