銃と乙女 ― Guns and Girls ― 作:もってぃ8
「それで、〝話〟は何だったのかな?」
「伝道所の
ラーキンズは、真っ直ぐに応えたオレリーを見返した。それから言葉を探そうとしたようだったが、すぐにそれを止め、肩を竦めるようにして返す。
「あいつらは南の街道を不法占拠してる〝ならず者〟だ。町の治安を預かる身としては、受け容れられんね」
話にならない、とばかりに打ち切りに掛かった。が――
「牛のことで係争してるでしょ?」
オレリーも引き下がりはしなかった。
「あなた達は当事者なのだから公明正大とは言えない。――〝町の治安を預かる身〟と言ったけど、相応しいと言えるかしら?」
「はっは……っ‼」
ラーキンズはヤケクソ気味に
「俺が相応しくない? けっこう! それで俺が〝何もしない〟と高みの見物に回れば、それでどうなると思う?
「…………」
ラーキンズの言葉には、オレリーもマルレーンも押し黙ることになった。
彼の懸念は至極まっ当なもので、たしかに〝そうならない〟という保証はない。
「それでもあなたは信用できない」
オレリーの
「……それで?」
オレリーは、内心で自分を励まして、ラーキンズを睨み返して言う。
「レンジャーの裁定なら納得できるわ」
「ふん……」
ラーキンズは
「いいだろう。一番近いレンジャー営地まで往復で4日だ。それまではこちらから手は出さないし、
意外なほど
ラーキンズの方は、そんな〝女渡り〟ふたりに
事務所の中には、目端の利きそうな、少しばかり学の有りそうな風貌の男が安い応接セットのソファに座って待っていた。その手には琥珀色の液体の注がれたグラスがある。
「こんなものでよかったかな?」
「ええ。上出来です」
ラーキンズの問いに男は応えると、軽薄そうにも見える微笑を浮かべ、手に持ったグラスを掲げてみせた。
オレリーたちには知る由もないことだが、この男が中西部タウンシップ同盟の第三席巡回判事――ロベルト・カウペルスである。