境界記録帯(ゴーストライナー)×ストーンワールド 作:ターミナル カフェ
・本作品は『Fate/Grand Order』×『Dr.STONE』のクロスオーバー二次創作です。
・原作には存在しないオリジナルキャラクター、オリジナル設定が登場します。
・原作キャラクターの設定や関係性に独自解釈・改変があります。
・原作とは異なる歴史、展開、世界観が存在します。
・今後の展開によっては、複数のFateシリーズ作品および関連作品の設定を扱う予定です。
以上の点をご了承いただいた上で、お楽しみください。
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境界記録帯(ゴーストライナー)×ストーンワールド
第七話「星の導き」
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【達人side】
レフが消えたあと、重たい空気が森を満たしていた。
そのとき――俺と涼音の腕輪が、同時に光った。ホログラムが立ち上がり、もふっ、と白い小動物が空中に現れた。
「フォウ」
《やっと起動しました。遅いですよ、あなたたち》
俺は思わず固まった。「……は?」
こんな見た目で、こんな高圧的な喋り方をするAIがいるとは思わなかった。もふもふのくせに態度だけは一丁前だ。
《第一印象:思っていたより頼りなさそうです》
「初対面で!?」
涼音が吹き出す。「ふふ……かわいい」
フォウの尻尾が、ふわりと嬉しそうに揺れた。
「フォウ」
《涼音は問題ありません》《達人は要努力》
「なんで俺だけ減点方式なんだよ!?」
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フォウはぴょこんと宙を跳ねる。
《現在位置:日本》《最初の目的地:イシガミ村》
空中に日本地図が展開され、山間部の一点が光った。
「フォウ」
《そこに"科学使い"がいます》《その人を見つけないと話が進みません》
「で、南米は?」
《焦らない》《あなたはまず迷子にならない努力をしてください》
「俺そんなに信用ない!?」
涼音が笑う。地面に、光の矢印が伸びる。小さなもふもふのナビゲーターが、ぴょこぴょこと先導を始めた。
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【涼音side】
しばらく歩いたところで、地形が変わった。
森が途切れ、目の前に深い谷が現れる。谷底までは、優に十数メートル。唯一の道は、朽ちかけた岩の足場が飛び石のように点々と続いているだけだった。
「フォウ」
《これを渡らないと、目的地には行けません》《推奨、一人ずつ、慎重に》
「……マジか」
お兄ちゃんが谷を覗き込んで顔をしかめる。私も同じ気持ちだった。足場の一つ一つが、見るからに脆そうだ。
「私が先に行くよ。身軽さなら私のほうが」
「いや、俺が行く」
「お兄ちゃんは体重があるから危ないでしょ」
「うるさい」
結局、お兄ちゃんが先に足場へ踏み出した。一歩、二歩。慎重に体重を移していく。足場は思ったより頑丈らしく、私は少しだけ安心した。フォウくんも特に警告を出していない。このまま渡り切れる――そう思った矢先だった。
ちょうど中間あたりまで進んだ、その時だった。
ぐらり、と足場の岩が傾いた。
「お兄ちゃん!?」
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【達人side】
――やばい。
足元の岩が崩れる感覚が、靴底から伝わってきた。体が傾く。谷底が視界の端で揺れる。
考えるより先に、体が動いた。
崩れかけた岩を蹴り、隣の足場へ跳ぶ。着地と同時に、また次の岩が軋む。連鎖的に崩れ始めている。
(――どうする)
その瞬間、頭の奥でノイズが走った。
『足を止めるな。次を見ろ。踏む場所より、離れる先を見て動け』
暑苦しくて、力強い声。灼熱の太陽の下、盾と槍を構えた大男の姿が一瞬だけ重なる。
――言われた通りにやってみろ。
俺は視線を、崩れる岩ではなく、その先の安定した足場に固定した。体が、驚くほど素直に反応する。二つ、三つと足場を跳び移り、最後は大きく跳躍して対岸の地面に転がり込んだ。
「っ……ぐ……」
背中を強かに打ったが、無事だ。
「お兄ちゃん!」
涼音の声が谷の向こうから聞こえる。振り返ると、崩落した岩の道が、谷底へと音を立てて落ちていくのが見えた。
「涼音、そっちは無事か!?」
「うん……でも、これじゃあ渡れない!」
フォウが涼音の腕輪の上でぴょこんと跳ねる。
《別ルートを検索します》《少々お待ちを》
俺は立ち上がり、痛む背中をさすりながら谷の向こうを見つめた。
さっきの声は、なんだったんだろう。考えている暇はなさそうだが、その感覚だけは、確かに体に残っていた。
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フォウの案内で、少し離れた場所に迂回路が見つかった。倒木が偶然、谷の両岸に橋のように架かっていたのだ。
「……こんな都合のいい橋、本当にあるんだな」
《この世界は、あなたたちが思うより不思議なことだらけです》《驚いていては、身が持ちません》
涼音が慎重に倒木を渡り、こちら側に合流する。
「大丈夫だった?」
「まあ、なんとかな」
俺は、さっき頭に響いた声のことを話すべきか迷って、結局黙っていた。うまく言葉にできる気がしなかったからだ。あの声も、あの光景も、まるで自分の記憶みたいに馴染んでいたのに、誰なのかは欠片もわからない。
フォウが、俺をじっと見つめる。
《達人》《さっき、何かありましたか》
「……いや、なんでもない」
気のせいだ。たぶん。
俺はそう思いながら、フォウの先導する光の矢印を追いかけて歩き出した。イシガミ村へ。物語は、まだ始まったばかりだ。
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第七話 了
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