手柄は全て人に譲っていたら解雇されたので、僕は競合他社で働くことになった。なんか普通にやっていたらいつの間にかプロデューサーまで上り詰めてしまった。 作:主義
あの後、上司の話を聞いたことをまとめる。まず急な人事異動に関しては元々今の僕の仕事は仮だったらしい。
前職を加味してどの仕事を任せるのが一番いいのかを判断するのに時間が掛かってしまったが故に、急な人事異動になったと。
それならそうと言ってくれれば。ここに配属されたものと思っていた。
そこからは切り替えて統括マネージャーの仕事内容について聞いた。
ここでそこで聞いたことをまとめる。
●統括マネージャーは全マネージャーのTOPである
●タレントのメンタル・仕事管理に関して何かあればタレントと面談などして解決する方向に導く。
●マネージャーなどからの相談も全てを引き受ける。
●マネージャーに関する任命権も存在する。
●タレント全員が関わるような企画などは統括マネージャー主導に行われる。
軽く聞いただけでもこれだけある。
一番最後の『タレント全員が関わるような企画などは統括マネージャー主導に行われる』というのが一番キツイかもしれない。
この事務所でも全体企画のようなものは何度か行われている。その全てを僕が主導になって行わなければならないということだ。
他の四つに関しては理解も出来るし、仕事内容としてもそこまで難しくない。だけど最後の一つで全てが吹き飛ぶ。
さすがに断るわけにもいかない。
何より僕の前職でしていたことを踏まえると、こういう仕事を当てられるのがある程度分かっていた。
何より、今の自分がしている仕事よりも新しい統括マネージャーとしての仕事の方が前でやっていたことには近いかもしれない。
そして僕は承諾することにした。
というか、受け入れるしかないし。
―――
短い間だったけど、木山さんや他の方に挨拶を済ませてから移動した。
統括マネージャーとして仕事をするデスクに着いて思ったのは…なにこの部屋だった。普通、オフィスというのは複数の座席が存在するもの。
だけど、僕が統括マネージャーとして与えられたのは個人部屋。
マネージャーたちと連携が取りやすいように近い場所とかじゃなく、完全に僕一人の部屋だ。まさかこんな部屋を割り当てられるとは思っていなかった。
まずは統括マネージャーというポジションに付いた以上は挨拶を済ませないといけない。タレントとマネージャー陣の全員が使っているメッセージアプリケーションのグループで『今日から統括マネージャーという役職に就くことになった、三橋です。よろしくお願いします』とだけ送った。
タレント側も統括マネージャーという役職についてどれだけ理解しているのだろう。
上司の話では元々この役職はなく、僕の力を発揮する上でこういう役職があった方がいいだろうということで作られたらしい。
だからこんな挨拶をされても、タレントの方は困惑かもしれない。
新崎せれば「三橋さん、よろしくお願いします!」
土生「よろしくお願いいたします」
その後もタレントやマネージャーたちから挨拶が続いた。
これからまずはタレントやマネージャーとの信頼関係を築いて行かないといけない。統括マネージャーという役職だけでは何も意味がない。信頼を勝ち取り、いざという時にマネージャーにしろ、タレント本人にしても相談できる相手としてありたい。
もちろん、マネージャーとタレント間で解決できることはそれでいい。
でも、どうしてもそこだけでは収まらないようなことが起きた時に僕の出番だ。
まずは企画もそうだけど、同時並行でタレントやマネージャーと話す時間を設ける必要はあるかもしれない。
まさか…新しい会社に来て、こんな仕事を任せられるとは。