ダークディケイドの力持ってゼンゼロの世界に転生出来たけどカメンライドできる種類が酷すぎる。 作:そらまめまめま
朝の6時
「……あれ?」
いつの間に寝ちゃってたんだろ。
「母さん、なんで起こしてくれなかっ――そうだった。」
僕、転生したんだった。
改めて考えると、なんだか妙な気分になる。
夢なのかと思って、試しに自分の頬を思い切りつねってみた。
――普通に痛い
「……そりゃそうか、昨日の戦闘で散々身体痛かったもんなぁ……」
夢なら、こんなリアルな痛みなんて感じるわけがない。つまり現実か。
僕は本当に転生して、この世界で生きている。
まぁいい、深く考えても仕方がない。
それより今は――。
「ご飯、どうしよ……」
そういえば、昨日は戦闘やら何やらで買い物なんてしていない。
あ、そもそもディ二ーがないからなんも買えんやんマジかよ。
残っているのは、せいぜいフルーツくらい。
「朝ご飯、フルーツだけでいいかな……いただきます。」
食べながらカードを確認する。まだ全部見ていないからね。臨機応変に行けるようにしないと…って思ったけどさぁ
「……なんでこうもデメリットライダーしかいないの?」
中には使う度に怪人に近付く危ないもんもあるし、ダークキバに変身した時にも感じた……身体への異常な負荷。
あれが単なる一時的な負担じゃなかったとしたら?
他のカードでも、同じようなことが起きるとしたら?
「うん、とりあえず怪人化系や暴走系は一旦封印しとこう。」
万が一の時だけ使おう。
戦闘の度
『オーズ プトティラ』
『剣 キングフォーム』
『極アームズ』
の形態をバンバン使ってたらグリードとアンデッド、オーバーロードが組み合わさった化け物を超越した存在になる可能性あるしな
とか考えてたらいつの間にかフルーツを食べ終えてしまう。僕は少食なため、普段なら膨れるはずなのにどうにも食べた気がしない。
てか転生前の僕は体が弱い方だったのに、結構良い筋肉がついている。この体付きだから変身に耐えられたのも絶対あるはず
多分前世の状態で使ってたらもっと酷かったろうな
とはいえこの体を維持するには筋トレが必要だし、食事もちゃんとしなきゃいけない。でも根本的に考えるならまずはお金だ。
「よし。早速、今日から行けそうなバイトを探そう!」
幸い、スマホはある。
この世界の求人情報だって、ネットで探せばいくらでも出てくるはずだ。
「えーっと……今日から働けるバイト……」
この体なら、割ときついやつでも行けそうだし高いとこならなんでもいいかなぁ
でも履歴書書かないといけないとこは無理だなぁ、学歴どうすればいいかわからんし
「引越し…飲食店…塾講師…ハッカー…ハッカー?そんなのあるんだ、やらんけど」
どれも給料がイマイチだなぁ…
ん?これは?
「給料が高いのは…現場作業系か、ワンチャン白祇重工のバイトとかなっ――」
あった……だとおぉ!?
「ゼンゼロのキャラがいる場所で仕事できるってこと!?」
思わず声が大きくなる。
いやいや、待て。
これ、めちゃくちゃ良くないか?
重労働だから体も鍛えれてお金も手に入る、そんなの――
「再&高じゃないかっ!!」
僕はスマホを握りしめながら思わずガッツポーズし、待遇、仕事内容、勤務時間を確認して迷わず応募ボタンにタップした。
短期バイトだったのは少し残念だがゼンゼロキャラに会えるのだ、しっかりと拝もう!!
「今日の8時からか、まだ6時15分だけどもう向かっちゃおう!」
靴を履いて、オーロラカーテンでルミナスクエアの裏路地に出る。
朝の街はまだ少し静かで、人通りもまばらだった。
「やるぞぉ!!」
僕は気合いを入れて走り出した。
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黒雁街跡地
「ふぅ着いたぁ…けど…」
アドレナリン出たのか分からないけどずっと走ってここまで来たからまだ7時だ…仕方ないし待ってるかぁ
「あれ?君、そこで何してるんだい?」
「あ、僕は…って、え?」
後ろを振り返った瞬間固まってしまった。
見間違えるはずがない。
目の前に立っていたのは、一人の女性。
長い黒髪に、特徴的なゴーグルを頭に乗せている。
作業服のような格好を身につけ、その姿からは現場慣れした技術者らしい雰囲気が漂っていた。
グレースだあぁぁぁぁあっっ!!!!すげええええまじの本物だぁぁぁああ!!!
「きょ、今日からバイトで入るレイト・ヴァレンタインであります!!1時間早く来すぎてしまったので待機中であります!」
なんだこの喋り方、尻尾が喋るどっかの軍人かよ。
「そういうことかい、元気があっていいねぇ。ところで…」
え?なんか雰囲気が変わ…待って待ってなんで機械オタクモード入ってんの?
「君の懐から、なにやら見慣れないなにかを感じてねぇ…ちょっとだけお姉さんに見せてもらってもいいかなぁ…?」
やばい、目がイってる
てか
「おいグレース!」
アンドーさんだぁぁあああ!!
「他所様に変なことしてんじゃねぇ!」
「えー? だって気になるじゃないか」
「だからって勝手に漁ろうとすんな!」
「ちょっと見るだけだよ?あの子から」
「その『ちょっと』が信用できねぇんだよ!」
あれ?なんか置いてけぼりにされてる?
