遊戯王DMT―転生したら城之内だった件― 作:Laginera
城之内と海馬の相性最悪のタッグチームは、グールズの光と闇の仮面チームを相手にデュエルをすることになる。ライフが0になれば爆破装置が作動し、ガラス張りの足元が砕け落下する。
海馬は城之内を戦力と見ず、自分勝手にデュエルを進めて城之内を苦境に立たせていた。
光の仮面の直接攻撃でライフを削られ、城之内は不利になっていた。
「ククク、城之内! 次の闇の仮面のターンでお前は終わりだかんな!」
「勝手に決めつけるんじゃねえ…!」
城之内は立ち上がり光の仮面を睨み返す。
「弱者は食われて消え去るのみ。貴様もデュエリストなら潔く逝くことだ」
「何言ってんだい海馬! アンタが〈カイザー・グライダー〉で城之内を庇えば〈カースド・ギュラ〉を戦闘破壊出来た上に城之内を攻撃から守ることが出来た! その程度の戦術も出来ないのかい!?」
「ふん、外野は引っ込んでいろ! これはオレのデュエルだ!何人たりとも邪魔はさせん!」
「さて、とは言え〈カイザー・グライダー〉を野放しにするわけにはいかない。オレは手札から装備魔法〈呪魂の仮面〉を〈カイザー・グライダー〉に装備するかんな!」
〈カイザー・グライダー〉に不気味な仮面が装備される。
「何!?」
「〈呪魂の仮面〉を装備したモンスターは攻撃できず、オレのターンのスタンバイフェイズに海馬、お前に500ポイントのダメージだかんな!」
「小癪な!」
「カードを2枚伏せてターンエンド!」
光の仮面&闇の仮面 LP:3000/4000
手札:1/4
デッキ:33/34
墓地:0/0
除外:0/0
融合デッキ:0/0
モンスターゾーン:
〈シャイン・アビス〉攻撃力2600
〈仮面呪術師カースド・ギュラ〉攻撃力1500
魔法・罠カード:
〈凶暴化の仮面〉対象:〈シャイン・アビス〉
セットカード3枚
「オレのターン、ドロー! 〈漆黒の豹戦士パンサーウォリアー〉を召喚!」
〈漆黒の豹戦士パンサーウォリアー〉☆4 攻撃力2000 守備力1600
(こいつは生け贄をささげなければ攻撃できねえし、流石に伏せカード3枚もある相手に突っ込む気は起きねえ)
「カードを2枚セットしてターンエンドだ!」
城之内&海馬 LP:2500/4000
手札:4/3
デッキ:32/34
墓地:1/0
除外:0/0
融合デッキ:1/3
モンスターゾーン:
〈カイザー・グライダー〉攻撃力2400
〈漆黒の豹戦士パンサーウォリアー〉攻撃力2000
魔法・罠カード
セットカード4枚
「オレのターン、ドロー! バトルフェイズ、〈シャイン・アビス〉で〈パンサーウォリアー〉を攻撃!」
「この瞬間、罠カード〈あまのじゃくの呪い〉を発動!」
「何!?」
「このカードはフィールド上の攻撃力・守備力のアップ・ダウンの効果をターン終了時まで逆にするカード! 〈シャイン・アビス〉に装備された〈凶暴化の仮面〉の効果は逆になるぜ!」
〈シャイン・アビス〉攻撃力1600→600
(ちっ…フィールド全体に効果を与えるカードにこのカードは使えない!)
「〈パンサーウォリアー〉で反撃!」
「ぐううっ!」
闇の仮面 LP:4000-(2000-600)=2600
「大丈夫か相棒!」
「ああ…! クソッ、オレはモンスターとカードを1枚セットしてターンエンドだ!」
光の仮面&闇の仮面 LP:3000/2600
手札:1/3
デッキ:33/33
墓地:1/1
除外:0/0
融合デッキ:0
モンスターゾーン:
セットモンスター1体
〈仮面呪術師カースド・ギュラ〉攻撃力1500
魔法・罠カード:
セットカード4枚
「オレのターン、ドロー!」
(ちっ…〈呪魂の仮面〉の効果で〈カイザー・グライダー〉は攻撃できん!)
