ドラゴンクエストⅥの世界に転生した一般転生者もの 作:ロクモン
「おはよ、シリウス」
扉を開けてバーバラが部屋に入ると、心配そうに見つめてくる。
「体調はどう?大丈夫そ?」
「もう大丈夫だ、迷惑かけたな」
俺たちは今、サンマリーノへやって来ている。
昨日レイドックの船着場からサンマリーノの港に着いたのだが、船酔いで動けなくなり昨日はそのまま宿屋で寝てしまったのだ。
ちなみに、部屋はバーバラと同室だ。
俺とバーバラで別の部屋で泊まれれば良いのだが、宿屋の人に二つの部屋を取る理由を説明できない為、バーバラと同じ部屋で泊まっている。
幸い、部屋にはベットが二つ置かれていたのでその点は問題なかったが•••。
「お腹空いてるだろ、近くにパン屋があったはずだからそこに行こうか」
部屋を出て鍵を閉めると、宿屋を出てすぐ近くのパン屋に入る。ゲームのマップだと省略されているが、それぞれの街には酒場の他にも食事ができる場所はちゃんと存在しているのだ。
パン屋に入るとトレーを取り、トングでパンを乗せる。バーバラの分もあるので、側から見れば1人でこんなに食べるのかと驚かれてしまいそうだ。
会計を済ませると、先に席を確保してくれているバーバラの元に向かう。
バーバラの赤い髪は遠目からでもよくわかる、すぐにバーバラに気付くとトレーを持って近寄る。バーバラが確保してくれていたのは窓際の2人用の席で、周囲から姿の見えないバーバラは鞄を机の上に置いて、何やら隣の席の人と会話をしているらしい。
ん?と少し違和感を感じ、バーバラが会話をしている人物へと目を向ける。そこに居たのは、腰まで届く長い金髪の美しい女性だ。チェストアーマーから伸びた蝶の羽のような長いリボンを歌詞に巻きつけている。
「あ、シリウス!」
パンと珈琲を乗せたトレーを飲食用の机に乗せてバーバラと向かい合うように座ると、ようやく気づいたのか2人がこちらへと視線を向けてくる。
「紹介するね、この人はミレーユさん!あたしの姿が見えるんだって!」
バーバラが彼女を紹介すると、女の人•••ミレーユさんが座ったまま会釈をした。
「初めまして、俺はシリウスっていいます」
そう言って頭を下げ挨拶を交わしながらも、俺の脳内は必死にゲームの記憶を探っていた。
ミレーユサン!?なんで!?
彼女はドラクエⅥの仲間の1人だ。オープニングから登場しており、レイドック王子と共に魔王ムドーに挑み、敗れている。
彼女の事を思い出しつつ冷静になって考えてみると、彼女がこの街にいるのは別におかしなことではないのだ。
「私はミレーユ、ここであなたたちが来るのを待っていたのよ」
「おばあちゃん•••夢占い師のグランマーズさんに頼まれたの。赤い髪の女の子と黒髪のお兄さんが訪ねてくるから迎えに行ってくれって」
「夢占い師?」
夢占い師というものがなんなのか疑問に持ったのか、バーバラがミレーユさんに問いかけている。
夢占い師とは、下の世界の住人でありながら、上の世界•••夢の世界の住人の姿が見えるという特技を持つ占い師の事だ。恐らく、俺たちがグランマーズの館を訪ねるという未来が見えたから、案内役としてミレーユさんをサンマリーノに送ったのだろう。
「バーバラ、どうして貴女の姿が他の人に見えないのか、それがわからなくて困っているのでしょう?」
「私が貴女を見ることができるのは、元々私も貴女と同じだったからなの。グランマーズのおばあちゃんのおかげで今は見えるようになっているけどね」
バーバラは目を見開いて驚愕するも、姿が見えるようにする手段があることに嬉しそうに喜んでいる。
「じゃあ、あたしの姿も見えるようにできるの?」と期待を込めて問いかけると、ミレーユは微笑みながら首を縦に振った。
「よかったな、バーバラ」
「うん!」
嬉しそうにしていたバーバラであったが、ふと何かに疑問を持ったのか、不思議そうにこちらを見つめてくる。
「ねぇ、ミレーユさんがあたしのことを見える理由はわかったけど、なんでシリウスはあたしの姿が見えるの?」
「それは私も疑問に思っていたのだけど、貴方も元々上の世界の住人だったの?」
そう問いかけられて、初めてその事に疑問を持った。言われてみればその通りである、本来なら俺にバーバラの姿は見えないはずなのだが、俺には最初からバーバラが見えていた。俺は生まれてこの方夢の世界になんて訪れたことはない、寝ている時はどうかは知らないが元々下の世界の人間のはずだ。
「いや、俺は夢の世界になんて行ったことはないな、生まれた時からずっとこの世界な住人のはずだぞ?」
そう告げると、ミレーユは何やら考え込んでいる。もしかしたら、俺の一族はかつて夢の世界の住人だったのか?と、焼きたてのパンを頬張りながら考えてみるがそんな話は当然聞いたことはない。夢占い師グランマーズに聞けば何かわかるのだろうか?
◯オリ主の外見について
シリウス君の外見ですが、現状黒髪黒目以外は特に作中で言及するつもりはないので、各自で好きにイメージしてください。
ちなみに、作者が書く小説に登場するオリ主の外見は、作者の脳内では大体【型月】のメガネナイフマンメガネ抜きになっています。
◯原作キャラ生存
実はシリウス君がラーの鏡を回収したことで、死の運命を回避したトム兵士長。今後も生存し続けるかは作者次第。
◯作品について
今後の予定では、夢見の洞窟攻略後に幕間を挟んで、勇者&ハッサンと合流。という流れなのですが、その前に足を運んで欲しい街や、今後登場させて欲しいドラクエⅥ未登場の魔法や、オリジナルの魔法など、何かあれば感想欄にでも載せておいてください。検討に【ほしふるうでわ】を装備させてピオリムで加速しておきます。