「………」
ツカサは一人、夢を見ていた。それは、今遠く離れたところで夢を追いかけリングを駆け回っているたった一人の姉と最後に交わした会話のことだった。あの日以降、姉の顔は一度も見ていないし、会話も交わしてない。一人残されたツカサは、学校に通いながら同級生からいじめにあっていた。
何かあれば理由をつけて狙いとされ、みるみる心は蝕まれていき…『好き』だったものがわからなくなった
そんな時に手を差し伸べてくれたのがメラである。彼女がいなければ、ツカサは今頃大変なことになっていただろう…
「…アヤお姉ちゃん、元気してるかなぁ」
この世に一人しかいない血の繋がった姉妹…『堕楽 アヤ』の事を思うツカサ。このときは思っていなかった…まさか、あんな再会をするとは
一方、その友人であるメラもまた懐かしい夢を見ていた。自身の最愛していた姉が家を出て、自らの夢であったカメラマンになるために歩みだした、たった一人の家族の事を
「…何で急にウル姉のこと思い出したんだ?・・・あっやべぇ今日会議じゃねえか!?」
一瞬よぎった自らの姉…『天命 ウル』の安否。連絡の一本も取り合ってないため、今頃彼女がどう活躍してるかはわからない。このときはまさか、あんな再会をするとは思いもよらなかった。
─────────
この日、特異災害対策起動部二課に激震が走った。それまで彼らの後ろ盾となり、陰ながら二課を支え続けてくれていた防衛大臣が、何者かによって殺害されてしまったのだ。
遺したデータを回収した了子の持つスーツケースに、血痕が付着していたことなど、誰も知らずに…
流れのまま緊急会議が一歩また一歩と進み、二課本部に保管されている完全聖遺物『デュランダル』が敵の狙いと踏み、輸送作戦を決行することになった。
輸送当日、デュランダル本体を乗せた了子の車と、それを囲うように警備車4台。その後ろにライドストライカーに搭乗したツカサとメラに、バイクを走行する翼。
何事も起きないと良い…そう思っていたが、突如道路にヒビが入り崩壊。警備車の1台が落下し爆破された。
『敵襲だ!目視では確認できていないが、おそらくノイズだろう!』
弦十郎からの通信を受け、警戒態勢に入る一同。直後、通っていた道路のマンホールが吹き飛び、その上を通ろうとしていた車が空高く上空へと跳ね飛ばされた
『下水道だ!ノイズは下水道を使って攻撃してきている!』
なんと、ノイズは地上より下の地下から攻撃を仕掛けてきたのだ。しかも、行く先の道には薬品工場がある。
「弦十郎くん!?この先には確か薬品工場があったはず……もしそこで爆発が起きてしまったら、デュランダルは…!」
『分かっている!さっきから護衛車を的確に狙い続けているのは、おそらくノイズがデュランダルを損壊させないよう制御されているように見える!相手の狙いがデュランダルの確保なら…あえて危険な地域に滑り込み攻め手を封じるって寸法だ!』
「弦十郎さん、勝算は・・・?」
『思いつきを数字で語れるかよ!!』
「無茶苦茶すぎんだろ!?」
次々と現れるノイズに対処するため、バイクを走行しながらツカサとメラはジオウとゲイツに変身。バイクから降り武器を構え戦闘を開始した。
「後輩にだけいいかっこさせられっかよ!」『Imyuteus amenohabakiri tron……』
奏、翼もシンフォギアをその身にまとい、続々と現れるノイズを鎮圧せんと戦い始める。
「とんでもない数……!」
「慌てるな堕楽、我々がここで後ずさりすれば、護送どころではない…!」
四人が背中合わせで団体行動を意識し、何処から攻めるか思考している…そんな時だった『KAMENRIDE ケタロス!ドレイク!』
謎の音が響いたかと思えば、四人の周辺に謎の幻影が六つ程現れ周囲を高速移動しだしている。
「な、何…?」
「なぁツカサ、今変な音なってなかったか?」
そして、ジオウとゲイツの前で重なったと思えば…そこには、二人の仮面ライダー…
仮面ライダーケタロスと、
仮面ライダードレイク
二体が召喚されたのだ。
「うえぇ!?りょ、了子さんあれあれ!」
「あら?何かしら…あの仮面達」
外部による乱入者か…と心のなかで舌打ちをする了子。車のエンジンを吹かせ逃走しようとする
が、それをドレイクが許さない。ドレイクゼクターの銃口をタイヤに向けると、銃弾を発射。グサッと刺さったことでタイヤがパンクしてしまい、了子と響の乗った車は転倒、さらに二人が脱出したタイミングで車を爆破してきた。
「痛たたた…」
「響!了子さん!」
「チッ…誰だか知らねーが私らの邪魔すんな!!」
すかさずジオウとゲイツが二体の相手をしようとする、が…
『Clock Up』
ケタロスとドレイクの二人はクロックアップを発動、異次元的なスピードを見せ二人の前から即座に消えた。そんな二体の狙いは…響と了子。
「うわっ!?」
勢いよく接近し、超至近距離まで詰め寄られた…その時であった
了子が何もないところに手を出すと、紫色のバリアフィールドのようなものが展開され、二体を弾き飛ばした。
「響ちゃん、他のみんなに遅れを取ってるかもしれないけど…貴女のやりたいことを、精一杯やりなさい」
