死の旋風を纏うIS   作:ブランコ好き

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第4話

クラス代表決定戦の日がやってきた。

ゾロゾロとクラスのやつらがアリーナに集まってくる。

ギリは一夏に話しかける。

 

「お前、一度もアリーナを借りる様子はなかったがISにはちゃんと慣れたのか?」

「いや、俺は箒と毎日剣道の稽古してただけだな...どちらにせよ俺のISはまだ届いてなかったから実践はできなかったんだけど...」

「それでも動かす感覚を教えてもらうなりあっただろう...お前ら...何も考えてないってのがよくわかったぜ。」

「顔を逸らすな、箒。」

「仕方ないだろう...IS以前の問題だったんだ...」

「ていうかお前もお前だろうが...一夏。おい、目を逸らすな。」

 

ギリの言葉に2人揃って目を逸らしてしまった。

 

「ならお前の方はどうなんだよ?」

「そうだ。アスピスはちゃんとISを学んだのか?」

 

2人の問いにギリは自信満々に答える。

 

「当然だ。1週間欠かさず慣らし運転くらいはしたぜ?」

「それはそれでなんか不安になる気がするんだが...?」

「知識ならある程度は参考書で知ってるし、動かし方については体で覚えた方がいいと思ったからこうしたんだ。頭で想像して動かすものらしいからな。」

「お前色々考えてたんだな。意外だ。」

「お前らとは違うんだよ!」

「いちいち毒吐くなよなー!」

 

喋っている3人にセシリアが近づいてくる。

「あら?ちゃんと来ましたわね?まあ、逃げずにここにいらしたことは褒めてさしあげますわ。」

「そりゃどうも...」

 

そこで千冬が話し始めた。

 

「で、3人のうち誰が戦うか、だな。2連戦はできんだろうから今日は1試合だけだ」

「なら俺とセシリアが戦うべきだな。そもそも一夏、お前は一度もそのISに乗ったことがないんだろう。」

「まあそうだな。できれば俺は後回しにして欲しい。ってかお前、意外と気遣えるんだな!」

「うるさいっ!弱いやつをいたぶっても何にもならないってだけだっ!決してお前のためではない!」

(こいつ...ツンデレだったのか...?)

 

箒はそう考えて吹き出しそうになったが抑えた。

 

「決まりだな。双方、出撃準備に取り掛かれ!織斑、お前は別室にて待機だ!試合を見てしまっては不公平だからな。」

「あら?わたくしは構いませんわよ?」

「ハンデはいらないって言ったはずだ!」

「ふふ...後悔しても知りませんわよ?」

 

そう言ってセシリアはブルー・ティアーズの発進準備に取り掛かる。

 

「ギリ、お前も負けるなよ!応援してるからな!」

「余計なお世話だ。そんなものがなくとも勝てる。」

「素直じゃないなぁお前...」

「ちっ...さっさと別室に移動しろ!俺は出撃準備にとりかかる!」

「はいはい。」

 

ギリのクァバーゼも発進準備を開始する。

準備が整ったところで山田先生から通信が入る。

 

「えー、この試合の勝敗については理解していますか?」

「シールドエネルギーが0になった方が敗北なんだ...でしょう?」

「はい!前にやった模擬戦と同じです!準備は出来ましたか?では出撃してください!」

 

「ギリ・ガデューカ・アスピス!クァバーゼ!出る!」

 

既にセシリアの『ブルー・ティアーズ』は出撃していた。

 

「最後にチャンスをあげますわ。わたくしが圧勝するのは自明の理...今ここで謝ると言うなら許してあげないこともなくってよ?」

「貴様に謝罪する理由などどこにもない!」

「そうですか...なら...お別れですわねっ!」

 

先に仕掛けたのはセシリア。ブルー・ティアーズのライフル『スターライトMk-III』で攻撃する。

が、ギリはそれを回避し、ビームライフルを呼び出す。

 

「射撃は正確だが、それまでだな!」

 

エースパイロットにとって、正確な射撃というものは逆に軌道が読みやすいのだ。当てるのならば、逃げ場を失くす、虚を衝くなど工夫しなければならない。

ギリもライフルで応戦するが、セシリアもそれを全て回避。

 

「粒子ビーム兵器ですって!?」

「そんなこと気にしてる暇はないぜっ!?」

 

そう言いつつもギリは、ミノフスキー粒子がないように見えるこの世界でどうやって俺は粒子ビームを撃っているのだろう...などという疑問が浮かんだが、すぐに切り替える。

互いのレーザーとビームが空間を切り裂き合う。お互いにまずは小手調べといったところか。

 

「アスピス君、あんなに動けるんだ...」

「代表候補生とまともに戦ってるわね...」

「練習してた時もあんな機動はしてなかったと思うけど...」

 

観客席からその戦闘を眺めている人達は、まだISを起動して間もないにも関わらず当然のように全ての攻撃を回避するギリの様子を見て唖然とする。

 

「意外にやるようですね!ですが、そう来なくては面白くありませんわ!」

 

全ての攻撃を回避され、反撃されているというのにセシリアの余裕は崩れない。

 

「さあ、踊りなさい!わたくし、セシリア・オルコットとブルー・ティアーズの奏でるワルツで!」

 

セシリアは背部のビット型兵器『ブルー・ティアーズ』を展開する。

 

「ちっ!ファンネルかっ!?」

 

ティアーズは瞬く間にクァバーゼを取り囲み、射撃を開始する。

一瞬驚いたが、ギリにとって初見の武装ではない。

 

