「(ヨシ!ルインもすぐ来るみたいだし、出来るだけ時間稼しておかないとな)」
ルインとの会話を終えたリムルは、5人のオーガに集中する。
「なぁ、お前達。今、俺の仲間がお前達の同族の……」
「貴様!生き残った我らの同胞までにも手をかけたと言うのか!?」
「外道めが……!」
「いや、違うって⁉︎話を最後まで……」
5人のオーガは武器をリムルに構え始める。もはや話を聞く気はない様子だった。
「(ああもう、一分も持たなかった!戦いは避けたかったけど致し方なしだな…)ランガ、リグル達と一緒に倒れている連中の救護をしてくれ。オーガは俺一人で相手をする」
『リムル様、それは流石に…』
「問題ない!負ける気がしない!」
リムルは、はっきりとランガに伝える。リムルからの絶対的な自信を感じ取ったランガは尻尾を振るう。
『さすがは我が主、承知!』
ランガはリグル達と共に倒れ伏しているホブゴブリンと
「舐められたものだ。真な勇気か、ただの蛮勇か…その度胸に敬意を払い、挑発に乗ってやろう」
赤髪のオーガは、刀を両手で握り、構えを取る。そんな中、リムルは冷静に相手を見据える。
「お前達、さっき俺に正体を現せって言ってたよな?これが本当の姿…ってわけじゃないが、もう一つの姿を見せてやろう……」
リムルは、白をベースとし、中心には2つの窪みがあり、オレンジと青のラインが入ったベルトを腰ではなく、胸に装着する。
「(っ!な、なんだ、頭の中に、なんか流れて………)」
装着した直後、リムルの頭の中に情報が流れ込んできた。
『許すわけにはいかない。人の夢で好き勝手に暴れる、ナイトメアを』
『お前等の所業は、この俺が白日の下に晒す』
『繰り返すとは"紡ぐ"ことだ。現実に生きる人々の願いをただ守り……繋げていく。その使命の為……俺は残りの人生を懸ける!』
リムルが見たのは…仮面ライダーノクスの変身者…ノクスの記憶が流れ込んできたのだ。
「(そうか……この人は組織に裏切られ、傷つきながらも…何かを守るために戦っていたんだな。俺も、守る者がたくさんある!)」
「なんだ、それは?」
「まぁ見てなって…」
懐から通常のカプセムとは形が変わった全体的に紫色のカプセム…シャドウカプセムを取り出した。
シャドウ!
シャドウカプセムを カプセムソケットに装填しドライバーを少し傾け顔の近くに左手を添える
「変身」
そしてドライバーを360度回転させカプセムが展開する。するとリムルの下の影から二つの影が伸び回転し…やがて影は一つとなって瘴気となりリムルを覆う。
ハッハッハッハッハッハッ!
ライダー!ノクス!ノクス!ノクス!
シャドウ!
瘴気が晴れると 全身の半分を白き装甲を纏い もう半分には青い体を纏った 戦士、仮面ライダーノクスに変身したリムルだった。
「(おお!スゲェいい着心地!!これが仮面ライダーか!てか、胸に装着するベルトか……時代も時代だな。けど、これはこれで結構動きやすいな)」
リムルが最初に抱いた感想は、まさかの着心地だった。そして、その姿は人間に擬態していた時よりも背が高くなっている。
「……す、姿をかえたところで、やる事は変わらない!後悔するなよ!」
赤髪のオーガはリムルに仕掛ける。リムルはその場から動かず見据え、赤髪のオーガは刀を振るうが不発に終わる。リムルがその場から消えていたからだ。
赤髪のオーガは後ろを振り向くと、リムルは木造のハンマーを持ったオーガの前に立っていた。
「悪いな、戦いが終わるまでじっとしてもらうぞ…」
シャドウ!《/
シャドウカプセムをタップすると、影から鞭の様な物が出現し、木造ハンマーを持ったオーガを拘束した。
「な、何だべ、これ⁉︎」
「よし、まずは一人(記憶では見たがスゲーな…影そのものを操れる力か…)」
リムルはノクスドライバーに手を添えながら拘束されているオーガを見つめる。しかし、その態度に隙を見た紫髪のオーガが棍棒を背後から横に振るう。
「おっと……」
リムルはしゃがむことで攻撃を回避する。
「残念でした〜、魔力感知で丸見えだ………でかい!」
「………!」
紫髪のオーガはリムルの言葉に一瞬動きを止めたが、すぐさま棍棒を振るう。
「い、いや、丸見えってのはそう言う意味じゃないぞ!誤解はするなよ!」
リムルはそのまま影を操作し、紫髪のオーガも解けない程度にぐるぐる巻に拘束する。
「転びそうですよお嬢さん……なんてな」
リムルは仮面越しから恥ずかしそうに言うが、背後から突如音が響いた。
「ば、馬鹿な⁉︎」
リムルが後ろを見ると、青髪のオーガがリムルに剣を突きつけていたが、刀身が真っ二つに折れてしまっていた。仮面ライダーに変身したリムルの装甲は青髪のオーガの刀の強度を超えていたのだ。
「今、何かしたのか?」
リムルは動じる事なく、シャドウカプセムをタップする。
《big》シャドウ!
