職業:ミアレ最高の探偵(助手)   作:特性 Suisui

19 / 19
19.ポケモンリーグ

 カロスリーグの開催前、カロス中のメディアとSNSはノウゼンへの苛烈なバッシングで荒れ狂っていた。

 

『カルネ推薦の特例挑戦者ノウゼン・ミラー、予選免除で四天王戦へ!』

 

 公式からは「チャンピオン・カルネの特例推薦状を所持していること」「通常の挑戦者とは異なり、全力を解放した各地のジムリーダーをすべて打ち破ってきたこと」という経緯が明確に公表されていた。しかし、ネットの住人や浅薄な観客たちはその事実を見ようともしなかった。

 

 

—————————————————————————————————

『全開のジムリーダーを倒した? どうせ話題作りのパフォーマンスだろ!』

『ミラーって、フレア団支援していた連中じゃねえか!?』

『ふざけんな!なんでそんな奴が推薦状なんてもらってんだ!』

『正々堂々バッジを集めて予選を勝ち抜いてきた挑戦者たちをバカにしてる!』

『こんな奴が予選免除なんてなんておこがましい! 四天王に分からせてもらえ!』

『あれ?でもこの人って、カルネ様の映画に出てた人じゃなかった?』

『どうせその時に推薦状もらったんだろ』

『あ~あ、あの映画良かったのにな~』

—————————————————————————————————

 

 

 世間の声は敵一色。数か月前にカロス全土で公開された映画に出ていて話題になった人と気づいた人間もいたが、ポケモンリーグ戦という世界規模で人気を博す神聖なバトルイベントを汚されたと感じる人間の数はあまりにも多かった。

 ノウゼンのバトル当日の会場を包むのは、耳を刺すような大ブーイングと罵声。 客席ではマチエールが悔しさに拳を強く握りしめていた。

 

「‥‥‥ッ!! ノウゼンがどんな戦いをしてきたのか、何も知らないくせに!」

「ふにゃああッ!!」

 

 もこおが威嚇するように鳴く。しかし、ダクマだけは、静かに腕を組んでノウゼンの背中を見つめていた。

 

(叫びたい奴には叫ばせておけばいい……ノウゼンたちの強さを見れば、全員黙ることになる!)

 

 そして始まった、四天王戦。

 

 ドラゴン使いのドラセナ。 鉄壁の騎士ガンピ。 水の美学を貫くズミ。

 6対6のフルバトルで行われたその三連戦は、勝負と呼ぶにはあまりに残酷な「蹂躙」だった。 洗練された無駄のない立ち回り、底知れぬ破壊力。ノウゼンは手持ちポケモンを半数以上残したまま、四天王たちを赤子のようにひねり潰し、完封していったのだ。

 

「な……なんだあれは……!?」

 

 試合が進むにつれ、会場を支配していたブーイングは瞬く間に消え去り、恐ろしいまでの「絶句」と「冷汗」が客席を包み込む。SNSのタイムラインも、一瞬で手のひらを返した投稿で埋め尽くされた。

 

 

—————————————————————————————————

『……おい、冗談だろ? ドラセナ様が手も足も出ない……』

『ガンピさんの鉄壁が紙くずみたいに破られたぞ……』

『まて……公式の言ってた「全開のジムリーダーを倒した」って本当だったのか……?』

『ズルどころじゃない……最初から僕たちとは生きている世界が違ったんだ……!』

—————————————————————————————————

 

 

 四天王を圧倒的な差で破り、自らの実力でカロス全土を恐怖と衝撃で黙らせたノウゼン。彼が殿堂の最奥、チャンピオンルームへと足を踏み入れた時、会場を包んでいたのは手のひらを返した万雷の拍手と、地鳴りのような歓声だった。

 

「ノウゼ〜〜〜ンッ!! 行けぇぇぇっ!!」

 

 マチエールが声の限り叫び、ダクマも「ウォォォンッ!」と歓喜の咆哮をあげる。

 巨大なステンドグラスから差し込む光の中、ノウゼンの前に立ちふさがるのは、カルネその人であった。

 

「……見事な戦いぶりね、ノウゼン。世間の雑音をその圧倒的な力で黙らせ、ここまで辿り着いてくれると信じていたわ」

 

 カルネは華麗に純白の衣装を翻し、真剣な眼差しでモンスターボールを握り締める。

 

「ですが、ここから先はカロス最高峰の領域。私とあなたの全霊をかけたバトル……始めましょう!」

「……勝つのは俺たちだ‥‥‥!」

 

 ノウゼンが静かに放った宣言とともに、カロス頂上決戦の火蓋が切られた——。

 

 

 

 

「行きなさい、ルチャブル!」

「行くぞ……アブソル」

 

 カルネの先鋒・ルチャブルが華やかにリングへと舞い降りる。対するノウゼンが繰り出したのは、災獣アブソル。

 両者が対峙したその瞬間、ノウゼンの胸元のキーストーンが禍々しい紫黒の光を放った。

 

「響け……メガシンカ!」

キィィィン……ッ!!

 

 メガシンカの光芒が弾けた瞬間、誰も見たことのない異形が姿を現した。 それまで存在すら確認されていなかった未知の姿——『メガアブソルZ』。

 体毛は禍々しい漆黒に染まり、左側からのみ生える巨大なツメのように逆立つ赤と漆黒の翼。まるで片翼の悪魔、あるいは堕天使を思わせる禍々しくも美しい姿に、会場から息を呑む音が漏れる。

 

「あれは……アブソルの新たなメガシンカ!? 見た目からしてタイプも変わっているわね……!」

 

 カルネは瞬時にその異変を察知するが、手は緩めない。

 

「先手必勝よ。ルチャブル、『とびひざげり』!」

 

 ルチャブルが鋭い叫びとともに上空へ跳躍し、必殺のキックを解き放つ。 だが——漆黒のメガアブソルZを通り抜けたのは、虚しい空風だけだった。あくとゴーストの複合タイプへと変貌したアブソルに対し、格闘タイプの技は一切通用しない。

 

「なっ!?」

「『じゃれつく』」

 

 体勢を崩したルチャブルの背後へ、アブソルは圧倒的なスピードで瞬閃。漆黒の爪と牙が、容赦のない狂乱の連撃を叩き込む。

 

ドガァァンッ!!

「ルチャブル!?」

 

 即殺。一瞬で、カルネのパーティ屈指の武闘派ルチャブルが意識を失い、崩れ落ちた。

 

「ルチャブル、戻りなさい……よく頑張ってくれたわ」

 

 カルネはルチャブルを戻すと、すぐさま腰のボールを手に取った。序盤からの異常事態に、チャンピオンの眼光が極限まで鋭くなる。

 

「出し惜しみは無しよ……頼むわ、サーナイト!」

 

 カルネの切り札・サーナイトがリングに立つ。両者が視線を交錯させた次の瞬間、カルネの胸元でキーストーンが眩く輝いた。

 

「メガシンカ!!」

 

 白銀のドレスを纏ったメガサーナイトと、赤黒の翼を背負うメガアブソルZ。序盤から両者の切り札級が激突する、最高潮のカードが実現した。

 

「距離を保って!『ムーンフォース』!『ハイパーボイス』!」

 

 メガサーナイトが両手を広げると、圧倒的なフェアリーエネルギーの弾幕と、空間を揺るがす音波の嵐がフィールド全域を埋め尽くす。超高速で肉迫を図るアブソルだが、極限まで高められた遠距離攻撃の壁に阻まれ、近距離戦に持ち込むことができない。

 

「近づかせない気か……だったら」

 

 ノウゼンが口元を緩めた瞬間、アブソルが放つ気配が、サーナイトの足元に伸びる「影」へと溶け込んだ。

 

「……!? どこへ……」

「『ふいうち』だ」

 

 サーナイトが警戒した瞬間、自らの足元の影から、漆黒の斬撃がザシュッ!! と跳ね上がった

 

「サッ……!?」

 

 不意を突かれたサーナイトは悲鳴を上げる間もなく上空へと打ち上げられる。間髪入れず、とどめを刺すべくアブソルが空中のサーナイトへ肉薄。 漆黒の爪がサーナイトの喉元へと迫る。

 だが——カルネの瞳は諦めていなかった。

 

「……そこよ!『はかいこうせん』!!」

 

 至近距離。回避不可能な極限の間合いで、サーナイトの胸から絶大な破壊の光束が解き放たれた。 特性『フェアリースキン』により、絶大な威力のフェアリー属性へと昇華された光の濁流が、アブソルを呑み込む。

 

ズドッッッグォォォン……ッ!!

