咲に幼馴染がいたら嬉しいし、総受け百合ハーレムだともっと嬉しいすぎだろ…… 作:わたっくし
はじめ好きー
今日は龍門渕への潜入日。
……結論から言うと、失敗した。
「あら、よく似合っているじゃありませんの」
「よくこんなサイズのメイド服あったね、透華」
捕虜のごとく身柄を拘束された私は、何故かメイド服を着せられている。
「これでまた衣の遊び相手が増えたな」
「あの、私、清澄に戻らなきゃ」
「何を言ってますの」
「衣に勝つまでは帰さないぞー?」
……私は、龍門渕高校という場所を舐めていたのかもしれない。
×××
龍門渕高校。1年前、それまで6年連続で県代表となっていた風越女子を抑え、全国大会へと駒を進めた高校。準決勝では敗れたものの、当時は全員が1年生だったというのだから驚きだ。
「それがこの龍門渕かー……」
目の前にそびえ立つ建物を見上げる。非常にでかい。金持ち学校だということが嫌でも伝わってくる。
例のごとく制服に着替え、今の私は龍門渕の生徒へと変身している。こっちは割と自由にカスタマイズできるので、結構気が楽だ。制服が原因で気づかれるなんてことも多分ないはず。
(中に入れたはいいけど……)
適当に校内を歩き回りながら、麻雀部に潜入する方法を考える。
しれっと紛れ込む……のは通用しない。龍門渕は部員が5人しかいないし、多分速攻でバレる。また鶴賀の時みたいに新入部員のふりをするのが丸いかな……。
悩んでいても仕方がないので、通りかかった生徒にそれとなく麻雀部について聞いてみる。
「あ、すみません。ちょっといいですか」
「はい、何かご用かしら?」
おお、お嬢様言葉。何気に初めて生で聞くので少し感動する。
「急にすみません。麻雀部について少し聞きたいことがあって……」
「あら、わたくしたちの麻雀部に興味がありますの?」
「はい、少し聞きたいことが……」
……今しれっと聞き捨てならないことを喋ってなかったか、このお嬢様。
「……どうしましたの? 急に固まって」
改めて彼女の姿をよーく見てみる。……金髪ロングのお嬢様キャラ。紛れもない、龍門渕高校麻雀部部長、龍門渕透華本人だった。
「りゅ、龍門渕さん……!?」
「ええ、その通りですわ。というか、それをご存知でわたくしに声をかけたのではなくて?」
まさかの偶然。偶然だが、これを逃す手はない。
「それで、何が知りたいんですの? 教えてさしあげますわ」
「え、えーっと、ずっと龍門渕の麻雀部に興味があって……それで、もしよければ」
「ああ、入部希望ですのね。構いませんわ、ついていらっしゃいな」
そう言うと、彼女は私の手を取って部室まで案内してくれた。思っていたよりも優しい人なのかも。
「お名前は何と言いますの?」
「丈槍鈴、1年生です」
「鈴さんね。麻雀の経験はありますの?」
「はい。でももっと強くなりたくて……」
その場で思いついた嘘を適当に並べる。高飛車なイメージが先行していたけど、とても話しやすい人だ。やはり何事も先入観で決めるべきではないな。
「そういえば、私以外に新入部員はいないんですか?」
「いますわよ。先週も一人来ましたわ」
「それじゃあ部員も増えて……」
「いえ、増えていませんわ」
「……一人も?」
「ええ、一人も」
理由を聞こうか悩んでいるうちに部室へと到着した。すごく重厚な扉だ。ウチの部室も大概だが、龍門渕はもっと豪華。
「ハギヨシ!」
どこからともなく高身長の執事が現れ、扉の前に立つ。そして深くお辞儀をすると、ゆっくりと扉を開けた。龍門渕ともなると執事までついてくるのか……
