キヴォトスの終末装置ってマジですか!? 作:とっとこ馬鹿野郎ッ!!
キヴォトスを巡った俺の、チキチキ☆キヴォトス三大校レビュー!!
まず、トリニティについて。
正直、肌に合わない。何あそこ? ジェネリック妖精國?
綺麗な言葉遣いの裏に滅茶苦茶棘があるんですけど。派閥争いに蹴落とし合いばかりで、空気が悪い。妖精眼持ちの俺にとっては大分地獄だよ。
勿論、いい子も沢山いる。正義実現委員会の子たちとかは、真面目で実直な子が多い。
他にも、派閥争いにあまり関与しない救護騎士団とかシスターフッドの子たちもいい子ばかりだ。
まぁ、ぶっちゃけ最初はシスターフッドとかは警戒しまくりだったけど。
ちょっとね、麻婆神父とかを知っているとね……。杞憂だったんだけどね…………。
次、ゲヘナ学園。
怖い。何が怖いって、雷帝が怖い。
何あの子? 一生徒に収まってていい能力してないでしょ。
戦闘力、技術力、カリスマに思想、果ては情報収集能力に至るまで、全てがヤバい。
あまりゲヘナに長居すると、こっちの正体まで露見しかねない。
そう思わせられるレベルでヤバい。
最初雷帝って聞いた時は、第一異聞帯かな? とか考えていたのが懐かしい。
最後、ミレニアム。
三大校の良心。俺の推し学校。
他二つと比べると、あまりにも平和。
ただ、頭の良い生徒が多いのがちょっと怖い。
俺の終末装置としての神秘が暴かれる可能性がある。
プリテンダーとしての詐称能力で誤魔化しているが、それも絶対と確信は出来ないからなぁ。
それと、不健康な子が多い。正直心配です。
一日三本エナドリ飲むのは止めな? カフェイン中毒まっしぐらだぜ?
あと、ちゃんと三食食べろ。コンビニ弁当で済ませるな。サプリメントがあるから良いとかないんだよ!! 育ち盛りなんだから、しっかり栄養とれ!!
そんな感じで、三大校についてはある程度情報が集まった。
なので、今は三大校以外の学校から情報を集めている。
今回は――――砂漠化した元マンモス校、アビドス高等学校だ。
ここも、何か厄ネタありそうなんだよなぁ。突然の砂漠化とか、絶対怪しいじゃん。
何かの神秘が関わっていそうで、非常に厄い。
それにしても………超暑いな、ここ!!
砂漠なんだから当然のことではあるが、滅茶苦茶暑いのだ。
ガッデムホット。心の中の皇女様もこう言っています。
「げっ……あれ、砂嵐か?」
目の前で巨大な砂嵐が吹きすさぶ。
その中に、何か巨大な影が見えたような気がした。
「スーーッ………虎穴に入らずんば、だよねぇ」
危険ではあるが、近づいてみよう。
覚悟を決めて、巨大な砂嵐に近づく。
歩いていると、か細い声が――――――――。
「ごめ……ね…………ホシノ……ちゃん………………」
!? 遭難者か? この制服、確かアビドスの――――――――。
砂嵐の中から現れる、巨大な怪物。
蛇を思わせる長い胴体、機械のような体。それがこちらを見下ろしている。
「……いや、まだ敵と断定するには早い。もしかしたら、心優しい怪物って線も――――」
怪物は口を開き、そこにエネルギーを溜めるかのような動作をする。
そして放たれる、巨大な光線。それは、こちらの命をとらんとするビームであった。
「やっぱりそうだよな! クソがッ!!」
なんだよあの巨体? なんだよこのバケモン?
ここはムーンドバイだったのか!? 確かあそこにも、こんな感じの敵モブいたよな!?
ええい、落ち着け俺。とにかくここから逃げ――――――――。
「………やっぱ、置いていけねぇよな!!」
倒れていた少女を担いで走る。
背後から迫るミサイルを、なんとか避け続ける。
クッソ………最悪なアトラクションだな!!
「このままじゃ埒が明かない……使うか」
せわしなく動かしていた足を止め、少女を優しく地面に横たえる。
身を翻して、怪物と向かい合い――――――――。
「暖かな夢の話を………僕に出来るのは、この程度さ。
童心の君、夏の夜の後。恋は触らず、懐かしむもの――――――」
よし! 効いた! これで、あのバケモンはしばらく眠ったままだ。
今のうちに、この子を連れて安全な場所まで移動しよう。
安全な場所で、死に掛けている少女の治療を試みた。
傷を塞いで、水分も摂取させたが…………一向に回復の兆しを見せない。
これは………神秘事態が死に向かっている…………?
