大変お待たせしました。
「あれ、ここは…」
ギャラハッドが目覚める、目の前には知らない天井が拡がっている。
【フレイヤ・ファミリア】との
「目が覚めましたか。」
ギャラハッドが眠っていた部屋に一人の少女が入ってきた。
銀髪の髪を持った自身よりは年上に見える少女。
「ここはどこですか?」
「ここは【ディアンケヒト・ファミリア】の運営する治療院です。あなたは
「二日も…」
「傷はもう完治していますが、念のため、今日一日は入院ですね。【アストレア・ファミリア】の方には連絡を入れておきます。」
「あなたは?」
「私はアミッド・テアサナーレといいます。それでは、くれぐれも安静にしていてください。」
そういってアミッドと名乗った少女は部屋を出て行った。
一時間後
「ガル!!」
アリーゼ、セルティ、アスタ、マリューがやって来た。
どうやら近くを巡回していたらしく、【ディアンケヒト・ファミリア】の団員が星屑の庭へ向おうとしていたところ遭遇し、先に伝えたようだ。
「よかったぁ~」
「ほんとだよぉ~」
「勝つのはわかってたけど、よく頑張ったね。」
「うぅ~ん、怪我も治って顔色も良さそうね!」
みんなギャラハッドのことが心配で心配で堪らなかったそうだ。
実は昨日まで三人体制でギャラハッドの部屋で待機していたのだが、あまりにもうるさかったために、アミッドに激怒され目覚めるまで面会禁止とされていた。
そのことをギャラハッドは知らない。
「心配をおかけしました。」
「マリューなんか、【猛者】に肩を切り裂かれたとき真っ青になって倒れそうになってたね。」
「ア、アスタちゃん!」
「アハハ、なんとかスキルのおかげで助かりました。サー・モードレッドの力を借りたのに、あれほどまでボロボロにされるなんて…やはり都市最強はすごかったです。」
「それは見ていたみんなが感じたわ。でも、勝ったのはガルよ!!」
アリーゼはそういってギャラハッドを強く抱きしめた。
「ほんとによかった…」
右肩にアリーゼの顔が当たる。
呼吸がくすぐったい。しかし、それよりもはっきりと衣服に涙が染み込むのを感じる。
「ガルがいなくなるのなんか想像したくなかったわ。ほんとによかった。」
初めて聞くアリーゼの涙声。
いつもの元気で明るいアリーゼが嘘のようだ。儚いガラス細工のようなか細い声。ギャラハッドの胸にグサッと突き刺さった。
「僕の全ては【アストレア・ファミリア】の物です。」
「ガル…大好き。」
「「「えっ?」」」
突然の告白にセルティ、アスタ、マリューが驚く。
普段のスキンシップの中で伝える「大好き」ではない、熱の籠った「大好き」だ。
「…あれ、私今何言った?」
我を取り戻したアリーゼがギャラハッドの右肩から顔を離す。
「ア、アハハ、僕もアリーゼお姉さんのこと大好きですよ。」
「ガル!? ち、違うの!! いや、違わないけど…」
アリーゼの顔が彼女の髪と同じ赤に染まる。
「アリーゼちゃん! ガルは病み上がりなんだから離れて!!」
マリューがアリーゼをギャラハッドから引きはがした。いつも穏やかなマリューが珍しい。
「アリーゼちゃん!! 抜け駆け禁止!!」
「抜け駆けは許さない!!」
アスタとセルティがアリーゼの腕を縛る。
「えぇ~、ねぇ、待って違うの!! ねぇ~!!」
「あなたたちうるさいですよ!!」
小さな銀髪の少女が怒鳴り散らかした。
それはもう盛大に…
ギャラハッドの魔法がかわいく見えるほどの稲妻を落とした。
アミッド・テアサナーレ11歳は何が何でも病気、怪我を治す。たとえ四肢を切り落とすことになっても、必ず患者を生かす。
つまり、病み上がりの患者がいる病室で叫ぶ彼女たちはアミッドからすると敵でしかなかった。
「ガル大丈夫?」
結局、面会はアストレアだけとなった。
明日の朝には退院できるのですぐに会える。
「はい、どこも痛くないです。 それより、フレイヤ様たちはどうなりましたか?」
アストレアはギャラハッドにフレイヤへと下した命令を教えた。
