銃と乙女 ― Guns and Girls ― 作:もってぃ8
1 午後の陽射しを遮る影
オレリーとマルレーンが南の道の端の伝道所を訪ねた日から数日――
そもそも巡回判事が(判事は一人ではないし、全ての判事がそうではないが……)町の有力者と繋がっているわけで、いかにレンジャーがタウンシップの合議体から独立した存在であるとはいえ、果たして自分たちの〝言い分〟が
その間、保安官のラーキンズも表立って何をするということもなく、さりとて、南へ向かう道の封鎖は続いたままだったので、南部の大都市〈サウスポート〉に出ようという人々の足は相変わらず
〝渡り〟のことを「金さえ出せば何でもする
コミッショナーのグレンは、そういう客人に対し、〝カウボーイらの言い分について正しく裁定が下るまで、ロータリとしては中立であるべき〟との考え伝えて丁重に断るのだった。町長と判事の〝黒い関係〟については伏せたものの、〝渡り〟として〝筋の通った〟対応をしてくれている。
だが、このままカウボーイらがレンジャーを
そうしてオレリーがやきもきとする中、事態が動く――。
その日もオレリーとエミールは、ロータリとして使われる
グレンの
すでに2つを平らげてしまっており、3つめに手を伸ばそうか割と真剣に悩んでいたオレリーは、
外の辻が騒がしくなったのは、彼女が3つめのビスケットを手に取った、
怒号ともとれるどよめきを耳が拾い、外の様子を窺おうと窓へと遣った目が、窓枠の先に、午後の陽射しを遮る影を見た。
それが疾走するトリウマ(人を背に乗せられるほどの大きさを持つ鳥。乗用家畜で空を飛ぶ事は出来ないが凄まじい速さで地上を駆け抜けることができる)の影であることは、オレリーとエミールにはすぐに判った。反射的にふたりは席を蹴って身を屈める。
疾走する気配が
木製のドアに2つほど穴が開き、トリウマの気配は、辻の先の
今回も前回に引き続き〝ウエスタン〟な舞台装置/小道具について。
トリウマです。
FFシリーズの「チョコボ」とか『風の谷のナウシカ』のトリウマ、まんまです。
世界観に目新しさが欲しかったので「馬」でない乗り物として登場させました。
書いていてちょっと難しかったのが、馬にまつわる語の表現で、例えば「騎馬」とか「騎乗」とか。
トリウマなので別に馬をそのまま使ってもよかったんですけど、雰囲気を出したくていろいろ考え……、駱駝(らくだ)とか駝鳥(だちょう)の「駝」を使うことにしました。例えば「騎馬警邏隊」を「駝乗警邏隊」というふうに。
正直、そんなところに無駄な労力を割いてもめんどくさくて読者は減るだけだよ、とのお叱りの声を聞きそうですが、まぁ、こういうの考えちゃうんですよ……。