次元の旅人プリキュア-ジェネレーションワールド-   作:UNIMITES

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カウント・ザ・リング!
現在、キュアコスモスが使用できる指輪(リング)は?
◆キュアリング
■アニマルリング(シベリアンハスキー)
♡ソウルリング:スカイ、リリアン
★スキルリング:2023、2024


第七話.2025_プリキュアは輝くアイドル?

 とある川崎のライブハウスに京とゲイツの姿はあった。

 2人の他にも数人の男女がおり、ギターやドラムの手解きをする。

「みんな、おつかれー」

「お、楓。おつかれー」

「おつかれさーん」

 仕事を終えた楓がライブハウスに顔を出す。

「お姉ちゃん!」

 自分もギターを弾くピックの手を止めた。

「京も、ゲイツって子も筋いいよ。上達も早くて教えがいあるって」

「でしょ?私の妹だもん!でも、ごめんね、みんなで仕事とかあるのに」

「いいっていいって!同じバンドのよしみだしね」

「そうだぞ。今時若い子でバンドをやりたがる子も少ないから貴重だしな」

 芹那(せりな)や宇京(うきょう)は笑みを浮かべてそう口にする。

「それに私たちもこうやって集まれるのって貴重だから、むしろ呼んでくれたほうがウェルカム、ってやつだよ」

 来弥(らいや)もドラムを叩く。

「そういってくれると助かるよ」

 3人は姉の楓が学生時代から一緒にバンドを組んでいるメンバーだ。

 バンド名は『グランシャリオ』。たしか北斗七星のことらしい。

 今も仲のいい友人であり、数か月に一度くらいは集まってライブハウスでライブをするくらいには音楽に情熱もある。

 芹那はギター、宇京はベース、来弥はドラムを担当しており、楓はギターボーカルをやっているのだ。

 そんな姉を持っており、トゲナシトゲアリに惹かれた自分もこうしてエレキギターを始めたわけだが。

 今使っているこのワインレッドのギターもフェンダーのもの。

 選んだ理由はもちろんトゲナシトゲアリのGt.夕莉さんのギターがフェンダーのものだったから、そして自分が赤が好きという理由だからだ。

「でもー、宇京はベースなんだから無理してこなくてもいいのにー」

「せっかく集まるなら全員揃うべきだろ。それに京さんたちだって今後ベースを入れるなら音合わせて、どんな風になるか知っておくのも必要だろ」

「ふーん。そんなこと言っちゃってー本当は楓に会いたかっただけじゃないー?」

「うるせー」

 芹那と宇京は軽口をたたきあう。

 そんな中のいい関係がうらやましいと感じた。

「ねえ京。ボーカルもやろうよ!あなたなら、ボーカルもいけるって」

「わかってるけどさー。ギターが満足にできなきゃボーカルなんて言ってられないって」

「ギターもう一人入れれば大丈夫だって!私の妹なんだからボーカル!」

「京ちゃん。私も歌声悪くないと思うよ。やっぱ姉妹だねー」

 楓と来弥が念押しするようにボーカルを勧めてくる。

 確かにボーカルはバンドの花形。やりたくないかと言われればやりたい。

 だが、それほど簡単にできるものでもない。

「そのうちやってみます。芹那さん、さっきのカッティングと曲調の変わるところ見てもらってもいいですか?」

「いいよーん」

 芹那と共にギターの練習にいそしむ。

「もうー」

 楓は残念そうに見つめていた。

「そんなに京にボーカルしてほしいんですか?」

「せっかくやるなら一番目立つところやりたいでしょ」

「楓って勉強以外なら結構なんでもできちゃうからね。天才肌ってやつ?」

「そお?って勉強は以外は余計だよ!あっはははは」

 2人が笑いあう様子をゲイツも乾いた笑いをもらして見つめるのだった。

 芹那たちと別れてライブハウスを出ると外は完全に暗くなり、空には満月が白く光っていた。

「さあ、帰りましょ。あんまり遅くなるとお母さんたち心配するし」

「うん。芹那さんと久しぶりにたくさん練習できてよかったー。オリジナル曲のアドバイスまでもらっちゃったー」

「よかったわね。ゲイツ君も結構上達してたみたいだけど、ドラム楽しい?」

「それなりには」

 そっけなく答えるとゲイツは駅に向かって歩き出す。

「バンドメンバーはまだ見つかってないの?」

「うん。探してはみてるんだけどねー。私がボーカルをするとしてもベースとキーボードが欲しいかなー?」

「あら、キーボード?ギタボなら私たちと同じダブルギターかと思ったけど……もしかしてトゲトゲに寄せてる?」

「ぎくっ!」

 図星を疲れて表情が強張る。

「グランシャリオはグランシャリオでしょ!私たちは私たちなりの音楽性があるの!」

 早歩きでゲイツの後を追う。

「あなたたちのバンドだからね。どうこう言うつもりはないわ。でも、ボーカルやるなら私もコツ教えるからね」

「うん。そこは素直に教えてもらおうかな」

 笑いあう姉妹の声が夜の川崎の街に響いていた。

 

 

