次元の旅人プリキュア-ジェネレーションワールド- 作:UNIMITES
現在、キュアコスモスが使用できる
◆キュアリング
ソラやましろたちと喫茶店にやってきた京は一緒にお茶を楽しんでいた。
「本当にここの紅茶おいしいね」
「でしょー」
「こっちのロールケーキも最高ですよ!」
ソラもプレーンのロールケーキを口に運ぶ。
「う~ん。こっちのチョコミントもおいしいー」
エメラルドグリーンと黒のカラーリングをしたチョコミント味のロールケーキは先日のフラペチーノとはまた違った味わいを感じさせる。
チョコミントとしては鼻から抜けるすっきりさよりもチョコの甘さが重視されている。
「イチゴ味もおいしいよ。ソラちゃんも食べてみる?」
「いいんですか!?」
ましろはソラにイチゴ味のロールケーキを食べさせる。
ケーキを食べたソラもその甘さに頬を緩ませていた。
「いいなーいいなー。超仲良しじゃん!」
「えへへ。京ちゃんも食べてみる?」
「いいの!?じゃあ私のほうもおすそ分け!」
お互いにお互いのロールケーキをシェアしあう。
「ゲイツさんも一口食べてみます?」
「別に」
ツバサがロールケーキをフォークで刺してゲイツの口に近づける。
「食べなってゲイツ少年」
「いや、だから」
「ほら!」
あげはが口にフォークを押し込んだ。
ゲイツの口内に甘いケーキの味が広がる。
「おいしいですか?」
「げいつ、けーき、おいし?」
ツバサ、そしてエルが首を傾げている。
「……うん。うまい」
「でしょでしょ。素直でよろしい」
満足そうにしている彼女を横目に再びブラックコーヒーを飲んでいた。
「京さん。明日ってお暇ありますか?」
「明日?特に予定はないかな」
「なら、一緒にお買い物行きませんか?」
「お買い物?いいね!」
誘いを快く了承する。
「京。俺たちの目的は」
「いいじゃん。アナザーキュアスカイを探すならソラちゃんたちと一緒のほうがいいって」
「それは、そうだが」
「じゃあ決定!というわけで、明日はみんなでお買い物行こう!」
少々、強引に納得させた京の様子にゲイツはやれやれとため息をついていた。
その様子を見ていたソラやましろの笑い声が店内に響くのだった。
翌日、待ち合わせ場所へと向かう道中、
「ゲイツ君、難しい顔してどうしたの?」
「別に……少し考え事だ」
「なにを考えてるの?」
端末を操作して歩く彼を心配そうに見つめながら隣を歩いていく。
「なんでもいいだろ」
「もしかして、あげはさんのことー?面白い人だったしねー」
「そうじゃねーっての……昨日の戦闘で戦った黒いフードのほうがおそらくオルタネイムの部下なんだろうが、もう一人のキュアスカイ。あれはアナザープリキュアだ」
ゲイツは自身の見解を口する。
アナザープリキュア。それがアナザーキュアスカイの正体であると。
「アナザー、プリキュア?どうちがうの?」
「存在的には元となったプリキュアと同じだ。力は同じだが、心は違う。人間性の在り方っていうのかな?ソラは自分をヒーローガールって言っていただろ?だけどアナザーキュアスカイは
少し納得して首を縦に振った。
確かに、彼の言う通りかもしれない。
アナザーキュアスカイは同じプリキュアではあるが、どこが歪みを感じるところがあった。
それがアナザープリキュアという存在なのだろう。
「でも、同じプリキュア同士で戦っていいの?それに力が同じなら拮抗して、お互いに共倒れってことも……」
「どうかな。だが、心と力、その2つを両立してこそ100%才能は引き出せるものだから。カギはアナザープリキュアの元となったキュアスカイなのかもしれない」
「ソラちゃんが?」
再び首を傾げる。
「京さーん」
「ゲイツくーん」
ソラとましろが手を挙げて歩いてふ来る。
ツバサやあげは、エルも一緒だった。
「みんなーおはよー」
「おはようございます!」
「2人とも早いね」
「ゲイツ君時間にうるさくてねー」
挨拶を交わし、共に街を歩き出す。
「それで今日はどこ行く?」
「近くに大きいショッピングモールがあるんです。洋服屋さんや靴屋さん、コスメなんかもあるんですよ!」
