走り続けたナマモノの二周目 作:須々木三郎
次に意識が戻ったとき、
どうやら、母はウチが意識を失ったのを確認してすぐに、そのまま病院まで引き返してきたらしい。
声は出せるみたいなので母を呼んでみたら、 すぐ近くの椅子に座っていたらしく、返事が聞こえてきた。
ただ、声のする方をを向いてみても、母の姿が見えない。
何かがいるのはわかるが、そこにいるのが何が判断できない。
そのことを正直に伝えると、今度は眼科に連れて行かれた…
検査の結果、ウチは強度の近視状態にあることが判明した。
先ほどの検査では、余裕で1.0を超えていた視力が、
さっきの気絶で、今度は視力を持っていかれたらしい。
…思わず義母を蹴り飛ばしたくなって立ち上がろうとしたら、急激に動いたせいで目まいを起こして倒れた。
こういうなのなんて言うんだっけ…泣きっ面蹴ったり?
その後、ウチは前世でも見たことのないくらい強い度数のメガネを作るように、と書かれた処方せんをもらった。
病院での用事は終わってしまった。ならば後は帰るだけ。
また義母の運転で帰ることになるのか…とウチはとてつもなく絶望していたが、その心配は杞憂に終わった。
どうやら話を聞いた
そして、ウチらはアニキの運転で近所の総合スーパーに向かうことになった。
…自転車がトランクに積めなかったので、逆にウチがトランクに積み込まれたけど。
アニキが最初は反対してくれたのがせめてもの救いだった。
そこの中にあるメガネ屋さんに処方せんを提出したウチらは、すぐに帰宅することになった。
流石にそれだけの近視で、矯正なしで歩き回るのは危険すぎると判断されたらしい。
…別に前世で散々やってきたことだから問題ないんだけど、それをどう伝えていいのか、ウチには思いつかなかったので渋々その判断に従うことになった。
家に帰ったウチらは、今度は義父のセダンに乗り換えた。
行き先は、近所にある和食メインのファミレスらしい。
外食なんて滅多にないので、ウチは少し気分があがった。
道すがら、珍しく助手席に座らせられた義母は、
義父からものすごく怒られていた。
義母の運転が原因で、折角引き取った娘が二度も気絶した。
その結果、記憶も吹っ飛んだし、視力も大幅に低下した。
そりゃ激怒して当然である。ウチも少しスッキリした。
ちなみに、義母がこうして怒られることは珍しくないらしく、アニキは何も反応しなかった…
ちなみに、そのファミレスは…あまり美味しくはなかった。 アニキのバイト先らしく、従業員割引がきいたのが唯一の救いだった。
帰り道では、アルコールを摂取した義父に代わって運転を引き受けたアニキが、真剣に転職をすすめられていた。
ただ、家から近いという好条件もあるし、そこの家族割引で食べられる飲食店は結構な数があるらしい。
アニキの必死の説明で、ひとまず転職の話は保留になった。
正直、アニキがなんであんな店で働くことにこだわるのかは理解できない。
ただ、あの店自体は、なぜかそこまで嫌いになれなかった。
初めて行ったはずなのに、妙に親近感があるのだ。
…なんでやろ、と考えながらウチは後部座席で少し寝た。
この話を読み直したら、なぜかラーメン食べたくなってきた