現実では貴方が幻想を追い求める。幻葬郷では幻葬が貴方を追い求める! 作:M0.8
もうすぐ受験だ……最近は常に何かに集中しているせいか、時間の流れを有り得ないほど早く感じる。
「幻想郷が恋しいなぁ…… 今では受験勉強三昧。」
幻想郷……それは幻想に消えたモノが集う場所…… 様々な種族の少女達が群雄割拠している楽園である。
1年以上前、俺が訳あってお世話になった場所だ。
現代社会は目まぐるしい程忙しい。
国内だけでもニュースサイトを埋め尽くすほど事件や事故、吉報や悲報などで溢れている。
ただでさえ自分に入ってくる情報が多いのに…社会はわんこ蕎麦のように情報を継ぎ足してくる。
全てを無視して眠っていたい。
あの頃は考えもしなかったが……生活にあまり変化が無いというのは、とても魅力的なのかもしれない。
いや、どっちもどっちか……?
「……また幻想郷の皆と会いたいな。」
「久しぶりですね! 真白さん!」
何時も使っているベッドには……少女がいた。
俺が昔、幻想郷に居た頃によくエンカウントしていたブン屋だ 名前は確か……射命丸文だったはず。
これは現実だろうか?、いやない(反語)
「きっとストレスで幻覚が見えるようになったんだ。ああそうだ、これは幻覚に違いない……」
「何を言ってるんですか、現実ですよ。」
ついに幻聴まで聞こえ始めた…これはもう末期だな。
もし現実だとしても…何故この部屋に居るのかが分からん。幻想郷にまた飛ばされたって事ならまだ信じれたんだがなぁ……
「もう二度と会えないと思っていた友人が何故か部屋に居るなんて信じられるわけが無いだろ。」
「残念ながらこれは現実だぞ、少年よ」
そ、その声はッ!
ほかの賢者や有力な妖怪に比べカリスマという化けの皮を保持し続けている秘神!
「オッキーじゃないか。」
幻想郷にいた頃、スタ〇ドってレベルで張り付いてきたオッキーこと、摩多羅隠岐奈。
何故今更こうも一気にくるんだ?
「まぁそんな顔をするな……私だって長い年月かけてやっとここにたどり着いたのだ。感動の再会といこうじゃないか。そこの鴉が居るのは気に食わんがな。」
「いやそんな長い年月経ってないよオッキー。」
せいぜい1年だよ。人間目線でも気がついたら経ってるくらいの年月だよ。
仮にも自称、後戸の神・障碍の神・能楽の神・宿神・星神・幻想郷の賢者・フィクサー(笑)な訳だし。
「馬鹿を言うな、お前が帰ってから私の前方視界が開けて酷く寂しかったのだよ。かくも世界は見やすいものだったのかと、ね」
前方視界なんて開けてた方が良いに決まってるじゃないか、と喉元まで登ってきた言葉を飲み込む。
オッキーっていつメンが二童子位しか居ないし。多分ボッチで寂しかったんだろうなと思う。
やーい陰キャボッチ〜……あ、俺もそうじゃん……
「まぁ、文とオッキーが居るってことは理解した。 この後はどうするつもりだ? 幻想郷に帰れなくなったから居候させて〜的な?」
「むしろその逆、ですかね」
「まぁ、かなり面倒な事になった。 お前が去った後に情勢も大きく変わった。」
逆で、幻想郷の情勢が変わる……嫌な予感が……
「オッキー、それってつまり?」
「お前を幻想郷に連れ戻す。 つまるところ神隠しだ。」
現世で勉強してアルバイトして新しい関係を紡いできたこの時期に神隠し?
俺が一人頑張ってきた意味は何だったんだ。
いや、こっちに未練があるかといえば無いけど。
「別に完全に連れ去るわけでは無い。あくまでも生活の主軸を幻想郷に移すだけだ。こちらの都合で前のように人里で暮らす事は出来なくなったがな。」
えぇ、こちらの都合って何。人が人里で暮らせないとか妖怪の餌まっしぐらコースじゃん。ワンチャン、ルーミアとかに守って……貰えそうに無いなぁ……
生贄足りないから補充要員的な? 幻想郷が貴様の墓場だ!しねぇい!……ってことぉ!?
幻想郷じゃなくて幻葬郷じゃん。
「あとは……お前が幻想郷にいた頃にやっていた仕事、便利屋をやってもらう程度だ。 それと、だ。」
「ほぁ!?」
オッキーにいきなり腕を引っ張られる。後戸の扉に引き摺り込まれる。身体が中に浮き……落ちて行く。
力強いって! 腕取れる! 取れる!
浮いてる!落ちてる!?浮いてる!?
「真白さ」
「残念だったな鴉よ。こいつは私が頂いていく。 悔し涙で羽でも洗っているといいさ。」
いつの間にかオッキーにお姫様抱っこをされている。
キャー!オッキー素敵!
でもこんな事になったのもオッキーのせいなんだよな。マッチポンプとか最低! 失望しました。ゆかりんのファン辞めます。
面白い文書書けるようにしたいのでここ好きと感想ください