 

 激しい爆風と光芒がリングを包み込む。 光が晴れると、そこにはメガシンカが解け、倒れ伏すアブソルの姿があった。

 

「アブソル、戦闘不能! 勝者、サーナイト!」

「……よくやってくれた、アブソル」

 

 ノウゼンがアブソルをボールへと戻す。一方、華麗に着地を決めたサーナイトだったが……直前に食らったアブソルの強力な「ふいうち」のダメージは深く、膝を一瞬ガクリと揺らし、よろめいた。

 

(アブソルのあの攻撃……想像以上の威力ね。このまま引きずらせるわけにはいかないわ)

 

 カルネは冷静に状況を判断し、サーナイトを一旦ボールへと戻した。

 

「戻りなさい、サーナイト。……次はこの子よ!」

 

 カルネが手にした次なるボールから、巨躯を誇る古代のポケモンが姿を現そうとしていた——

 

 

 

 観客席の誰もが総立ちでバトルフィールドに釘付けになる。SNSもサーバーが落ちかけるほどの超高速でタイムラインが流れていった。

 

 

—————————————————————————————————

『は????? アブソル???? 新種のメガシンカとか聞いてないんだが!?』

『黒い翼やばすぎるだろ……カッコよすぎて鳥肌立った』

『待って、ルチャブルの飛び膝蹴り抜けたぞ!? ゴーストタイプついてないか!?』

『格闘完封とか絶望すぎる! ルチャブルが一撃で沈んだんだが‥‥‥』

『四天王戦だけじゃなかった……この男、まだこんな隠し玉を持ってたのか……!!』

『出たァァァッ! カルネ様のメガサーナイト!!』

『序盤からメガシンカ同士の激突だぁぁぁっ!!』

『うおおおおおおお!! 序盤からメガシンカ対決キタアアアアアッ!!』

『画面の迫力が映画なんよ』

『アブソルの影からの不意打ちエグい!! サーナイト打ち上げられたぞ!?』

『カルネ様落ち着いてくれぇぇぇ!!』

『うわあああ至近距離のフェアリースキン破壊光線!!!!!』

『ドッカアアアン!! 戦闘派手すぎて画面真っ白なんだが!?』

『相打ち覚悟の一撃!? 激しすぎて息するの忘れてたわ……』

『ノウゼンのアブソルを倒すために一局分のカロリー使ってるカルネ様もヤバい』

『なんだこの神試合……現地にいる奴らがうらやましすぎる!!!』

—————————————————————————————————

 

 

 スタジアムを揺るがす地鳴りのような大歓声。客席のマチエールも耳を塞ぎたくなるほどの熱気に包まれていた。

 

「すごい……! 序盤からいきなりクライマックスみたいだよ、もこお!」

「ふにゃあ〜〜〜〜ッ!!」

「ガウガウッ!」

 

 ダクマは全身の毛を逆立て、目の前で繰り広げられる「絶対的な強者同士の領域」に激しく武者震いしていた。

 

「サーナイト、一旦戻りなさい! ……次はこの子よ、アマルルガ!」

「頼むぞ……ギルガルド」

 

 カルネが投じたボールから古代の氷竜アマルルガが姿を現すと同時に、天井の開けたスタジアムに冷たい吹雪が吹き荒れ始めた。夢特性『ゆきふらし』である。

 

「『オーロラベール』!」

 

 降り注ぐ雪の中、アマルルガが澄んだ咆哮を上げると、七色の光の壁が展開された。物理・特殊攻撃の双方を大幅に軽減する絶対の防壁。

 

「壁張りか……だが、上から破ればいいだけの話だ。『つるぎのまい』」

 

 ノウゼンの静かな指示に応え、出現した王剣ギルガルドが刀身を鋭く交差させる。増幅された圧倒的な殺気がコートを満たしていく。

 

「一気に叩くぞ。『アイアンヘッド』!」

 

 ブレードフォルムへと姿を変えたギルガルドが、極限まで高めた攻撃力で音速の刺突を放つ。 4倍弱点を突かれたアマルルガは凄まじい衝撃に悲鳴を上げるが、オーロラベールの減衰効果もあり、なんとか持ちこたえた。

 

「耐えた……!『ストーンエッジ』!」

「『キングシールド』」

 

 怒り狂うアマルルガが岩の柱を打ち上げるが、ギルガルドはシールドフォルムへと瞬時に戻り、鉄壁の楯で完全に無効化。

 

「もう一撃だ。『アイアンヘッド』!」

 

 間髪入れずに放たれた二度目の強烈な一撃がアマルルガの巨躯を捉え、ついに崩れ落ちた。

 

「アマルルガ戦闘不能! 勝者、ギルガルド!」

「よくやったわ、アマルルガ……! 行きなさい、ガチゴラス!」

 

 地響きとともに躍り出たのは、古代の暴君ガチゴラス。オーロラベールの防壁を背負った破壊の化身に対し、積みの完了したギルガルド。両者が対峙した瞬間、会場とネットは興奮の渦に呑み込まれた。

 

『うおおおおおオーロラベール残った状態でガチゴラス出たぁぁぁ!!』

『剣の舞を積んだ絶対の剣盾vs鉄壁のバフを纏った暴君!!』

『どっちが勝つんだこれ!? 息ができない!!』

 

タイプ相性で優位に立つノウゼンが仕掛ける。

 

「攻撃を緩めるな。『アイアンヘッド』!」

「かわして、『りゅうのまい』!」

 

 鋭い刺突に対し、ガチゴラスは巨体に似合わぬ華麗なステップで回避しつつ、咆哮とともにスピードとパワーを爆発的に跳ね上げる。さらに振り向きざま、圧倒的な顎で噛みつきにかかる。

 

「『かみくだく』!」

「『キングシールド』」

 

 ギルガルドの盾が威圧的な光を放ち、噛みつきを完封。同時に、キングシールドの波動がガチゴラスの攻撃力を削ぎ落とした。

 

「よし、攻撃力は元に戻った……!」

 

マチエールが拳を握りしめた、その時だった。

 

「構うものですか! そのまま押し潰しなさい!」

 

 ガチゴラスはひるむことなく、キングシールドが解除された僅かな隙を逃さなかった。巨体ごとギルガルドを地面へと激しく叩きつけ、体動を完全に封じ込める。

 

「なっ……!? 体を押さえつけられた!?」

「そのまま、『じしん』!!」

ズドォォォォォン……ッ!!