「おお……」
想像していたよりもずっとすっきりとした内装で、部屋の奥にはガラス張りの壁があり、その向こうに景色が広がっている。部屋の中央にはソファーとテーブル、それから雀卓が置かれている。ソファーには部員らしき人たちが座っていた。
「お疲れ、透華。その子は?」
星型のフェイスペイントを付けた先輩が、興味深そうに視線を向ける。
「新入部員ですのよ」
「あー……またか」
「…………」
右頬に星型のフェイスペイントを付けている人。足を組みながらお菓子を食べている人。パソコンとにらめっこをしている人。そして、頭に大きなリボンを付けた小さい子。どの人も個性的だ。なんだか威圧感がすごい。
「い、一年の丈槍鈴です。よろしくお願いします」
「ボクは国広一、よろしくね。こっちに来て話そうよ」
そう言ってはじめ先輩は私を手招きする。見たところ私とほぼ同じくらいの身長なので、ちょっぴり親近感が湧く。
「こっちの眼鏡をかけた人が智紀。そしてこっちの大きいお兄さんが純くんね」
「オレは女だっつーの」
はじめ先輩に促されてその隣に座る。智紀先輩はこちらに視線を向けると軽く挨拶をしてくれた。純先輩も気怠げながら、こちらに挨拶を返す。
「そしてこっちが……」
「衣だ!よろしくな、鈴!」
目の前にいる小柄な子が、かの有名な天江衣。多分私よりも小さい。
「それでは早速打つとしましょうか。純、貴方は入りますの?」
「パス。ちょっと今日は疲れた」
「じゃあボクと透華で入ろうよ。衣もそれで良い?」
「問題ないぞ!」
はじめ先輩に聞いたところによると、どうやら龍門渕では毎回、新入部員を交えて対局をしているのだとか。
「……これって負けたら門前払いとか、そういうやつですか……?」
「ううん。そんなことはないよ」
何か含みのある言い方をするはじめ先輩。まあ、負けても良いなら気が楽かな。
「それでは始めますわよ! わたくしの親からですわ!」
×××
(あーあ、透華も人が悪いなぁ)
メンバー全員が1年生ながら、名門・風越を破り、破竹の勢いで全国準決勝まで駒を進めた龍門渕高校。
もちろん、その活躍を見て龍門渕への入部希望者が増えないわけがなかった。実際、入部届を片手にドアを叩いてきた生徒は何人もいる。
しかし、結局部員が増えることはなかった。その原因は、全て等しく天江衣にある。
(衣と打った後は、みんなトラウマになっちゃうからなぁ……)
天江衣の圧倒的な存在感に圧倒され、対局した生徒たちは次々と逃げ出してしまう。衣の友達を増やすためという透華なりの想いで行っていることだが、今のところ上手くいった試しは一度もない。
(せめて鈴くんの傷が浅いうちに終わらせなきゃだね)
「ロン、2000」
「あちゃー……」
衣との対局がトラウマになって、今後この子が牌を持てなくなってしまう可能性だってある。
礼儀正しい鈴のことを気に入っているはじめとしては、何とか鈴の傷が浅いうちに対局を終わらせようと奔走する。
(打ち筋は可もなく不可もなく……ですわね)
鈴の打ち筋を見ながら、内心で評価する透華。透華の目から見ても、鈴の打ち筋は決して悪くはないのだが、衣と戦えるほどではない。
透華は衣の友達となり得る存在を探し求めていた。それだけに、やはり今回もいつものパターンになるのかと、内心肩を落とす。
(早いところ終わらせておきましょうか……)
「ロン。4000ですわ」
「うぇっ!? それもダメなんだ……」
「もっと場をよく見なさいな、鈴さん」
「はい……」
(……二人とも、さっきより私を狙ってる?)
