あまりにも終わり方が良すぎたのでかなり短めです。
今日か明日、もう1話投稿します。
「あああぁぁぁぁあああ!!!」
「なんで....なんでなんでなんで.........あああああぁぁぁあああ!!!!」
私はその場に崩れ落ちた。
エマの瞳には光が宿っておらず、どこか遠くを見つめている。
見ている方向にはヒロがいたが認識しているのかわからない。
彼女はもう目に光を宿す時が来るのだろうか。
やがて監房の格子を伝って立ち上がり、ふらふらとした足取りでエマの方に近づく。
「エマ......エマ..........」
イスから落ちたであろうエマを私は抱きかかえた。
エマの体は温かい。
(ああ.....そうだった........)
この牢屋敷では死なない。血を大量に流したからか少し冷えているが、死ぬことはないだろう。
エマが目を覚ました。
「あ...ヒロちゃん....ボクは大丈夫だよ......」
「大丈夫なわけないだろう!?君は大怪我している!」
私は強い口調で言った。
「....ヒロちゃん、ボクを見てるといじめたくなっちゃうんでしょ?」
「ボクから離れたほうがいいよ....ボクのためにも、ヒロちゃんのためにも」
「この期に及んで人の心配か!君はいつも人の心配ばかり......少しくらい自分の事も考えろ......ッ!」
やがて少女たちがエマの元へ集まる。
目をふさぐ者、叫ぶ者、私を心配する者、恐怖で嘔吐する者......あの時の悪夢が蘇ってしまう。
「エマ.......さん..........?」
「きゃあああああああ!!!!!」
「ヒロさん、大丈夫ですか?」
「.........」
「エマっちが、なんで.....うっ.......吐きそう........」
歪む視界の中、私は縋るようにメルルを見る。
「......メルル。エマの傷、治せないか.....?」
「こ、こんなに大きい傷......私の魔法では.......ごめんなさい、ごめんなさい!!」
私の...魔法では......!
その瞬間、視界がさらに歪んた。
頭がくらくらする。頭が、全身が熱い。
そして私は無意識に、メルルの胸倉をつかんでいた。
メルルの顔は酷く歪んでいたと思う。
「ふざけるな!!エマが、エマが苦しんでるんだぞ!!!何が『私の魔法では』だ!!!貴様の魔法は.....」
「やめてっ!!!」
私がメルルの魔法の真実を言う前に、ミリアが声を上げた。
「ミリア......君はいつも弱い立場の者を庇う.......エマの事はどうなってもいいのか?」
「違う!!おじさんは....そんなヒロちゃんの姿が見たくなかったから.......」
「ヒロちゃん。」
エマが私の名前を言った。私は振り返る。
「もう、もういいんだ......ボクの為にメルルちゃんを怒鳴らないであげて。」
「でも君は.......」
「ヒロちゃん、キミにはまだ両足がある。もしボクの片足がくっつかなくても、ヒロちゃんがボクを支えてくれるよね...?」
私はその言葉を聞き、膝から崩れ落ちた。
エマの足がもう治らない可能性がある......そんな現実、未来が一瞬でも見えてしまったからだ。
エマがもう私を見つけて走って向かってくることはない。
エマがわざと転んで私に心配させるようなこともない。
エマが虚ろな目をして、私が車椅子を押す...そんな最悪な未来が見えてしまった。
そんなのは、【正しくない】......【正しくない】.......!!!
「うぅ......ああぁぁああぁ..........」
私はみんなの前で咽び泣いた。
────
いつの間にか私はラウンジのソファで横になっていた。
「あ!目が覚めましたか!」
シェリーが私の顔を覗き込む。
「ち...近い......離れてくれ......」
「あっ!すいませ〜ん!」
私はシェリーをどかしながらソファから起き上がる。
そして真っ先に浮かんだ疑問を投げかける。
「何故君が私の看病を?君なら真っ先に捜索すると思ったが。」
「それはですね.........」
シェリーが言いかけると、ハンナがやってきた。
「あ、ヒロさん目覚めたんですの?大丈夫なのかしら?」
「ああ、大丈夫だ......それよりも何故君たちが......?」
「捜査中にエマさんに『ヒロちゃんの事を見てあげて』と言われたんですの、なので看病してましたわ。」
「はぁ......エマ......」
私は深くため息をつき、ソファから立ち上がる。
「早く行こう、時間がもったいない。」
私がそう言い、ラウンジを去ろうとしたが。
「いえ、捜査はしなくて大丈夫ですよ!私たちが犯人を見つけましたから!!」
「へぇ...その犯人とやらは一体誰だ?」
「ずばり!」
シェリーとハンナは声を合わせて言う。
「「蓮見レイアさんです!」わ!」