『若者たちは神秘を胸に、情熱へと旅立つ』

 20歳にして単身渡英し、ラリー選手として輝いた藤原拓海。
 しかし、テスト走行中のマシントラブルにより重症を負い、リハビリを余儀なくされる。

 10年。拓海の失った時間は、ラリー選手としての生命を絶たれる量だった。

 ラリー選手としての未来を失い、途方に暮れていた拓海。空っぽの心のまま何気ない日々を過ごしていると、突然キヴォトスにて目を覚ます。

「嘘だろ……オレだけ、頑丈じゃない……?」

 銃弾飛び交うキヴォトスで拓海ができるのは、車を動かす事。
 それを『便利屋68』に買われた拓海は、便利屋専属のドライバーとしてひとまず過ごすことになる。

 ゲヘナのハチロク。

 その噂が広まることにより、キヴォトスにはカーレースのブームが訪れる。
 弾丸よりも速く、どこまでもストイックに。
 透き通るような世界で、一台の車が常識を置き去りにしていく物語。