「百合って聞くと間に挟みたくなるよねw」「分かる〜w」 作:超かぐや姫!沼から抜け出せない人
超かぐや姫のリバイバル上映を観てきました!Dolby Atmosで!音響神でした!
本当はultra 4DXでも観たかったんですけど、全くチケットが取れませんでした!皆さんは前もって予約してくださいね!(1敗)
今日も今日とて集まりたるは真実ちゃんおすすめのカフェ。と言いつつも真実ちゃんは集まってないんだが。だって『彩葉を護る会』の定例会だし。
今は芦花と二人でテーブル席を占拠し、いつも通りWeb会議で参加しているyachi8000氏と一緒に先日の彩葉ちゃん襲撃事件の撃退報告をしていたところだ。
「まーチャットで報告したしある程度は把握してると思うけどね。詳細はそんな感じー」
『お疲れ様、
「これもyachi8000氏の情報のおかげですなー。おかげでウチもラクショーよ」
「よし、夢魔から詳細な報告も貰ったし、前半で情報共有もした。今回はこんな感じかな」
「あいーおつー」
『(・ω・`)乙 これは乙じゃなくてポニーテールなんだからね!!』
「? お疲れ様」
「ふるっ」
あの大規模な襲撃の後は落ち着いているらしく、芦花やyachi8000氏からの情報も大したことがないものばかりだった。これなら片手間で処理できるな。
会議の方は報告と情報共有が終わったことで解散となり、yachi8000氏がクッソ古い掲示板ネタをチャットに残してから退席していく。
それ流行ったの軽く二十年以上前だろ…それで俺と同年代は無理があるってyachi8000氏。案の定というか芦花はネタが分かってなくてポカンとしてるし。当たり前なんだよなぁ。
「ねぇ、夢魔。大丈夫だったの? 撃退報告自体は聞いてたけど、三十人もいたなんて初めて知ったよ」
「ん? 大丈夫大丈夫、心配せずとも彩葉ちゃんには傷一つないよー」
芦花が心配そうな表情で聞いてくるが、その点は問題ない。一瞬だけ人質に取られてしまうという不覚はとったが、後で彩葉ちゃんに怪我がないことは確認している。
でも、確かに彩葉ちゃんを人質に取られるなんて考えてもいなかった。男には無敵な淫魔センサーを信じすぎたか? 女の子相手だと感知力の減少が著しいからな。男なら半径百メートル以内くらいでも色々分かるんだけど。
「まさか彩葉ちゃんが物陰で見てるとは思わなかったから一瞬だけ人質にされちゃったけど、どうにかしたよー」
「いや彩葉もそうだけど夢魔も……って、彩葉を人質にされた状態からどうにかしたって、まさか…」
ここで芦花は気づいたようだ。そう、いくら俺でも三十人を一方的に片付けるのはサキュバスの力を使わなきゃ不可能だ。そしてある程度以上の力を使うにはサキュバスの姿を晒さなきゃ出来ない。つまり…
「あ、うん。彩葉ちゃんにもウチがサキュバスだってバレちゃった。てへ☆」
「ええ?!」
「大丈夫。ちょっとは驚いてたみたいだけど、ウチがサキュバスだってことに対して特に思うことはないってさ」
「そっか…」
芦花がため息を一つ。そうだよね、こんなことで俺らの友情が壊れたらとか考えるとため息も出るわな。
俺も少しは、ほんの少しね? 関係が崩れちゃうかもとか思ったけど。そこは流石の彩葉ちゃんだった。天然ジゴロの人たらし。思わず俺もどきっとしちゃったよね。イケメンすぎた。
「あは、ウチはちょうど良かったかもって思ってるけどね。これからもずっと隠してるんじゃ、親友として後ろめたい気もしてたし」
「それもそっか」
「ウチもちょっとは縁切られちゃうかもとか思ったけどさ。そこはやっぱり彩葉ちゃんだったよねーって感じ」
「ああ、うん。想像つくかも。彩葉はちょろはでもあるけど、決めるところでは決めてくれるっていうか…」
芦花が自分に置き換えたのか、それとも以前同じようなことがあったのか、少し頬を染める。あぁ^〜これこれ^〜。
「そういうところも好きなんだよねー?」