この辺りから、先程までの対局とは違って透華とはじめの二人が明確に鈴を狙っていることに、彼女自身も気づき始める。
それなら、と鈴も二人の打牌へ意識を向ける。それに伴うように、彼女の視界には徐々に新たな情報が浮かび上がってきていた。
第三局 終盤
(……七巡経っても一向聴のまま。これは衣の能力が発動してるかな……)
(このままだと海底でツモられてしまいますわね)
二人は衣の能力が発動していることに気づく。残りの牌は8枚。今からでは防ぐのも間に合わないため、二人はオリに専念する。
「ポン」
鈴を除いては。彼女は静かに透華の捨て牌を鳴き、手牌の一部を晒した。
(この状況で鳴き……悪くないけど、多分無駄に終わっちゃうね)
(能力が発動した衣は相手の当たり牌まで把握する……わたくしたちもオリている以上、無闇な副露は危険が増すだけですわ)
実際、彼女たちの考えていることは正しい。この状態になった衣はほとんど振り込まず、そして必ず海底で和了する。
「…………」
案の定、鈴がツモ牌を引くも、和了することは叶わない。そのまま衣の最後のツモ番へ。二人は既に点棒の準備を始めている。
衣はいつも通り、山の最後に残った牌へと手を伸ばす。……しかし、和了を宣言する声は上がらなかった。
「……ノーテン」
「えっ!?」
「の、ノーテンですの?」
信じられない、といった表情を浮かべる二人。当の本人である衣も怪訝な表情を浮かべる。唯一聴牌が間に合っていた鈴は、点棒を回収してニコニコと笑っている。
(あの衣が、海底どころか聴牌すらしていない……)
(これは何かの偶然。……では、ありませんわね)
原因は衣の隣で無邪気な笑顔を浮かべている、あの鈴とかいう少女。本人が気づいているかどうかは定かではない。だが、とにかくあの少女によって引き起こされた事態であることに間違いはない。
(丈槍鈴……。わたくしは素晴らしい逸材を見つけ出してしまったのかもしれませんわね)
(見つけ出したってか、たまたま声をかけられただけでしょ。……でも、是非ともウチに欲しい人材だね)
白熱した対局を、少し離れたテーブルから冷静に眺める二人。
「おい、見たか智紀。衣のやつ、アガり損ねたぞ」
「海底どころか、聴牌すら出来なかったのは、多分今まででも初めて……」
「まさかウチの高校にもこんなヤツが眠ってたとはな」
「……そのことなんだけど」
何やら話し合っている純と智紀を横目に、鈴は嬉々として自身の親番へと入る。
(あらかじめ鳴いておいて正解だったかも)
終盤、鈴は衣の動きを意識していた。
彼女は衣がいかにも海底で和了しそうな気配を半ば直感的に感じ取り、そして先んじて鳴いておくことで、衣のツモ番をズラした。
(私の能力……たぶん、相手が私に狙いを定めて、私もその相手を意識することが発動条件……なのかな)
ここで彼女は、自身の能力の大まかな仕組みを推測する。発動条件は、他家が鈴に狙いを向け、なおかつ鈴自身もその相手を意識すること。すると、相手の待ち牌やツモ牌などが把握できる。一種のカウンターのような能力だ。
「それじゃあ行きますねー」
もちろん、彼女自身にもまだ把握していない能力の側面はたくさんあるが、透華たちとの対局によって、自身の能力についてある程度理解が深まっていた。
×××
……といった感じで、調子の良い瞬間もあったけど……
「衣の勝ちだー!」
「……ありがとうございました。また負けちゃった…」
海底を防ぐなんて芸当を毎回出来るはずはなく、結局2位1回、ラス3回と散々な結果に終わってしまった。やはり龍門渕は壁が高い。
「結局トータル最下位かー……」
「いやいや、1回でも衣の海底をズラしたのは凄いよ。自信持ちなって」
「そうですわ。まさかこんな原石が眠っていたとは……」