 翌日。休日であったその日に京は早く目を覚ましていた。準備をしてギターをバッグに収めて部屋を出る。

「出かけるのか?」

「今日は楽器店行って、そのまま外で軽く弾いてくる。あとは唯たちとお昼食べて、あとは服とか見に行くかな」

「じゃあ、俺も行くからちょっと待ってくれ」

「へ?ゲイツ君が?」

 予想外の言葉に思わず聞き返す。

「俺がいると嫌か?」

「ううん。全然大丈夫だよ」

「そうか」

 20分ほどで準備を終えたゲイツが階段を降りてくる。

「行こうか」

 こちらの言葉に彼が頷き、2人で街に繰り出す。

「これは返しておく」

「渡したままだったね。何かわかった?」

 2023と刻まれた銀の指輪を受け取る。

「それは、名付けるなら『スキルリング』だな」

「スキルリング?」

「そのリングがあればスカイやプリズムの技を使用できるようになるみたいだ」

「それってソウルリングとどう違うの?」

 ソウルリングもキュアスカイの力や技を使用できるという点では同じようにも感じる。

「そこは実際に使ってみないと何とも言えない」

「えぇ……次があれば使ってみるけど」

 リングをしまい、訪れた楽器店でピックや弦の予備を購入する。

「おまたせー」

「俺も、ドラム用に何か買ったほうがいいのかな?」

「うーん。私も専門じゃないけど来弥さんはドラムスティックは自分用の持ってるって」

「これか。じゃあ買っておくわ」

「え?」

 ゲイツは手に取ったドラムスティックをレジに持っていき購入していた。

「判断が早い」

「バンドやるんだからいいだろ」

「じゃあ、はいこれ」

 袋からエメラルドグリーン色のピックを一枚渡す。

「いや、ドラムだからピック使わんだろ」

「使う用じゃなくて、これはメンバーの証。私は白」

 自分のほうも白のピックを見せる。

「せっかくならメンバーで共通のもの持っておきたくて」

「メンバーで共通のものね。……悪くないなそういうの」

「でしょ」

 ゲイツの顔を見て笑みを浮かべる。

「ねえ、アナザーワールドであったアナザーキュアリリベル、セレンディーナさんって知り合い?」

「うん。セレンディーナは京の前の、先代のキュアコスモスだったんだ」

「そうだったの?」

 驚きを隠せなかった。

 セレンディーナという少女が、まさか前のキュアコスモスだったとは。

「こんなことになるなんて予想外だ」

「なら、絶対助けよう。私たちで」

「ありがとう。ん?……京、次のアナザーワールドだ」

「またー?仕方ないな」

 右手の中指にキュアリングを装着するとゲイツの開いたゲートをくぐり、次元を超えた。

 次に瞼を開くと広がっていたのは……普通の街並みだった。

 今回は犬にもなっていない。

「ここが次のアナザーワールドなんだ」

「うん。今回は、はなみちタウンだな」

「はなみち?花道オンステージ!ってやつ?」

 拾い上げた木の棒を持ちあげて構える。

「は?なんだそれ?」

 ゲイツはただ首を傾げるだけであった。

「もうーゲイツ君ノリ悪いなー」

「俺が悪いのかよ」

「ほら行くよー」

 2人で街を歩き出す。

「はなみちねー……歌?」

 耳にかすかに響く歌声を敏感に感じ取る。

「京?」

「ちょっと寄り道するね」

 気が付けば歌のほうへと駆け出していた。

 程なくして小さな公園へと到着する。

 視線の先には茶髪の少女の姿が発見できた。

 彼女は1人で歌っている。

 いや正確に言えば1人と1匹というべきだろうか。

 思わず聞き入ってしまう。

「……ふう」

「うたの歌は最高プリ!」

 小さな白い妖精はペンライトのようなものを振っていた。

「ありがとう。ん?どうかしました?」

 1曲歌い終えた少女はこちらに気づくと首を傾げる。

