証拠品
・事件後の桜羽エマ
シェリーが撮影した写真。発見から20分程度経過しているらしい。
左足がなくなっており、服が少し焼けている。
・監房のイス
エマが座らされていたであろうイス。
血痕が部着している。
・レイアのレイピア(血が付着)
ハンナが撮影した写真。エマの側に置いてあった。
剣に少し血が付着している。
・ベッドの下のナイフ
シェリーが撮影した写真。刃毀れが酷く相手に使ったら相当な痛みが伴う。
使用された形跡はない。
・血痕のついた蓮見レイアの服
ハンナ、ヒロが撮影した写真。
胸のあたりに血痕がついている。ハンナとヒロの写真の相違点は特にない。
・睡眠薬
エマとヒロの部屋で見つかった空の睡眠薬。
ビンの中は空。
・懲罰房の斧(血痕付着)
シェリーが撮影した写真。大量の血痕が付着している。
・焼けたロープ
焼却炉の分電盤の上にあったロープ。
・溶けたろうそく
焼却炉の分電盤の上にあったろうそく。
(始まってしまった......マゾ裁判)
(しかも被害者は大切な友人.......エマ)
(何としてでも犯人を見つけなければ)
シェリーが口を開く。
「現場の状況の状況をおさらいする前に、まずは被害者であるエマさんの証言を聞いてからにしましょう!」
(そうか......これは魔女裁判ではなく、マゾ裁判)
(被害者が生きているならその証言は裁判を動かす重要な証拠となる......)
エマが言いづらそうに口を開ける。
「ええっと......実はボクも眠っていたみたいで、目が覚めたら足がなくなってたんだ......」
「重要な証言が出来なくてごめん......」
「いいえ、大丈夫です!」
「では、現場の状況についておさらいしましょう!」
「被害者は桜羽エマさん、事件は皆さんが【昼食】を食べている12時〜13時に起こったはずです!」
「ん?ちょっと待ってくれ。」
私は一度議論を止めた。
明らかにおかしい......私にとって【正しくないこと】が起きていたからだ。
「ヒロさん、何かおかしい所があったんですか?」
「君は今、【昼食】と言ったな?だが私がエマを発見した時は、私が起きてすぐだ。私が朝に起きないはずがない。」
「あー、それはですね...」
「【ヒロちゃんは朝に起きてこなかった】......ってことよ♡」
「何...?」
「ヒロちゃんは朝食の時にいなかったのよ。エマちゃんもいなかったわ。」
(あの睡眠薬の所為か......)
私は一人でに納得した。
「私はあの時動揺して時間もまともに見ていなかった。議論を止めてしまってすまない、シェリー。」
「大丈夫ですよ!一つ一つ疑問を解き明かしちゃいましょう!」
「てかさ〜怪しい人、そこにいるくね?」
「......それもそうですね、ココさん。」
「犯人は、蓮見レイアさん!あなたです!」
「うっ......」
「私が昼食を食べていた時に食堂に来なかったのはレイアさん、ヒロさん、そしてエマさんです。」
「ヒロさんがエマさんを傷つけた可能性もありますが、それならわざわざイスに拘束したりレイアさんとミリアさんの監房に連れて行く必要性がありません。」
「ヒロっちエマっちをやる時は突発的っぽそうだしね〜」
(私はどんなふうに見られているんだ......?)
「まとめると、レイアさんが昼食の時にエマさんの足を切断した......そう考えられます。」
「で、でもヒロくんとエマくんが昼までずっと眠っていたのはおかしくないか......?」
「ふたりは寝たふりをして私をハメようとしてるのだろう!」
賛成 寝たふりだった
反論 眠っていた証拠がある <
「正しくない。」
私はすかさず反論した。
「全く、君たちは私とエマの監房を捜査していなかったのか?」
私は空の睡眠薬を提示した。
「それは?」
ノアが不思議そうにそれを見る。
「ああ、おそらく睡眠薬だ。私のいた牢屋敷でもビンの蓋に蝶のマークがあった。」
「おそらく私とエマはこの睡眠薬を飲まされ、眠らされていたのだろう。」
「メルル、この睡眠薬は効果が強いと聞いたが.....そうか?」
「は、はい.......この睡眠薬、半分飲んだだけでも相当な効き目のはずです!」
「だそうだ。私が寝たふりをしていた可能性は低いだろう?」
「うぐ......」
(だが、これで尚更レイアが犯人の可能性が高まった)
(しかしこの裁判、明らかにレイアが犯人になるよう【誘導されている】気がする....)