リムルはカプセムの能力を発動させる。次の瞬間、リムルの手に影で形成されたハンマーが現れた。
「なっ……!?」
突然現れた影のハンマーに、青髪のオーガは防御が遅れる。
「おりゃっ!」
リムルが影のハンマーを振り抜く。青髪のオーガはその一撃をまともに受け、そのまま吹き飛ばされる。
「ぐあっ!?」
そして木へ背中から激突すると、その場へ倒れ込む。
「おお……」
「流石っす!」
「我が主ならば、このくらい朝飯前だ!」
リムルの戦いを見たリグル達はリムルの圧倒的な強さに感嘆する。自分達でも苦戦した相手を一人で圧倒しているのならば尚更だ。
「若……」
「ああ、間違いない、この強さは……」
残った老人オーガと赤髪のオーガは圧倒的な強さにより確信を持ってしまう、間違った確信へと。
「さてと、お前達、ここまでにしないか?そろそろ俺の言い分も聞いてほしいんだが……」
「黙れ!邪悪な魔人め!」
「ええっと、だからな……」
「確かに貴様は強い、だからこそ確信が深まった!」
「確信?」
「やはり貴様は奴らの仲間だ!!」
「奴等って、もしかしてオークの事か?」
「そうだ!たかがオーク如きに、我等オーガが敗れるなど考えられぬ!」
「いや、確かにお前達の事情は仲間から聞いて知っているが、オークと繋がりなんて……それに、今、お前さん達の仲間が……」
「黙れ!!全ては貴様ら魔人の仕業なのだろうが!!」
「魔人?「惚けるな!!」ちょっと待てそれは誤かっ!(この感じ、戻ってきたか!ドンピシャタイミングだ!)」
「もらった……」
リムルの背後に老オーガが魔力感知を掻い潜り、音もなく立っていた。しかしリムルは慌てる事なく
「残念だが、やられるのはお前だ……」
すると、リムルと老オーガの間に紅の戦士が立っていた
「何⁉︎」
突如と現れた戦士により老オーガは動きが硬直してしまっていた。
【ONE・TWO ・THREE】
「ライダーキック」
【RIDERーKICK】
電子音声が響く。すると青い電流がカブトの身体を駆け抜け、一度頭部へ集まった後、右足へと集中していく。
カブトは振り向きざまに身体を捻り、そのまま老オーガへ回し蹴りを叩き込んだ。
「はっ!!」
老オーガは時計回りに回転しながら吹き飛び、その身体を電流が駆け抜ける。
【Clock Over】
ルインの視点から見ると全てがスローモーションとなっており、機械の音と共に時は正常と化した老オーガは勢いよくそして地面へ落ちると、膝をついた。
「安心しろ。加減はしてある」
「やっと来たか、相棒……」
「遅かったか?」
「いや、バッチシだ!」
「そうか。それよりも、お前も変身できたんだな。仮面ライダーノクスの力、上手く使ってるじゃないか」
「いや、これを使ってた本人に比べればまだまださ。これを装着した時、使い方と同時に、このライダーの変身者の戦いの記憶も見たよ」
「……そうか」
乱入したのは、カブトに変身したルインだった。それを見たオーガ達は、突然現れたもう一人の仮面の戦士に動揺を隠せない。
「じ、爺!!」
「ぐぅぅ……面目ない、若……」
「加減したとは言え、カブトの技を食らって、意識を保ってる上に膝をつく程度とは……流石はオーガと言ったところか」
「おい、これで加減? 本気でやってたら……」
「本気で使ったら死んでた」
「いいっ!? マジでか!?」
二人は余裕を見せる。残りは赤髪オーガただ一人となった。
「こ、この、化け物共が!