「見つけた……ボーカル!」

「京、一人で走っていくなよ」

 後を追ってきたゲイツも肩で息をしながらようやく合流する。

 だが、自分の視線は彼女に釘付けだった。

 そして開口一番、

「ねぇ、君!バンドとか興味ない!?」

「へ?バンド?」

 彼女をバンドに誘っていた。

「あなたなら絶対いいボーカルになれるから!ね?一緒に!」

「京。落ち着け」

「えっと、」

「私は秋桜京。バンドやってるんだ、担当はギター!」

「俺はゲイツ。一応、京のバンドメンバー、になるのかな?担当はドラム」

 こちらが自己紹介を行う。

「京さんにゲイツさんですね。私は咲良うたっていいます」

「プルルン、プリ。ところでバンドって腕に巻くバンドのことプリ?」

「違う違う。楽器を弾き鳴らして音楽を届けるの……というか君、ぬいぐるみじゃないんだ」

「あ……」

 普通に会話しているプルルンにうたが固まる

「大丈夫大丈夫。こういうの慣れてるから」

 喋れる鳥や犬と猫を見てきたのだ。

 今更、この程度で驚くことはなかった。

「そ、そうなんだ……でもステージで歌うのってキラッキランランだよね」

「うん!ねぇ、だから一緒にやらない?バンド!」

「お誘いはうれしいんですが……」

「うたはアイドルプリ!すでにステージで歌って踊ってファンサしているプリ」

 隣にいた妖精のプルルンが答える。

「……アイ、ドル?」

 今度は返答を聞いた京の表情が固まった。

 予想外の返答にただ彼女を見つめる。

「はい。アイドルやってまーす」

 うたも手を挙げて返答する。

「……」

「京?」

「そ、そっかー……なら仕方ないよねー」

 作り笑いをなんとか浮かべていた。

 ゲイツはいつもと異なる彼女の様子に気づく。

「京さん、もしよかったら少しギター聴かせてもらえませんか?」

「ギターを?う、うん。いいよ!」

 いつもの表情に戻り、ギターケースからワインレッド色のギターを出してピックで弾き鳴らす。

 前奏を終えて、弾き語りへと移行していく。

 まだ作り途中のオリジナル曲を。

「~♪」

「おー……」

 うたはそんな様子を見惚れており、プルルンは静かにペンライトを振る。

「こんな、感じかな。まだ未完成の歌だから」

「すごいね!京さん、キラッキランランだよ!」

「そ、そう?」

「うん!本当にすごかったよ!」

 うたに褒められたことで照れるように頬が緩む。

 2人の様子をゲイツも見つめ、さきほどの違和感が杞憂であったことに安心していた。

 ふと公園の時計が15時を指していることに彼女が気づく。

「って、私そろそろ行かなきゃ!バイバイ、京さん!」

「またねー」

 去っていくうたとプルルンを見送る。

「はぁ……いいボーカルだと思ったのにー」

「そもそも彼女はこの世界の人間。一緒にバンドは無理だろ」

「そんなことないよ。うたちゃんの歌はすごかったし、1曲だけ一緒にやれないかなー……この新曲やってほしいんだけど」

 再び彼女の歌を思い出す。

「そんなことよりアナザープリキュアだろ。行くぞ」

「そんなことじゃないし!私にとってはバンドも重要なの!」

 ギターケースを背負いなおして、歩き出す。

 ゲイツもため息をつき、あとを追う。

「それで、アナザープリキュアは?」

「ワールドシグナルは、まだでていないからな」

「言われてみれば確かにでてないねー。喫茶店あるじゃん、コーヒーでも飲んでいく?」

 数十分ほど歩き、何の変哲もない喫茶店が目に入る。

 看板にはグリッターと書かれている。どうやら店の名前のようだ。

「小腹も空いたし入るか」

 喫茶店の扉を開ける。

「結構雰囲気いいねー」

「あれ、京さん?それにゲイツさんも」

「うたちゃん?」

 店内にいたのはさきほど出会い、別れた咲良うたであった。