 

 シールドフォルムのギルガルドの胴体へ、ダイレクトに大地を揺るがすチート級の衝撃が叩き込まれた。激しい煙が舞い散り、ギルガルドの全身に亀裂のようなダメージが走る。

 

「くっ……ノウゼン!!」

 

 客席でマチエールが立ち上がる。しかし、ノウゼンの瞳は一切の動揺を見せていなかった。

 

「……足元へ『せいなるつるぎ』」

 

 身動きの取れない極限状態から、ギルガルドの刀身が輝く。ガチゴラスの体重を支える太い脚を容赦なく斬りつけ、バランスを崩して転倒させた。

 

「とどめだ、『アイアンヘッド』!!」

 

 立ち上がりざま、全力を込めて振りかぶるギルガルド。

だが——転倒したガチゴラスの目が、ギラリと猛獣の光を放った。

 

「食らいつきなさい!!『かみくだく』!!」

 

 ギルガルドの渾身のアイアンヘッドが振り下ろされた瞬間、オーロラベールの光芒が一瞬だけその威力を削ぐ。その僅かなブレーキを見逃さず、ガチゴラスの凶暴な顎がギルガルドの体をバキィッ!! と深く噛み砕いた。

 

ドガァァンッ!!

 

 激しい衝撃波とともに両者が激突し、光が晴れたフィールドに静寂が訪れる。

 そこには噛み砕かれ、戦闘不能となって倒れるギルガルドの姿があった。

 

「ギルガルド、戦闘不能! 勝者、ガチゴラス!」

 

 

—————————————————————————————————

『相打ち覚悟の噛みくだくキタアアアアアッ!!』

『オーロラベールの軽減がなければギルガルドが勝ってた……! カルネ様の戦術勝ちだ!!』

『これで両者2匹ずつダウン!! 完全に互角の勝負!!』

—————————————————————————————————

 

 

「‥‥‥。ご苦労だった、ギルガルド」

 

 ノウゼンが静かにギルガルドを回収する。これで両者ともに2匹を失い、戦況はほぼ五分。カロス頂上決戦の熱気は、さらに限界を超えて燃え上がっていく。

 

 

 

「頼むぞ……クロバット」

 

 ノウゼンが放ったボールから、漆黒の夜空を裂くようにクロバットが舞い降りる。

 

「『どくどく』だ」

 

 ノウゼンの指示とともに、クロバットは紫色の毒素をガチゴラスへ浴びせた。いかにオーロラベールの絶対防壁を纏っていようと、状態異常という内側からの蝕みを防ぐことはできない。毒を打ち込んだクロバットは、そのまま遥か上空へと飛翔し、旋回を始めた。

 

——毒が回り、自滅するのをひたすら待つ。

 

 直前のド派手な力押しから一転して選択された、徹底的で冷徹な持久戦。 オーロラベールの残り時間も差し迫る中、ノウゼンが見せた切り替えの早さと的確な戦術眼に、カルネの額には一筋の汗が伝う。

 

(……見事な戦術変更ね。私の壁展開を完全にいなす気だわ)

 

 カルネは心の中で敵に称賛を送りつつも、強い眼差しで相棒を鼓舞する。

 

「諦めないで、ガチゴラス! クロバットの耐久なら、一撃入れられればこちらの勝ちよ!」

「グオォォォンッ!!」

 

 ガチゴラスの咆哮とともに、周囲へ岩の柱『ストーンエッジ』が展開される。ガチゴラスはそれを太い尾で叩き割り、無数の鋭い岩のつぶてとして上空へ打ち飛ばした。 広範囲を埋め尽くす岩石の嵐。しかし——

 

「『こうそくいどう』」

 

 クロバットは残像すら残さぬスピードで、迫り来る岩の礫をすべて紙一重で回避していく。

 

(くっ……捉え切れない……!)

 

 焦りが募るカルネ。そこへ、空を切る刃が襲いかかる。

 

「『エアスラッシュ』!」

バシィッ!!

 

 真空の刃がガチゴラスの眉間を撃ち抜き、その強烈な衝撃に巨体がグラリと揺れる。あまりの激痛にひるみ、一瞬行動不能に陥るガチゴラス。

 だが、ハッと正気を取り戻した瞬間、ガチゴラスは己の巨体を跳躍させ、空中へと躍り出た。その無謀とも思える行動の意図を、カルネは瞬時に察知する。

 

「……そこよ! 地面に向かって『アイアンテール』!!」

ズドォォォォォン……ッ!!

 

 ガチゴラスの巨体、落下加速度、そして渾身のパワーが込められた鋼の尾がフィールドの床を砕いた。 地響きとともに膨大な衝撃波が吹き荒れ、コート全域が濃密な爆煙と砂埃に覆い尽くされる。

 完全な視界不良。ノウゼンも指示が出せない一瞬の静寂。

 

「『もろはのずつき』!!」

 

 砂埃の奥から、牙を剥いた巨大な影が超スピードで突進する。視界を奪われ、逃げ場を失っていたクロバットへ、滞空位置を記憶していたガチゴラスの、全力を乗せた額が真正面から激突した。

 

ドガァァァァンッ!!

「クロバット!?」

 

 強烈な衝撃波が砂埃を吹き飛ばす。クロバット、ダウン。

しかし—————

 

「……ガハッ……!?」

 

 直撃を食らったクロバットが倒れると同時に、全身を紫の毒素に蝕まれたガチゴラスも膝から崩れ落ち、そのまま地響きを立てて横たわり、それと同時にオーロラベールの光も消失した。

 

「クロバット、ガチゴラス、共に戦闘不能!」

「相打ちぃぃぃぃッ!! ガチゴラス!土壇場の執念でクロバットを巻き添えにしたぁぁぁッ!!」

 

 実況の絶叫に、スタジアムの天井が吹き飛ぶほどの歓声が上がった。

 

 

—————————————————————————————————

『カルネ様すごすぎる!! 砂埃で視界奪って力押しするの最高に熱い!!』

『ノウゼンの毒殺ハメを気合と重力アイアンテールで突破したのヤバい』

『これで両者3匹ずつダウン!! 完全に一歩も引かない互角の勝負じゃん!!』

—————————————————————————————————

 

 

 客席では、マチエールが思わず胸に手を当てて息を吐き出す。

 

「すごすぎる……カルネさんも、やっぱりカロスのチャンピオンなんだ……!」

「ガウッ……!」

 

 ダグマは興奮に全身を震わせ、両者の放つ圧倒的な「闘志のぶつかり合い」に目を奪われていた。

 

 

 

 

「「頼むぞ/頼むわ!!」」

 

 互いの声が交錯すると同時に、投じられた二つのボールが空中へ躍り出た。弾ける光芒の中から姿を現したのは——カルネのパンプジン。そして、ノウゼンが放ったのは勇猛なる鬣をなびかせる圧倒的威容、伝説の古獣エンテイであった。

 

「グォォォォォォォッ!!!!」

 

 空気を強烈に震わせるエンテイの地鳴りのような咆哮。スタジアム全体が恐怖で凍りつき、実況の悲鳴がマイクを割る。

 

「な……ッ!? エンテイ……!? 伝説のポケモンッ!?」

 

 実況の悲鳴がスタジアムを激震させる。カルネの表情が戦慄に凍りつき、客席とネットは狂乱のパニックに陥った。

 

 

—————————————————————————————————

『は????? エンテイ?????』

『ノウゼン伝説持ってるの!? 馬鹿だろこれ勝てるわけないじゃん!!』

『カロスリーグにエンテイ降臨とか前代未聞すぎるだろ!!!』

—————————————————————————————————

 

 

「『かえんほうしゃ』」

 

 ノウゼンが静かに口開く。

 

グルゥァァァァッ!!

 

 エンテイの口から、フィールド全域を焼き尽くす圧倒的な炎の濁流が吐き出された。

 

「パンプジン、『まもる』!!」

(くっ……この熱……本物だわ……!)