(本当にレイアを処刑していいのだろうか)
「では、レイアさんが犯人という仮定で話を進めさせてもらいますね!」
「次に凶器の話をしましょう!」
「現場にあった凶器はレイアさんのレイピア、そして使われていないナイフです。」
「ああ、間違いないよ。」
「血のついたレイピア、使われてないナイフ......どっちを使われたかは明確ね。」
「はい!レイアさんはレイピアを使ってエマさんの足を切り落とした......それしかありえません!」
反論 レイピアで足を切ることはできない <
反論 エマの足は切られていない
「正しくない。」
もちろん、それをするのはほぼ不可能だ。
「シェリー、君は今【レイピアで足を切り落とした】、そう言ったな?」
「ええそうですよ、何か問題がありますか?」
「ああ、大問題だ。」
「そもそもレイピアというのはそもそも突き刺すことを目的に作られた刃物だ。」
「それにレイピアで切り落とされたなら痛みは相当なはずだ。まさか切り落とされてる間、起きない保証があったと言うのか?」
「いくら睡眠薬と言ったって、痛みがあれば目覚めてしまうはずだ。」
「犯人が【怪力】でもなければレイピアで足をきり落とすことは難しいだろう。」
「なになに?私が犯人ですか!!」
「いや、凶器は他にあったと考えるのが自然だろう。」
「犯人が使用した凶器...それは」
証拠品
・事件後の桜羽エマ
・血が付いたレイアのレイピア
・ベッドの下のナイフ
・血痕のついた蓮見レイアの服
・睡眠薬(ヒロのベッドに隠されてた)
・血がついた懲罰房の斧 <
・焼けたロープ
・隠されたろうそく
「懲罰房内に置いてあった斧......これが使われたはずだ。」
「なるほど!その斧を使ってスパッ!とエマさんの足を切り落としたんですね!」
「そんなテンションで言うことじゃありませんわ......」
「じゃあなんで犯人はわざわざ斧を洗わないでそのまま戻したんだよ!」
「血がついた斧を洗わずにそのまま丁寧に懲罰房に戻した......」
「犯人の行動理由が見えませんね!」
「なら、犯人は【洗い場所に行けなかった】と考えるのが自然だろう。」
「レイアのレイピアなら鞘があるからシャワー室や湖に行く最中血痕が付着していることは分からないだろう。」
「しかし犯人はレイピアを使用せず、【懲罰房の斧】を使用した......」
「レイアが犯人ならなんでレイピアを使用しなかったんだろうね?」
「もしくは......犯人は他にいると考えるべきだろう。」
「お待ちなさいですわ!」
ハンナが反論してきた。
「ち、ちょっと待ちやがりなさい!」
「シェリーさんは先ほど【食堂に来なかったのはレイアさん、ヒロさん、エマさん】と言いましたわ!」
「なら犯人はエマさんを含めないレイアさんとヒロさんのどちらかに当たるはずです!」
「犯人は他にいると言うならヒロさんしかいませんわ!!」
「やれやれ......人の話は最後まで聞けと教わらなかったのか?」
「ヒロっち最初の時にゴクチョーの話遮ってたくせに....」
「.........今それは置いておいて。」
「じゃあ犯人は誰なんですの?まさかレイアさんとヒロさん、どちらでもないと言うんじゃありませんわよね!?」
犯人は──
蓮見レイア
二階堂ヒロ
桜羽エマ
3人のどれでもない <
「そのまさかだ。それどころか【この中に犯人は居ない】。」
「......は?」
アリサが困惑したような表情をした。
「そもそもこの裁判自体、おかしいと思わなかったのか?」
「レイアが犯人だとしたら自身の脱いだ服を、あろうことか被害者の部屋へ置き、目撃証言を消すために私を眠らせた。」
「仮に私に目撃されたとして、それなら私に罪を被せれば良い。」
(あの時のマーゴと同じように......)
「そうすれば裁判で混乱が生じる、犯人が処刑されるリスクも減るだろう。」
「......それとも、犯人が姿を見られたくない理由でもあったのだろうか。」
見られたくない理由......今までの情報を組み合わせると、1つしかない。
それは...
14人目の魔法少女 <
氷上メルルがやった
15人目の魔法少女
「レイアと私とエマ以外、食堂にいた。」
「そして、ゴクチョー側も裁判を起こしたくない。現にメルルの説得でエマを治すことに協力的だったからね。」
「だとすると、可能性は1つしかない。」
「【第三者】の可能性......」
「.........14人目の魔法少女!」
「待ちなさい。」
私のその考えに待ったをかけたのはナノカだった。