【悲報】オリジナル魔術を作れる魔導師特化型VRMMOで錬金術師ロールプレイするはずの俺、固有スキル【魅了】で曇らせハーレムを錬金してしまう 作:ひきさん
「【卜占未来】」
ツキトが卜占魔術を詠唱する。
俺たちの次の獲物――ラミアを見つけるための占いだ。
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<占いの結果が出ました!>
北西500メートル先の岩場にて、日向で休むラミアと出会うでしょう。
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「北西だね。行こうか」
「便利すぎるな、占い……」
森の中を闇雲に探していては、いったいどれほど時間を無駄にしたことだろう。
俺たちは火咲のテイムした森狼に匂いを調べさせつつ、木々の間を進んでいった。
やがて、頭上を覆う枝葉が途切れる。
木漏れ日の差し込む岩場に、長い尾が伸びていた。
深緑色の、大蛇の尾。
その鱗は日の光を受けて、宝石のように輝いている。とぐろを巻いた先を、ゆっくりと視線で辿っていくと――
――黒髪の美女が、こちらを見ていた。
大人びた顔立ちに、金色の瞳。
上半身を覆う薄い衣は、豊かな身体の曲線を隠せていない。
片手で頬杖をつき、もう片方の手で長い髪を弄びながら、ラミアはゆったりと微笑んだ。
「あら。人間のお客さん?」
「……ベルといい、普通に喋るんだなぁ」
「話が早そうでいいじゃん! ほら、キョウスケ、出番だよ!」
火咲に背中を押され、俺は一歩前へ出る。
ラミアの顔を見る。
そして、改めてその下に続く、美しい人間の身体を見る。
綺麗だ。
だが、その下にある長い尾に締められたら、頑丈の値がいくつあっても命が足りなさそうだ。
「そんなところにいないで、こっちへいらっしゃいな」
ラミアの瞳が、淡く輝いた。
その瞬間、ふっと足が前へ出そうになる。
近づきたい。
あの綺麗な瞳を、もっと近くで見たい――
……これが、魔眼っ!
俺はなんとか踏みとどまった。
なるほど。こうやって獲物を引き寄せるわけだ。
だが、その手の魔術なら、俺だって負けていない。
「【魅了】」
今度はこちらから、彼女を見つめる。
すると――
それまで余裕たっぷりだったラミアの表情が、ぴたりと止まった。
「はぁ、はぁ……」
息が、荒くなる。
その頬は、みるみるうちに赤くなっている。
「あなた……」
長い尾が、とぐろを解く。
そして、するすると岩場を滑り下りてきたラミアは、俺のすぐ目の前で立ち止まった。
近い。
ものすごく近い。
金色の瞳に映った俺の顔まで、はっきりと見える。
「お名前は、なんていうのかしら?」
「キョウスケだ」
「キョウスケ……」
ラミアは俺の名前を呟き、嬉しそうに目を細めた。
「いい名前ね。わたしの伴侶に相応しいわ」
――効いたっ!
紛れもなく、効いたっ!
「伴侶は今後検討するとして――よかったら、俺たちの仲間になってくれないか?」
「仲間?」
「今、魔物をテイムする試験を受けてるんだ。お前みたいに魔物を引き寄せて捕まえられる仲間がいれば、すごく助かる」
「一緒に狩りをするのね?」
「まあ、そういうことだ」
ラミアは、俺の顔をじっと見つめる。
それから、するり、と尾の先が俺の足元へ回ってきた。
「いいわ。あなたと一緒なら、楽しそうだもの」
「よしっ! じゃあ、契約魔術をわたしが書くね!」
火咲が前へ出る。
ラミアは頷いたものの、俺の足に回した尾を離す気はないようだ。
そのまま、火咲が契約魔術の書面を書き、俺に渡す。
その書面をラミアに使うと――
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<≪ラミア≫のテイムに成功しました!>
≪ラミア≫:100点
チームの暫定得点:110点
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「よっしっ! 100点ゲット!」
火咲も喜んでいる。
「いやー、キョウスケはなんて便利なんだ」
「ふふっ。とてもこの試験に向いた固有スキルだね」
これはこの試験は楽勝かもしれないな。
そう思った、その時――
「うわっ!?」
突然、足元がぐいっと持ち上がる。
いつの間にか俺の膝の裏へ回り込んだ蛇の尾が、巻き付いて俺を引っ張る。
そのまま、俺はラミアの上へ座らされてしまった。
「それじゃ、行きましょうか。次は、何を捕まえるのかしら?」
「ちょっと待て。この体勢で行くのか?」
「歩かなくて済むでしょう?」
確かに。
確かにそうだがっ!