 

 カルネが腕を力強く突き出し、絶叫する。緑の防壁が展開されるが、それを覆い尽くす灼熱の圧に、カルネは顔を歪ませた。

 

「『やどりぎのたね』を植えつけて!!」

「焼き払え!」

 

 パンプジンが放った種すらも、エンテイが吐き出す二度目の激炎が一瞬で炭化させる。

 

「懐へ入れ。『シャドークロー』!」

 

 エンテイが疾走し、鋭い漆黒の爪を振り上げる。カルネの指示が飛ぶよりも早く、効果抜群且つ急所を穿つ一撃がパンプジンの胴体を打ち抜いた。

 

ドガァァァンッ!!

「パンプジン戦闘不能!」

「戻って、パンプジン! ……お願い、ヌメルゴン!!」

 

 カルネが必死の顔でボールを投じる。現れた巨躯のヌメルゴンが「ヌゴゥゥゥン!」と身構えるが、ノウゼンは不敵な笑みを深めるだけだった。

 

「『おにび』!」

 

 エンテイが放つ紫の鬼火がヌメルゴンの皮膚を焼き、絶叫が上がる。ノウゼンはさらに炎をフィールド全体へと広げ、視界と空間のすべてを灼熱の地獄へと変えていった。

 

「ヌメルゴン、落ち着きなさい! この状況を打ち破るのよ‥‥‥『あまごい』!!」

 

 カルネが天を仰ぎ、叫ぶ。ヌメルゴンが天に向かって咆哮を上げると、雲が立ち込め、土砂降りの豪雨が降り注ぎ始めた。

 

「シィィィ……ッ!!」と水蒸気が立ち込め、ヌメルゴンの特性『うるおいボディ』が発動。火傷の傷が癒されていく。だが、カルネの鋭い視線がコートの異変を捉えた。

 

(……待って。これだけの豪雨が降っているのに、なぜ周囲の炎は一切勢いを落とさないの……!?)

 

 違和感が確信へ変わる。カルネは力強く指を指し伸ばした。

 

「そういうことね!『りゅうのはどう』をフィールド全体へ解き放ちなさい!!」

ガァァァァッ!!

 

 ヌメルゴンの口から放たれた竜の衝撃波が、空間を薙ぎ払う。 爆煙と雨の混ざり合う中から現れたのは、攻撃を食らい、幻影を解いたゾロアークだった。

「クォッ……!」とニヤリと笑うゾロアーク。

 

 

—————————————————————————————————

『うおおおおおイリュージョンだったのかッ!!』

『カメラすら騙すゾロアークヤバすぎ!!』

—————————————————————————————————

 

 

「正体がバレたところで、こちらの有利は変わらない‥‥‥!幻影展開!分身を出せ!」

 

 ノウゼンが命じると、ゾロアークは「フシューッ!」と漆黒の煙を生み出し、無数の分身を発生させた。

 

「『あくのはどう』!」

「「「ガァァァァッ!!」」」

 

 無数のゾロアークが一斉に暗黒の波動を解き放つ。

 

「防いで、ヌメルゴン! 耐えるのよ!!」

 

 カルネの指示も虚しく、四方八方からの暗黒の光線にヌメルゴンは「ヌゴッ……!?」と悲鳴を上げ、膝をつく。

 

(ヌメルゴンはもう持たない……! でも、最後のサーナイトに……希望を繋ぐ!!)

 

 カルネの瞳に決意の炎が宿り、声を張り上げた。

 

「ヌメルゴン! 天に向かって『いのちのしずく』を放ちなさい!!」

 

 そうして、ヌメルゴンから最後の希望を託す生命の雫が天へと解き放たれた。

 

 

 

 

「ヌメルゴン、戦闘不能!」

 

 審判の声が響き渡った瞬間、スタジアムは興奮と驚愕の怒号に揺れた。

 

「ついに……ついにチャンピオン・カルネ!残り『1匹』へと追い詰められましたぁぁぁッ!!」

 

『嘘だろ……あのカルネ様が追い詰められてる……!!??』

『ノウゼンの手持ち、まだ「3匹」も残ってるんだぞ……しかも内2体は全快だぞ!?』

『絶望的すぎる……カロスリーグの歴史が変わってしまう……』

『ノウゼン強すぎるだろ、バケモノかよ……』

 

 趨勢は決した。誰の目にも勝負の行方は明らかだと思われた。客席で見守るマチエールは思わず立ち上がり、「あともう少し……!」と祈るように胸の前で拳を握りしめる。ダグマもまた、全身の毛を逆立ててノウゼンの放つ圧倒的な「覇気」に目を見張っていた。

 だが——カルネの瞳は、まだ折れてはいなかった。

 

「‥‥‥まだよ!私は……、私たちは、絶対に諦めないわ! お願い、サーナイト!!」

「サーァァァァンッ!!」

 

 白銀のドレスを身に纏うメガサーナイトがフィールドに再度降臨する。直前にアブソルの「ふいうち」を受け、深手を負っていたはずの体。誰もが「万策尽きたか」と思ったその瞬間

 

——上空の雨雲から、眩い光を帯びた神聖な「雫」が降り注いだ。

 先ほどヌメルゴンが倒れる直前、最後の力を振り絞って雨空へ放った『いのちのしずく』である。

 

「サーァァァ……ッ!!」

 

 光の雨を浴びたサーナイトの身体から、刻まれていた傷がみるみるうちに癒えていく。絶大なるフェアリーエネルギーが、再び全身を満たしていく。

 

「な……なにぃぃぃッ!? ヌメルゴンが天に放った『いのちのしずく』が、雨とともにサーナイトの傷を完全に癒やしていくーッ!!」

 

 

—————————————————————————————————

『うおおお鳥肌立ったぁぁぁぁッ!!』

『ヌメルゴン……自分の命と引き換えにサーナイトへ希望を繋いだのか!!』

『熱すぎる!! これぞカロスのチャンピオンだぁぁぁ!!』

『カルネ様行けぇぇぇぇっ!! 奇跡を起こしてくれ!!』

—————————————————————————————————

 

 

 土壇場で見せた執念の超回復に、スタジアムの天井が吹き飛ぶほどの大歓声が巻き起こる。

 その絶望を跳ね返す光景を前に、ノウゼンは不敵に、そしてどこか嬉しそうに口元を歪めた。どれほどの絶望的な不利に陥ろうと、決して諦めず勝利だけを見据える。相手はやはり、カロス最強の誇り高きチャンピオンなのだと。

 

「……応えるぞ。『シャドークロー』!」

「シャァァァッ!!」

 

 ゾロアークが再び漆黒の煙を生み出し、数十体もの分身を発生させてメガサーナイトへ一斉に襲いかかる。

 

「サーナイト、最大パワーで……『ムーンフォース』!!」

「サーァァァァァンッ!!」

 

 メガサーナイトが両手を天に掲げると、コート全域を塗りつぶすほどの特大の月光弾が放たれ、足元のフィールドへ激しく叩きつけられた。

 

ズドォォォォォン……ッ!!

 

 爆発した極大のフェアリーエネルギーが波状攻撃となって広がり、群がるゾロアークの分身たちを一瞬で吹き飛ばしていく。

 

「怯むな!『あくのはどう』!!」

「『ハイパーボイス』!!」

 

 たった1体残った本物のゾロアークが放つ漆黒の波動に対し、メガサーナイトは口元から空間を歪める極大の音波を解き放った。

 特性『フェアリースキン』によって絶大なフェアリー属性の破壊音響へと変貌した「ハイパーボイス」の濁流が、ゾロアークの「あくのはどう」を正面から力ずくで破砕、そのまま直撃させる。

 

ドガァァァァンッ!!