「ショッピングモールかー」
ショッピングモール。
昔、両親や姉と一緒に行ったことはあるが、回数としては数える程度だった気がする。
どちらかといえば、服のお店や映画館、化粧品なんかは個別の専門店を見て回ることが多かったからだ。
「楽しみだなーモールでのお買い物。楽器店とかあるかな?ギターとかあったら見たいかも!」
「本当に好きなんだねギター」
幸せそうな表情を見てましろが笑みを浮かべていた。
「ゲイツさんはショッピングモールとかよく行きますか」
「まあ、人並みには……といっても俺、妖精なんだけど」
相棒と一緒にいた時間を思い出す。
ジェネレーションシステムの監視者、守り人していろんなことがあった。
それでも彼女との時間はかけがえのない時間だった。
「妖精なのゲイツ少年!?ってことは少年と同じじゃん」
「ですね。僕もプニパード族っていう鳥の種族なんですよ!ゲイツさんは鳥ですか?それとも犬とか猫系ですか?」
「私も気になる!ゲイツ君ってなんの妖精なの?」
ツバサたちの会話に入るように京も質問する。
「別に特定の種族じゃなくて……俺っていう妖精一個人だ」
「そんな妖精もいるんですね!ゲイツさんかっこいいです!」
ソラは目を輝かせ見つめていた。
「妖精は種族ごとにいるものだと思ってましたけど、ゲイツさんみたいな妖精もいるんですね」
「この姿の俺は、人間とそう変わらないらしいからな」
「私とあってから、ずっとその姿してるよねゲイツ君」
先日のことを思い出す。
初めて彼と出会ったとき確かに小さな妖精の姿をしていた。
あれ以降、ずっと人間の姿でいる。
「妖精の姿はいろいろ面倒なんだよ。こっちのほうが動きやすい」
「わかるかもです。僕もこの姿でいること増えてますから」
ツバサも共感していた。
ほどなくしてショッピングセンターに到着する。
「ここがソラシド市のモールかー」
「いろんなお店あってワクワクしちゃうよねー。お、あそこのコスメ新商品じゃん!」
「ですね!行ってみましょう!」
「私も行く!」
あげはの後を追うようにソラと京が化粧品の店を見て回る。
「楽しそうですね」
「うん。なんていうか、ソラちゃんと京ちゃん、昨日会ったばかりなのにすごく意気投合してるよね」
「そら、けい、なかよし!」
「はい。仲良しですね」
エルの言葉をツバサが肯定し、優しく笑みを浮かべる。
ゲイツもそんな様子を見つめているのだった。
ショッピングモールでの買い物を終えて帰路についた頃、すでに日は沈み始め、空は赤く染まり始めていた。
「楽しかったですね」
「うん。コスメも買えたしー。にしてもあの赤いギターかっこよかったなー」
楽器店で見たフェンダーの赤いギターを思い出す。
デザインはシンプルなギターだがトゲアリトゲナシのGt.夕莉さんのギターの色違いだ。
当然ほしくなるのがファンというものだ。
ただ、中学生の自分にはさすがに手の届かない代物だった。
「京ちゃん目を輝かせてましたからね」
「みんなはトゲトゲって知らないの?」
「トゲトゲ?」
4人が首を傾げる。
「おい、京。アナザーワールドなんだぞ、ここは。全部が全部、元居た世界と同じなわけじゃないんだ」
「そうなの?」
耳打ちするゲイツの言葉に思わず聞き返す。
「でも、本当にバンドやギターが好きなんですね」
「うん。いつかみんなにも――」
その時だった。
頭に響くような声。
いや警鐘のようにも響くそれを感じ取る。
ワールドシグナルだ。
「っ!」
「京さん?ゲイツさん?」
「……くる」
一呼吸も置かず目の前に2人は現れた。
黒いローブに身を包む少女とアナザーキュアスカイである。
「あれは、アナザーキュアスカイ!」
「みなさん、ヒーローの出番です!」
「いくよ!」
6人がそれぞれの変身道具を手にする。
「スカイミラージュ!トーンコネクト!」
「チェンジ!プリキュア、アクセス!」
光に包まれ少女たちはプリキュアへと変身していた。
「ひろがるスカイ!プリキュア!」
「次元を渡る調和の力!キュアコスモス!」
スカートを翻しプリキュアが大地に立つ。
