守護霊じゃなくて死神なんですか? 作:合法ロリ系の霊王
「待てや!どちび!」
「いーや!やだやだ!というかいい加減しつこい!私は死神じゃないって言ってるでしょ!」
「なら、なんでおまんみたいなチビが黒装束を纏ってんねん!それに腰の斬魄刀、何処で手に入れた!」
「知らない!気付いてたら持ってた!」
「厄ネタやんけ!!!それに止めろ言うてんのに虚を片っ端から狩りおるからに……こないなのは派遣した死神の仕事やねん。虚の数が不自然に減っとることに瀞霊廷が気付いて調査隊を派遣することになったらどないするん!」
「どうも、こうも!私の家族に害を成すやつは全員ぶっ飛ばす!!!!」
「現実も見れんクソガキがァ!」
さてさて、今日も今日とて、仮面の化け物狩りに精を出していた私は、だいだい週一ぐらいのペースかな?
ちょっかいをかけにくるおかっぱ頭の仲間達。その一人である芋ジャージヤンキーと追いかけっ子を繰り広げていた。
「今日という今日は許さへんで!」
『気を付けろ。虚化する気だ』
私がいつも斬っている化け物と同じ仮面を被る。すると能力が飛躍的に上昇して、一時的らしいが、本来虚の力を持たない死神が虚閃まで撃てるようになるという。
正式名称は知らないが、勝手に虚化と私たちの間で呼ばせてもらっていた。
「じゃあお兄ちゃん!こっちもやるよ!」
『仕方ねぇな。3分だけだぞ』
習得するには時間がかかったが、元は『ホロウ』らしいホワイトお兄ちゃんに負担を肩代わりしてもらうことで私もこれに成れるようになった。
ただ『クインシー』寄りの私にとって『ホロウ』の力は相性が悪いらしく、1日3分までと回数は決められている。
まるで気分はウルトラマンだ。芋ジャージヤンキーが虚閃を放つと同時に反してこちらも放つ。
「ぬわっ!?」
同じ虚化と言っても『ホロウ』としての格はホワイトお兄ちゃんが圧倒的である。
最初の頃はよく暴走して大変なことになっていたが、あの芋ジャージヤンキーどころかおかっぱ頭の仲間全員をボコボコにして余力があるスペックだ。
虚閃を正面から打ち破り、咄嗟に刀を前に出した彼女に向け、再度虚閃を放つ。
「ハハッ!そのなまっちょろい刀ごと胸を貫いて化け物どもとお揃いにしてやるよ!」
何故かこの形態になると、嗜虐心が五割増しになるような気がするが、多分気のせいだろう。
「ヒャッハー!!!」
女もバカじゃない。これまでの戦闘でこちらに制限時間があるのはバレている。それまで持ちこたえようと斬魄刀を使って上手く受け流していた。
だが、力も速さも自分の方が上だ。逃げてもいいが……焦れってぇ!私は指を噛んで血を溢し、それを虚閃に乗せる。
王虚の閃光(グラン・レイ・セロ)
「なっ!?」
空間ごと焼ききるような一撃にはこの女もたまらず…………やばい!やり過ぎた!!!?
面倒な人たちだが家族に危害を加えたわけでもないし、別に殺したい相手ではない。
だから止めねば!と思うも既に発射されてしまったそれに私は追い付くことは出来ず、彼女は灰すら残さず消えて───
『バカ!後ろだ!!!』
ガキンッと、ホワイトお兄ちゃんが操作した鎖が背後からの一撃を受け止める。
「残念、逆や」
「DJ!それにおかっぱ頭!!!」
棍棒のような物で殴り掛かってきたのは、売れないバンドのドラムみたいな格好のDJ。そして始解の能力で視界を逆さにすることが出来るおかっぱ頭が参戦してきた。
「おかっぱ頭、ねぇ……いい加減こっちの名前覚える気はないん?」
「私知ってる。名前を覚えたら、友だち認定して、勝手に物を借りたり、連帯保証人にしたりするんだ。そうやって徐々に懐に踏み入って髪の毛1本まで挘り取るのが詐欺師の手口だってお父さんに聞いたんだから!」
「えらく嫌われているな……やっぱ初対面がよくなかったんじゃないか?」
「初対面って、普通に飴ちゃん渡して、俺らの基地でお話しよって、迎えの車(黒のハイエース)まで用意してただけやん。レンタル料高かったんやで?」
「ロリコンの誘拐犯やんけ!このハゲ!」
「だって、あんな小さい子を歩かせるわけにはいかんやろ?」
「完全に逆効果だな」
「はは!逆撫だけに!てか!?」
何か勝手に盛り上がっているようだが、あまりよろしくない展開だ。
既に虚化してから1分経ってるし、暴走状態ならいざ知らず視界を逆さにする能力はやりにくいったらありゃしない。
「どうしよう……」
『逃げ一択だな。殺してもいいなら俺が変わってやるが』
「駄目だよ。殺しは本当にどうしようもない時だけ」
多分あの人達は私と似たような存在なのだろう。だから人殺しになるかは微妙な所だが、律儀なことに家族にだけはノータッチなのだ。
最近は殺す気かと疑いたくなるような悪辣な罠で待ち構えられていることも増えたが、家族にさえ手を出さないのなら、私としては命までは奪う気はない。
『なら、私の力を使うといい』
「うん!」
私は虚化を解いて、脚長おじさんの『影』の力を使って、裏の世界に潜る。
「あら……また逃げられたか」
「何やねんあの力。いきなり消えるみたいに何処かへ転移する。あんなん死神でも虚でもないやろ!」
「だから、見過ごすわけにはいかん……ハァ。本人は家族が恋しいみたいだし、一筋縄ではいかんやろうなぁ」
「我が娘よ。息災であったか」
「うん!ありがとう!」
そして影の世界。私は脚長おじさんの本体?に出迎えられて、ほとぼりが冷めるまでティータイムを楽しむことにした。
「ん?……あら?ホワイトお兄ちゃんが居ない?一護の方に帰っちゃったのかな?」
私は胸に手を当て、またかと呟いた。
脚長おじさんはともかく、ホワイトお兄ちゃんはどうやら私と一護の身体の中を行ったりきたり出来るようで、普段は私の方にいるのだが、脚長おじさんの本体さんを相手にするといつも一護の方に行ってしまうのだ。
あんまり仲が良くないんだろうか?
いつもは頭の中で軽口を叩きあって仲良さそうにしているが、本体さんと私の中にいる脚長おじさんは似て非なるもの?
「それで、虚の力を使ったようだが、身体に異常はないか?」
「うん。前よりも馴染んできた気がする。これなら1日5分でも問題ないかも」
「そうか。それは喜ばしいことだ」
ふふふっ……と本体さんは何か企んでるようで怪しいもんね。
気持ちは分かる気がする。
でも本気で危ない存在ならホワイトお兄ちゃんが止めてくるだろうから、やっぱり雰囲気だけなのだろう。
いつの間にか用意されていた紅茶を飲みながら、欠伸をする。
「ふぁぁぁ~」
「眠いか。ならば暫し身体を休めるといい」
「うん。そうする~」
それから2時間ぐらいかな。ぐっすり昼寝して体力マックスまで回復した私は夜の化け物退治へと赴いた。