「クァァァッ……!?」

 

 激しい衝撃波とともにゾロアークがコートの端まで吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた。煙が晴れたそこに倒れていたのは、完全に意識を失ったゾロアークだった。

 

「ゾロアーク戦闘不能! 勝者、サーナイト!」

 

『メガサーナイト復活からの大逆転劇ッ!!』

『1匹倒したぞ!! カルネ様はまだ終わってない!!』

 

「……よくやった、ゾロアーク」

 

 ゾロアークを倒し、一気に場の空気を取り戻したカルネとメガサーナイト。 対するノウゼンは動じず、静かに一つのボールを上空へ放り投げた。

 

ドォォォォン……ッ!!

 

 ボールから躍り出た瞬間、スタジアム全体に重い地響きが走る。 現れたのは、通常の個体を遥かに凌駕する圧倒的な巨躯を誇る暴竜。『時空の歪み』より現代に出現した『オヤブン』サザンドラであった。

 

「「「グォォォォォォォォォンッ!!!!」」」

 

 三つの頭部から放たれた咆哮は、観客の鼓膜を狂わせるほどの音圧。その圧倒的な狂暴性と威圧感に、フィールドを覆っていた雨雲が吹き飛ばされる。スタジアム中の歓声が一瞬にして静まり返り、直後に地鳴りのような激震と悲鳴へと変わる。

 

『デカすぎるだろ……なんだあのサザンドラ!?』

『異次元の威圧だ……息が……息ができない……』

『ノウゼン、まだこんな怪物を隠し持ってたのかよ……!』

 

「サーナイト、『ハイパーボイス』!!」

 

 カルネの鋭い叫びとともに、メガサーナイトから放たれるフェアリースキンを纏った極大の音波。

 

「『ラスターカノン』」

 

 ノウゼンの低く冷徹な指示。三つの頭から放たれた鋼の光線が、空間を歪めながらハイパーボイスを真っ向から粉砕する。

 

「くっ……『まもる』!!」

ズドォォォォンッ!!

 

 とっさに防壁を展開するサーナイトだったが、オヤブン個体による規格外の範囲と威力に、障壁ごと後方へ激しく押し流された。

 ノウゼンは攻撃の手を一切緩めない。サザンドラのタイプはドラゴン・あく。フェアリー属性のメガサーナイト相手には4倍弱点という致命的な不利を背負っている。だからこそ、相手に息をつかせる隙すら与えず圧倒的な暴力で潰し切る構え。

 しかし、それはカルネも理解している。

 土壇場で効いてきた、タイプ相性というバトルにおける絶対的な基礎。

 

「フィールドを炎で埋め尽くして逃げ場を無くせ!『だいもんじ』!」

 

 サザンドラが吐き出した灼熱の「大」の文字が、コート全域を焼き尽くさんと迫る。

 

「逃げないで! 『サイコキネシス』で炎を操りなさい!!」

「サーァァァンッ!!」

 

 サーナイトの瞳が青く輝き、迫り来る巨大な業火を強大な念動力が捉える。炎を空中で軌道修正させ、そのままサザンドラ自身へと強烈に跳ね返した。

 

ボガァァァァンッ!!

「グガァァァァッ……!?」

 

 自らが生み出した業火に包まれ、サザンドラが苦悶の叫びを上げる。だが、ノウゼンは眉一つ動かさない。

 

「最大火力で『ラスターカノン』!」

 

 サザンドラの三つの頭部が極限まで光を溜め込み、フィールド全体を白銀で染め上げるほどの絶大な光束を撃ち出した。 直撃すればメガサーナイトと言えど即瀕死は免れない。

 

「正面突破よ!『まもる』を全力展開して突貫しなさい!!」

 

 メガサーナイトは緑の障壁を全身に纏い、光線の濁流を押し破りながら強引にサザンドラの懐へと突撃する。 削られ、罅が入る防壁。

 そして——防壁を割られ、体に光線をかすめつつもサザンドラの至近距離へと肉薄した瞬間、カルネが必殺の指示を解き放った。

 

「届けぇぇぇぇっ!!『ハイパーボイス』!!!」

「サーァァァァァァンッ!!!!」

 

 ゼロ距離で解き放たれた、特性フェアリースキンによる極大の音波の濁流。

 

ドガァァァァァァンッ!!

 

 ドラゴン・あくの4倍弱点を完璧に穿たれたサザンドラは、強烈な悲鳴とともにその圧倒的な巨体が崩れ落ち、バトルフィールドへと激しく沈んだ。

 

「サザンドラ、戦闘不能! 勝者、サーナイト!」

「倒したぁぁぁぁぁぁッ!! チャンピオン・カルネ&メガサーナイト、絶望的な巨大サザンドラを破り、ついに1対1のタイへ戻しましたぁぁぁッ!!」

 

 実況の咆哮とともに、スタジアムを破裂させるほどの地鳴りのような割れんばかりの喝采が巻き起こる。

 

 

—————————————————————————————————

『うおおおおおおおおお!! カルネ様神すぎるだろ!!』

『あの怪物を正面突破して倒したぞ!!』

『サイコキネシスで大文字返すのカッコよすぎて震えた!!』

『あの危機的状況からここまで追い上げるカルネ様……やっぱりカロスの頂点だ!!』

『1対1だ……ついにどっちが勝つか分からなくなったぞ!!』

—————————————————————————————————

 

 

 客席では、マチエールが「カルネさん、すごい……!」と目を開き、ダグマも拳を握り締めながら息を呑む。

 圧倒的不利な状況から、執念と絆で1対1の最終決戦へと引き戻したカルネとサーナイト。ノウゼンは倒れたサザンドラを静かにボールへと戻すと、その口元に深みのある不敵な笑みを浮かべた。

 

「……これが、チャンピオン‥‥‥!」

 

 腰に指をかけ、引き抜いたのは最後のモンスターボール。

 

「だが、これでラストだ。……出番だ、ゲッコウガ!!」

 

 

 

 ついに訪れた最終局面。1対1のイーブン。 ノウゼンはボールから色違いのゲッコウガを解き放つと同時に、胸元のキーストーンに手をかけた。

 

「見せるぞ……俺たちの全力を! メガシンカ!!」

キィィィン……ッ!!

 

 紫黒の光芒が弾け、フィールドに姿を現したのは——カロスリーグ大会の公式記録にも存在しない新たなる姿、『メガゲッコウガ』。 全身に禍々しくも静謐な忍の気迫を纏い、漆黒の体色と鋭利な水流の刃を光らせる。未知のメガシンカの登場に、カロス全土が揺れるほどの衝撃が駆け巡った。

 

『な……なんだあの姿はぁぁぁッ!? ゲッコウガのメガシンカだとぉぉぉッ!?』

『ノウゼン……どこまで底が知れないんだ……!!』

 

 

「『かげぶんしん』」

 

 

 ノウゼンの静かな一言とともに、メガゲッコウガは一瞬で無数の分身を展開し、メガサーナイトを完全に包囲した。

 連戦を重ねたボロボロのメガサーナイトには隠しきれない疲労が滲む。ノウゼンは一切の容赦なく、勝利を掴み取るべく畳みかける。

 

「『みずしゅりけん』!」

シュババババババッ!!

 

 包囲したすべての分身が一斉に巨大な水手裏剣を振り抜く。 無数の水の刃が全方位から迫り寄る。

 

「落ち着いて! 本物は1体だけ!『まもる』で受けるのよ!!」

 

 カルネが声を張り上げ、メガサーナイトは鉄壁の障壁を展開する。しかし——

 

ドガガガガガガァンッ!!

