魔法少女ノマゾ裁判   作:カミオカンデ

7 / 8
作者です。
あまりにも終わり方が良すぎたのでかなり短めです。
今日か明日、もう1話投稿します。



悪夢の再来(第一回マゾ裁判捜査前編)

 

「あああぁぁぁぁあああ!!!」

「なんで....なんでなんでなんで.........あああああぁぁぁあああ!!!!」

 

私はその場に崩れ落ちた。

 

エマの瞳には光が宿っておらず、どこか遠くを見つめている。

見ている方向にはヒロがいたが認識しているのかわからない。

彼女はもう目に光を宿す時が来るのだろうか。

 

やがて監房の格子を伝って立ち上がり、ふらふらとした足取りでエマの方に近づく。

 

「エマ......エマ..........」

 

イスから落ちたであろうエマを私は抱きかかえた。

エマの体は温かい。

 

(ああ.....そうだった........)

 

この牢屋敷では死なない。血を大量に流したからか少し冷えているが、死ぬことはないだろう。

エマが目を覚ました。

 

「あ...ヒロちゃん....ボクは大丈夫だよ......」

「大丈夫なわけないだろう!?君は大怪我している!」

 

私は強い口調で言った。

 

「....ヒロちゃん、ボクを見てるといじめたくなっちゃうんでしょ?」

「ボクから離れたほうがいいよ....ボクのためにも、ヒロちゃんのためにも」

「この期に及んで人の心配か!君はいつも人の心配ばかり......少しくらい自分の事も考えろ......ッ!」

 

やがて少女たちがエマの元へ集まる。

目をふさぐ者、叫ぶ者、私を心配する者、恐怖で嘔吐する者......あの時の悪夢が蘇ってしまう。

 

「エマ.......さん..........?」

「きゃあああああああ!!!!!」

「ヒロさん、大丈夫ですか?」

「.........」

「エマっちが、なんで.....うっ.......吐きそう........」

 

歪む視界の中、私は縋るようにメルルを見る。

 

「......メルル。エマの傷、治せないか.....?」

「こ、こんなに大きい傷......私の魔法では.......ごめんなさい、ごめんなさい!!」

 

私の...魔法では......!

 

その瞬間、視界がさらに歪んた。

頭がくらくらする。頭が、全身が熱い。

 

そして私は無意識に、メルルの胸倉をつかんでいた。

メルルの顔は酷く歪んでいたと思う。

 

「ふざけるな!!エマが、エマが苦しんでるんだぞ!!!何が『私の魔法では』だ!!!貴様の魔法は.....」

「やめてっ!!!」

 

私がメルルの魔法の真実を言う前に、ミリアが声を上げた。

 

「ミリア......君はいつも弱い立場の者を庇う.......エマの事はどうなってもいいのか?」

「違う!!おじさんは....そんなヒロちゃんの姿が見たくなかったから.......」

「ヒロちゃん。」

 

エマが私の名前を言った。私は振り返る。

 

「もう、もういいんだ......ボクの為にメルルちゃんを怒鳴らないであげて。」

「でも君は.......」

「ヒロちゃん、キミにはまだ両足がある。もしボクの片足がくっつかなくても、ヒロちゃんがボクを支えてくれるよね...?」

 

私はその言葉を聞き、膝から崩れ落ちた。

 

エマの足がもう治らない可能性がある......そんな現実、未来が一瞬でも見えてしまったからだ。

エマがもう私を見つけて走って向かってくることはない。

エマがわざと転んで私に心配させるようなこともない。

エマが虚ろな目をして、私が車椅子を押す...そんな最悪な未来が見えてしまった。

 

そんなのは、【正しくない】......【正しくない】.......!!!

 

「うぅ......ああぁぁああぁ..........」

 

私はみんなの前で咽び泣いた。

 

────

 

いつの間にか私はラウンジのソファで横になっていた。

 

「あ!目が覚めましたか!」

 

シェリーが私の顔を覗き込む。

 

「ち...近い......離れてくれ......」

「あっ!すいませ〜ん!」

 

私はシェリーをどかしながらソファから起き上がる。

そして真っ先に浮かんだ疑問を投げかける。

 

「何故君が私の看病を?君なら真っ先に捜索すると思ったが。」

「それはですね.........」

 

シェリーが言いかけると、ハンナがやってきた。

 

「あ、ヒロさん目覚めたんですの?大丈夫なのかしら?」

「ああ、大丈夫だ......それよりも何故君たちが......?」

「捜査中にエマさんに『ヒロちゃんの事を見てあげて』と言われたんですの、なので看病してましたわ。」

「はぁ......エマ......」

 

私は深くため息をつき、ソファから立ち上がる。

 

「早く行こう、時間がもったいない。」

 

私がそう言い、ラウンジを去ろうとしたが。

 

「いえ、捜査はしなくて大丈夫ですよ!私たちが犯人を見つけましたから!!」

「へぇ...その犯人とやらは一体誰だ?」

「ずばり!」

 

シェリーとハンナは声を合わせて言う。

 

「「蓮見レイアさんです!」わ!」

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