美女の身体をすぐ横に見つめながら、蛇の身体は滑るように森を進んでいく。
長い髪が頬をくすぐる。女の子の匂いが近い。
ものすごく落ち着かない乗り物を手に入れてしまった。
「……捕まえたはずなのに、キョウスケが捕まってない?」
火咲の突っ込みは的確だったが、俺にはどうしようもない。
「逃げたいのかしら?」
「いや、そういうわけではないけどな」
「なら、いいじゃない」
ラミアはご機嫌に笑い、俺を尾に乗せたまま、森の中を進んでいった。
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ラミアの有能さが分かったのは、その直後だった。
「占い通り、あれが≪鎧猪≫かな。あの木の根元だよ」
ツキトが、小声で告げる。
指さした先には、分厚い甲殻のようなものに背中を覆われた、大きな猪がいた。
そいつは長い牙で土を掘り返し、何かを食べている。
ちなみに、30点の魔物だ。
「あれは、正面から押さえようとしたら大変かもな」
「よし、わたしに任せて!」
火咲が、にやりと笑った。
「ラミア、キョウスケを降ろして、そこで待っててね。【流動音響】」
火咲がぱんっと大きく手を叩く。
鎧猪が、顔を上げる。
まるで、ラミアの方から聞こえたかのように、真っ直ぐラミアを見て。
そして、ラミアの金色の瞳が、きらきらと光った。
「いらっしゃい……」
――猪が、歩き始める。
のしのしと、まるで呼ばれた飼い犬のように、ラミアの方へと近づいていく。
「……やるな」
鎧猪は、俺たちが近くにいることさえ気にならない様子どぁ。
ただ、ラミアの瞳だけを見つめながら、こちらへじっと歩いてくる。
「キョウスケ、お肉をお願いできる?」
「おう!」
俺は罠に入れていない余りの香草肉を取り出す。
猪がそれへ鼻を寄せたところで、ラミアの尾が、するりと胴を巻いた。
「ブギッ!?」
我に返った猪が、四本の脚を踏ん張る。
だが、ラミアは涼しい顔をしていた。
「暴れると食べにくいでしょう?」
牙がこちらへ向かないようにしつつ、俺の差し出した肉の前へ鼻先を寄せてやる。
その手際は、あまりにも鮮やかだった。
「簡単なものね」
そう言って微笑む美女の足元で、分厚い鎧を持つ猪が、完全に押さえ込まれて、肉に夢中になっている。
……伊達に100点の魔物じゃないな、こいつ。
普通に戦ってたら、結構まずかったんじゃないか、これ?
「おっけーっ! そのままお願い!」
火咲が猪へ近づき、契約魔術を使う。
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<≪鎧猪≫のテイムに成功しました!>
≪鎧猪≫:30点
チームの暫定得点:140点
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「いいねっ!」
「この調子なら、かなりいけそうだね」
ラミアは尾を放し、≪鎧猪≫は立ち上がる。
「ふふっ、我が伴侶の助けになれて嬉しいけど……このお礼は、あとでたっぷりとしてもらいますからね?」
気付けば、ラミアの瞳は金色に輝き、俺はぼうっと幻惑されて、劣情を催していた。
「はっ! ご主人様が悪い女に騙されていますっ♡ 幸せの鐘を鳴らしますよっ♡」
と、いつの間にか再び召喚されていたベルが、【妖精鐘:タロットベル】をまたもや勝手に使う。
森の中に美しい鐘の音が響き渡り――
至近距離で聞いた鐘がうるさすぎて、俺ははっと意識を取り戻す。
「キョウスケはほんっっとうにっ、ヘンタイなんだからっ……!」
「誤解だ」
そんな会話をしながら、元に戻れた安堵とちょっとばかりの残念さを感じていた、その時だった。
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<警告!>
<エピックイベント:≪上級への飛び級試練≫発生!>
鐘の音に驚いた森の中のベビードラゴンは、親竜を呼び寄せる!
エピックモンスター:ファイアドラゴンの炎で、辺り一面が灰燼と化す!
ファイアドラゴンをテイムしたチームは、一撃で上級魔術師に飛び級合格する!
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「……は?」
うちの馬鹿妖精は、またもやとんでもない事態を呼び寄せてしまったらしい――