 

 障壁に激突した手裏剣の数々は、そのすべてが恐るべき破壊力を秘めていた。分身自体は偽物であれど、そこに込められた水手裏剣は本体の超常的な力によって生み出された本物だったのである。

 

 手数の多さと規格外の威力に、ついに「まもる」の障壁が粉砕される。

 

「サーナイトっ!!」

 

 吹き飛ばされるメガサーナイト。ノウゼンは追撃の手を緩めない。

 

「『れいとうビーム』!」

 

 氷の光線が空中のメガサーナイトを捉え、その全身が硬い氷へと拘束される。接地すら許されず身動きを奪われたチャンピオンの切り札。ノウゼンは静かに、最後の手をかざした。

 

「とどめだ。……最大威力で『みずしゅりけん』!!!」

 

 メガゲッコウガの頭上に、スタジアムを覆うほどの巨大な渦巻く水手裏剣が練り上げられる。『かげぶんしん』に回していたエネルギーすら込めて生成させた、文字通り全力の一撃。万事休す。誰もがノウゼンの勝利を確信した。

 だが——カルネの目が、女優としての命である喉を枯らさんばかりの叫びとともに見開かれた。

 

「負けない……!フェアリーエネルギーを全開放!!!」

「サーァァァァァンッ!!」

 

 メガサーナイトが命を削るような光を放ち、自らを拘束していた氷を爆砕。 自由を取り戻した眼差しが、迫り来る極大の水手裏剣を正面から見据える。

 

「『はかいこうせん』ッッッッ!!!!!!」

ズドォォォォォォォォンッ!!!!

 

 メガゲッコウガが振り下ろした極大の水手裏剣と、メガサーナイトが放った渾身の破壊光線。

 二つの超絶的なエネルギーは途中でぶつかり合うことなく相殺を拒み、互いのポケモンの身体へダイレクトに直撃した。

 

ドガァァァァァァァァァンッ!!!!!

 

 スタジアムを吹き飛ばさんばかりの凄まじい衝撃波と爆炎。 フィールド全域が濃密な煙幕で覆われ、空間から一切の音が消え去った。

 

「ど……どちらが勝ったんだ……!?」

 

 実況の声すら震えていた。観客も、テレビ越しに見守る人々も、客席のマチエールもダクマも、固唾を呑んで煙が晴れるのを待った。

やがて——風が吹き抜け、爆煙がゆっくりと晴れていく。

 見え始めたフィールドの全貌。 メガゲッコウガとメガサーナイトが、フィールドで対峙したまま微動だにしない。

 静寂。息を吸う音すら憚られる刻。

 

「……ッ」

 

 最初に膝をついたのは、メガサーナイトだった。

 

『勝者は……ノウゼンか!?』

 

 会場の誰もがそう確信し、息を呑んだ次の瞬間——

 

バタン……

 

 ゲッコウガが、糸が切れたように静かに前へと倒れ伏した。

 サーナイトは膝をつき、肩で激しく息を荒げながらも……その瞳はしっかりと光を宿し、意識を保っていた。

 審判の手が、震えながら上空へ掲げられる。

 

「ゲッコウガ、戦闘不能! したがって……勝者、チャンピオン・カルネ!!」

 

 

 

 審判の声が静寂を切り裂いた瞬間、スタジアムを揺るがすほどの暴風のような大歓声と歓喜の悲鳴が爆発した。天井からは黄金の紙吹雪が舞い散り、メインモニターには『CHAMPION WINNER』の文字が眩しく躍る。

 ノウゼンは倒れたゲッコウガの元へ歩み寄り、膝をつくと、その健闘を労うように頭へそっと手を置いた。

 

「……良くやったぞ、ゲッコウガ。ゆっくり休め」

 

 赤い光とともにゲッコウガをボールへ収めると、ノウゼンはゆっくりと立ち上がり、フィールド中央へと視線を向けた。

 そこには、限界を遥かに超えて戦い抜いたメガサーナイトがいた。ノウゼンと目が合った瞬間、安堵したように胸元のメガシンカの光が解け、通常のサーナイトへと戻る。カルネは優しくその背を撫でると、一歩一歩、確かな足取りでノウゼンの方へと歩み寄ってきた。

 声を枯らした実況が、興奮を抑えきれずに叫び続ける。

 

「カロスリーグ史上、類を見ない壮絶な激闘!! 予選をスキップし、四天王を圧倒的な力で蹂躙した『最強の挑戦者』ノウゼン・ミラー!その絶大な牙を、カロスの象徴、チャンピオン・カルネが見事に受け止め、頂点の座を守り抜きましたぁぁぁッ!!」

 

 観客席からは、勝者カルネへの喝采はもちろんのこと、それ以上にこの激闘を作り上げた挑戦者ノウゼンへの万雷の拍手が降り注いでいた。

 コートの中央で、二人は至近距離で対峙する。

 カルネは純白の衣装の裾を少し揺らし、女優として、そしてカロスの頂点に立つチャンピオンとしての凛とした笑みを浮かべ、ノウゼンへと惜しみない敬意を込めて手を差し伸ばした。

 

「……見事な戦いぶりだったわ、ノウゼン‥‥‥!」

 

 カルネの声は激闘の影響で少し枯れていたが、その瞳には澄み切った知性と熱い情熱が宿っていた。

 

「周囲の雑音や批判をその圧倒的な力で黙らせ、私の戦術をことごとく上回り、最後の一瞬までどちらが倒れるか分からない極限の勝負まで私を引きずり込んでみせた……。私があなたに出した『特例推薦状』に、何一つ間違いはなかったわ‥‥‥!」

 

 ノウゼンは差し出されたその手を見つめ、静かに、だが力強く握り返した。

 

「……完敗です、カルネさん。最後の一瞬まで折れなかった執念……さすがはカロスの頂点です」

「ふふ、ありがとう。でも、本当に紙一重だったわね。もし最後の『はかいこうせん』の角度がほんの少しでもズレていたら……いまここに立っていたのは、間違いなくあなただったわ」

 

 カルネは握った手にしっかりと力を込め、ノウゼンの目を正面から見据える。

 

「……誇りなさい、ノウゼン。今日このスタジアムにいた全員が、そして画面越しに観ていたカロス中の人間が、あなたの絶対的な強さと魅力を脳裏に強く刻み込んだわ。あなたは間違いなく、カロスの歴史を変えたのよ」

 

 ノウゼンの口元に、敗北の味を噛み締めながらも、どこか満足げな不敵な笑みが浮かんだ。

 

「……ええ。だが、次は俺が勝ちます。その玉座、温めて待っていて下さい」

「ええ、楽しみに待っているわ。いつでも、あなたの挑戦を受けて立ってあげる」

 

 眩い光芒と舞い散る紙吹雪の中、互いの絆と強さを認め合い、強く手を握り合う二人。スタジアムからは、二人を称える地鳴りのような歓声がいつまでも、いつまでも響き渡っていた。

 

 

 

 大歓声と紙吹雪が舞い散るスタジアムを後にし、ノウゼンは静かな地下通路を一人歩いていた。

 フィールド上の灼熱のような熱気が嘘のように、冷やりとした湿った空気が肌を刺す。激闘の代償として全身の筋肉は軋み、漆黒のコートには土煙と焦げ痕が残っていた。控室の重い扉を開けて中に入り、一人パイプ椅子に深く腰を下ろすと、ノウゼンは天井を見上げて大きく息を吐き出した。

 腰のベルトに収まった6つのモンスターボール。全力を出し切り、今は静かに休む相棒たちの温もりが微かに伝わってくる。握りしめた自らの拳を見つめると、そこには自分でも驚くほどの激しい震えと、言葉にできない悔しさが残っていた。

 

「……ふぅ」

 

 静寂に包まれた広大な控室。しかし、その静けさは長くは続かなかった。

 

ドカドカドカッ!!