響は、いつまで経っても自分が戦場で足を引っ張っているのではないのかと悩みに悩んでいた。シンフォギアもうまく使いこなせず、助けられてばかり…だが、そんな気持ちが了子の言葉で吹っ切れた
『Balwisyall Nescell gungnir tron……』
その身にガングニールのシンフォギアを纏い、ノイズに立ち向かう
「仮面ライダーは私とメラが…!」
「背中は任せたぜ!」
ジオウとゲイツはそれぞれライドウォッチを取り出し、ドライバーへとセットさせ回転させる。
『アーマーターイム!チェンジ・ビートル!カブト!』
『アーマーターイム!complete!ファイズ!』
それぞれ
仮面ライダージオウ・カブトアーマー
仮面ライダーゲイツ・ファイズアーマー
へとアーマータイムで鎧をまとい、ジオウはドレイクと、ゲイツはケタロスと対峙する。
『Clock Up』
高速移動の環境の中ドレイクと攻防を繰り広げるジオウ、ジカンギレードのケンモードを使いドレイクを斬りつける
「フッ…!やぁっ!!」
だが、ドレイクもただでは倒されてくれない。ドレイクゼクターを介して必殺技のライダーシューティングを放ってきた
「っ…!うぐぐ……!!」
下手に避ければ薬品工業のガスタンクが爆発しかねない為、ジカンギレードを間に挟み受け止めるジオウ。
「……!そうだ…!」
ジオウは銃弾を受け止めながらライドウォッチのボタンを押し込み、ジクウドライバーを回す。
『クロック!タイムブレーク!』
ジオウは銃弾から距離を取り、本家仮面ライダーカブトの行っていた、回し蹴りによるカウンターライダーキックを発動。なんと、銃弾を蹴り返したのだ。
蹴り返されるとは思っていなかったのか、ドレイクは銃弾を受けドゴォォォン!!と爆発。幻影の姿となり消えていった。
『エクシード!タイムバースト!』
一方こちらはケタロス対ゲイツ。本家仮面ライダーファイズの武装していた武器であるファイズエッジを装備したゲイツは、ケタロスに衝撃波を発射した。
「逃がすかよ!!オラァっ!!」
赤い衝撃波がケタロスに直撃すると、波が動きを空中で拘束し、身動きが取れない状態に。そこからファイズエッジでケタロスを勢いよく切りつける技『スパークルカット』が炸裂した
技を受けたケタロスは幻影の姿に戻り、その場から消えていった。
『キュイーン……!!』
一同が戦闘を繰り広げていた最中、突然デュランダルがケースの中から飛び出しその姿を見せた。その完全聖遺物を奪取せんと、鎧の女が現れるが…
「渡すものかぁぁぁぁ!!!」
響がタックルしてはじき飛ばした上、デュランダルをその手につかんだ。瞬間、彼女の様子が豹変し始める…まるで、獣の如く唸り声を上げ意識が黒く染まる…
「ウゥ……ウグ、グゥゥ……!!」
「立花……!?」
「アイツ、どうしちまったんだ……ん?」
唸り声を上げ、今にもデュランダルを振りかぶろうとしている響。そんな彼女を止めようと動き出した奏の視界に、妙なものが入った。
先程までいなかったはずなのに、突然と現れ…その容姿は、過去モニターで見たことのある、片翼の変身した姿…ブレイドだった。
(どうなってんだ…?翼は確かにアタシの側にいる……なら、あの仮面野郎は誰だが変身してるってんだ…?)
目先にいるブレイドは、奏の存在など気にもせず、何か動作をしている。直後、下記の音が鳴り響いた
『FINAL ATTACKRIDE ブブブブレイド!』
ブレイドの頭部が赤く光り、勢いよく飛び上がる。その瞬間、奏はブレイドの標的が響だと分かった
「やべぇ…!?お前ら後は頼む!!」
「かっ、奏!?」
奏はすぐさま跳び上がりブレイドの前に乱入、穂先を回転させた槍が生み出す竜巻で周囲の空間を吹き飛ばす技…
『LAST∞METEOR』を使用、ブレイドを響に寄せ付けまいとぶつける。
ブレイドは、竜巻の威力を前に吹き飛ばされた。だが直後、鎧の女めがけて振りかぶられていたデュランダルによる一撃がタンクを直撃。薬品工業にて大爆発が走った…
しかも最悪なことに、大爆発を空中で受けた天羽奏は何処に吹き飛ばされたのかわからず、行方知れずとなってしまった…
『……ガチャッ』
──────
『かっこよかったっしょ?アタシのライダーキック』
『もっと慎重に動いてくださいよ…
…ひとまず、彼女の安全は確保できました。』
『サンキュ!いやーやっぱ頭脳派一人いると楽だわー』
『…やれ、危機感のない人です。アレは持たせましたか?』
『モチのロン!アタシがしくじるわけないっしょ!』
『…わかりました。』
──────
「………ッ」
深い闇の中に眠っていた潜在意識。あの爆発から、幾つもの時間が経っただろうか。ブレイドの攻撃をいなし、デュランダルの爆発に巻き込まれた天羽奏は、見知らぬ森のなかで目を覚ました
「……何処だ…ここ…ッ?」
ふと手に覚えた違和感。痛む体を持ち上げ、手の方を見てみると…
「…こいつは、メラの…?」
そこには、何故かメラが持っていた仮面ライダーファイズの力が宿った小型時計…ファイズウォッチが握られていた…
つづく
いかがでしたか?通りすがるあのお二方の存在が示唆されましたね。さてさてどう関わっていくのか…
しかし今回ちょっと省略気味だったかもしれません…いつもより千文字少なかったので
次回は原作をなぞりつつ奏さん回の予定です。お楽しみに
ではでは。