次元の旅人プリキュア-ジェネレーションワールド-   作:UNIMITES

12 / 12
カウント・ザ・リング!
現在、キュアコスモスが使用できる指輪(リング)は?
◆キュアリング
■アニマルリング(シベリアンハスキー)
♡ソウルリング:アイドル
★スキルリング:2023、2024、2025


第十話.Δトライブ_1000年前の君と

 ヤミクラゲたちの戦闘の中、突如として光に包まれたキュアコスモスたちは目を覚ますと砂浜にいた。

 砂浜のギターケースを背負い直す。

 変身する前も持っていたからか、ギターだけは手元にあったのだ。

「ここどこなんだろうね」

「私に聞かれてもわからないわ」

「……ねえ、変身解かないの?」

 京は目の前のアナザープリキュア、アナザーキュアリリベルを見つめる。

 自分はここ来た時に変身が解除されていた。

 なのに彼女は今もプリキュアの姿のままだった。

「そもそも、あなたはセレンディーナさんなの?」

「……」

 彼女は何も答えない。

 アナザープリキュアなのだとしたら、彼女のオリジナルとなるプリキュアが存在するはず。

 だが、ゲイツは彼女をセレンディーナと呼んだ。

 つまり彼女自身がセレンディーナという少女であり、キュアリリベルなのではないか。

「京、さん?」

 後方から名を呼ばれ振り向く。

「ん?うたちゃん?それにメロロンも」

 立っていたのは咲良うたとメロロン、そして見ない顔の少女だった。

「知り合い?」

「うん。友達」

「なんでそいつもいるメロ?敵メロよ」

 彼女は敵意を向ける。

「そうね。私はあなたたちの敵よ。アナザープリキュアなのだから」

「っ!」

 うたとメロロンが身構える。

「待って!今は争ってる場合じゃない。ここがどこなのかとかゲイツ君たちを探さなきゃ!」

「うん。そうだよね」

「でも……」

「大丈夫だよ、メロロン」

「うん。私のこと信じてくれないかな?」

 自分の顔を見たうたが優しく微笑む。

 そしてメロロンの顔を見つめる。

 彼女もようやく頷く。

「というか、隣の子ってさっきの……」

「は?あんたまで何言ってるの?」

「……え、だって」

 テラの様子に言葉を濁す。

「もしかして京さんも見たんですかここに来る前にテラちゃん」

「うたちゃんも?」

 お互いにこの島に来る前に彼女と瓜二つの少女を見たことを思い出す。

「というか、彼女と知り合い?」

「うん。さっき、メロロンを助けてもらったんだ」

「そういうことね」

 納得したように視線を彼女のほうに戻す。

「見つけたのはあなたたちだけよ。他の人間なんて知らないわ」

「やっぱりここってアイアイ島メロ?」

「決まってるじゃない」

 彼女は肯定の言葉とともに銛を手にする。

「でも何か違うような」

「同じアイアイ島とは思えないけど。ステージとか街もないし」

「女神がいるのに像なんてあるわけないでしょ」

「ふーん……」

 アナザーキュアリリベルは納得したように深くうなずく。

「いるの?女神様!?」

「だからそういってるでしょ」

 彼女はそう言い残して海へと潜る。

 どうやら漁に出たようだ。

「行っちゃった」

「私たちも何かできないかな?」

「魚でも捕まえてみよっか?」

「いいね!じゃあ私たちは食べられそうな木の実探しにいこうか、リリベル!」

「なんで私が?」

 予想外に話を振られた彼女が声を上げていた。

「なんでってみんなで協力しなきゃ!働かざる者食うべからずって言葉もあるくらいだし。こういう時こそ助け合いなんだから!」

「そうだよねー!さすが京さん!」

 ギターケースをベースキャンプに置き、アナザーキュアリリベルと共に森の中へと入る。

「そもそもあなた知識あるの?」

「知識って?」

「はぁ……やみくもに見つけた木の実や山菜が安全に食べられるとは限らないってことよ」

 ため息をついて、呆れたように彼女が口にする。

「あ……確かに。言われてみればそうだね」

 彼女の言う通りだ。

 漫画などではよく無人島でサバイバルするときには木の実を食べたりしていたが、ここは現実。

 目に入ったものが必ずしも安全に食べられるとは限らない。

