ダークディケイドの力持って転生出来たけどカメンライドできる種類が酷すぎる。 作:そらまめまめま
初めての変身――決まった!
後ろで全て見ていた男性は呆気に取られている。
「き、君は……何者なんだ?」
「僕?……通りすがりの、仮面ライダーさ」
言っちゃったああ!ディケイドの決めゼリフ!!うわあああ!!きゃあああ!!!
……おっとっと
限界オタクになってしまった、平常心平常心。
「さぁ、この姿ならいくらでも付き合うぜ!」
その言葉が挑発と受け取られたのか
「グルルルァァァッ!!」
ハティが唸り声を上げ――次の瞬間、こちらへ向かって勢いよく飛び込んできた。
反射的に腕をクロスさせる。
――ガキィンッ!
痛……くない?
え、こんな簡単に?
腕をクロスさせただけなのに簡単に攻撃を受け止めてしまった。
いや、今は好都合だ。そのまま角に掴みかかり――
「オラァッ!」
――ドゴォン!
渾身の素人丸出しの蹴りを放った。だけなのに――追撃を食らわせることなく消滅してしまった。
「うそぉん…」
続けざまに別のハティが突っ込んでくる。
今度は体当たりを正面から受け止め、そのまま額を叩きつけるように頭突きをする。
「はぁ!でえぇや!」
膝蹴り――
素人スマッシュ――
体当たり――
と戦い方は思い付きでめちゃくちゃだが、そんな攻撃でもあっという間に撃破してしまった。
後ろの男性がポカンとしていたが、それは僕も同じである。マスク越しで良かったァ…
「色々試しがてらライドブッカーも使ってみるか…」
SLASH
ライドブッカーをスラッシュモードに変形させ、迫ってきたハティの胴体へ向かって、剣を振る。
――ザシュッ!
一閃しただけでハティの身体が大きく裂ける。
「せいやっ!」
こちらから踏み込み、顔面へ突き刺すように刃を叩き込みそのまま横へ振り抜いた。
――ズバァッ!
ハティの身体が真っ二つに両断され、身体は光の粒子となって消滅した。
え、なにこの斬れ味?やば…
「エグいなぁ…ん?」
そんなことを考えていた時だった――視界の先から次々とハティが現れる。
一体、二体、三体――いや、まだ増えるのかよ。
「まじか……」
思わず呟く。ゲームでもここまで一気に出てきた記憶はない。だが先ほどの戦いで分かったが、少なくともこれくらいの相手なら問題なく倒せる。
「使うなら…これだな。」
ライドブッカーをガンモードに切り替え、別のカードをドライバーにセットする。
BLAST
――ダダダダダダダダダダダダッ!
ライドブッカーによるエネルギー弾の高速乱射で一掃する。
次々と敵が吹き飛び、数秒後には、さっきまで押し寄せていた大群が跡形もなく消えていた。
静寂が戻る。
僕はゆっくりと銃口を下ろした。
「……強すぎない? ディケイド」
いや、こうなるのも仕方ないでしょ?
変身しただけで攻撃は防げるし、適当に蹴れば敵は消し飛ぶし、剣は何でも斬れるし、銃は範囲殲滅兵器だ。
「チートかよ…」
ゲームやテレビの中では分からなかったが仮面ライダーのスペックって、実際に体験するとこんなにおかしいんだな……
あれ?
この世界に怪人がいないということは、戦い方を覚えれば実質『無双』なんじゃ……いやそんなことより
「大丈夫ですか?」
「あ、あぁ…助かったよ、ありがとう。僕は隼人といいます。」
うわぁ。好青年だなぁ……爽やかで、礼儀正しくて、見るからに人が良さそうしこれは絶対モテる。
なんというか……どっかの人たらし主人公兄妹みたいにならなければいいけど。
って何に心配してるんだ僕は……
こんな人に憧れてた時期あったなぁ、そんなことを思いながら僕は小さく苦笑した。
「とりあえずここを離れま――っ!?」
背後からした嫌な気配に、咄嗟に隼人さんを蹴り飛ばし攻撃をもろにもらう
「ぐああっ!?」
衝撃で数m先まで吹っ飛んでしまった。フィールド(?)広くて良かったァ……って安心してる場合じゃない!