「ノウゼンっ!!」

「ふにゃ〜〜〜〜ンッ!!」  

 

 激しい足音とともにドアが勢いよく開かれ、飛び込んできたのはマチエールだった。その後ろから、勢い余って足をもつれさせながらついてくる「もこお」、そして興奮冷めやらぬ熱い面持ちのダクマが押し寄せてくる。

 一気に静寂が破られ、騒がしくなる部屋の中。急に押し寄せてきた仲間たちの勢いに、ノウゼンは呆気にとられたようにパチパチと瞬きをした。そして、自分の頭を軽くかきむしりながら、どこか気まずそうに、少し困ったような苦笑いを浮かべる。

 

「……すまん、負けた」

 

 ぽつりと放たれた、ノウゼンの素直な一言。

 その言葉に、泣き出しそうな顔で駆け寄ってきていたマチエールはピタリと足を止めると、両手を腰に当てて大きく首を横に振った。

 

「な、なんで謝るのさノウゼンっ……! 謝ることなんて、ひとつもないよ!!」

 

 ぽろぽろと目から大粒の涙を溢れさせながら、マチエールはノウゼンへ向かって勢いよく叫んだ。

 ミアレシティの路地裏で身寄りを無くし、ただ震えていた頃。行く当てもなく彷徨っていた自分と『もこお』を温かく迎え入れ、居場所を与えてくれた一人であるノウゼン。当時のノウゼンはどこか孤独で、冷酷な雰囲気を纏っていたが、その背中はマチエールにとっていつだって世界で一番大きくて、頼もしい『ヒーロー』だった。

 成長し、ハンサムハウスの所長として少しずつ恩返しができるようになった今でも、その想いは変わらない。だからこそ、カロス中の誰もが固唾を呑んで見守る大舞台で、相手を圧倒しながらも誰より泥臭く勝利にしがみつくノウゼンの姿は、誇らしくてたまらなかった。ノウゼンが自分に対して申し訳なさそうに謝ったことが、自分の敗北以上に胸を締め付け、悔しかったのだ。

 

「すっごく……すっっっごくカッコよかったんだから!! 四天王の人たちをあんなに圧倒して、あのカルネさんとあんなに凄い勝負をして……! アタシ、バトルのあいだ中、胸がドキドキして……ノウゼンが誇らしくてたまらなかったんだからね!!」

「ふにゃあ……」

 

 もこおがノウゼンの足元にすり寄って頭を擦り付け、心配そうにノウゼンを見上げる。

 後ろで静かに腕を組んで立っていたダクマも、熱い眼差しでノウゼンを見つめ、歩み寄りながら深々と頭を下げた。

 技術と戦術の頂点を見せつけられたダクマの瞳には、心からのリスペクトが込められていた。

 仲間たちのまっすぐな言葉、温かい視線、そしてポケモンたちの愛おしい体温。それらを全身で受け止め、ノウゼンは一瞬驚いたように目を見開いた。だが、胸の奥につかえていた冷たい悔しさがスーッとけていくのを感じ、やがてフッと口元を緩めた。

 

「そうか……ありがとう、みんな」

 

 ノウゼンはベンチからゆっくりと立ち上がると、マチエールの頭にそっと手を置き、乱暴に、けれど温かくその髪を撫で回した。

 

「……次は、絶対勝つ。あの玉座、いつか必ず奪ってやる」

「うんっ……! 当たり前でしょ! 次もあたし、いっちばん近くで応援するんだから!」

 

 涙をグッと袖で拭い、太陽のような満面の笑顔を咲かせるマチエール。

 ノウゼンは腰のモンスターボールを一つひとつ確かめるように指で触れた。

 敗北によって見えた明確な課題——極限状態での技の精度、そしてメガシンカという圧倒的な負荷に対するポケモンたちの耐久力、ポケモンを繰り出す順番。いや、そもそもアブソルでルチャブルの攻撃を透かした時点で『つるぎのまい』を使っていれば‥‥‥。

 己の弱点と課題が、はっきりと頭の中に浮かび上がっていた。

 

「よし……まずはみんなを回復させに、ポケモンセンターへ行くか」

「あ、あたしも一緒に行く!!」

 

 バッグを担ぎ直し、控室の扉を開けるノウゼン。その背中には、もう迷いも落胆もなかった。

 カロスリーグの頂点にはあと一歩届かなかった。しかし、敗北の味を知り、さらに強く、高く飛ぶための新たな決意がノウゼンのなかで固まった。

 

 

 

 カロスリーグの熱狂から数週間が過ぎ、2人の旅も終わり、ミアレシティのハンサムハウスに戻ったノウゼンとマチエール。

 ハンサムハウスの事務所。窓から差し込む陽光の中、マチエールがソファーに身を投げ出し、ノウゼンが淹れてくれた温かいお茶をすすっていた。足元ではもこおが楽しそうゾロアークとじゃれ合っている。

 そんな穏やかな空間に、一通の重厚な紋章が押された豪華な書簡が届けられた。

 

 送り主は——カロスリーグ本部、ならびにチャンピオン・カルネ。

 

 封を開けた所長のマチエールが、書面を目にした瞬間に「へ……!?」と素頓狂な声を上げた。

 

「な、なんですかこれ……っ!? ノウゼン、大変だよ!!」

「騒がしいぞ、マチエール。……なんだ?」

「カルネさんとリーグ本部から……ノウゼンへの『四天王就任』の正式打診!!??」

「ニャッ!?」

 

 マチエールの絶叫に、ポケモンたちも跳び上がって驚く。

 書簡には、フレア団事件以降に消息を絶った元四天王・パキラの空席を埋めるため、新四天王としてノウゼンを正式に招聘したい旨が記されていた。フレア団の影がいまだ裏社会に残るカロスにおいて、リーグ側としても圧倒的な実力と裏社会への対応力を持つノウゼンを迎え入れ、防衛体制を盤石にしたいという強い思惑があったのだ。

 他3名の四天王(ズミ、ガンピ、ドラセナ)はもちろん、各都市のジムリーダーたちからも「ノウゼン以外の適任者はいない」と満場一致で推挙されたのだという。

 

「し、四天王……!? うちの助手に、四天王の依頼が来ちゃったの!?」

 

 慌てるマチエールに対し、ノウゼンは顎に手を当てて静かに思案した。

 

(四天王か……)

 

 ハンサムハウスの助手としてマチエール所長を支え、このミアレシティの平和を守っていくと決めたノウゼンにとって、この話はまさに渡りに船だったといえる。

 探偵事務所の経営は決して楽ではない。だが、四天王ともなればリーグから破格の報酬と手当が支給される。それ以上に大きなメリットは、警察組織や各自治体との連携が劇的にスムーズになり、通常では閲覧できない高度な捜査資料や裏社会の情報データベースへのアクセス権が得られることだ。ミアレの治安維持や危険な事件に対処する上で、四天王という公的な地位は最強の武器になる。

 

「……悪くないな。受けるか、所長」

「えぇっ!? ほんとに受けるの!? でも……四天王になっちゃったら、ハンサムハウスの助手はやめちゃうの……?」

 

 不安そうに眉をひそめるマチエールに、ノウゼンは呆れたように小さく息を吐き、彼女の頭を乱暴に撫でた。

 

「辞めるわけないだろ。俺の本業はあくまで『ここの助手』だ。四天王の仕事は副業みたいなもんだよ。四天王の給料が入れば事務所の資金繰りも一気に楽になるし、所長であるお前やもこおを支えていくにも、最高の肩書だろ」

