さて皆様、まず悪魔についてどのようにお考えですか?
神と敵対してる~とかとにかく悪い者なんて思っている人が殆どだと思います。
でもね、現実はそうでもないんですよ。
悪魔はただ自由過ぎるだけで決して悪い訳ではないんです。
世の中は神様の方が広まりすぎて敵対している悪魔サイドが自然と悪になったんです。
力は正義ってやつですね、まぁとにかく悪魔ってそんなに悪いものではないので理解してもらえれば幸いです。
では、以下本編といきましょう。
あの時自分は何をしていたのか、思い出そうとしても何かぼやっとして分からない。
ただひとつ分かる事は今自分は地獄でも天国でもない異世界に来てしまったという事だろう。
たかだかこの程度で混乱する事もないどうせ向こうの連中が陥れるために変な事でもやっているはずだ。
今では戦争何てはるか昔の事なのに未だにこうやって手を出してくるのだから呆れる。
とにかくここはどこなのか、誰の手によって送られたのか、それを調べないといけないな・・・
景色はまぁいい、落ち着く雰囲気がある、正直こういうのは好きだ。
しばらくここで遊ぶのも悪くないと思えるが、実はいつまでも長居する訳にもいかない理由がある。
ルシファーにお呼ばれしていたし、行こうとしたらこれだし
あいつ待たせるとキレるしなぁ、あえて行かないっていう選択肢もありだけど。
さっきまでは色々言ってたけど変な異世界に閉じ込められたってだけでも少し腹が立つ。
俺を誰だと思っているのか、ハエだぞ、ハエ。
俺だって昔は神だったんだぜ、信じられるか?
今でこそハエの王なんて名前だけど、昔は気高き主なんて呼ばれた時代もあったもんだ。
思い出してもため息が出る、まぁハエも悪くないんだけどね。
移動も楽なのでハエになってしばらく飛ぶ、前方に建物があるのでとりあえず中に入ってみる。
「ここは・・・見た事ない形式の建物だな」
不思議な形をした赤い門を潜る、これを門というのもいささか疑問に感じるレベル。
その先に木造の建物がひとつ、木は日に焼けてこげ茶の色になっていた。
これだけでかなり古いものだと分かる、それに書いてある文字が・・・何だこれはパズルか?
いくつもの棒を組み合わせて作られたパズルにしか見えない。
扉は開いているので中に入るが、誰かがいる様子もない、留守なのだろうか。
「霊夢ー?居るのか?」
入ってきた扉から声がする、聞き覚えのない言語なのに理解出来てしまうのはここが異世界だからだろうか
声の主を確認すると、それが魔女である事が分かったがそれは魔女は魔女だがなんだか・・・違う。
魔女ってこんな露骨に魔女じゃない、こんなに主張激しかったら魔女狩りの時の第一候補は間違いない。
もしやそれを恐れてこの世界に?いやそれはない、ここは来たくて来れるような所ではない
自由に来れるならとっくの昔にこの世界を認知していてもおかしくない。
何かしら条件を満たして来れるのだろう、俺は多分知らないうちに満たしたのだな
「うわ~ハエが飛んでいるぜ、掃除しろよな」
黙って聞いていれば失礼な、ハエを見くびるなよ?
蝿騎士団の手にかかればお前なんて瞬殺だぞ。
悪魔の世界でも有数の実力者を集めたからな、あいつら元気にしてるかなぁ
とにかくこの失礼ななんちゃって魔女さんは置いておいて、今は元の世界に帰るために色々調べないとな
「このハエを捕まえて霊夢にイタズラをしよう、絶対楽しいぜ」
俺を捕まえるというのか、大した度胸だな。
「おい、誰を捕まえるって?」
「えっ!こ、このハエ喋った・・・」
あれ?聞き覚えの無い言語を話せてる、なんだこの現象は
それより目の前の魔女は目を丸くして驚いている、冷静に考えてみれば虫が話すなんて驚くわな
俺もアリが急に話始めたらびっくりする、ハエが話したらそれは仲間だ。
この姿のままでは向こうも話しづらいかな、仕方ない不便だが戻ろうか
「これでその驚きの表情は消えるかな?」
「うわっ!このハエ人間になった!」
「ハエが基準なのな・・・」
いや、ハエの王だからハエ基準で構わないのだが・・・この姿でハエハエ言われるもの癪に障る。
相手も悪気があるわけではないのだからこちらからとやかくは言わない、それが上に立つものだろう。
それに相手は魔女だ、異国の人が出てきても会話に困る。
ある意味この出会いは幸運だ、とにかく聞きたい事が山ほどある。
全てに答えてもらおうか?