 最悪、食中毒なんてこともあり得ない話ではなかったのだ。

「……あれ」

「ん?」

 指さした先の木にはラフランスが実っていた。

「あれなら、安全に食べられるから。それとそこの山菜、フキノトウね。それも食べられる」

「本当?わかるの?」

「当然よ。最低限の知識は持っているもの」

「すごいね!リリベル!」

 彼女の指示通り、ラフランスとフキノトウを採取する。

「あと、それは解毒効果のある山菜よ」

「超詳しいじゃん!」

「別に」

 彼女は明後日の方向をみていた。

 だが、自分は目を輝かせ彼女を見つめる。

 こんなにもサバイバル慣れしているとは驚きだった。

「他にも探そうよ!」

「迷わない程度にね」

 2人で山菜や果実を探して歩き出す。

 1時間後、海岸に戻ってくる。

「おかえりー」

「おかえりメロ」

「ただいまー。たくさん手に入ったよ」

 持っていた山菜と木の実を広げていた葉の上に置く。

「すごーい!」

「なかなかやるわね……」

「テラちゃんもすごかったんだよ!魚をばーっと取ってもうきらっきらんらん!だったんだ!」

「全然わからないけど……」

「とにかくすごかったってことだよ」

 彼女の言葉に困惑するアナザーキュアリリベルに解説するように京が声をかける。

「それにしても結構取ったね、お魚」

 並べられた魚も結構な数がある。

 5人分の食料としてはこれくらいは必要なのだが。

「この島って他には人は住んでないの?」

「村はいくつかあるわ。私は色々あって1人で住んでるけど」

 うたの質問にテラが返答する。

「それなら、ゲイツ君やななちゃんたちも見つかるかもね」

「うん!」

 程なくいして5人で焚火を囲み、焼いた魚や山菜、木の実を食べる。

「ごちそうさま……」

「あなた。なんか顔赤くない?」

 うたの顔を見ていたアナザーキュアリリベルが指摘する。

「……いわれてみれば、風邪とか?まさか食中毒?!」

「同じもの食べているメロロンが大丈夫なのにうただけなんておかしいメロ!」

 メロロンの指摘は的を射ていた。

 食中毒という可能性があるのなら、同じものを食べている自分たちにも症状が出るはず。

 医学に詳しいわけではないが、食中毒だとしてもこんなに早く症状が出ることはないと聞く。

 早くとも1時間ほどで症状が出始めるというものだ。

 すぐにうたはその場に倒れこむ。

「怪我したの?」

 いち早く体の異変に気付いたテラが口にする。

 足には赤く腫れた個所があることに気づいたのだ。

「すごく派手な色のおさかながいて……ちょっと掠っただけだから」

「ナナイロドクカサゴだ。トゲに触ったな」

 うたの説明とテラの口にした名前を聞いてすぐにそれが毒が体内に入ったものだと察する。

「メロ!?」

「やばいじゃん!うたちゃん!」

「だい、じょうぶだよ。少し寝れば」

 力なく彼女の唇が言葉を紡ぐ。

「うた!しっかりするメロ!」

「なにか、なにか……っ!リリベル!さっき解毒効果のある山菜森にあったよね!?」

「……あったわね。はあ、わかったわよ」

「私もいく!」

 アナザーキュアリリベルとテラは大地を蹴り、森の奥へと消える。

「うた!もう少し頑張るメロ!」

「大丈夫、大丈夫……」

 うたの手を握る自分の手に無意識に力が入る。

 数分後にはテラが戻ってきた。

「はい!その山菜を傷口に」

「はいメロ」

 差し出された草花を丁寧に傷口に当てる。

「リリベルは?」

「私には先に戻れって。他にも使えそうなもの探すって」

「そっか。うたちゃんもう大丈夫だからね……」

 自分もメロロンを横目に彼女の汗をハンカチで拭き取った。

「遅くなったわね」

「リリベル!」

 少し時間を空けて、アナザーキュアリリベルも帰還した。

 その手にはいくつかの山菜が握られている。

「同じ解毒作用のある山菜と、こっちは解熱作用、これは傷口の消毒用」

「ありがとう、リリベル!」

 ただただ感謝をする。

「いい目利きね……」

「無知では生きていけないからね」

 テラの言葉に返答し、彼女も腰を下ろす。

 一瞬京のギターケースを見つめて視線を戻した。

 

 