先輩二人からお褒めの言葉をいただき、バキバキに壊れかけていた私のメンタルが些細ながら修復されていく。
それに、試合には負けたが得た情報はとても大きい。透華先輩はガチガチのデジタル派。そしてはじめ先輩も多分デジタル派。
……というか、はじめ先輩が対局中に付けていた手錠はなんだったんだろう。ぶっちゃけそっちの方に意識が持っていかれてしまった。
「衣先輩は……海底が得意なんですか?」
「せ、せんぱ……!そうだぞ、衣にとっては海底なんて造作もないことだ!……あ、あと、もう一回先輩って呼んでくれ」
「衣先輩!」
「〜〜〜〜〜!」
なんだか凄く喜んでいらっしゃる、かわいい。無性に撫でたい気分になったが、先輩なので流石にやめておく。
これで欲しい情報も得られたことだし、先輩達に挨拶を済ませて早いところ部室を出よう……としたその時。
「ちょっと待てよ。どこへ行くつもりだ?」
肩に純先輩の大きな手が。な、なんでこのタイミングで引き留めてきたんだろう。
「すみません、この後用事があるので今日はこの辺で……」
「ほーう、清澄にオレらのことを伝えにいくのか?」
ば、バレてる……! 小さな震えと冷や汗が止まらない。鶴賀でもこんなことあったな、確か……。
「……それ、どういうこと?清澄って何さ」
「……透華たちが対局している間、鈴さんについて調べてた」
パソコンを見つめながら語りだす智紀先輩。
「清澄高校麻雀部1年 丈槍鈴。中学時代、特に目立った戦績はないけど……ここ最近、長野県内各地の高校に出没しているそう」
「……へぇ」
はじめ先輩の目が怖い。というか、今この場にいる人たちのオーラが先程とは一変している。
「それで、ボクたちの情報を清澄に持って帰るつもりだったんだ」
「いやー…、別にそんなことは……」
「お見苦しいですわよ」
このままだと私の胃がもたないので、隙を見て出口までダッシュする。
「あっ、待て!」
「ハギヨシ!」
またもやどこからともなく黒服執事が現れ、ドアの正面に立つ。うっ……隙がない。
いかにしてこの俊敏黒執事の壁を潜り抜けようか狼狽していると、途端に両手を後ろに引かれ、カチリ、といった小気味の良い音が部屋に響いた。
「はい、逮捕ー」
「えっ、く、鎖っ!? み、身動きが……」
「動いても無駄だから、大人しく従ってよ」
「ふ、不当逮捕です!」
「何をほざいてますの」
はじめ先輩に手錠をかけられた私は、再度ソファーへと連れられる。初めて部室に入った時の待遇とはえらい違いだ。
「それで、わたくしたちの部活動に侵入した理由は?」
「……龍門渕の皆様に憧れて」
「そのうっすい制服をひん剥きますわよ!」
「き、清澄のスパイです、ごめんなさい……」
部長、すみません。結局私は一度も秘密を守ることができませんでした。私にスパイの才能はないようです。
「やっと吐きましたわね」
「それじゃあ解放してくれ……」
「そんなわけないでしょう。少し待っておきなさい」
そう言うと透華先輩は部室のクローゼットを漁り始めた。
その間暇なので、テーブルにあるお菓子を取ってきてほしいとはじめ先輩に頼む。
「鈴くんって割と図太いよね……」
そう苦笑しながらクッキーを私の口元に運んでくれるはじめ先輩。うわっ、このクッキーめちゃくちゃ美味しい。
「美味しい?もっと食べる?」
はじめ先輩の言葉に首肯すると、次々と新しいお菓子を持ってきてくれる先輩。しかもどれも美味しい。
「何を餌付けしてますの!」
そう怒鳴る透華先輩の片手には、何やら白黒の衣服が。
「透華、それって……」
「メイド服ですわ。このサイズを見つけるのに苦労しましたのよ?」
透華先輩は笑みを浮かべたまま、こちらへと近づいてくる。咲にしろ透華先輩にしろ、美人の笑顔ってなんでこんなに怖いんだろ……