「そうそう…って!! ち、ちが…」
「違うのー?」
「ちが…くもない、けど。それだけじゃないっていうか…」
「あは、かわいー」
「揶揄わないでよ…」
いやーほんとに恋する乙女は可愛いですなぁ。それが女の子に恋する百合娘なら尚更のこと。美味そう(涎)。
最近はかぐいろ優勢かと思ってたけど、やっぱいろろかも良いな…どちらも捨て難い良さがある。芦花は受け。間違いないね。
これはもう彩葉ちゃん百合ハーレム計画を推し進めるしか…近いうちに芦花と彩葉ちゃんを二人きりにしてデートさせよう。
百合ハーレム全員収穫という俺の夢を成就させるためにも、支援は惜しまないさ(クズ淫魔)。
芦花が机に伏していた顔をあげる。咳払いして空気を戻そうとしているが、頬が赤いのが戻っていませんぞ。
「ま、彩葉ちゃんだし言いふらすとかは無いでしょ」
「それは、そうだけど」
「大丈夫だってー。芦花と彩葉ちゃんが黙ってれば、ウチから
「…まぁ、夢魔が良いなら私から言うことは何もないかな」
芦花が一瞬だけ俺から視線を外す。え、何その間は。何かと思ったらちょうど店員さんが注文したケーキを運んできたようだった。なんだ。
俺は旬には若干早いモンブラン、芦花はチーズケーキを注文したのだが、芦花が両方とも受け取り、なぜか両方とも俺の方に置く。正確には、俺の正面にモンブラン、そして俺の少し横にチーズケーキ。
「? このチーズケーキって芦花のやつでしょ。ウチ、二個も要らないよ?」
「知ってる。だから、それは言いたいことがありそうな子に私からあげる分ね」
「へ…?」
芦花が視線を向けた方を見てみると……そこにはめちゃくちゃ満面の笑顔で佇む真実ちゃんの姿があった。
ひぇっ…全然気づかなかったゾ……てかさっき芦花が明後日の方を向いたのは真実ちゃんを見つけたからか! 言ってくれよ!!
真実ちゃんは真実ちゃんで、笑ってるはずなのにすげー怖い。なんか顔の上半分が暗くなってる気がするし、ゴゴゴゴゴ…みたいな効果音が聞こえる。
「あ、あは…一体いつからー?」
「ん〜? 彩葉に夢魔がサキュバスだってバレたって言ったところからかな」
「ほぼ全部じゃーん…!」
真実ちゃんが俺の横の席に座り、チーズケーキにフォークを突き立てて丸齧りする。行儀悪く二口でケーキを食べ終え、さらに俺の頼んだモンブランも一瞬で喰らい、半分ほど残っていた俺のアイスコーヒーを一息で飲み切る。
やばい、これまでに見たことがないほどめちゃくちゃ怒ってる…こんなに雑にスイーツを消費している真実ちゃんなんて初めて見た。大丈夫か俺、もしかして今日で死ぬ?
「あ、あの、真実ちゃん…?」
「ほら、夢魔の秘密について黙ってたのは私も一緒だからさ…」
つい声が震えてしまう。こ、怖いっピ…。芦花も援護してくれそうな雰囲気だが、いつの間にか真顔になった真実ちゃんが怖すぎて二の句が出ない。
いや真実ちゃんが怒るのも分かる。俺たちは彩葉ちゃんを含めて四人で親友だ。少なくとも俺はそう思ってる。それなのに、自分だけ除け者にされて他の三人だけが知る秘密とかあったら…ねぇ?
いや俺はちゃらんぽらんで口軽そうだから俺には秘密にしたいこともあるだろうが…真実ちゃんはそうじゃないはずだ。もし俺が普通の女子高生で、真実ちゃんの立場だったら怒りたくもなるし、泣きたくもなると思う。
こうなればもう俺にできることは謝罪しかない。いざとなれば土下座も辞さない…! 土下座しろー!百合中ー!ぐおおおおおおおおお!!!
「その、偶然とはいえ、仲間はずれにしてごめんねー…」
「許す!」
「本当に…え?」
「というか別に怒ってないよ。夢魔の話が本当なら隠して然るべきだし、そもそも私も盗み聞きしてたわけだし」
偶発的な事態とはいえ、俺が全面的に悪いので平謝り…と思ったのだが、一言目を言った瞬間に真実ちゃんが赦免を宣言した。本当に? さっきまでめちゃくちゃ怒ってそうじゃなかった??