「そうですか、でも、【フレイヤ・ファミリア】の方々がオラリオの治安維持を手伝ってくれるというなら安心ですね。」
「えぇ、昨日からアリーゼたちと共に巡回を手伝ってくれているわ。
「アリーゼお姉さんたちは?」
「アリーゼは拠点で反省してるわね。アミッドちゃんが大激怒したって聞いて驚いたけど、何かあったの?」
「アハハ、まぁ、色々と。アリーゼお姉さんだけが悪いわけじゃないし。」
「今日のところは、もう帰るわね。じゃあ、ゆっくり休むのよ。」
そういってアストレアはギャラハッドの部屋から退出した。
無事退院したギャラハッドは星屑の庭へ戻るとアリーゼたちに迎えられた。
「…その看板は何?」
「気にしないで。」
アリーゼの首から看板が掛けられている。まるでいつかの【
「私は抜け駆けしてガルにアタックしました。」と書かれている。
「今夜はお祝いね。」
「でも、その前に…」
「「「「「「「「「「「「おかえり!!」」」」」」」」」」」」
全員がギャラハッドへ向けてそういった。
「ただいま!!」
Lv.3
力:638 C → 935 S
耐久:813 A → 1104 SS
器用:564 D → 876 A
敏捷:547 D → 844 A
魔力:603 C → 928 S
【騎士】:F → F
【治力】:H → F
スキル
【
・誓いによる行動での経験値上昇
・誓いの丈により効果向上
【誇り高き正義の盾】
・戦闘時、力と耐久のステイタス上昇。発展アビリティ【対魔力】、【耐異常】が発現。
・守護対象の側にいる際、全ステイタス上昇。守護対象の数に乗じて上昇。最大12名
・周囲にいる守護対象の耐久ステイタス上昇。
【騎士の名乗り】
・恐怖耐性を獲得。
・
【時に微笑む正義の盾】
・対象1名に5分間の絶対防御、オートヒール付与。再使用に10分のチャージが必要。
魔法
【
詠唱
「神名、拝借──この身は正義の席に立つ……
其は全ての罪、全ての罪禍を正す我らが天秤──顕現せよ!」
・魔力障壁展開、あらゆる攻撃を隔絶する。
・発動後一定時間、発動範囲内にいる全てに力、耐久、器用のステイタス大幅上昇。
【
詠唱
「
・速攻魔法
【
詠唱
「我らの剣は
故郷は彼方、歴史の片隅、王を守護せし12の騎士
この身は彼らの
・召喚魔法、召喚した対象は注いだ魔力の分だけ活動する。魔力が切れると自然退去。再召喚に13時間を要する。同時召喚可能数 1
偉業達成を確認、
Lv.6の【猛者】と戦ったことで
「もうガルに力で勝てないなんて!!」
「押さえつけられたら反撃できないね。」
「ちょっとワイルドに攻められるの良くない?」
「わかる…ガルの紳士的な態度から一変、夜だけ凶暴になっちゃうんでしょ。」
とまぁ、乙女たちは女神フレイヤにギャラハッドを取られる心配がなくなったため、気持ちが荒ぶっていた。
何人かは新しい扉を開いてしまったようだ。ちなみに、新しい扉を開いたメンバーはノイン、アスタ、リャーナだ。
「こんなに早く良い雄になるなんて。」
「イスカ!! ふ、不埒です!!」
「おーおー、また淫乱妖精が盛ってるぜ。」
「ライラ!! 私は決して淫乱などではない!!」
イスカ、リュー、ライラはいつも通り。
「あっ、ガル…その、おはよう。」
「おはようアリーゼお姉さん。」
「っ!」
アリーゼはギャラハッドにおはようの挨拶をした瞬間に部屋を出て行ってしまった。
「アリーゼお姉さん?」
いつもと違うアリーゼの様子にギャラハッドは首をかしげる。
「はぁ、団長殿は何をしているんだか…」
輝夜がため息を吐いた。
「僕何かしちゃったかな?」
「何かしたといえばしたし、していないといえばしていない。」
輝夜がギャラハッドの頭をポンポンと叩いた。
「そのうち解決するだろう。」
「心配だから追いかける。」
「そうか、なら行ってこい!」
輝夜がギャラハッドの背中を押し出した。
「はぁ、なにやってるんだろ私…」