「ならば殺戮の魔獣人〈ブラッド・ヴォルス〉を召喚!」
〈ブラッド・ヴォルス〉☆4 攻撃力1900 守備力1200
「先ずは雑魚を片付けてやる! 〈ブラッド・ヴォルス〉で〈仮面呪術師カースド・ギュラ〉を攻撃!」
「させるか! 罠カード〈弱体化の仮面〉を発動だかんな!」
「何!?」
「このカードは〈ブラッド・ヴォルス〉の攻撃力を700ポイントダウンさせるカードだ!」
〈ブラッド・ヴォルス〉攻撃力1900-700=1200
「〈カースド・ギュラ〉反撃しろ!」
「くっ…! 雑魚の分際でオレに手傷を…!」
海馬瀬人 LP:4000-(1500-1200)=3700
「ハーハハハ!」
「っち。ターンエンドだ!」
城之内&海馬 LP:2500/3700
手札:4/3
デッキ:32/33
墓地:2/1
除外:0/0
融合デッキ:1/3
モンスターゾーン:
〈カイザー・グライダー〉攻撃力2400
〈漆黒の豹戦士パンサーウォリアー〉攻撃力2000
魔法・罠カード
セットカード3枚
「オレのターンだかんな! 〈呪魂の仮面〉の効果で海馬! お前に500ポイントのダメージだかんな!」
「くっ‥!」
海馬瀬人 LP:3700-500=3200
「更にオレは〈仮面魔導士〉を召喚!」
〈仮面魔導士〉☆4 攻撃力900 守備力1400
「そんな雑魚モンスターを召喚した所で〈カイザー・グライダー〉の敵ではないわ!」
「こいつは生け贄に捧げるのさ。オレは〈カースド・ギュラ〉と〈仮面魔導士〉をリリースし、〈仮面魔獣デス・ガーディウス〉を特殊召喚する!!」
〈仮面魔獣デス・ガーディウス〉☆8 攻撃力3300 守備力2500
「〈仮面魔獣〉だと!?」
「攻撃力3300ですって…!」
「そろそろ〈カイザー・グライダー〉にはご退場願おう! 〈デス・ガーディウス〉で〈カイザー・グライダー〉を攻撃! ダーク・ディストラクション!!」
「罠カード〈破壊輪〉!」
〈デス・ガーディウス〉の首に爆弾付きの首輪が付けられる。
「このカードはフィールドのモンスター1体を破壊し、その攻撃力をお互いのプレイヤーが受ける!」
「ハーハハハ! ならば罠カード〈呪い写し〉を発動!」
「何!?」
「こいつはモンスターを対象とする罠カードの効果を移し替えるカード! これでお前の〈カイザー・グライダー〉に対象を移し変えるかんな!」
〈カイザー・グライダー〉が破壊される。
「速攻魔法〈防御輪〉! オレに対する効果ダメージを0にする」
「無駄だかんな! 速攻魔法〈魔法移し〉! これで〈防御輪〉の効果はオレの場に移る! ダメージを受けるのは海馬、お前だけだかんな!」
「くっ…!」
海馬瀬人 LP: 3200-2400=800
「だが〈カイザー・グライダー〉が破壊された時、相手モンスター1体を手札に戻す特殊能力がある! 〈デス・ガーディウス〉を手札に戻せ!」
「カウンター罠〈天罰〉を発動!」
〈カイザー・グライダー〉の効果を闇の仮面が封じる。
「こいつはモンスター効果発動した時発動できるカウンター罠! 手札を1枚捨てて〈カイザー・グライダー〉の効果を無効にする!」
「ば、バカな!」
「これが光と闇のコンビネーション!」
「もうお前の場にモンスターはいない! まずはお前からとどめをさしてやるかんな! 〈デス・ガーディウス〉で海馬にダイレクトアタック! ダーク・ディストラクション!!」
「…!!」