 一方、村の民家にいたゲイツとななは状況を整理していた。

「村の人たちの話を聞いた限り、ここは過去の時代だな」

「うん。それも場所はアイアイ島だと思う」

「え?」

 こころが驚く。

「女神さまが石像になったのは1000年前の厄災の時でしょ?」

「今はこの島にその石像はないし、女神がいる。ということは俺たちは1000年前にタイムスリップしたといったところだな」

「時空を超えたってこと、ですか!?」

 再び見解を伝えると、こころがより大きい声を上げた。

 ジェネレーションシステムの管理者であるゲイツにとって時空の移動そのものは驚くことではない。

 だが、理屈がわかっていなかった。

 時を超えるということには色々と制約が存在している。

 たとえ自分たちであっても簡単に時空を超え、過去と未来を行き来することなどできないのだ。

 時に干渉することは未来や過去に大きな歪みを発生させてしまう。

「プリー!とにかくうたたちを探すプリ!」

 プルルンが高速で宙を舞う。

「とにかく!」

 ゲイツがその体をキャッチしてななに手渡す。

「探すのも優先ではあるが、闇雲に探すってのは得策じゃない」

「うたちゃんたちならきっと大丈夫」

「プリ~」

 焦る気持ちを押し殺しながらも彼女たちの顔には不安な様子が見て取れた。

「はい。これお昼ご飯できたよ」

 ミドリと名乗った女性がピザをテーブルに置いた。

「どうも……」

「なにからなにまでありがとうございます」

 言葉だけのゲイツ、深々と頭を下げるななが感謝を述べる。

「気にしないで。女神様のアイドル様もあなたたちと同じようにこの島に流れ着いたんだよ」

「アイドル、様?巫女様じゃなくて?」

「またアイドルか……」

「そうか。1000年前なら」

 彼女の説明によれば、その巫女様は自分のような歌って踊る存在を『アイドル』と呼ばれていたといったらしい。

「……たしか、ショウワってところから来たって言ってたね」

「ショウワ?国かなんかか?だがそんなふうに呼ばれた国なんて」

「もしかして、年号の昭和、のことじゃないですか?」

 昭和のアイドルがこの島に流れ着いたのだとなな、こころは推理する。

「お、それだ」

 こころの意見に納得したようにゲイツが頷く。

 かつて、トッドが言っていたことを思い出す。

 この海は時間すら超えてつながっていると。

 そして自分たちがこの時代にきたのもそういうことなのだろう。

 彼の言葉も伝承なんてもので片付けられるものじゃないってことだ。

 

 