星屑の庭にある中庭にてアリーゼは一人座り込んでいた。
「でも、格好良かったなぁ…」
四日前の激闘を思い出す。
オラリオ最強の冒険者【猛者】オッタルとの一騎打ち。
大剣が盾を切り付ける度にオラリオ中へ鳴り響く轟音、火花が散り汗と血が宙を舞う。
圧倒的な対格差ながら、押し負けることなく攻撃を受け止めるギャラハッドの姿が脳裏から離れない。
普段は紳士的で優しい弟分が、歯を食いしばって獰猛な眼光と共に戦場を駆けまわる…胸が高鳴った。
「あんなの姿見たら、みんな好きになっちゃうわよ。」
だらしのない笑みを浮かべている。
「アリーゼお姉さん!」
「ガ、ガル!?」
ギャラハッドの声が聞こえた瞬間、アリーゼの表情は固まった。
「な、何かしら?」
「心配になって追いかけてきちゃった。」
「ア、アハハ、心配しなくても大丈夫なのに、その、ごめんね。」
「僕、何かしちゃった?」
「ガルは何もしていないわ。いえ、したけど、悪いことをしたわけじゃないのよ!!」
アリーゼの頭が混乱する。
「いってくれないと分からない!!」
「…よ!」
「なに?」
「格好良かったの!! 【猛者】との戦いが!!」
アリーゼの大声が響いた。
「えっと…ありがとう。」
急な大声に、ギャラハッドも少し驚いたようでビクッと体を反応させた。
「ガルのことが好きすぎて照れちゃうの!!」
暴走しだした…
正義の眷属【
ギャラハッドへの気持ちがあふれ出し、口からどんどん吐き出している。
「だからガルが悪いことなんてないの!! はぁ、はぁ、はぁ。」
顔が真っ赤に染まり、大きく呼吸を繰り返している。
「アリーゼお姉さん…僕も正面からいわれると照れちゃうよ。」
どうやら赤くなっているのはアリーゼだけではないらしい、ギャラハッドの白い肌が真っ赤に染まっている。
アリーゼよりも色素の薄い肌のため、より目立っている。
「「………」」
二人の間に長い沈黙が流れる。
「戻ろっか。」
「うん。」
ようやく二人は拠点内に戻った。
病み上がりということもあり、休暇をもらったギャラハッドは、
「よく来たなガル!!」
工房へ招き入れるやいな、ギャラハッドは椿に抱きしめられた。
「うぅ~ん、やはり良い抱き心地だな。こんなに愛らしいのに、【猛者】との一戦は猛々しく勇ましい。これが神のいうギャップ萌えというやつか。」
久しぶりに会ったということもあり、椿のテンションは高い。
「その、お忙しいと思いますが、装備を直していただけると嬉しいです。」
「そうだなぁ、手前でもしばらく時間が欲しい損傷の激しさだな。流石は【猛者】だ。」
「はい、逆にこの装備がなければ、肩を切られたときにもっと大変なことになっていたと思います。」
装備の方から入る大きな亀裂。オッタルの大剣がギャラハッドの方を深く切り裂いたときのものだ。
「それじゃあ、鎧はしばらく預かる。一週間ほど時間が掛かるが…」
「わかりました。それではよろしくお願いします。」
「久しぶりに来てくれたというのに、すぐに行ってしまうのか?」
椿が寂しそうな表情を浮かべる。
彼女の眼帯に覆われていない紅い瞳が揺れている。
「その、お邪魔でなければ少し居させてもらいます。」
「そうかそうか、邪魔ではないから、是非とも長居してくれ。」
流れるような仕草でギャラハッドを自身の膝の上へ座らせた。そのままがっちりホールドする。
彼女の持つ豊満な胸が背中に当たる。柔らかくもハリのある魅惑的な果実。
「ふふふ、聞きたいことはいっぱいあるからのう。全て話してもらうぞ。」
どうやら椿はギャラハッドが円卓の騎士の血縁という話を聞きたかったようだ。
洗いざらい話した。
「なるほどのぅ、英雄の血筋か。これは女神フレイヤが欲するのもわかる。」
「アハハ、椿さんも円卓の騎士をご存じで?」
「あまり詳しくは知らないぞ。騎士王や13人の騎士たちが皆、素晴らしい剣を持っていたということは鍛冶師として知っているくらいだ。」
「そうですか。」