「ほら、早く着なさいな」
「え、えーっと、なんでメイド服……」
「いいから早く!」
「は、はい! ……でも手がふさがっちゃってて」
「あら、そうでしたわね。……衣!はじめ!」
透華先輩が二人の名前を呼ぶと、彼女達は私の正面と背後へまわり込んだ。あれっ? これって……
「大人しくしとけばすぐ終わるからさ」
「衣の手捌き、とくと味わうがいい!」
「……えっ、嘘でしょ!? 待ってどこ触って、ちょっ、ひ、ひああああっ!」
……またたく間に制服をひん剥かれた私は、悶える暇すら与えられず、一瞬でメイド服へと着替えさせられていた。……咲に見せたら喜びそうだな、この姿。
「それでは鈴さん……いえ、鈴。あなたにはこれから一日、わたくしの家でメイドとして働いてもらいますわ」
「め、メイドですか」
「嫌ならその格好のまま帰ってもいいんですわよ?」
「やります! やらせてください……」
拒否権がないことを悟った私は、渋々ながら透華先輩の命令を受け入れる。
「でもメイドって何をすれば……?」
「それについては、帰ってから説明いたしますわ」
そう言ってソファーから立ち上がる透華先輩。どうやら今日の部活は、ここでおひらきのよう。
(あ、そうだ。咲たちに連絡いれないと)
鎖をジャラジャラ鳴らしながら、テーブルにあるスマホを手に取る。……あっ、咲から連絡きてる……
『スズちゃん、龍門渕には上手く潜り込めた? まだ帰ってこないからちょっと心配で……』
あー……、なんて返そう。
『体調が悪いからそのまま家に帰っちゃった。ごめんね』
これでよし。明日は土曜日だし、咲たちに無用な心配をかけなくて済む。
「いや嘘つくなよ。ちょっと貸せ」
「あ、ちょっと、純先輩!?」
奪われたスマホを取り返そうとするも、鎖のせいで上手く腕を伸ばすことができない。急いで立ち上がるも、長い鎖と足が絡まってしまい、派手に転んでしまった。
「いたた……」
「だ、大丈夫? 純くん、はやく返してあげなよ」
「……よし。ほらよ」
純先輩の手からスマホを受け取り、急いで画面を確認する。
『捕まりました。助けてください』
……ご丁寧に私のメイド服の写真まで添えられている。さっき転んだときの。い、急いで誤解を解かなくては。
『咲、違うから。龍門渕でコスプレごっこしてただけ』
『龍門渕の住所ってどこだっけ』
『怖!? 本当に大丈夫だから!』
ここから必死の弁明を続けて、なんとか咲を説得することに成功した。ただし、交換条件として清澄でもメイド服を着用することを要求された。別にいいけども。
「そろそろいきますわよ」
透華先輩についていくと、校門の前にはいかにもといった感じの高級車が停められていた。
「皆さんも一緒に帰るんですか?」
「ああ、言ってなかったっけ。ボクたち、透華のお屋敷に住み込みで働いているんだよ」
「えっ、そうなんですか」
「そう。いやー、仲間が一人増えてくれて嬉しいよ」
「……明日だけですからね」
……と言いはするものの、誰かの家にお泊まりなんて経験(咲以外)ほとんどなかったから、正直少しだけテンションが上がっている。
「と、トランプとか持ってこればよかったですね!」
「いや何言ってんだよ……」
「存外図太いですわねあなた……」
高級感漂う座席に座り、車は静かに動き出す。
……今日一日慣れない対局をしたせいか、出発してからまもなく、心地よい疲労感と共に睡魔が襲ってきた。
「…………」
「……今は眠っておきなさい。明日からは存分に働いてもらいますわ」
「ふふっ、やっぱり透華優しいね」
「なっ、ば、万全の状態でいてもらわないと困るだけですわ!」
私の記憶があるのはここまで。目覚めた時には既に透華先輩のお屋敷に到着していた。
「一」だと読みづらいので、基本は「はじめ」表記で統一しています。