 夢を見た。

 知らないはずの、誰かの記憶。

 彼女はこの島に流れ着き、彼女はアイドルと名乗っていた。

「はっ!」

 うたは体を起こす。

 その顔に干していた魚が当たる。

「う、生臭いー」

「うた!?京、うたが目を覚ましたメロ!」

「本当!?うたちゃん、大丈夫?身体とか痛くない?」

 まるで妹を介抱する姉のようにうたに質問責めをする。

「やれやれ」

「まったくね」

 2人もため息をついていた。

「ねぇ、テラちゃん。女神様の推しているっていうアイドルってどんな人なの?」

「この島に流れ着いた別世界のアイドルだそうよ。ってか推しってなに?」

 テラは怪訝そうな表情で答える。

「さっきの夢って……」

「どうかした?」

「えっとね」

 うたはさっきの夢のことを説明してくれた。

「……トッドさんの話は伝承ってだけではないっぽいね」

「でも、テラちゃんは女神様に似てた様な」

「あんな無責任な女神と一緒にしないで」

「無責任?」

 うたも京も首を傾げる。

「アイドルは勝手に居なくなるし、女神様は悲しんだそうよ」

「なによそれ。理解できないわね」

 アナザーキュアリリベルは理解できない話に腕を組んだまま空を見つめてる。

「リリベルー。そりゃ私だって推しってわけじゃないけど、トゲトゲ好きだし夕莉さんが脱退とかしたらいやだけどさー」

「だから推しって何よ?」

 テラは聞きなれない言葉に首を傾げていた。

「応援している人かな?」

「そういうのアイドルの追っかけ、っていうんじゃない?」

「そういういい方やめなって」

 思わずツッコミを入れてしまう。

「2人とも自分の仕事を放棄して本当に無責任なんだから。ずっとこのままなら島はいずれ……」

 彼女の表情には確かな怒りの感情が籠っていた。

 自分のやるべきことを放置している女神とアイドル。

 それが彼女には我慢ならないのだろう。

 深夜、月の輝く空をうたたちと見つめる。

「もしかして今、メロロンたちがいるのは」

「大昔のアイアイ島かも」

「やっぱりそう思う?私もそう思ってたんだよね」

 2人の言葉に自分も同意見である。

 話を聞けば聞くほど、女神像の前で見た話と重なっている。

「その予測は間違ってないわね」

「リリベル、さん」

「時空を超えることは簡単なことじゃないから。私も半信半疑だったけど文明レベルや島の植物の種類から私もその答えにたどり着いたから」

「じゃあ、帰る方法もあるよね?」

 彼女が言っているのなら、やはり間違ってはないはず。

「どうかしら。どういった力でここに来たのかがわからない以上、何とも言えないわ」

「えー……でも、伝承通りならアイドルは女神に力を与えていたってことだよね」

「私たちがこの時代に呼ばれたのは、いなくなったアイドルを探すため、なんじゃないかな?」

「なるほど。目的がないよりいいかもね」

 うたの提案に賛同する。

「本気なの?」

「うん。ななちゃんたちもきっと同じこと考えてるよ!」

 質問に笑顔で返答する。

「ゲイツ君もここが過去ってことをすでにたどり着いてそうだしね」

「ふん。勝手にすれば私、アイドルなんて嫌いだって言ったでしょ」

「えぇ」

「ならバンドなんてどお?アイドルほどキラキラしてないけどすっごいんだから」

 自分もギターを手に、音を鳴らす。

「そんな乱暴な音はもっとごめんよ!」

「ロックだからいいのにー」

 テラが声を上げる。

「私はロックよりクラシックが好きね」

「え?リリベル、クラシック好きなの?意外ー……」

 からかうように口にする。

 そんな中、ふと見上げた空に広がる星空を見つめた。

 この島には明かりが少ないからなのか、広がる星空は何倍もきれいに映る

「満点の星空、だね」

「~♪」

 うたが歌い始めていた。

 いつもの明るい歌とは違う。

 どこか優しやと儚さを感じさせる。

 気が付けば、自分もギターでリズムを取り始めていた。

「うた、京」

 テラもアナザーキュアリリベルも2人を静かに見つめていた。

 いや、見とれていたという方が正しいのかもしれない。

「私、アイドルプリキュアでよかった。すごく楽しくて、この気持ちをテラちゃんやリリベルさんにも届けられたらって思うんだ」

「さすがはキュアアイドルね」

「私、簡単にあんたを推しとかにしたりしないんだからね!」

 まるでツンデレのように彼女はそっぽを向く。

 京とうたが笑みを浮かべていた。

 

 

 翌朝、目を覚ますと視線の先に広がっていたのは、ヤミクラゲの大群だった。

「なにこれ?どうなってんの!?メロロン!」

 京は思わずメロロンを掴みぶんぶんを肩を揺らす。

「そうだよ!昨日はあんなのいなかったじゃん」

 そんな中、テラが逃げろと指示する。

「そんなわけにいかないよ!」

「京、うた、今は奴らを蹴散らすわよ」

「リリベル。一緒に戦ってくれるの?」

「元の時代に帰るまでよ」

「うん」

 京、うた、メロロンもプリキュアへと変身する。

「次元を渡る調和の力!キュアコスモス!」

「キミと歌う、ハートのキラキラ!笑顔ニッコリ、キュアアイドル!」

「ハートをメロっとひとりじめ!キミと口づけ、キュアキッス!」

「いくよ!」

 キュアコスモスの言葉でプリキュアたちは宙を舞う。

 ヤミクラゲたちを圧倒するように次々に浄化していく。

「すごい……」

「これがプリキュアの力だよ!」

 キュアアイドルが声を上げる。

「リリベル。背中は任せるよ」

「私が敵だってこと忘れてない?」

「敵の敵は味方ってやつだよ」

「そうね」

 思わず笑みを浮かべていた。

 お互いに背中を預け、攻撃を仕掛けていく。

 テラも戦闘に介入する。

 銛でヤミクラゲを狩っていく。

「強き力と女神の力……」

 ヤミクラゲの中で1匹の骸骨のようなクラーケンが静かに見つめる。

 そんな中で、キュアアイドルが攻撃を受けて、態勢を崩す。

「アイドル!プリキュア!スターライトパルサー!」

 大技でひときわ大きいヤミクラゲを浄化する。

「コスモス、ありがと!って、後ろ!」

「っ!」

「ウィンクバリア!」

 展開されたバリアが攻撃を防ぐ。

 キュアウィンクがどうやら守ってくれたようだ。

「キュンキュンレーザー!」

 キュアキュンキュンの技でさらに周囲のヤミクラゲを浄化する。

「あなたは、アナザーキュアリリベル、ですよね?どうして?」

「セレンディーナ。お前もこの時代に来ていたのか」

 肩に乗っていた鷹の姿をしたゲイツが声をかける。

「その鷹、ゲイツね。今はコスモスたちと共闘しているだけよ、帰るためにね」

「そういうことか」

 すぐに変身を解除して人型に戻る。

「キッス大丈夫?」

「お姉さま!」

 キュアズキューンも合流して、すべてのプリキュアが揃うのだった。




どうもUNIMITESです。
今回も劇場版編の内容となります。少しアレンジしてますが大筋は同じ内容になってしまってます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。