赤髪のオーガは印を結び、炎の魔法攻撃をリムル達に向けて放つ。リムル達は炎の渦に包み込まれた。
「やった……のか?………っ⁉︎」
すると炎の中から二人が何事もなかったかの様に出てきた。
「残念ですが、俺達に炎は効きませんよ」
「『やったか!?』はフラグだよ、覚えときな」
それを見た赤髪のオーガは狼狽していた。まさか無傷で炎から出てくるとは思ってもみなかったのだろう。
「若!お逃げくださ「黙れ爺!!」っ!」
「……悲しいが、今の俺では貴様らには到底及ばないだろう。だが俺も力ある種族、オーガの次期頭領として育てられた誇りがある!無念に散った同胞の恨みを晴らさずにして、何が頭領か!!仲間を見捨てて逃げるなど言語道断!!敵わぬとて、一矢報いてくれるわ!」
「「「「若/若様」」」」
その瞳には命を燃やす覚悟が宿っていた。しかし、それを他所に、二人は脳内会話で話し合う。
「(そう来たか、どうするルイン?)」
「(もう戦う必要はない……もうすぐ来るはずだ)」
「お兄様!!」
すると何処からか声が聞こえ、その場にいる全員は声のした方へ一斉に視線を向ける。
「…………今の、声は……」
赤髪のオーガは動揺したように、持っていた刀を手放した。その声は赤髪のオーガが一番知っていたからだ。見えてきたのは走ってくるヒョウガ、そして乗り手……
「「「「「妹!?/姫様!?」」」」」
「……お兄様………お兄様ー!」
姫はヒョウガが止まると同時に飛び降り、赤髪のオーガへ駆け寄る。
そして、そのまま兄へ抱きついた。
赤髪のオーガも妹を強く抱きしめ返す。
「無事で、無事でよかった!! お前、今まで何処に……」
赤髪のオーガも涙を浮かべながら、妹の無事を喜んでいた。
「……よかったな、姫様」
「あの子が……オーガの姫様か?」
「ああ、そうだ」
ルイン達は、その様子を仮面越しに優しく見守っていた。
「お兄様、みんなも、よくぞご無事で……」
「お前こそ。それよりも……何故ここが……」
「そのお話は後ほど。それより、お兄様。彼らは敵ではありません! 彼らはオークから私を救ってくださった恩人の仲間なのです!」
「何!?」
赤髪のオーガ――オーガの若様は、改めて俺達を見つめる。
「今の話、本当なのか?」
「本当です。あなた達の仲間に手荒な真似をしたことは謝罪します。ですが、こうでもしないと貴方達は話し合いに応じない様子でしたし……とにかく、話だけでも聞いてくれませんか? もしかしたら、今後あなた方の力になれるかもしれませんし」
「そっちの事情はルインから聞いてる。ルインの言った通り、話を聞いてくれるか?」
「………」
どうやら、これ以上の言葉は不要だった。
オーガの若様は、ようやく頭が冷え、冷静さを取り戻した。
「よかろう。話し合いに応じよう」
ルインとリムルは、その言葉を聞いて互いを見つめ、頷く。
リムルは装着されていたカプセムを閉じて抜き、ルインはカブトゼクターの角を元に戻す。
するとカブトゼクターは自らの意思でベルトから外れ、羽を広げ何処かへ飛び立っていく。
それと同時に、ルインの変身も解除された。こうして、誤解から始まったオーガとの戦いは、無事に終息した。
この時、姫以外のオーガ達は、変身を解除したルインの姿を見て驚きを隠せなかったことを、付け加えておこう。
今回リムルをノクスに変身させました!
今後リムルにはいくつか変身させる予定なのでお楽しみに!