「……曽我」
「なんだ?常闇」
試合開始直前、常闇はフィールド上で突如俺に質問を投げかけた。
「戦闘訓練や今までの種目で見せてきたあの花……個性は影響を受けない、ということでいいんだな?」
「ああ」
「『
「ああ……だが、今回は少し趣向を変えようと思う」
常闇が首を傾げる。
「極力個性使わないっつったのに、今まで使ってばっかだったからな。……剣術一本でやってやる」
会場がざわついた。常闇の個性である"
「コスチュームと戦闘訓練を見て思ったが……光が弱点なんだろ?」
「!」
「影は影……あの外套で、
「……そうだ」
とは言っても、所詮種明かしをしただけ。理不尽な基本性能の高さをナーフできたわけじゃない。
「それでも勝てるって思ったから、技術を選んだんだ」
「というわけで、曽我くんのサポートアイテムの申請が通ってるの。はいどうぞ」
「ありがとうございます」
「それ、は……」
コスチュームと一緒に頼んでおいた、模造刀。重さは限りなく真打に近づけてある。
「伊達に剣術磨いてないんだよ。さあ、やろうか」
「……行くぞ」
試合開始のアナウンス……と同時に、景気の良い音。
パァン!!
「ごっ……!?」
「安心しろ、峰打ちだ」
「今、何が……くっ!」
『……今の見えたか?』
「……辛うじてな。かなり速いぞあれは」
「……見えなかった」
「うん」
「俺たちはこの距離な上、先生ですら辛うじてだ。見えないのも仕方がない」
常闇は防戦一方、速度で潰す!
「相手が悪かったな……このまま動けば首切るぞ」
「……まいった、俺の負けだ」
「常闇くん降参!勝者曽我くん!」
何が起こったかまともに視認できないまま、第二回戦三試合目が終了した。
「……あごめん控え室間違えた」
「あ?……耳か」
「耳郎だよ!!」
入学してから何度目かもわからない。爆豪が名前を言わないのはいつものことだってのに、なんでか訂正はやめられない。
「……曽我の剣術、見えた?」
「……ほんの少しな」
「うっそでしょアレ見えたの!?どんなことしてた!?」
「うるせぇ教えるかバカ!!」
でも、爆豪もちょっと丸くなった……かな?
「……耳」
「耳郎だってば」
「俺ァ、負けねえぞ」
「……うん」
その後、爆豪と言葉を交わしはしなかった。次に顔を合わせた時……。
「──俺の、勝ちだ」
ウチが、勝つ。