先生の性別については決めていません。自由に受け取ってください。
「先生。ひょっとしてこれは何かの冗談か?」
「冗談ではない。いまから、カスミの爪先からつむじまで舐めるからね。じっとしてて」
私の唾液がカスミの綺麗な足の指に垂れ、指の間に流れ落ち、シーツに染みた。私はこの人を汚している。こんなことをしていいのか。舐め回す。指の形を舌先で確かめる。ほのかに甘い。舌の横っ腹で指のしなやかさと塩気と雑味を感じる。舌全体で旨味を味わう。吸う。飲み込む。その繰り返し。そして、足先を大胆に
「この感覚はどうも慣れないなあ。……夢中だな、先生」
ああ、美味い。旨い。首から上の全部と、首から下の全部が気持ちがいい。
両手でカスミの足を掴み、顔の前に持ってきて、彼女の足の裏を嗅ぐ。なにをするかは伝えなかったが、足を舐められることは想定していたらしく、念入りに洗われている。誠に遺憾だ。だが、これはこれで
「そろそろ足の裏から移るか?」
その通りだ。偏ってしまっては美食とはいえない。取り急ぎ、かかと、足首とくるぶしに舌を走らせる。くるぶしの上を一周する。ああ、これは、いけない。手順を飛ばしすぎた。許容量を超えた快楽に、私の体の芯が
目を閉じる。カスミの顔を見れないのは心苦しいが、味に集中する。
「ごめん。我慢できない」
「なんだ?」
カスミの両足を掴み、両足裏をくっつけ、足裏と足裏の隙間、
「あぁ……これか……」
ちょっと諦めたようなあきれたような顔も、足と同じ一つの視界の中で、芸術だ。指の動きを支える腱が浮いた、美しい足。どんな言葉にしても足りないだろう。柔らかく、小さい。彼女の身体の色んな部分に言えることだが、脂肪は薄いのに、なぜこんなにも柔らかいのか。肉質か。素敵だ。噛みたい気持ちもあるが、我慢する。強い刺激を求めてもキリが無いのだ。それよりも
「随分と熱烈だな」
視線で何を思っているかは伝わったらしい。特に恥ずかしくはない。当然のことだ。足の裏の間に溜まった唾液を吸い、口を離す。唾が糸を引いた。
私が一旦彼女の足を解放すると、膝を立てて座っていた彼女は、横向きに寝転んだ。こてん、という擬音が似合う姿。とても可愛らしい。
「こちらは楽にしているとしよう。どうぞ、先生……お好きなように」
お好きなように。こんな言葉があるだろうか。あっていいのだろうか。ふくらはぎを舐める。アキレス腱。
「カスミ」
「なんだろうか」
「いただきます」
カスミの太ももで首を挟み、ホットパンツから覗くシャツの裾に思い切りしゃぶりつく。温かい。桃源郷である。
シャツの生地に唾液を浸して、吸う。私の熱が、口の端から零れていく。
「これで終わってもいい」
「まだ残ってるぞ、先生」
カスミはシャツを
首の向きを変え、姿勢を少し変えて首を伸ばし、カスミの腰の側面、骨盤の始まりの部分に舌を這わせる。甘美ここに極まれり。小さくスレンダーながらも女性的な肉体の曲線美が凝縮されて、刺激・衝撃となって私の脳髄を打つ。
腹部の周辺を舐める。体に密着した足全体の圧や力の向きから、彼女の肉体の軽さ、筋力、骨格の繋がりが間接的に伝わってくる。へそを味わう。
あばらの一番下部に舌で触れると、首に爪を立てられた。合図だ。愛おしさがこみあげてくる。カスミの足に背を向け、腕を掴んで口元に引き寄せた。
「おお、怖いな。私は何をされてしまうのかな」
「何もしないよ」
手首の小指側、
逆さ向きにこちらを覗き込むカスミと目があった。我々は丁度、
「じっとしていてと言う割には、私に世話を要求してくるな? 先生……」
「ふぉっふぉーっ、ふぉっ」(滅相もない)
「欲張りな先生には尻尾は舐めさせてやらないぞ」
首肯する。それはいつものことだから、ハナから了承している。盛り上がったときにちょっと触らせてくれたり、機嫌がいいとあちらから巻き付けてくるがそういうときは触っちゃだめだったり、分かっているから。嫌がっても角は舐めるから。
何を考えているかバレたのか、優しく蹴られた。口からカスミの手が離れる。彼我の力の差は歴然である。体が三回転した。ベッドの端で止まった。カスミの方を振り返り起き上がると、慈母のような顔でこちらに微笑んでいた。幼げなフェイスには聖性すら宿っていた。ああ、このカスミの姿の像をゲヘナ中に建てるべきだ。
「さて、と……」
カスミが2つボタンを外す。彼女の手についたままの唾液がベタベタとシャツに付着した。胸元を軽く開く。鎖骨。肩。不埒だ。ここがトリニティであればエッチ誘致罪でエッチ裁判が発生するところだ。
「さあ、先生。メインディッシュといこうじゃあないか」
琥珀の瞳がやや上目遣いに私を射抜く。真っ白な首回りが露出している。
「いただきます」
デコルテを。
「愛してる」
カスミを強く抱き寄せる。カスミの上体がこちらに傾いで、彼女の綺麗な腰が少し浮いた。頭の天辺
「ごちそうさまでした」
「こういうときは、お粗末さまでした、とでもいうのかな?」