「まぁいいそこの魔女」
「え?私の事だぜ?」
「聞きたい事がある全部答えろ」
「それは・・・人にものを頼む態度ではないぜ・・・」
まず聞きたいのはここはなんなのか、魔女に聞いたところ幻想郷というところのようだ。初めて聞いた。
そしてここに来る条件は皆に忘れられる事みたいだが・・・この俺が忘れられるなんてありえない。
ついさっきルシファーからお呼びをかけられていたし、他の皆が忘れたとしてもやつが俺を忘れる訳はない
後はここから出る方法、それは霊夢とか言うのが来ないと分からんらしい。
それとここの地理、それは知らなくてもいいようだ。
後魔女の名前、魔理沙な?分かった。
「ありがとう魔理沙」
「お、おう・・・これからどっか行くのか?」
「アテはないが、動かないよりマシだ」
「霊夢来るまで待つといいぜ」
「そうか・・・ではそうしよう」
右も左も分からない状態では現地の人の言う事に従う、これ迷子の鉄則。
霊夢という人がいつ帰ってくるかも分からない、とりあえず魔理沙付き添いの元待機する。
一応どちらも西洋の人間なので話はかろうじて合うのだが、魔理沙はこちらの生活が長いので
長いというかほぼこっちなので向こうの世界はよく分からないそうだ、正直俺もよく分からん。
かれこれ30分程話していただろうか霊夢は来ない。
かれこれ1時間は話していただろうか霊夢は来ない。
かれこれ1時間半話していただろうか霊夢は来ない。
かれこれ2時間も話していただろうか霊夢は来ない。
以下略5時間まで。
「陽が・・・落ちたぞ」
「暗いぜ」
「全然来ないぞ」
「面目ないぜ・・・」
その霊夢とやらはどこに行ったのだ、扉も開けっ放しで出かけるとは不用心な。
盗みが入るかもしれないのに、役目が役目だから悪い者何人も見てきた、連中はろくなやつではなかった。
悪魔教会の定める地上におけるサタニストの11のルールのひとつに
※こんな重荷降ろして楽になりたい、と他人が声を大にしていっているものでない限り、他人の物には手を出さない事
という物がある、つまりは人の物盗むなよ?盗むなら許可取れよ?みたいな意味である。
許可取って盗むって要するに貰うって事なんだけど。
だが、ここまで盗んでいいよアピールしてたらなにを盗られても文句は言えない。
その旨を魔理沙に伝えた。
どうも平和ボケしているなと、そうすると霊夢だから大丈夫だそうだ。
意味分からん。
夜も更けてきたし、魔理沙にはもう帰っていいと伝えた所、別に暇だから残るそうだ。
こいつ普通に良いやつだな。
さて、問題は霊夢とかいうやつだ、全然帰ってこない、どこ行ったんだよ。
魔理沙とダラダラしてても進展は無いのは確実だ。
やっぱりどこか行ってみようかと考えていた時にその声はふいに聞こえた。
「ん~?誰か居るの?」
「あ、霊夢どこ行ってたんだぜ?」
「寝てたのよ、なんだか急に眠気に襲われたから」
「あ、あぁ寝てたのか・・・だそうだぜ?」
「お、おう・・・」
この壮絶なオチをどうしてくれようか、5時間以上帰りを待った結果寝てた。
しかも建物の中で寝ていたとは、今までの時間はなんだったんだ?
ま、まぁいいとにかくこいつが霊夢と言うのだな、また奇妙な格好をした者が現われたものだ。
魔理沙が霊夢に状況を説明していた、たちまち霊夢は怪訝そうな顔になる。
そんな重大な問題でも発生してるのだろうか、俺個人として何かしてる訳ではないのだが・・・
「えぇ!あんたハエなの?」
「どこ説明してんだよ!」
そりゃ怪訝そうな顔しますわな、目の前にいる男が実はハエとか誰でも顔歪むわ。
俺もあそこのやつアリなんだぜ?って言われたらおかしな顔になるわ、ハエだったら仲間だからね(2回目)
とにかく早く本題の説明をしてくれないとな、困るわ。
再度説明をしているようで霊夢も普通に聞いている、今回表情に変化はない。
さてさて・・・帰れるかな・・・
「状況は聞いたわ、そこ真っ直ぐ歩けば外の世界に行けるわよ」
「そんなに簡単な事だったのか」
「ところであなたそんなに見ない風貌だけどどこの人間?」
「俺か?俺は地獄の人間だ」
「あっ・・・」
何か不都合でもあったわけだな、察したような顔をした。
そこで俺は訃報を耳にする。
「あのね・・・外の世界の地獄の方ね?一応外の世界に出る事は可能なの」
それなら問題は見当たらないと思うのだが、事態は思ったより深刻だった。
「見た感じ悪魔だとは思うのだけど、外の世界の地獄に帰れるの?」
「そりゃ帰れるとも、何度も行き来しているからな」
「実体で?」
「あっ・・・」
天国と呼ばれる所は神の領域で地獄は俺らの領域地上は人の領域だ。
よくよく考えてみれば地上で悪魔は良く居る、居るには居るがそれは実体としてではない
幽霊みたいな存在と思えば早い、つまり俺がこのまま実体として地上に帰っても上にも下にも行けないのだ。
なるほどそれは面倒だ、それに話を詳しく聞くとここにも地獄はあるらしい
それどころか天国もあるらしい、ただ物理的に上にあり下あるそうだ。
まぁそれはいい、つまりはしばらくここに滞在する事になるのだな?