モンスターも攻撃を封じる罠も無い海馬に成す術はない。〈デス・ガーディウス〉の攻撃で海馬のライフが0になろうとした時だった。
『メエー!!』
海馬の場に現れた羊トークンが〈デス・ガーディウス〉から攻撃を守ったのだ。
「こ、こいつは…!」
「速攻魔法〈スケープ・ゴート〉! 場に4体の羊トークンを守備表示で特殊召喚する! そのうち1体を使い〈デス・ガーディウス〉の攻撃から海馬を守ったぜ!」
「何だと!?」
「バカな! どうして海馬の奴を庇ったんだ!?」
城之内の行動に光と闇と仮面はあっけにとられた。あれだけ海馬がチームプレイを拒否し手助けの1つもしなかったにも関わらず、海馬の手助けをするなど予想外だった。
「城之内! 海馬は助けた程度で恩義を感じるような男じゃないよ!どうしてそんな無駄なことを!」
舞も城之内の行動が理解できなかった。
「凡骨! 貴様余計なことを!」
「別にお前を助けた訳じゃねえ。オレが勝手にやった事だ。遊戯の為にな」
「遊戯だと?」
「海馬、お前が複数人相手にデュエルして、勝とうが負けようがオレにはどうでもいい。テメーが自己責任で戦う以上オレが助ける義理何て無いしな」
「ならばオレなど見捨てればよかろう! それともオレに義理立てして借りを作ろうというのか!」
「言っただろう。遊戯の為だって」
城之内は頭を掻いて話始める。
「オレ達が今グールズと戦っているのはなんでだ? こいつらから遊戯の居場所を聞くためじゃねえのか? テメーは遊戯と戦いたいからバトルシティに参加してんじゃねえのか!?」
「!」
「オレ達の間に友情や信頼なんてねえ。だけど戦う理由は少し位、一致しているはずだ。オレはダチを見捨てれねえ。お前は遊戯と戦いてえ。だからこいつらから情報を得なきゃならねーはずだ!」
「くっ…」
「だからオレも勝手にさせてもらう。それによ、幾ら仲が悪いとはいえ、一度でもタッグパートナーになった奴を見捨てたら遊戯に失望されちまうしな。さっさとあいつらなんて片付けちまえよ。テメーのパワーはあんな雇われの犬っころ共に負けるようなもんじゃねーはずだ」
「犬っころだと!?」
「あの方に…マリク様に認められた我々への侮辱‥許せん!」
光と闇の仮面は城之内の言葉に憤慨する。
「城之内…!アンタって奴は…!」
海馬はふと考える。城之内の行動、言動の真意に…
(なぜだ…。奴のいう事は半分理解できるが、まるで意味がわからん。人間関係は互いを利用しあうモノだ。そこに利害の一致はあっても信頼など生まれぬはず、なぜ奴はオレを助けた…! オレの理解を超えている…!)
『海馬、パワーではデュエルには勝てないぜ』
『テメーのパワーはあんな雇われの犬っころに負けるようなもんじゃねーはずだ』
「遊戯の為に勝つぞ!」
「!!」
遊戯は自分の意見を押し付け、城之内は他人を肯定する。
そしてその言葉は自然と他人を動かす力になっている。海馬も少しばかり城之内の言葉に心を動かし始めた。
「黙れ『城之内』。貴様に言われなくてもこんな雑魚共オレが片付けてくれる」
「海馬?」
「早くカードを引け、オレのタッグパートナーを務めるなら生ぬるいやり方は認めん!」
「けっ! 調子のいい野郎だぜ!」
(城之内…。アンタの強さはどんな状況でも自分の信念を貫く強さ。私ならきっと海馬を見捨てている…。その『真の強さ』が海馬を動かした…!)
勝負の振子は少しずつ城之内達に傾き始めた。