「エルちゃんもプリキュアだったの?」
「そうよ。キュアマジェスティ」
「おー。いいねそのデザイン。それにひろがるスカイ!プリキュアって掛け声もかっこよくていいね!」
「コスモス、くるぞ」
ゲイツの声で我に返るとアナザースカイへと視線を向けた。
「そうだったね!」
キュアスカイとキュアコスモスがアナザーキュアスカイと戦闘を始める。
お互いの攻防が繰り返される中、
「はぁ!」
キュアコスモスが作った一瞬の隙をついて、キュアスカイの拳がアナザーキュアスカイの腹部を捉えた。
「かはっ!」
アナザーキュアスカイが悲鳴にも似た声を漏らす。
昨日の戦闘で自分たちは何度か攻撃したがここまでダメージを追っている様子はなかった。
まるで攻撃が有効にヒットしたのか、数歩後退して表情を歪ませていた。
「やっぱり……」
彼女もキュアスカイ。同じ存在の攻撃はアナザープリキュアにも有効打になるのかもしれない。
「くっ!まだです!ヒーローガール……アナザースカイパンチ!」
「なら、こちらも!ヒーローガールスカイパンチ!」
大技同士が激突し、周囲に衝撃が走り抜けた。
ゲイツやキュアプリズムたちも態勢を保つことに努め、衝撃に耐える。
「くっ……!」
「まだまだ!ヒーローとは力です!」
「そんな……っ!きゃああ!」
アナザーキュアスカイの技がキュアスカイの技を上回った。
吹き飛ばされたキュアスカイが大地に伏せる。
「スカイ!この!」
怒りに任せて大地を蹴る。
そうか。
同じ力が有効打になるのならアナザーキュアスカイの攻撃はキュアスカイに取っても有効打になりうるものだったのだ。
そんなことに今さら気付く。
「プリキュア!スターライトパルサー!」
「ふん!そんな技で!ヒーローガールアナザースカイパンチ!」
こちらの放った技をアナザーキュアスカイの技がたやすく打ち砕く。
「う、嘘!?」
技の衝撃を受けて、大地に倒れこむ。
「スカイ!」
「コスモス!」
キュアプリズムとキュアマジェスティの声が響く。
「ここまで力が強いとは……無理なのか?アナザープリキュアを倒すのは……」
「ははは、これがヒーローの、私の力です!私こそが最強なんです!」
アナザーキュアスカイは傲慢に叫ぶ。
「そ、そんなのはヒーローじゃ、ありません!」
「そうだよ……ヒーローってのは、力に責任を持つもの」
「その力で誰かを守るのがヒーローです!」
「その力で誰かを守るのがヒーローだよ!」
キュアスカイとキュアコスモスは再び立ち上がる。
その時だった。
キュアスカイの胸元から青白い閃光が走る。
2人の思いに反応するように。
「この光は……?」
「まさか……」
キュアマジェスティと交戦していたローブの少女は驚きを隠せなかった。
今この瞬間に、魂が共鳴しあっている。
キュアスカイの放った光は、そのままキュアコスモスの手の中に。
「これは……」
手の中にあったのは2つの指輪だった。
1つは空色の宝石の填ったキュアリングに似た指輪『ソウルリング』。
1つは銀色の指輪。だがその指輪には2023の文字が刻まれている。
これなら、戦える。なぜかわかった気がした。
何か導かれるように、そのリングを使用していた。
「ソウルリング!キュアスカイ!」
左手の中指にソウルリングを装着する。
「キュアチェンジ!」
ソウルリングに灯った光をドレスボックス鍵穴に注入。
再び開錠する。
その瞬間、光の中でキュアコスモスは姿を変えていく。
空色の長い髪、翼のようなリボン、そして青と白をメインとした衣装に、赤いマント。
「無限に広がる青い空!キュアスカイ!」
その場に立つのはキュアスカイに瓜二つのキュアコスモスであった。
「コスモスが私に!?」
「これが……いきますよスカイ!」
「……はい!」
2人が大地を蹴る。
「今更、そんな力がなんだっていうんですか!見た目を変えたところで!」
「はぁぁ!」
アナザーキュアスカイの攻撃をキュアスカイが受け止め、続くようにキュアコスモスの掌打がアナザーキュアスカイの腹部を捉えた。
「っ!なにっ!?」
間髪いれず、2人の怒涛の攻撃が放たれる。