「チッ今度はなんだよ!…って、嘘だろ?」
出てきたのはデュラハン――しかも
「よりによって『要警戒デュラハン』かよ…!」
慌てているうちにいつの間にかデュラハンが溜めの構えに入っていた。
「まずい!」
僕は咄嗟にドライバーにカードをセットする。
INVISIBLE
透明化になって避け、対象を失ったことでブレたデュラハンの刃は首を掠める程度で済んだ。
素人にしてはめちゃくちゃ良い判断だったくない?
「あっぶねぇ……ちょっとこいつらで遊んでてくれ」
ILLUSION
分身体が4体になって出てくる。
「「「「はああっ!」」」」
分身体がデュラハンを引きつけている間に、僕はライドブッカーへ手を伸ばした。
そして――
「とうとう……カメンライドのお時間だ……」
思わず口元が緩む、そりゃそうだろうディケイドの醍醐味といえる他の仮面ライダーへと変身する力を自分が使えるんだから
「……どれにしようかな」
早く選ばなきゃ。
そう思う一方で、胸の奥から湧き上がってくるワクワクを抑えられない。僕はライドブッカーのカードを確認して―
「……え?」
絶句した、そこに並んでいたのは――
クウガ ペガサスフォーム
ブレイド キングフォーム
ダークキバ
ダブル ファングジョーカー
オーズ プトティラコンボ
他にもあるが、どれも副作用か不可が酷いデメリットライダーばっかりだった。
「嘘だろ…?」
何故こうもデメリットライダーだけ?
いや、まぁ……本来の設定なら。
ディケイドは、自身の限界を超えるほど高すぎるスペックを発揮しなければ、変身したライダーの力を余裕で扱える。
だから、理屈の上では
「……大丈夫、だよな?」
変身を躊躇っていると
「ぐわぁっ!」
いつの間にか分身が全員倒されており、あろうことか気を失ってる隼人さんに刃を向けていた。
「…悩んでてもどうにもならねぇ!」
今見たもので確実に倒せるライダーのカードをセットする。
DARK KIBA
全身を凄まじい力が駆け抜け、身体の奥から何かが一気に噴き上がってくる。
思わず身体が震える。
。
これが――ダークキバ。
魔皇力なんて、僕には存在しないはずなのに。
それでも――今の僕の身体には、確かにそれに似た圧倒的な力が漲っている。
漲りすぎて怖いくらいだ、身体の内側から溢れ出してくる力を感じる。
でも――今は、それでいい。
デュラハンの前へ出て、睨み合う。
最初に仕掛けたのはデュラハン、刃を振り上げ重い一撃を僕に向かって落ちてくる。
けどなんでだろう…凄く遅いな
――ガキィィィンッ!!
ハティとは比べ物にならない攻撃を片手で止めた。あまりのことにデュラハンですら固まる。
「オラァッ!」
力任せに放った一撃は、デュラハンを大きく怯ませる。そんな隙を見逃さず、今度は懐に蹴りをはなった。
でも、流石は要警戒と呼ばれるだけある。瞬時に体勢を直して盾で攻撃をしてくる。
俺は身体を横へ滑らせ、間一髪で盾の一撃をかわす。
――だが。
「なっ……!」
盾による攻撃こその直後、死角から追撃の刃が迫る。
「ぐっ……!」
刃が身体を掠め、思わず後ろへよろめく。痛みに顔をしかめながら、僕は距離を取った。
こいつのエキスパート挑戦だけサボってたからなぁ……全く攻撃が読めない…
「……あまり負荷のかかる技は使えないな」
今の一撃だけでも、こちらの動きをかなり読まれている。少しでも弱らせるため、カードを取り出す。
DARKNESS HELL CRASH
力が漲るけど、痛てぇし相当体力持ってかれるぞこれ…
苦痛に耐えながら全て拳に溜める。
「ぐぅぅっ……ゔお゙お゙お゙!」
デュラハンに向かって走り出し、パンチを放った。
「なっ…」
だが、技に耐えきれず僕の体はディケイドに戻り中途半端の威力となってしまった。
これで3回も変身した『紅 音也』さんどうなってるの?僕と同じ人間でしょ?
絶対おかしいと思う。すげぇよ
「はぁ…はぁ…けど、良い感じにダメージ入ってるな」
決めるなら…これだよな
DE DE DE
DECADE
飛び上がると、デュラハンがいる方向に10枚のカードが出現する。
「はああああっ!!」
叫び声とともに、僕は十枚のカードを一直線に貫き、デュラハンに『ディメンションキック』を放った。
まともにくらったデュラハンは、その場に倒れ込み消滅した。
「はぁ…初戦にしては、上出来でしょ。」