「......レイアが?なぜ??」
(といってもレイアの服が私の部屋にあったなら、仕方ないか...)
「わたくしたちの証拠品を見てくださいまし!」
ハンナはスマホの画像から証拠品を提示した。
レイアとミリアの監房
・血痕がついた蓮見レイアのレイピア
・事件後の桜羽エマ
・ベッドの下のナイフ
・監房のイス
懲罰房
・懲罰房の斧(血痕付着)
エマとヒロの監房
・血痕のついた蓮見レイアの服
「確かにこの証拠品ならレイアが犯人の可能性はあるな。」
「だが、確定したわけではない。レイアの服を着た者が犯行に及んだ可能性も捨てきれない。」
「だから......私は行く。君たちは?」
シェリーはソファで横になった。
「私たちはもうある程度探索したのでここで休みます!」
「わたくしもですわ......もうほとんど探索してしまったですし.......」
「あ!それと.......」
「エマさんの足、くっついたらしいですよ!!!」
────
「エマ!!!!」
私はミリアとレイアの監房にとんでもない勢いで駆け込んだ。
そこには......メルルとゴクチョー、それに...
「看守?」
「ええ、看守ですよ。それがどうかしましたか?」
エマは看守に【何か】をされている。
看守が大きくてよく見えないが、エマが苦しい表情をしているのがわかる。
「エマに何をしている!!」
私は咄嗟に口に出してしまった。
「心外ですね......ただ治療をしてるだけですよ.......?」
「わ、私の魔法を経由して手の器用な看守さんに手術をしてもらっています......だから、あんまり大きな声を出さないでください!」
「看守さん、いつの間にか【空っぽ】になっていて......魔法を与えれば私よりも器用に治療ができるんです.......」
それっぽい理由を並べているが、メルルはこんな事しなくてもバラバラになったナノカを直していた......
黒幕だとバレない様にするためにわざとこの様な手順を踏んでいるのだろうか。
「ありがとう、メルル。どうか......エマを元通りにしてくれ......」
「それと、さっきはすまなかった。突然胸倉を掴むなんて正しくなかった。怖かっただろう...」
私はメルルに近づこうとしたがゴクチョーに止められた。
(手術の邪魔をするな、ということだろう)
「大丈夫です......これくらい、なんてことありませんから.......」
メルルは私に向かってなのか、自分に向かってなのか、分からないが言葉を発した。
私はひとまず、冷静にレイアとミリアの監房を探索した。
エマの周りには蝶が舞っている......ノアが魔法で変えてくれたのだろう。そして、エマの服が少し焦げている。
(犯人が燃やそうとしたのか......?しかし、何のために........)
監房のイスにはロープがある。エマはロープに括り付けられていたのだろう。
────
私は自分の監房に向かった。
被害者...桜羽エマの部屋に何かないか調べるためだった。
エマのベッドを調べると...
「これは...睡眠薬の空き瓶か?」
睡眠薬の中身は何もなかった。エマが飲んでいたのか、エマが飲まされていたのか、それともそれとは別の理由なのか分からなかった。
証拠品になるだろうと思い、ポケットにしまった。
────
ハンナとシェリーが見つけていない証拠品がないかと、私は焼却炉へ来ていた。
すると、焼却炉の分電盤の上に焼けたロープと溶けたろうそくを見つけた。
「ろうそくとロープか......」
これも証拠品になりえるだろう。
────
余った時間で1階や2階の探索をしたが、目ぼしい証拠はなかった。
そして......荘厳な鐘の音が鳴る。
『マゾ裁判の時間になりました。』
『皆さん、必ず各自のスマホをもって、速やかに裁判所に集合してください。』
『従わない者は看守によって強制連行します。』
(時間か......)
少ない時間でできる限り沢山の場所を捜査したが、決定打となる証拠が見つからなかった。
(本当にレイアが犯人なのか...?犯人ならエマを傷つけた理由は?)
そんな事を考えて、私は裁判所に入る。
────
私が裁判所へと入るのはこれで6回目だ。
もう二度と見ることがないと思っていた......重苦しく、嫌な景色。
裁判所に最後に入ってきたのは、看守に連れられたエマだった。
「エマッ!!!」
「大丈夫なのか!!!体は!?足は!??動かせるのか!???」
私は酷く動揺してしまったのだろう。エマが少し暑苦しそうな顔で答える。
「えっと、まだ足は痛むけど、でもくっついたし安静にすればそのうち動くらしい!」
「よかったぁ.......」
私は安堵の表情を浮かべる。しかし油断してはいけない。
ここは裁判所。これから、エマを傷つけた【誰か】を処刑しなければならない。
ゴクチョーが話始めた。
「あの........まずはマゾ裁判の簡単なルールについて説明しますね。」
「1時間の議論の後、犯人と思われる人物に各自の端末で投票してもらいます。」
「投票でマゾに決められた人物は、中央の台座へと連行、処刑執行になる......って感じです。」
アリサがゴクチョーに詰め寄る、
「1時間もいらねーよ!さっさと投票して終わらせろ!」
「あら、それならあなたが犯人だって名乗り出てくれるかしら?」
「そうしたらお話は簡単に終わるけれど?」
「......ウチはやってねぇ。疑うのは勝手だけどな、覚えのねぇ犯人になるつもりはねぇよ」
「いやぁ、アンタ何回か犯罪犯してそうだけどね〜?ほんとは傷つけたんじゃないの〜?」
「てめぇ........!!」
(はあ......正しくない裁判が始まってしまう.......)
私はため息をつき、エマの方を見た。
エマは真剣な表情を浮かべ、何かを悩んでいるように見えた。
(一体何を......?)
「それでは、マゾ裁判開廷です!」
作者です。
これから裁判パートへ入りますが、裁判パートは短めに作っております。そこまで入り組んだミステリーは書けません。よろしくお願いします。
麻酔のない治療って相当痛いはず。エマさんよく頑張りましたね。