雑に大暴れ感
ドラム缶を手に入れる為、夜の港湾エリアに忍び込むRABBIT小隊。
それにオブザーバーとして追従するは、デブなマルコ先生。 護身用としてデブ化した拳銃(ヘビィマシンガン)とロケランを共にする。
「久々に分隊行動を取った気がするぜ。 最近は1人か2人で好きに暴れるスタイルでよ(デブ声)」
「その"スタイル"は何とかしてください」
体型をディスるミヤコ。
事実、デブマルコの動きは鈍い。 分隊行動をするRABBITからすれば足手纏い気味の"スタイル"だ。
マルコは最後尾からついていく形であり、分隊行動の内に入らない醜態を晒しているのだが、人数がバラけると見つかるリスクもある故に。
……最悪はマルコをオトリにして脱兎の如く。
「良いだろ? 俺は孤高の"ファルコン"だぜ」
「最初みたいに飛べないでしょう。 マルコ先生のコールサインは"スラッグ"で」
「良いぜ。 そのスラッグに2度も負けたラビットの腕前とやらを見せてくれ」
体型を弄られても煽り返すマルコ。 余裕の戦士だ、戦歴が違う。
ミヤコとしてはデブマルコの動きの鈍さと、乗り物のスラッグに掛けて言ってやった気分だったが、格の違いを見せられ、既に敗北気分である。
「……予定通り、ドラム缶を手に入れ速やかに離脱します。 キャンプRABBIT、港の警備状況に変更は?」
「シフトに変更は無いね。 今のところ予定のルートで進んで良いよ」
「分かりました。 では……」
「待て、なんでミヤコが当たり前に仕切ってんだ?」
作戦は始まってるのにサキが突っかかる。
グダグダっぷりは、マルコの失笑を誘った。
「私が隊長だからです。 それと作戦中はコールサインでお願いします」
「ちっ、それは事実だけどさ……隊長は学園にやれって言われたからだろ。 でももう学園は無いんだ、誰でも良いだろ」
「ではRABBIT2、指揮をお願いします」
「じゃ、じゃあ……」
刹那、足音が。
咄嗟に銃口を向けた先、港で働く従業員の姿が。
ロボ市民らしい。 眠そうな顔をモニター表示しながら、小言をブツブツと言っている。
「やってられねぇ。 うー、トイレトイレ……」
「ちょ、なんで従業員がこの時間に!?」
「あー……なんでだろうね? シフトには無いんだけどね?」
「そりゃあお前、サービス残業だの小便だので表の記録には出ない動きもあるさ」
「 RABBIT2、指示を」「あ、あわわ……」
いきなり想定外に見舞われる RABBIT。
マルコは現実なんて計画通りいかんのさとツッコミを入れつつ、皆の動きを見守るも。
「どうする……こんな時、教範には……」
暫定隊長のサキがモタモタしている間に、従業員が懐中電灯を照らし、見つかってしまった。
「な、なんだお前ら! 泥棒か!?」
「ええい、最大火力で正面突破だ!!」
「あーもう滅茶苦茶だぜ?」
結局ドンパチになるのであった。
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「バレちまったからには仕方ねぇ、デブ舐めずに飴を舐めろやオラァ!!」
マルコ、水を得た魚のように暴れ散らす!
デブ化したマシンガンからデブ弾が吐き出され、威力のある凄まじい弾幕が形成される。
「ひいいいい!?」「ぎゃあああ!!」
「な、なんだアイツ! 泥棒がここまでする?」
「港が海の藻屑なっちまうぞぉ!?」
夜の港に銃声と悲鳴があがる。
しかしマルコ、容赦しない。 やるなら徹底的にとばかりに今度はロケランに持ち替える!
ガチャ!!
"ロッケツランチャ‼︎"
「派手にぶっ潰れろォ!!」
バシュシュシュゥ!!
放たれるデブ化ロケット弾。
鉛筆型ではなく球体状で、飛翔速度はかなり遅い。 そのぶん誘導性能が高く、コンテナや船の影に隠れて撃ってくる警備員を確実に捉えて突っ込んだ。
ドカンドカンドッカァン‼︎
爆発に次ぐ爆発。 吹き飛ぶ警備とコンテナ。
波止場の倉庫に大穴が空き、貨物船が沈み、ガントリークレーンが倒壊。
コンテナヤードに積まれたコンテナが倒壊し、忽ち戦場と化した。
……マルコ先生、人を煽った癖に、キヴォトス以上に頭キヴォトスをしているかも知れない。
「ボムだ吹っ飛べ!」
マルコ、デブ化し球体になったボムを投擲。
漫画に出てきそうな、球に導火線が伸びたシンプルな見た目ながらしっかり爆発し、警備の群れを纏めて吹き飛ばしていく。
「目撃者を全員潰せばノーアラートだぜ!」
脳筋思考のマルコ。 最高にハイってヤツだ!
ハーバーデストロイ! ヘビィマシンガンを四方八方に撃ちまくる乱射魔と化した先生!
「おっ、アレはフォークリストじゃねぇか!」
壊れた倉庫の中に乗り物を見つけたマルコ。
なんて事はない、フォークリフトだ。
しかし過去の戦場で乗り回した経験があるがままに、マルコは飛び乗り、爆走させて前方のフォークを上下にガコンガコンと動かしコンテナや木箱を掬い上げ、盾にしつつ敵陣に突っ込んだ。
「こんなモンか。 良い汗かいたな……」
港が静かになる頃。
パチパチと燃える戦火の揺らめき以外、動くモノは見当たらない。
照らされるマルコは汗でテカッているものの、カロリーを大きく消費したようで、痩せて元の体型に戻っている。
……情報部特殊部隊スパローズに、ナディア・カッセルという18歳かそこらの若い女性隊員がいるが、モデル兼業であり、軍にはダイエット目的で入隊した。
遊びでやってるんじゃあ無いんだよ! と、どこかのヤバい少年が叫びそうな奴であるが、こうしてデブとスレンダーを短時間で行き来するメタスラの戦場やキャラはキヴォトスの特異現象より特異的かも知れない……?
「よぉし、これでゆっくりドラム缶探しができるじゃねぇか……ウサギはどこだ?」
一方、当人達はマルコをオトリにし、混乱の中でドラム缶を入手。
さっさと公園にずらかったのを知ったのは、日の出近くの時間になってからであった……。