拳に掌打、蹴りをブロッキングし続けるアナザーキュアスカイ。
「見た目だけのハリボテなどではありません!これは魂でつながった本物のスカイの力!」
ついに防御を崩し、2人で放った掌打がクリーンヒットする。
攻撃を受けたアナザーキュアスカイがそのダメージに膝を折る。
「そうか!今のコスモスはスカイの力を上乗せしているのか。だからさっきのスカイみたく攻撃が効いている」
ゲイツも状況を分析して口する。
「馬鹿な!こんなこと!」
加勢しようする彼女の前にキュアマジェスティが立つ。
「ありえないなんてことはないわ。スカイとコスモス。過ごした時間は短くても紡いだ友情の深さは……その力は、あんなコピーには決して負けない!」
彼女の言葉にローブの少女は何も言えぬまま立ち尽くす。
「なぜです!?私こそ最強なんです!力こそヒーローの象徴なんです!ヒーローガールアナザースカイパンチ!!」
「決めますよ、コスモス!」
「うん!」
「「ヒーローガール
お互いの大技を放つ。
再び衝撃が周囲へ走り抜ける。
「負けるわけには!」
「ヒーローは力だけでは成立しません!」
「必要なのは心、だよ!」
アナザーキュアスカイの技をはるかに2人の技が上回っていく。
「うそだ!こんな!私は最強のヒーローなのに!」
「「はあぁぁ!」」
キュアスカイとキュアコスモスの技を受け、アナザーキュアスカイが光の中で消滅する。
力を失い
風に乗り彼方へと消えていく。
「っ!」
ローブの少女は舌打ちをするとゲートを開き、次元を超えていった。
「あ、待て!」
「逃げられた……」
「深追いはしなくていい」
マジェスティとプリズムをゲイツが制止する。
「やりましたねコスモス!」
「う、うん。スカイのおかげだよ!」
「やはり、私たちはヒーローガールです!」
「だね!」
腕を掴みぶんぶんと振るキュアスカイに笑みを浮かべて答える。
みんなが変身を解くとゲイツも合流する。
「これで俺たちのこの世界での役目は終わった」
「役目?」
「私たち、隣町から来たって言ったけど、本当は別の世界から来たんだ」
「「えーー!?」」
カミングアウトにソラとましろが驚いていた。
「ソラちゃんたちと同じように別の世界から?」
「そうだな。それも結構遠い世界から」
「なになに?役目を終えたからもう帰っちゃうってこと?」
あげはも聞き返す。
「今回でわかったからな。アナザープリキュアを倒して、あのローブの少女を追わなきゃならない」
「でも、もう少しいるのは……」
「長居できるほど余裕もないからな」
ましろの期待をゲイツは残酷にも打ち砕く。
どうやら留まることは自分たちには許されていないようだ。
次のアナザーワールドがいつできるかもわからない状況だ。
仕方ないのかもしれない。
「京さん。また、会えますよね?」
「うん。きっと会えるって私たち友情でつながってるから!」
京の左右に装着した指輪がキラリと輝く。
「はい!ヒーロー仲間です!」
ゲイツが次元を越えるゲートを開く。
「またね。みんな。それとヒーローガール」
「はい!さよなら、通りすがりのヒーローガール!」
手を振りあい、ゲートをくぐるのだった。
次元を超えて、アナザーワールド・ソラシド市から元居た世界に帰還する。
「戻ってこれた、な。アナザーワールドの反応も消えている」
「ゲイツ君。アナザーワールドはなくなってソラちゃんたちの世界は元に戻ったんだよね?私たちとの記憶も消えるのかな?」
「消えない、と思うぞ。だって俺たちは覚えているし、その2つのリングはソラやましろたちとちゃんとあの世界で生きた証だからな」
左手に収まるソウルリングと2023と刻まれた銀の指輪を見つめる。
「そうなんだ。よかった……また会えるといいな」
昼の青空を見つめ静かにつぶやく。
昼休み終了のチャイムが響き、急いで教室へと向かうのだった。
どうもUNIMITESです。
読んでいただきありがとうございます。
ソウルリングを使用したときのイメージは以下です。
【挿絵表示】
ひろがるスカイプリキュアはみんな魅力的でいいですよねー。
キュアプリズムが可愛すぎるのです!