何故か僕が第三者役として場を収めることになった。
「すまねぇな、変なところ見せちまって」
「いえいえ、全然大丈夫です。」
マジで大変だったけど2人と話せたこと自体がもう叫びまくり案件なのでプラマイゼロっすね。いや、むしろプラスです。
「お前が今日から入るバイトのやつか?指定時間より早く来るなんてやる気あるじゃねぇか。俺はアンドーだ、よろしくな!」
「よろしくお願いします!」
「じゃあ、仕事内容を説明してくぞ。知ってると思うが、うちは重工業グループだ。機械の力と並行して仕事していくぞ!」
「はい!」
……重工業グループ
改めて聞くと、やっぱり凄いところなんだなぁ
周囲を見渡せば、大型の機械や工具、資材が置かれている。
見るからに専門的なものばかりで、正直、僕には何に使うのかすら分からないものも多い。
これ、素人が触っていいやつなのかな……?
「基本的には機械の整備や資材の運搬、それから現場の補助だ。最初は簡単な仕事からやってもらうから安心しろ」
「なるほど!」
「分からないことがあったら、俺かグレースやここにいる奴らに聞けばいい。ただし――」
アンドーさんが人差し指を立てる。
「機械に触る時だけは、絶対に勝手なことをするな。分からないまま弄ると、マジで危ねぇからな」
「はい!」
……うん。
これは大事なことだ。
僕だって、いきなり機械を爆発させて初日でクビになりたくはない。
「付きっきりで教えてやりたいところだが、生憎と今の時期は忙しくてな、詳しくはお前の先輩にあたるやつから聞いてくれ。」
渡された作業着に着替えて、指定された場所に行くとクマのシリオンの男性がいた。
「お前がアンドーさんが言っていた新人か?」
「はい!お願いします!」
「早速だが、まずはこれから運ぶぞ」
そう言って彼が指差した先には、いくつもの資材が積まれていた。
どれも見るからに重量がありそうなものばかりだ。
「まずは一緒にだ。これは俺たちクマの力でもきつ――」
「え?」
僕は資材の一つに手をかけると、軽々と持ち上がった。
しかも、思ったよりずっと簡単に。
嘘でしょ…?別に軽いわけじゃない。
手に伝わってくる重量感は、確かにある。
腕にも、しっかりと負荷がかかっている。
それなのに――なぜか、普通に持ち上げられてしまった。
え、僕の体ってどうなってんの?
「と、とりあえず……どこに持ってけばいいですか?」
「あ、あぁ…あっちの方だ。」
……まあ、いいか。
考えても分からないものは分からない。
とりあえず――
筋トレだと思ってやろう。
そう考えることにした。
資材を運んで、戻って、また運ぶ。
そんな作業をひたすら繰り返しているうちに、時間はあっという間に過ぎていった。
「ふぅ……疲れた、途中先輩たちから人間なのか疑われてたなぁ」
冗談なのか本気なのか分からないけど、何度か「お前、本当に人間か?」なんて聞かれた。
いや、僕も知りたい。
本来なら今日は、先輩たちの仕事をほんの少し手伝いながら、仕事内容を教えてもらう研修が中心だったらしい。
……だったのだけど。
僕が思った以上に動けてしまったせいで、いつの間にか話が変わってしまった。
新人ということもあって、今日はほとんど資材運び。
周囲には先輩たちがいて、時々指示をもらいながら、ひたすら資材を運び続けた。
「流石に何回も運ぶのをやってると疲れるなぁ……
「おい、お前。先に休憩に入っていいぞ。俺たちは別の現場に行ってくるからな」
「はぁい、分かりましたぁ」
先輩たちはそう言うと、別の現場へ向かっていった。
休まず働くなんて大変だなぁ……。
そんなことを思いながら、僕も昼休憩を取るためにその場を離れた。
「……ん?」
一人の人が、頭を抱えている。
少し迷ったものの、放っておくのも気になったので、僕は声をかけた。
「あの、どうかしましたか?」
「君は……新人の……ちょっとまずいことになって……でも、君――」
「……?」
そこまで言われると、めちゃくちゃ気になる。
一体、何があったんだろう。
――プルルルル
「もしもし…なんだって!?エーテリアスに!?」
ちょっと聞き捨てならないセリフが聞こえたけど
「あの、なにかあったんですか?」
「今やってる現場の1つがホロウの中なんだが、エーテリアスが活発化しだして危険な状態らしい!しかもまだ何人か取り残されているだ!」
「…!」
まじかよっ!
どうする…助けに行くか…?
「ただ幸いにも、その現場にはベンさんや社長があっちにいるらしい。」
その名前を聞いた瞬間、僕は思わず顔を上げた。
ベンさんが!?
しかも社長ってことは…クレタ!?
あの二人がいるなら、かなり心強い。
ベンさんの頑丈さも、クレタの実力も知っている。
そう簡単にやられるような二人じゃない。
……だけど。
それでも、心配なものは心配だ。
「あの……一応聞きたいんですけど、その現場って……どこの方なんですか?」
「え?あっちの方だが…」
あっちの方か、よし、だいたい方向はわかったぞ!
「あ、僕ちょっとトイレ行ってきますねぇ。」
「お、おう…あ、トイレはあっちのほうだぞ」
よし、良い感じに信じてもらえた。
トイレに行くフリをしてオーロラカーテンで黒雁街跡地の外に出る。
「よし…」
早く向かおう!
そうして走り出した。
レイトの見た目↓
すげぇどうでもいいけど全ての怪人合わせたら何が生まれんのかな