次元の旅人プリキュア-ジェネレーションワールド-   作:UNIMITES

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カウント・ザ・リング!
現在、キュアコスモスが使用できる指輪(リング)は?
◆キュアリング
♡ソウルリング:スカイ
★スキルリング:2023


第五話.2024_アニマルワークス

 ソラシド市から帰還して、数日が過ぎていた。

 学校への登校前に、机のキュアリングやソウルリングが目に入る。

「そういえば、こっちの2023って書かれてるリングはどうやってつかうんだろ……」

 ソラシド市で戦闘した際にはソウルリングしか使用しなかった。

 こちらのリングにはどんな効果があるのかはまだわからない。

「京、はやく朝食食べて登校しないと遅刻するよー」

 下の階から姉の声が響いてくる。

「はーい」

 指輪をパーカーのポケットに押し込み鞄とギターバッグを手にする。

「朝からホットドックなんて珍しいね」

 テーブルに置かれた皿にはソーセージ、レタスを挟んだホットドックが確認できた。

 赤いケチャップが光を反射してきらめく。

「ゲイツ君が作ったのよ」

「ゲイツ君が?!」

「簡単に作れてうまいからな」

 彼もホットドックを食べながらこちらに視線を向けた。

「ホットドック!おいしー」

 ホットドックを食べながら朝のニュースを見る。

「ゲイツ君。これ、どうやって使うのかわかる?」

 ポケットから銀色の指輪を取り出す。

「ソラシド市で手に入れたリングか……」

 彼は受け取った指輪を興味深く確認していた。

「……俺より京のほうがわかるんじゃないのか?キュアリングもスカイのソウルリングも初めてだったのに使いこなしてただろ?」

「それはー、そうなんだけど。なんとなくわかるんだよねーこうすればいいって」

「……ま、少し調べておくよ。とりあえず借りておく」

 彼もパーカーのポケットに指輪を入れるとコーヒーを飲み干す。

「ほら2人ともさっさと食べて学校!」

「うん」

「はいはい」

 楓に促され2人も鞄を手に家を出るのだった。

 

 

