次元の旅人プリキュア-ジェネレーションワールド- 作:UNIMITES
現在、キュアコスモスが使用できる
◆キュアリング
■アニマルリング(シベリアンハスキー)
♡ソウルリング:アイドル
★スキルリング:2023、2024、2025
ライブ終えたキュアアイドルたちが楽屋に戻ってくる。
「ライブお疲れ様ー。みんなすごいね!私アイドルのライブなんて初めて生で見たからもう感動しちゃった!」
「そう?照れるなー」
キュアアイドルは表情を緩ませる。
「やっぱりゲートが開けない、他にもこの世界がアナザーワールドである理由があるんだろうな」
「でも、最近で変わった話は聞きませんね」
部屋の隅で会話をするゲイツと田中は、考え込むように顎に手を当てる。
「どうかしたんですか?」
「なにかあったの?」
2人の様子に気づいたキュアウィンクとキュアキッスが首を傾げていた。
「えっと……実は私たち、別の世界から来たんだ。あのアナザープリキュアを倒すためにね」
「そうだったの!?」
「ああ。だが、どういうわけか、アナザープリキュアはいなくなったのに、元の世界に帰還できないみたいなんだ」
ゲイツの説明の通りだ。
本来ならアナザープリキュアであるアナザーキュアアイドルを倒して、アナザーキュアリリベルを追い払うことに成功したのだから、この世界に残る理由はなくなったため帰還できるはずだった。
しかし、次元を超えるためのゲートを開くことができなくなっていた。
それはつまり、他にもアナザーワールドが生まれた理由が存在しており、ゲートを開くことを妨害している可能性があるということ。
「つまり、まだ京たちはこの世界にいるってことだよね」
「う、うん。そうだね」
「それなら、そのアナザーワールドになった理由ってやつが見つかるまでうたの家に住んだらいいんじゃない?」
「いいね、それ!京さんと、お泊りなんてきらっきらんだね!」
キュアズキューンの提案にキュアアイドルも深くうなずく。
「ゲイツ君どうする?」
「いいっていうなら、お邪魔させてもらえよ」
「じゃあ、ゲイツ君は私の家でどうですか?」
「え?」
キュアウィンクの提案にゲイツが向き直る。
一緒にうたの家に行くつもりで考えていたのか、彼も驚いていたようだ。
「2人増えると少し狭いかもだしねウチ」
「……じゃあ、そうさせてもらう」
「はい」
彼女の太陽のような笑顔にゲイツも頬を染め、視線を逸らす。
ライブを終えた日の夜。
うたの部屋で作り途中の新曲の歌詞を考えていた。
「うーん。うたちゃんって即興でよく歌ってるって言ったけどどんな風に考えてとかコツあるの?」
「コツ?うーん、特にないけどなー」
「そっかー。私もこの曲が作詞は初めてだからさ」
そう返答してギターを弾き鳴らす。
彼女と初めて会った時の歌を鳴らし、歌い始める。
「その歌。やっぱいいですよねー。こう、始まりって感じがして私結構好きです」
「お、わかってくれる?そうなんだ、これは私とゲイツ君のバンドの始まりの歌になるから」
「へー」
窓の外に浮かぶ星空を見つめ京が口にする。
その横顔をうたも静かに見つめていた。
「じゃあ、こんな歌詞はどうかな?キラキラ輝く未来は、あの日見た星空ー♪」
「いいかも……」
歌詞ノートにボールペンを走らせ、歌詞と簡易的なギターやドラムのリズムとコードを記載する。
「おー、京さんって作曲もするんですか?」
程なくして歌のベースが完成した。
「あくまで簡易的なリズムだけどね。本来の作曲はお姉ちゃんたちに見てもらわないと……うたちゃん達って新曲出すとき誰に作詞、作曲してもらってるの?そういう専属の人!?」
「えっと、その辺は田中さんかな、多分」
「田中さんか。せっかくだし見てもらおうかな」
ノートとギターをしまう。
「うん。きっと見てくれるよ!その新曲楽しみにしているね」
「まかせて!って言っても、私たちのバンドまだメンバー足りてないんだけどね」
「そうなの?」
「バンドメンバーは募集中なんだ。ギターとドラムはいるから、ベースとキーボードかなー。でも私ギタボするならギターはもう一人ほしいかなー」
「キーボード?パソコンの?」
うたは首を傾げていた。
どうやら彼女の頭に浮かんでいるのはPCに付属するキーボードのようだ。