「ここ、私の両親のお店なんだ」

「喫茶店やってるんだおしゃれだね!」

 再開を喜び合っていると

「うたちゃんの知り合い?」

「見ない顔ですねお2人とも」

 青く長い髪の少女と紫の髪をツインテールにした少女がやってくる。彼女の肩にはプルルンによく似た桃の色の妖精がかくにんできた。

「うん!京さんのギターはキラッキランランなんだよ!」

「うたちゃんの歌も輝いてたよ。今日この町に来たばかりなんだよねー私たち」

「ああ、俺たち旅をしているから」

 このやりとりもソラシド市やアニマルタウンでよく似たことがあった。

 さすがに慣れてきた。

「私は蒼風ななです」

「時雨こころです!こっちはメロロン」

 3人の紹介を受ける。

「旅って言ってましたが2人でですか?」

「旅行者、ってことでしょうか?」

「そんな感じかなー」

「2人ともこちらの席にどうぞ」

 カウンター内の田中に促され、席に座る。

 程なくしてお冷が自分とゲイツの前に出てきた。

「俺はアイスコーヒー。ミルクとガムシロなしで」

 メニューを見ないまま注文を終えた彼を横目に自分は冊子を読む。

 コーヒーに紅茶、メロンクリームソーダまである。

 軽食もスパゲッティにオムライスといった定番を揃えている……この店当たりかもしれない。

 ふと期間限定と書かれたページを発見する。

「私はー、メロンクリームソーダと、この期間限定のレアチーズケーキ。ゲイツ君にもレアチーズケーキをお願いします」

「俺は別に――」

「かしこまりました」

「いいからいいから。期間限定だよー」

「京さん、期間限定のレアチーズケーキを選ぶなんてミーハーだね!」

 うたも隣に座り、目を輝かせる。

「そう?私こういうのに目がないんだよね」

 実際のところ期間限定や新商品などを見ると無性に買ってみたいと思ってしまうところがある。

 お菓子しかり、コスメしかり、ギター用品しかり……ギター用品には期間限定はないけど。

「ところで、うたちゃんってもしかしてプリキュア?」

「な、なんでそれを!?」

 図星をつかれたように彼女が固まる。

「さっきプルルンって妖精と普通に会話してたし、そうなのかなって」

「ほう、京さんは妖精見ても驚かないのですか?」

 アイスコーヒーとメロンクリームソーダ、そしてレアチーズケーキを順番に置き、田中が質問する。

「ぜんぜん。隣にもいるし妖精」

 ゲイツを指さす。

「うたがプリキュアって気づいてたのかよ京」

 彼はストローでアイスコーヒーを一口飲むと視線を向けた。

「さすがに慣れてきたって私も」

「ちょ、ちょっと待ってください。ゲイツ君も妖精なんですか?」

「そうだが?」

 蒼風ななの質問にも淡々と返答する。

「妖精が人の姿するのなんて珍しくないだろ。田中もプルルンもそっちのメロロンだって人の姿になれるんだから」

「え?そうなの?」

 その説明に思わず自分がツッコむ。

 目の前の田中まで妖精で、人の姿になれるとは思っていなかったのだ。

「うたたちはキミとアイドルプリキュア♪だろ?」

「アイドルプリキュア……アイドルって趣味とか職業じゃないの?」

「うたたちはアイドルでプリキュアプリ!」

「そうです!ステージで輝き歌って踊りプリキュアとして戦い、ファンサしているんです!」

 プルルンとこころが熱く語っている。

「プリキュアなのにアイドルってそういうこと!?」

 京の声が店内に響いていた。




どうもUNIMITESです。
いつもの時間に投稿が間に合わなかったので2:00となりました。
3つ目のアナザーワールドは君プリのアナザーワールドとなります。
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