 教室でホームルームを受ける。

「今日は転校生がいるよーはいってきてー」

「転校生のゲイツだ。秋桜、ゲイツ」

 ゲイツが黒板に名前を書いて自己紹介する。

「京と同じ苗字だね。知り合い?」

「従弟とか?」

「うーん。そんな感じかなー」

 唯や未羅の言葉を肯定するように頷く。

「好きなものは特にないが……バンドには興味あるかな」

「「バンド?」」

 2人の視線が再びこちらに向いた。

「バンド!ゲイツ君バンドって言った?!」

 思わず自分も立ち上がる。

「秋桜さん、座って」

「あ、すみません……」

「君の席は、あそこだよ」

「どうも」

 柴田先生の指示を受け、ゲイツは席に着く。

「ホームルームの続きをするわよ」

 その後も授業を受け、放課後。

「京、帰るぞ」

「その前にこれ書いて」

「なんだこれ?軽音部?」

 用紙を見て怪訝そうな顔を浮かべる。

「そう。一緒にバンドしようよー」

「やってもいいけどよ。俺楽器も持ってないし、初心者だぞ」

「京も初心者みたいなものよ」

「確かにそうだね」

 隣にいた唯と未羅が返答する。

 彼はペンで書類に名前を記載していく。

「学校の備品に何個か楽器はあるからー、ゲイツ君ならベースを――」

「ドラムだ」

 ベースを勧めようとしたこちらの言葉を遮るようにゲイツが自分の担当を進言する。

「ドラマー?」

「へー珍しいね。男子ってギターをやりたがるから」

「俺は表より裏方のほうがいいだけだ」

「いいねいいね!いきなりドラムゲット!」

 思わずガッツポーズをする。

「よーし、帰りに楽器店よって行こう!」

「じゃあ、私たちは部活あるから」

「ゲイツ君、京のことお願いね」

 唯と未羅がそれぞれの部活動へと向かう。

「ドラムがいるなら、もう少しロックな歌やれるかなー、でも初心者なら少しゆっくりな曲からかなー?」

「どんな曲をやるかは任せるよ。どうせ一から覚えるんだし」

「うんうん。ギターとドラムならあとボーカルかな?でもベースも欲しいよねー」

「京は自分でボーカルやらないのか?」

「両立できたらするけど、今はギター集中でできないよー」

 両手をプラプラとふり無理だと伝える。

 ギターの演奏に集中して歌うどころではない。

 弾き語りなら多少できるがそれもゆっくりで難易度の低い曲でなければまだ無理だった。

「ふーん。思ったより一般人なんだなお前」

「そりゃあ、いきなりギタボできたら苦労しないって」

 ギタボ。

 ギターボーカルの略であり、ギターとボーカルを同時にこなしている人のことだ。

 といってもギタボは歌うのがメインでギターはサブとしてやっていることが多く、メインのギターとダブルギター構成にしているなんて話も聞いたことがある。

 帰路について、自宅に向かう道中、

「また、アナザーワールドができたみたいだ」

「また?じゃあ行かなきゃね」

 ゲイツは端末を操作し、自分もポケットからキュアリングを取り出し右手の中指に装着する。

「次元を超えるぞ」

「うん!」

 2人で、ゲートをくぐり次元を超える。

 再び瞼を開くと広がっていたのは森林であった。

 深い森林の中で瞼を開ける。

「今度のアナザーワールドは……ってあれ?ゲイツ君?それになんか木がすごく高いような」

 地面に着く自分の手足を見つめた。

 やけに短い手……いや足だ。

 それに異常に敏感な臭覚が自分の体の変化を感じさせる。

 まさか。

「まさか、まさか……イッヌー!?」

 森林内に声が響き渡っていた。

 なんで?なぜ犬!?

 動物になるって、そんなことありえない。

「あれ?ギターと鞄がない……」

 ギターが、ない。鞄もなくなっていた。

「わおーん」

 思わず遠吠えを上げる。

「お前、京、か?」

「ん?」

 声のほうを振り向くとエメラルドリーンの羽毛をした鳥が飛んでいた。

 見た目は、鷹のようにも見えるが、動物にはあまり詳しくはない自分には種類までは特定できなかった。

「ワン!じゃなくて、今京って」

「ゲイツだ。キュアリングつけてるからすぐわかったぞ」

「なんだ、ゲイツ君かー。っていうか、なんで私たちこんな姿に?」

 安心したように胸をなでおろす。

 お互いに犬の姿、鳥の姿になっていたこと驚きこそした。

 だが、2人ならなんとか。

 なぜこんな姿になったのかはわからない。

 思わず質問を投げる。

「さあな。ただここは、アニマルタウンだな」

「アニマルタウン?動物の街ってやつ?」

「ペットショップなんかが多くて、動物を飼ってる人が多いって聞くな」

「私も飼われるの?!」

「その姿なら保健所送りが先だろ」

「やだやだやだ!まだトゲトゲの生ライブも行ってないのに!」

「えぇ……そこかよ」

 彼は呆れたように乾いた笑いを漏らしていた。

「とりあえず街にいくぞ。この世界のプリキュアに会えば戻る方法もわかっるかもしれないからな」

「でも、犬と鳥なのに大丈夫なの?」

「……ツバサもブニパード族だったし。なるようになるだろ」

 街に向かって歩き出す。

 ゲイツもまた飛行しながら後に続くのだった。

 

 