「えっと、ピアノって言っていいのかな?正確にはシンセサイザーだっけ?まあ小さいピアノみたいなのだと思って」
「へー、ならななちゃんはピアノ弾けるよ」
「本当!?」
目を輝かせる。
もし、なながキーボードをしてくれるなら、こんなにうれしいことはない。
ふと、ゲイツの言葉を思い出す。
この世界はアナザーワールド。自分たちが原因を消せば消えゆく世界。
「もし機会があれば一緒にやりたいかも……」
「うん。~♪」
うたは即興で作った歌を歌いながら楽しみであることを表現していたのだった。
それから数日後。うたや田中たち共に完成させた新曲の楽譜のコピーをゲイツに渡す。
「できたよ!私が作った新曲!」
「おー、って私じゃなくて、私たち、だろ?」
「おっとそうだった!うたちゃんたちにも手伝ってもらったから私たちの新曲だね!」
「この曲すっごくいい歌なんだよ!京さんの弾き語りだけでもキラッキランランだから!」
うたも絶賛していた。
「それで、曲名はまだ決まってないんですか?」
「確かに書いてないですね」
ゲイツの持つ楽譜を隣から覗き込むななとこころが質問する。
「ふふふ!実はもう決まっているんだなこれが!曲名は……アドベントスター、だよ!」
「悪くないな」
「誕生する星、ですか」
「始まりの歌って感じですし、いいですね!」
ゲイツだけでなく2人も気に入ってくれたようだ。
「ん?これ、キーボードとベースも含まれてるな。蒼風さん、ピアノ弾けましたよね?これ弾けます?」
「え?……う、うん。ゲイツ君、ななって呼んでいいからね」
「ちょ、ちょっとゲイツ君!なに勧誘してんの!?私がうたちゃんをボーカルにしようとしたら反対したくせに!」
「は?勧誘じゃなくて、音合わせしてほしいって言ってるだけだ」
「ぐぬぬ……」
「なんか京さん。威嚇する犬みたいですね」
こころが乾いた笑いを洩らす。
「イッヌになったことも、あるからね」
「え?」
「冗談に決まってるメロよ」
カミングアウトするとメロロンもさらっとツッコミを入れていた。
犬になったのは本当なのだが。
「じゃあ、音合わせに行こっか」
ギターケースを背負う。
「ちょっと待て。ドラムどうするんだよ。京のギターと違って俺は楽器持ち歩いてないんだぞ」
「そっか……ライブハウスとかは?」
「ないですねー。カラオケボックスならレンタルしてるかもですけど、結構高いですね」
「うっ!きっついな、これは」
こころの見せたスマホの画面には予想以上の金額を提示したページが表示されている。
「じゃあどうしよー」
「みなさん、お揃いのようですね」
そんな中、田中が綺麗に包装された箱を手にやってくる。
「皆さん当てにこんなものが届いていました」
包装を開けて、箱の中を確かめる。
中に入っていたのは腕時計のような形をしたライトが収納されていた。
「腕時計?」
「時計の文字盤も針もついてないぞ」
「じゃあ、スマートウォッチかな?」
「画面もついてないですよ」
うたにゲイツが、京になながツッコミを入れていた。
「どう使うんでしょうか?」
各自が手に取り腕に装着していく。
「スーパーアイドルフェスティバルの招待状のようです」
「なんの捻りもない名前……なんでアイドルオンリー?」
「アイアイ島と呼ばれる島で10年に一度行われる超大規模フェスのようです。そして、この『ミラクルアイアイブレス』がフェス参加者の証のようです」
田中の説明を聞いていた京も腕に装着する。
「そもそも、なんで俺たちの分まであるんだ、これ?」
そんな中、手に取ったゲイツだけが違和感を敏感に感じ始めていた。
「どうしたの?」
「だって、これ」
そう口にした時だった。
「きらっきランラン……」
装着した腕時計型のライトが一斉に輝く。
「まぶし!」
次に瞼を開いたときに広がっていたのは、ライブ会場であった。
「どこだ、ここ?」
「ライブステージだね」
周囲を見て返答すると
「なんでわかるの?!」
うたも声を上げていた。
「だって広いステージに周りには観客席。どう見てもライブステージでしょ」
「そういうところ鋭いよな京って」
「結構いろいろなバンド見てるからねー。トゲトゲはまだ生で見たことないけど」