「もう……ノウゼンったら、どこまでも合理的(ちゃっかり)なんだから!」

 

 マチエールは一瞬呆れ顔になったが、すぐにポロポロと嬉し涙を浮かべて満面の笑顔を咲かせた。

 

「でも……すごいよ! あたし、四天王を助手に持つ探偵事務所の所長になっちゃうんだね!」

 

 興奮を抑えきれない様子で声を弾ませた。

 数日後、カロスリーグから正式に『新四天王、ノウゼン・ミラー誕生』のニュースが発表されると、カロス全土、そしてSNS上は凄まじい大狂乱に包まれた。

 

 

—————————————————————————————————

『うおおおおおノウゼンが四天王就任キタアアアアアッ!!』

『カルネ様とあの死闘演じたヤツが四天王とか、チャンピオンロード絶望的すぎだろ!?』

『カロスリーグ史上、最凶にして最強の四天王だわ……』

『パキラの穴埋めどころか、防壁が硬くなりすぎて草』

—————————————————————————————————

 

 

ネットは大絶賛と恐怖の叫びで溢れかえり、ノウゼンの名は一夜にして世界中に轟くこととなった。

 

 

 

 それからしばらくして。

 

——カロスリーグ四天王 『黎華の間』。

 

 冷たい静寂が包む重厚なバトルルームで、ノウゼンは腕を組み、静かに挑戦者の訪れを待っていた。漆黒のコートのポケットの中には、四天王の証とともに、マチエールから渡された『ハンサムハウス・助手手帳』が大切に収められている。

 やがて、重い扉がゆっくりと開き、光とともに一人の挑戦者が姿を現した。

 ノウゼンは不敵な笑みを口元に浮かべ、腰のモンスターボールにゆっくりと手をかける。

 

「ようこそ、四天王の部屋へ。……俺たちの力、存分に味わっていってくれ」

 

 ある時はミアレ最高の探偵マチエールと共にハンサムハウスの助手として街の平和を守り、ある時はカロスの頂点で挑戦者を絶望と歓喜の渦へと巻き込む。

 試合開始、そしてノウゼンの新たな日常を告げる鐘の音が高らかに響き渡った。

 




ノウゼンの手持ち達


ゾロアーク【←ゾロア】
Lv:85 ♂
 ノウゼンの最初のパートナー。
 6歳の時に父親の仕事の関係でイッシュ地方に行ったときにノウゼンと仲良くなったのがきっかけ。
 生まれてすぐに親を病気で失い、天涯孤独の身だったときに出会い、一緒に遊び、ご飯を分けてくれたノウゼンを親、あるいは兄のように慕っている。ノウゼンが連れてきた時、父親もちょうどポケモンをノウゼンに与えようかと思っていたので、特に反対もされずにノウゼンの初めての仲間になった。



ゲッコウガ(色違い)【←ゲコガシラ←ケロマツ】
Lv:85 ♂
 7歳の誕生日にノウゼンが父親から与えられた子。
 元はフラダリラボで生まれたポケモンだったが、フラダリの学友だったノウゼンの父親が多額の研究費をフレア団に提供することで譲ってもらった。理由はノウゼンの「色違い持ち」という拍付けのため。
 真面目できわめて努力家な性格をしており、同じような性格をしているノウゼンとは非常に気が合う。



ギルガルド
Lv:82 ♂
 とある古代遺跡の最深部を守護していた個体。200歳越え。
 ノウゼンがカティアと一緒にカロスを旅していた時、その古代遺跡を探索した際に出会った。ノウゼンを一目見て『王の資質』を感じとったことで仲間入りを志願した。その食事シーンを初めて見たノウゼンとカティアは非常にゾワッとしたという。



クロバット【←ゴルバット←ズバット】
Lv:82 ♀
 ホウエン地方『へんげのどうくつ』出身。
 ノウゼンが「珍しいポケモンがいる」と騙されて行った『へんげのどうくつ』で道に迷ってしまった際、その道案内をしてくれたポケモン。珍しいポケモンがいなくて残念がることなく、「助けてくれてありがとう」とポフレをくれたことがきっかけで仲間になった。以来、ノウゼンのご飯以外に手を付けない。グルメ。



アブソル
Lv:84 ♀
 ホウエン地方『120番道路』出身。
 アブソルおなじみの「災いを知らせに来たのに元凶扱い」を受けていた頃にノウゼンと出会う。
 ノウゼンのポケモンの中で最も誇り高くストイックな性格をしており、ギルガルドの「ノウゼンには王の資質がある!」という言葉を受けて、自分は彼の騎士になるという目標を掲げた。



サザンドラ(オヤブン)
Lv:88 ♂
 ホウエン地方『りゅうせいのたき』で発生した『時空の歪み』から出現した個体。
 自分の知らない世界に突如飛ばされ、パニックになっていた時にノウゼンと鉢合わせ、感情のままに襲い掛かった結果、ゲットされる。
 襲ったことを全く気にすることなく、行く宛てのない自分に手を差し伸べてくれたノウゼン達に絶大な信頼を置く。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

俺はカナリィさまの召使い(作者:三笠みくら)(原作:ポケットモンスター)

俺は幼馴染・カナリィが苦手だ。面倒くさがりで口が悪くて。▼……だから、放っておけないんだ。


総合評価:199/評価:9/連載:4話/更新日時:2026年07月17日(金) 23:19 小説情報

忍原来夏とはただの幼馴染みです………それだけですが?(作者:グラビトン)(原作:イナズマイレブン)

マイペース系クソボケ主人公VS人前では飾らず明るいアイドルだが幼馴染みと2人きりの時だけしっとりする忍原来夏。▼さぁキックオフ!▼※ネタバレ含みます。▼話は忍原来夏との絡みをメインにしたいと思っておりますので、試合の展開とかは薄味になると思います。


総合評価:8933/評価:9.16/完結:73話/更新日時:2026年09月12日(土) 00:44 小説情報

孤高の黒槍(作者:特性 Suisui)(原作:ONE PIECE)

ドレスローザ コリーダコロシアム▼「千勝すれば出してやる」▼この言葉を信じて、槍を掴んだ男の自由を得るまでの物語▼完結済みです。▼※ジェミニを利用して添削等を行ってます。▼AI使用を許せる人はお進みください。


総合評価:1784/評価:8.41/完結:30話/更新日時:2026年08月22日(土) 00:00 小説情報

帰還者、玄界の生活を満喫するってよ(作者:ユンケ)(原作:ワールドトリガー)

8年前、近界に拉致された1人の男が帰ってきた。▼帰ってきた男は、元の世界で幼馴染と遊んだり、戦闘狂と戦り合ったり、セレブが作る料理を食べたり、セクハラエリートと風俗に行こうとしたり、ゲーマーおっさんと変なトリガーを開発したりと自由気ままに生きていくのだった。▼彼が織り成す物語が始まっていく。


総合評価:1361/評価:7.91/連載:24話/更新日時:2026年08月16日(日) 00:00 小説情報

とあるリオレウスの異種族ハーレム物語(作者:元洋菓子職人II)(原作:モンスターハンター)

 若きリオレウスは番を探していた。なんてことない普通の生態系の一つでしかなかった。▼ 「どうしてこうなった…」▼ 頭を抱え、目の前を見ればそこにいるのはリオレイアだけではない。他の飛竜種の雌達がリオレウスの前で眠りについている。全員、彼の番である。▼ これはとあるリオレウスがとんでもない異種族ハーレムを形成し、生態系をめちゃくちゃにする物語である。


総合評価:4260/評価:8.73/連載:24話/更新日時:2026年09月19日(土) 12:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>