「お主の存在もあるのだ。星の聖剣は存在しているのか?」
「さぁ、実在するかはわかりませんけど、多分あると思います。ただ、星の聖剣を返還した泉自体が、無くなってしまったので、今はどこにあるのかどうか…」
「なら、お主の育った島へ探しに行こう!!」
「今は暗黒期ですし、難しいでしょうね。暗黒期が終われば、里帰りも含めて、探しにいってもいいかもしれないですね。」
「そのときは、手前のことも連れて行ってくれよ。」
「えぇ、そのときは必ず椿さんのことを誘いますね。」
そういって二人は話を続けた。
その日、ギャラハッドが椿の工房へ滞在した時間は三時間ほどだった。
椿はもっといてもらいたかったが、作業が遅れることを危惧したギャラハッドが自ら帰った。
ギャラハッドが帰った後の椿は、寂しそうにしていたが、ずっとギャラハッドを抱きしめていたため、肌は艶々しており顔色も良かったらしい。
「ギャラハッド君!!」
椿の工房からの帰り道、ギャラハッドはイーナと会った。
「こんにちはイーナさん! 今日はアイクさんといないんですね。」
「私だってずっと、アイク兄さんといるわけじゃないですよ。」
「それもそうですね。」
イーナの恰好は私服だ。以前会ったときと同じく、今日はオフらしい。
「それより!!
突然いつも大人しそうなイーナのテンションが上がる。
「ありがとうございます。なんとか勝てました。」
「ほんとに二人とも凄いとしかいえないというか、なんでLv.3なのにLv.6に勝てるんですかと思ったり、ギャラハッド君だから勝ってもありえるかとも思ったりしましたけど…」
「いや、ほんとよく勝てたなって思ってます。正直、二度と戦いたくないです。」
「だと思います。」
そのままイーナと一緒に歩いていると更に彼女に遭遇した。
鉛色の髪を持つ英雄譚が大好きな彼女。
「ギャラハッドくうううううううううううん!!」
そう、アーディだ。
「ギャラハッド君!!
止まらない弾丸トークが炸裂する。
隣にいたイーナもその勢いに気圧されている。
「ア、アーディさん落ち着いてください!!」
アーディ、イーナと共に座れる場所へ移動した。
「うんうん、なるほどね。島にいた人全員が円卓の騎士の子孫だったから、誰の子孫とかじゃなくて、みんなの子孫なんだね。」
「まぁ、一応そうなりますね。」
「サインください!!」
アーディはどこから取り出したのかは謎な円卓の騎士の本をギャラハッドへ差し出した。
「どこから出したんですか!?」
イーナが突っ込んだ。
「そんなこといいから!!というか、サー・モードレッドを呼び出してたよね!! 他の騎士も呼べるの!?」
どこまでいっても筋金入りの英雄譚好き。
少し危ない人に見えてきた。
「その、僕自身は大した人じゃないのでサインはちょっと、他の騎士の方も呼べるので、今度呼び出したときに、アーディさんへのサイン書いてもらいますね。」
「ギャラハッド君が神だったか…」
取り出した本を大事そうに抱えている。
「アーディさんって面白い方ですね。」
イーナがそういった。
「だって英雄譚に出てくる英雄の子孫だよ!! 憧れの存在といっても過言じゃないんだよ!! ギャラハッド君はギャラハッド君ってことはわかってるけど、やっぱり憧れちゃうよ!!」
本を抱えたままクネクネと体を捩じるアーディ。一歩間違えれば不審者として自身が所属する【ガネーシャ・ファミリア】が連行されていくかもしれない。
「はぁ、ねぇ結婚しない?」
「何言ってるんですかあなた!!」
突然のプロポーズにイーナが恐ろしく早い突っ込みを入れた。
「私結構モテるよ…」
「そ、そのぉ、気持ちは大変嬉しいですが…」
「うぅ~ん、リオンたちのお婿さんになるっていってたもんね、私も入れてもらうか。」
完全に堕とされてしまったアリーゼさん、かわちい!
久々の登場、椿さん、かわちい!
そしてアーディさんが本格的にギャラハッド君へアタックしだしましたね。
アーディさん、かわちい!!