 街に到着してお店のガラスに自分の、犬の顔が反射する。

 白と灰色の毛並み、すっとした細身の顔つき。

 どこか見たことのある犬種ではある。

「これって狼?」

「狼ってことはないだろ」

「じゃあ私の犬種ってなに?」

 首を傾げて質問する。

「へーシベリアンハスキー。珍しい犬種だね」

 そう口に現れたのは茶髪をサイドテールにした少女、猫屋敷まゆであった。

「こっちは鷹?こんなところに?珍しいわね」

 隣に立っていたもう一人の少女、猫屋敷ユキもゲイツを興味深く見つめる。

「首輪もついてないけど、どこからきたのかなー?」

「う……わ、わん!」

 抱きかかえられ、一度吠える。

 だが、彼女は慣れた手つきで頭を撫でてくる。

「こわくないこわくない」

「……」

「まゆちゃーん」

「ユキー」

 続いて犬飼いろはとこむぎも合流していた。

「その犬、シベリアンハスキー?」

「珍しいよね。でもこの子首輪も……指輪?」

「っ!」

 キュアリングに彼女たちが気づいたことでまゆの手から逃げるように滑り出た。

「どうしたの君?」

「……っ!この反応!」

 そんな中、頭に響く警報……ワールドシグナルを敏感に感じ取る。

 ゲイツも同様に感じたのか、鋭い視線をそちらに向けた。

「見つけた。この世界のプリキュア」

 先日、戦ったあの少女が再び現れた。

「いろは。あいつから嫌な感じする!」

「がるがると似た何かを感じるわ」

 こむぎ、ユキもまた目の前の少女を敵と認識していたようだ。

「みんないくよ!」

 4人はそれぞれの変身アイテムを手にプリキュアへと変身する。

 キュアワンダフル、キュアフレンディ、キュアニャミー、そしてキュアリリアン。

 4人のプリキュアが並び立つ。

「わんだふるプルキュア!」

 その掛け声とともに決めポーズを取る。

「プリキュア。この子たちが?」

「やはり彼女たちが」

「気づいてたの?教えてよ……って私はどうやって変身するの?」

「俺に言われもな……」

 お互いに顔を見合わせる。

 犬の指にキュアリングこそつけているが、この手ではドレスボックスは握れない。

 変身すら今の自分にはできなかったのだ。

 それに今の彼もただの鷹。

 どうにかできる状態ではなかった。

「では、はじめようか」

 彼女は先日の戦闘同様に、黒曜石の填った指輪とボックスを取り出す。

 指輪に灯った黒き光をボックスの鍵穴に注入する。

 ボックスが開き、人型の怪物が現れた。

「あれって、でも、前のクワガタたちと違う!」

「ライオネル、レントラ、エルライター。手伝ってもらいますよ」

「「「了解」」」

 彼女の指示に従うように怪物が頷く。

 向日葵(ひまわり)のような(たてがみ)、そして茶色の模様と黄色の体色、ネコ科によく見るような耳と爪。

「おそらく、今回はネコ科の怪物みたいだね」

「ほう、やつらの特徴に気づいたのか」

「前は昆虫系で共通点あったしね」

 身体的特徴やネコ科の動物であるのならモチーフは……ライオン、トラ、チーター。

 4対4の戦闘が始まっていた。

「そらぁ!」

「プ二プ二バリア!」

「リボンバリア!」

 レントラ、エルライターの拳をキュアワンダフルとキュアフレンディがシールドを展開して防御する。

「ニャミーシールド」

「リリアンネット!」

 ライオネルたちの攻撃もキュアニャミーとキュアリリアンが防いでいた。

 この世界のプリキュアは防御に特化しているようだ。

 何度も繰り出される攻撃をシールドで受け止めていた。

 苦虫を噛み潰したように表情を歪ませるライオネルたち。

「あれは厄介ですね。ライオネル!」

「はいよ……うおおぉぉ!」

 叫び声に合わせてライオネルの鬣がキラキラと輝き始める。

「っ!京、目を閉じろ!」

「へ?」

「はやく!」

 ゲイツの指示に戸惑いながらも瞼を閉じた。

 次の瞬間、ライオネルの鬣は吸収した日光を何倍にも増幅し放射する。

「この光は!?」

「うっ!目が……」

「目がいたいただよー!」

 目を閉じていた自分やゲイツ、反射的に目をそらしたキュアリリアンとキュアフレンディは視力を失うことはなかった。だが、もろに光を見てしまったキュアニャミーとキュアワンダフルはどうやら一時的に視力を失っているようだ。

「その力をいただこう!」

 ローブの少女の手に無地の指輪(ブランクリング)が握られていた。

「まずい!」

「またアナザープリキュアが!」

 地を蹴り、駆け出す。ゲイツも羽ばたき、宙を舞う。

 距離が遠すぎる。どれだけ急いでも間に合わない。

「ニャミー!」

 ローブの少女とキュアニャミーの間に割って入るようにキュアリリアンが現れる。

 そして、無地の指輪(ブランクリング)はキュアリリアンに触れ、空気に電流が走ったように光と雷光が輝く。

 その力をコピーし、翡翠の填ったリングに変化した。

「リリアン!この!」

 ニャミーの手刀を放つが、回避されてしまい、空を切るだけであった。

「もう一ついただければ!」

 キュアワンダフルにも無地の指輪(ブランクリング)を当てようとするが

「がう!」

 シベリアンハスキー姿の京が彼女の腕にかみつく。

「ぐあ!こいつ!離せ!」

「あなたはさっきの!」

「あぶないよ君!」

「これ以上はやらせん!」

 鷹姿のゲイツの爪が彼女のフードをきりさく。

「なっ!?」

 少女の顔が露になる。

 やぶれたフードからブロンド色のロングヘアが舞った。

「くっ!」

 彼女は大きく跳躍して距離を取る。

「女の子?」

 京は首を傾げる。

「……なんで」

 隣で飛んでいるゲイツは驚いていた。

「まあいい、一つは手に入った。キュアリリアン」

 彼女の言葉に合わせて、リングが輝き、その姿がキュアリリアンとよく似た少女に変わる。

 アナザープリキュアだ。

 アナザーキュアリリアンが生まれてしまった。

「あれはリリアン?」

「リリアンが2人!?」

「違うよ。あれはアナザープリキュア」

 こちらが答えると4人の視線が集まる。

「え?君喋れたの?」

「ワンダフルと同じだね!」

 そんな中、京とゲイツの体が輝く。

 その手に新たな指輪が握られ、人間の姿へと戻る。

「ようやく戻った!」

「どういう理由だ?それにこのリング」

 京の手にはシベリアンハスキーの顔を模した銀のリング、ゲイツの手には鷹の顔を模した銀のリング、『アニマルリング』が握られていた。

「今度は人間の姿に」

「説明は後!今はあいつらをどうにかするのが先!チェンジ!プリキュア、アクセス!」

 京はキュアリングに灯した光をドレスボックスに注入する。

 光に包まれ、その姿はキュアコスモスへと変身する。

「次元を渡る調和の力!キュアコスモス!」

「新しいプリキュア?!」

「キュア、コスモス……」

「……ははは」

 この反応、なんかデジャブを感じる。

「今はあのアナザープリキュアをどうにかしなきゃ!いこう!」

「足は引っ張らないでね!」

「行きましょう!」

 キュアニャミーやキュアリリアンと共に駆け出すのだった。




どうもUNIMITESです。
読んでいただきありがとうございます。
今回からは、2024年のワンダフルプリキュアのアナザーワールドです。
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