分かれば話が早い、俺は出る。いつまでも迷惑は掛けていられない。悪魔にも良識はあるんだぜ?
「出るのは勝手だけど、外は危険よ?」
「危険?誰に物を言ってるんだ?」
「妖怪がうろついているもの」
「だが、迷惑はかけられないし普通の危険は安全だ」
「そう・・・そこまで言うのなら仕方ないわね、困ったらいつでも来るのよ」
「おう」
俺は来た道を優雅に戻った、ハエの姿で。
さて、この後はどうしようか・・・もしルシファーのやつが迎えにでも来たら一緒に地上で生活しようかな
いや、あいつが迎えなんて来ないだろう、まず俺が幻想郷とか言う所に来たことすら知らないし。
ここで生活するならやはり霊夢に頼るものありだが、これはプライドが許さない。
その頃霊夢はかすかな違和感を覚えていた。
「ハエの悪魔・・・妙に引っかかるわね」
「何がだぜ?」
霊夢は昔の記憶を辿った、魔理沙に付き合わされて行った紅魔館の図書館。
悪魔についての記述のある本を手に取った覚えがある・・・
ハエが関連する悪魔何か覚えがある、だがもう一歩足りないしどうしても思い出せない。
疑問を残したまま居るのも気持ち悪いので紅魔館へ行くことにした。
「ねぇレミリア、ハエの悪魔っている?」
「はぁ?ハエの悪魔?何それ」
「こう・・・ハエに変身できるやつ」
「あ~それ系統はパチェに聞きなさい、私は分からないわ」
このもやもやをさっさと晴らしたい、霊夢は早足で図書館へ向かった。
「あ~それ?それはベルゼブブよ」
「何その変な名前」
「こんな名前でも悪魔の中ではルシファーと同格よ、戦闘能力はそれ以上とされているわ」
「あれま、あいつそんなに凄いやつだったのね」
「凄いなんて言葉で収まればいい方よ、全く・・・この世界は次から次へと変な者が来るのね」
もやもやの晴れた霊夢はそれだけ聞くとそそくさと帰っていった。
自らの心配が杞憂に終わった事で気にする事もなくなったからだ。
霊夢が帰った後、一匹のハエが紅魔館の近くに来ていた。
「同族の臭いがする、魔理沙も同族だけど何か違う、これは間違いない」
ここで重要なのはいかに友好的に接する事が出来るかどうかだ、第一印象で躓いたら全て終わりだ。
まぁ雰囲気でなんとなく分かるけど、この中にいるのは相当な連中なのは分かる。
こーゆー相手に俺は強いんだぜ感を出してしまっては相手の神経を逆撫でしてしまう。
いかに平和的に友好的にかつ低姿勢で接する事が出来るかに重きを置こう。
「その結果がこれと言うわけね?」
「はい・・・面目ないです・・・」
結論から言うと、さっき言ってた事を実行しようと思ったらハエのまま行くしかないと思い。
建物に侵入したらハエ叩きでぶっ叩かれたって訳、すげー痛かった。あのメイドの腕力おかしいわ
一応いざこざが起きる事はなかったけど何か大切な物を失った。
元々一人でなんとかしようと思っていたのに同族の臭いに釣られた、不覚である。
ただ、この世界にも俺に似たものが居るのは確認出来たのでこれからの生活もマシにはなると思う。
そして、ここに寄って何かある訳でもないのではやいとこ退散させてもらう事にする
もし俺が幻想郷に長居する事になるのならばこれから何かしらの形でお世話になるのかもしれない
今日はその挨拶みたいなもんだ。
「くっそ、さっき叩かれたせいで背中の痛みが形容し難い物になったやがる・・・死ねるわ」
ただ、あのメイドだけとは友好な関係は築けそうにはない。
【蝿騎士団】
《ベルゼブブの作った騎士団、作中で語ったように全員が全員ハエではない
アスタトロ等はロバの姿でベルゼブブのそばに現われるといったコメントし辛い集団》
【ルシファー】
《サタンがまだ神様に逆らってない時の名前ルシフェルとも言う、元々は光をもたらす者(lux光fero運ぶ)という意味で悪魔や堕天使を指す固有名詞ではない。
ルシファー自体の意味は明けの明星といって金星の意味》
話の展開上史実の記載とは違う設定が飛び出す事もあります。
そこらへんはご愛嬌で
誤字脱字や用語の間違いなどのありましたらご指摘をお願いします。
確認次第修正します。