「大気圏内だろうと!そんなものが今の俺に通用するかっ!」

 

ギリは全てのレーザーを紙一重で回避し、接近してスネークハンドを振るう。

が、ビーム刃はギリギリで届かない距離だった。

 

「ふふふ...才能はあるようですが、やはりまだ乗りなれていないようですわね!」

 

セシリアはスネークハンドがこちらに届かないことを予測し、回避から攻撃に頭を切り替える。ティアーズをギリに近づけ、振り終わりの隙に最大出力の一斉射撃で終わらせるつもりだ。

だが、ギリはその状況にほくそ笑む。

 

「かかったなっ!」

 

スネークハンドがセシリアの眼前に迫った時、ビーム刃の部分が斬撃のように発射されたのだ。

 

「くっ...!?」

 

中距離格闘兵装と見ていたセシリアにとってそれは想定外。反応しきれず直撃し、絶対防御が発動。突然の奇襲でティアーズの制御もできなくなり、収束していたレーザーも明後日の方向にはなたれてしまう。

その隙を見逃すギリではない。

もう片方のスネークハンドで近づいてきていたティアーズを2つ同時に、素早く破壊した。

その様子を見ていた山田先生は感心する。

 

「凄いですねアスピス君...織斑先生との模擬戦のデータを拝見させて頂きましたが、あの特殊兵装をさらに使いこなしています...」

「元の世界では、あれがあいつの主武装だったんだろう。ピーキーな武装だが、間合いを感覚で理解しているように見える。」

 

「どうやらそのファンネルの制御には相当な集中力が必要なようだな!本体の動きが遅いんだよっ!」

「ファンネルなどという名前ではございませんっ!これはティアーズですっ!!」

 

ギリはビームライフルを連射して牽制。そちらの回避に追われて制御が弱まったティアーズをあっという間に破壊してしまった。

 

「終わりだっ!」

 

ギリはトドメを刺そうと接近してスネークを振り上げる。

 

「そちらも...かかりましたわね?」

「っ!?」

 

セシリアは隠していた2つのビットを素早く展開し射撃。

 

(こいつは避けきれんっ!)

 

初めてギリの顔が歪み、勝った...!そう笑みを浮かべる。

クァバーゼは動かない。大量のミサイルが直撃し、眩い爆発が辺り一面を照照らし、ギリを飲み込んだ...かに見えた。

 

「今の攻撃は悪くなかったぜ?」

 

が、ギリはまだそこに浮かんでいた。

 

「な...っ!?ちょ、直撃したはず...!?」

 

確かにレーザーはクァバーゼの胸部を誤差なく狙撃していた。が、ギリは避けきれないと悟った瞬間にスネークハンドのビーム・ソーを自身の胸部の前方に配置し展開。

それをビームシールド代わりにして防いでいた。

ミサイルの爆風は完全には防げなかったものの、軽傷で済ませたのだ。

ギリはまた余裕を浮かべるような表情に戻っている。

このままでは確実に負ける...!そう悟ったセシリアは賭けに出る。

とにかく今までとは違うことをしなくては...!とライフルを取り出した。

そしてティアーズと共に構える。

 

(ライフルとティアーズの同時攻撃には成功したことはありません...ですがもうこうするしか...!)

 

静かにトリガーを引いた。

 

「はああああっ!!」

 

追い込まれたセシリアは集中力が跳ね上がり、これまで以上のティアーズの制御と、ライフルの同時攻撃をやってのけた。

 

「ちっ!」

 

ギリは1度後退するも、すぐにレーザーが眼前に迫る。

多少驚いたが、カリストと比べれば生温い。ギリはスネークハンドを両腕に構え、動き出す。

ギリが選んだのは奇襲や予想外でもなく、牽制しながらの正面突破。本体にビーム・ソーの斬撃を飛ばしながら、背後を追いかけてくるミサイルを破壊しにかかる。

全ては破壊はできないが、ある程度セシリアに接近できたので、今度は直接本体を狙う。

今までとは単純に速度が違う一撃だった。

セシリアは反応を示し後退するも、ライフルが破壊されてしまう。

 

「う...!」

「しゃあああああっ!」

 

すぐにティアーズの制御を取り戻し、攻撃にかかる。

だが、死を運ぶ風は無慈悲に敵を飲み込んでしまうのだ。

ミサイルを放つ部分がスネークハンドによって切り裂かれる。

セシリアは一瞬反応が遅れたが、ミサイルの誘爆が起きる前にその部位を切り離した。

残り武装は近接用ショートブレード『インターセプター』のみ。

 

「さあ、お前とのワルツとやらもそろそろお開きの時間だ。」

「っ!インターセ...」

「させるかぁっ!」

 

またさっきのような奇襲が飛び出すかもしれない。そう思ったギリはセシリアが何かするより早く両腕のスネークハンドでトドメを刺した。

 

『試合終了。勝者、ギリ・ガデューカ・アスピス。』

 

最後の抵抗も叶わずに、試合終了の知らせ。

狙ってやった訳では無いが、ひとつずつ抵抗する手段を潰していってからのトドメだ。

試合会場は沈黙が場を支配していたのだった...




戦闘描写って考えてると楽しい。
でもこんな感じで問題ないんでしょうか。
セシリアのミサイルティアーズらしいので、ファンネルミサイルみたいなものか?と思ってそんな感じで書きました。まあどちらにせよ誘導はするでしょうけど
一応後の方でクロスボーンからも出していこうと思います。
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