通常の医療では、彼女を生存させるのは難しいかもしれない。
仕方ない。あいつの手を借りるのは、正直癪なんだが……。
スマホを取り出して、ある人物と連絡を取る。
「君、今は暇かい? いや、暇じゃなくても付き合ってもらうけど。――――取引をしよう」
「なるほど、この少女を救いたい……と」
「ああ、君の見解も聞かせてもらえるかい?」
「………私も貴方と大方同意見です。彼女の持つオシリスの神秘、それこそが彼女を死に導いているのでしょう」
この子が死に掛けている理由……簡単に言えば、それはサーヴァントの死因の再現のようなものだろう。オシリスの死因たる、セトの計略。彼女の陥った状況が、それと同質の文脈を持っているが故に、神秘が自滅するように死に向かっている。
「彼女を救う方法は一つ。その神秘を利用することでしょう」
「いや、それはリスクが大きすぎる」
オシリスは、死後に多くの神々の尽力によってミイラとして復活する。この性質を利用することで、死からの復活が可能かもしれない。しかし、それは彼女を一度殺すということであり、この方法が成功する保証がない以上、非常にリスクが大きいと言わざるを得ない。
「確かに、リスクは大きいでしょう。成功する可能性は、限りなく0に近い。しかし、それ以外に方法がないというのも事実でしょう?」
「いや、もう一つ方法がある。――――神秘の改変だ」
「そんなものは不可能では………いえ、貴方の神秘があれば…………!!」
「そう、俺の詐称者の権能を使う」
世界すら騙す、プリテンダーの能力。これを使えば、その者が持つ神秘を世界からも本人からも誤認させることが出来るはずだ。
「ですが、個人の神秘でそんなことが可能でしょうか? 出来たとしても、それは一時的なもののはず」
「ああ、だから……オーパーツを使って、俺の力を増幅させる」
「なるほど、貴方の持ち掛ける取引とはつまり―――――」
「俺にお前の蓄えているオーパーツをよこせ」
「対価は?」
「おいおい、こんな実験をお目にかかれるだけで、お前にとっては十分だろう?」
「クックック……その通りですね。いいでしょう、取引成立です」
一世一代の神秘手術が始まる――――――――。
神秘の改変は成功し、彼女は一命をとりとめた。
「えっと、私は梔子ユメです。それで、何で砂漠にいたかは……分かんないかな」
しかし、彼女は記憶を失っていた。
覚えているのは自分の名前のみ。それ以外の記憶は全くない。
「ひぃん………どうしよぅ」
だが、これは逆に都合がいいかもしれない。
黒服との会話を思い出す。
『彼女が一命をとりとめたとして、アビドスに戻すのはやっぱりまずいよね?』
『そうでしょうね。神秘の偽装が剥がれ落ちかねません。偽装が定着するまで1年……いえ、2年はかかると見ていいでしょう。その間は、アビドスに近づくことはお勧め出来ません』
彼女には申し訳ないが、しばらくは記憶を失っていてもらおう。
記憶が戻った拍子に、神秘の偽装が剥がれるかもしれないしね。
「良ければ、僕が都合の良さそうな仕事を紹介しようか?」
「え? いいんですか!?」
「うん、丁度人手が足りないところがあってね。子供が苦手だったりしないかい?」
「えっと、多分大丈夫です!」
「そっか、なら丁度いい。色々と研修とかはあるだろうけど、君に向いてそうな仕事があるんだ」
「わぁ! ありがとうございます!」
「それと、これからは砂漠に近づいたら駄目だよ? 危ないからね」
「はい!」
これでよし………と。
ユメさんに紹介するのは、山海経高級中学校の幼稚園に相当する組織、梅花園での仕事だ。
流石にいきなり教官の席に彼女をねじ込みことは出来ないが、伝手を使えば下働きか教官見習いくらいには出来るだろう。
これで、しばらくアビドスに近づくことはないはず。
ハッハーー!! これで都合のいい手駒ゲットだぜ!!
こうして恩を売っておけば、いざという時に役立つはずだ。我ながら完璧すぎる。
ユメさんがアルキャス枠になるかは分からないけど、伏線は貼っておいた方がいいからね。
いつかきっと、彼女が終末装置の野望を止めるのに一役買ってくれるさ(希望的観測)。