姉の所属するグランシャリオをはじめ、バンド系のライブは数多く見てきている。
その中にはこの場所に似た大きいステージでライブをするというバンドもあったのだ。
「でも、なんでこんなところに?」
「それは私がお答えしましょう!」
そう口にして現れたのは頭に角のようなサンゴを生やした男性だった。
「誰ですか!?」
「私はサンゴの妖精トットです」
「サンゴの」
「妖精?」
隣にいたプルルンとメロロンが首を傾げている。
そうか、頭にあるのは角ではなくサンゴと言うことか。
そう理解して1人頷く。
「それで、どうして私たちを?」
「突然失礼しました。実はこのフェスは出演のアイドルの皆さんの他にもいろいろな場所からお客様もきているのです。まさにスーパーでミラクルなフェスなのです!」
「すごい……」
ななが感動したように声をあげている。
「10年に1度ってインターバル長いよね」
「あまり、頻繁でも興ざめですから」
「「「?」」」
彼の言葉にうたや京、ゲイツが首を傾げていた。
「つまり、私たちはアイドルとして呼ばれたってことですよね!」
「はい。ただ、アイドルプリキュアは5名と聞いておりましたが……」
「私とゲイツ君はアイドルじゃないから、観客兼マネージャー補佐って感じ?」
「そういうことでしたか」
トットは納得したように頷く。
「なあ、やっぱり変じゃないか?」
「なにが?」
「俺たちは別世界から来た人間で本来は存在しないのに、なんで俺たちまでフェスに招待されているんだ?おかしいだろ」
「そんな細かいこと別によくない?ねぇ、それって飛び入り参加もありですか!?バンドなんですけど、数分だけでもいいので!」
「そうですね。本来来る予定だったアイドルが一組キャンセルされたのでその時間が空いてます。バンドですか……空き時間を作るよりはいいかもですね」
「本当ですか!?ゲイツ君、やろ!」
「おい、話を勝手に」
「いいね!これで京さんの歌聞けるね!」
うたが賛成するとゲイツもため息をついた。
「他のアイドルもいるんですか?」
「はい。たくさんのアイドルが集めっていますから」
トットの案内で、このアイアイ島のフェスに参加するアイドル達を見学するのだった。
「「ん?」」
うたと京が足を止めた。
視線の先にはどこか悲し気な表情を浮かべる少女が立っていた。
「うた、京。どうかした?」
プルルンの言葉で我に返ったように振り向く。
「なんでもない!」
「うん。そうだね」
返事をして、視線を戻すとすでに少女の姿はなくなっていた。
多くのアイドルを見学していく。
「本当にたくさんのアイドルがいるんだね」
「こんなにたくさんの人が集まるフェスなんて、開催するのはすごく大変そう」
「御心配には及びません。この島の海はあらゆる海と繋がっているのです。様々なものが流れ着きます、場所や時間すら超えて」
「場所や時間すらも……」
話を聞いていたゲイツが囁く。
「サンゴ礁は数千年の時を超えて作られます。共に生きる私たちも。これもすべて女神アマス様のご加護なのです」
「女神?」
「アマス様?」
首をかしげるうたたちを横目に島でひときわ大きい像を見つめた。
人型の女神像が島には立っていた。
あれが女神アマスなのだろう。
「アイアイ島の守り神たるサンゴ礁の女神様です!」
「サンゴ礁の女神様かぁ」
京やゲイツも像を見つめる。
日が傾きはじめたころ、地平線に続く海をみんなで見つめていた。
「~♪」
うたが歌を紡ぎ始める。
すると京もギターを手にして、即興で音を合わせる。
「素敵な旋律」
「プリ―!」
ななやプルルンも絶賛していた。
「なんか、この景色を見てたら歌いたくなっちゃって」
「うん、わかる!」
うたと同様の気持ちを抱いていた京も頷く。
そんな時だった。
さきほどの少女が2人の目に入る。
「あ……」
「さっきの」
「待って!」
2人は走り出す。
走り続けて数分。さきほどの少女の姿はなかった。
目の前にあったのはサンゴ礁の女神であるアメスの像だった。
「うた先輩、京さん!」
後を追ってきていたこころたちの声が耳に入る。
視線を落とすと白く汚れた絵があることに気づく。
「変な絵メロ」
「それは、1000年前のできごとを書き記したものです」
「1000年!?」
「途方もないな」
皆が驚く中で、ゲイツが淡々と口にする。
「遥か昔メロ」
「そうですか?」
「そうですかって……」
「どんな出来事なんですか?」
ななが質問を投げかける。
「1000年前、この島を厄災が襲い、島ごと滅びそうになったのです。しかし女神に仕えていた伝説の巫女から力を得て、自分が石像になるのも顧みず、すべてを投げうって島を救ったのです」
「石像にって」
「なんかアイドルみたいですね」
「この島のフェスはそれが起源ってことだね」
「そうです!」
こちらの言葉をトットが肯定する。
女神と巫女の関係はまさにファンとアイドルと言うことか。
「つまり巫女様は女神さまの推しってことですね」
「そのとおりです!」
「そんなのでいいのか?」
「そんなのでいいメロ?」
珍しく意見の合ったゲイツとメロロンがため息をつく。
そんな時だった。
耳に入るはずかな波の乱れる音。
同時に頭に響く警鐘、ワールドシグナルだ。
振り向いた京が海を見つめる。
「あれ、何か黒いのが迫ってきてない?」
指さす先には確かに何か黒い物体が島に接近していた。
「ヤミクラゲだ!」
「ヤミクラゲ?」
「生命を吸いつくして石にしてしまうのです!」
「ってことは、敵ってことだよね。いくよ!」
みんなが変身アイテムを手にする。
「We are 君とアイドルプリキュア!」
「次元を渡る調和の力!キュアコスモス!」
変身を完了する。
「田中さん、とりあえずみんなの避難だ」
「はい」
ゲイツと田中も動き出す。
「は!」
大量に押し寄せるヤミクラゲたちにプリキュアたちが応戦する。
2025のスキルリングを左手の名指に装着する。
「ズキューンバズーカ!」
キュアズキューンの技を再現して一気にヤミクラゲを浄化していた。
「あれはお姉さまの技!?」
「私の技までできるんだね」
「うん。すごいでしょ!」
キュアコスモスは笑みを浮かべた。
そんな中、
「あぶない!」
田中が一般人を庇い、ヤミクラゲの攻撃を受けてしまっていた。
「田中!くそ!」
ゲイツも庇われた小さな子を避難させる。
「まずい。数が多すぎる……」
こちらは6人に対して進撃してくるヤミクラゲの数が圧倒的に多すぎるのだ。
ここはソウルリングで。
「キュアコスモス。後退だ、今ソウルリングを使用してもジリ貧でやられちまう」
「でも」
鷹の姿で飛翔していたゲイツが進言する。
「ゲイツ君の言う通りです。一旦立て直しが必要です」
キュアウインクも同意見だと頷く。
仕方なく、街から離れ、女神像の辺りまで後退する。
「もう街が」
「なんでしょうあの光……」
キュアキュンキュンの指さす先に視線を向けた。
どこか見覚えのある5つの光と4つの光が島の西側と東側で輝いていた。
「あれって……」
ふと、2023と2034のスキルリングに視線を落とす。
「あなたたちも来たんだ」
「セレンディーナ!?」
「アナザーキュアリリベル!?」
石像の裏から姿を見せたのはアナザープリキュアであるアナザーキュアリリベルであった。
「これもあなたがやったの?」
「いいえ。私は今回何もしていない。ただ、あなたたちもこの世界から帰還できなかったから今ここにいるんじゃない?」
「やっぱり何かが原因でゲートを開けなかったのか」
納得したように彼は頷いていた。
「みなさーん」
そんな状況を切り裂くようにトットが駆けてくる。
「まずいですよ!この海はあらゆる海と繋がっているって言ったでしょう!」
「それって、他の場所でもヤミクラゲが発生してるってことか」
「それってやばいじゃん」
ゲイツの言葉を肯定するようにトットの表情が焦りを見せていた。
皆が動揺する中、ヤミクラゲが現れる。
「アイドル!」
「コスモス!」
触手が2人迫る。
「「っ!」」
「島を、救って……」
頭に浮かんだのはあの少女だった。
言葉を残して周囲が光に包まれる。
「う、ううん」
次に目を覚ますと広がっていたのは浜辺だった。
周囲にヤミクラゲの姿はない。
「ここは?」
「どこなの、ここ?」
同じように隣で目を覚ましたアナザーキュアリリベルは周囲を見回すのだった。
どうもUNIMITESです。
今回から君とアイドルプリキュアの劇場版編となります。