てか怒ってなかったなら何で俺の分のケーキ食べたの? と思って真実ちゃんを見ると、スー…と目を細められた。あ、これが慰謝料代わりってことっすね。理解しました。ナマ言ってすみません、ハイ。
真実ちゃんが口を軽く拭いて俺に向き直る。確かに、怒ってはいなさそうな表情だった。
「もちろん少しは思うところもあるよ。でもさっきも言ったけど、隠して然るべきだからね。本当のことなんでしょ?」
「うん。ほら…」
「おわーすご。よく見せてー?」
俺が目の色を一瞬だけ変えて見せると、真実ちゃんは俺に顔を近づけて間近で見ようとする。ちょ、近いっす。真実ちゃんは可愛いんだからもう少し気を付けてもろて…もし真実ちゃんが百合娘だったらチューしてたぞ。
「ほら、夢魔が困ってるよ」
「あ、ごめんごめん」
「あは、大丈夫だよー」
と思ってたら芦花が真実ちゃんを引き離してくれた。サンクス。
何というか彩葉ちゃん相手の時もそうなんだが、女の子のお願い事は断りにくいというか…抵抗する気がなくなってくるというか…何だろうね。不思議だ。
てか目の前で変身した芦花と彩葉ちゃんは兎も角、真実ちゃんはやけにあっさり信じてくれたな。目の色を変えるだけなんて手品でもできると思うが。もしかして真実ちゃんは騙されやすいのか?心配になるな…
「真実ちゃんもあっさり信じてくれるんだねー。こんなの手品でもできるよ?」
「んー…何というか、ありそうだなーって」
「え?」
「だって、そういう事情がないと夢魔が男漁りする理由ないよね? 配信でふじゅ〜投げられまくってるからお金には困ってないし」
「そこはウチが男好きとかさ」
「いやそれは一番無いよ〜。だって、一緒にご飯に行ったときも、男の相手して帰ってきたときは凄い不快そうだったじゃん」
お、おおう。そんなところまで見られていたとは。もしかしてこの子俺のこと好き…? いや真実ちゃんは彼氏いるしありえんが。
「よ、よく見てるねー…」
「あ、照れてる。かわいー」
「夢魔の照れ顔いただきー」
「ちょっとー!」
芦花まで乗っかってきた。くそ、さっき揶揄ったやつのお返しですか? やめろその術は俺に効く。俺は攻め専のはずなのに…! 少なくとも芦花は受け専のはずなのに…!!
「さて夢魔を揶揄うのはこのくらいにして。真実は注文いいの?」
「そ、そうそう。別にウチらを追いかけてこのカフェに来たわけじゃないんだろうし、なんか食べたいものがあったんじゃ?」
「ああ…そうだね〜。元々、ちょっと冷静になりたくてどっかカフェでもって思って来たら芦花たちを見つけたんだった」
「慰謝料ってことで、真実ちゃんの分は奢るよー」
「え、本当? やったー、今月ちょっと厳しかったんだよね。すみませーん」
真実ちゃんが店員さんを呼び止めて注文を始める。俺も真実ちゃんに喰われた分のモンブランとコーヒーを頼み直そうと思ったんだが…真実ちゃん? いつまで注文してる気だい? 聞き間違えでなければ既に三回は「パンケーキ」の文言が聞こえたぞ。
「こんなもんでー」
「…夢魔、お代大丈夫? 私もちょっと出す?」
「んー、まぁ多分平気? 今月結構配信してるから、養分どもからのふじゅ〜が月末に入るし」
「ああ…夢魔の濃いファンね…」
かぐやちゃんと彩葉ちゃんの護衛をしている分、遠出して吸精できないのでその分をカバーしようと今月は結構配信している。そのおかげなのか、それともヤチヨカップ効果でファンが増えた結果なのか、いつもよりだいぶスパチャが飛んでいる。おかげで財政状況はかなり余裕があるのだ。
総額が余裕で渋沢一人じゃ収まらなそうだが…ありがとうふじゅペイ。ありがとう月見ヤチヨ。おかげで働かなくともやっていけてます。養分どもは…どうでもいいか。
「まぁ夢魔が大丈夫ならいいけど。それで、冷静になりたかったって、昨日の?」
「そうだよー! ど、どうしよう芦花、夢魔!」
「そんなに緊張することかねー? たかが一ライバーだよー?」
「たかが!? ファン数一千九百万人、天下の黒鬼だよ!? 帝様だよー!? そんなお方と対面するなんて…あわわわ」
先ほどまで俺たちをビビらせていた女傑とは到底思えない狼狽ぶりに思わず芦花と二人で笑ってしまう。おもろ。
昨日の夜、かぐやちゃん宛に来た一通のメッセージがこの真実ちゃんのあわてぶりの原因となっている。何とファン総数ランキングトップにして、ヤチヨカップの新規ファン獲得数でもトップを走っている
『みんなのために、わんわんお! ヤチヨカップ公式実況担当、忠犬オタ公でーす!』
かぐやちゃんが表示しているモニターの画面から忠犬オタ公ちゃんの特徴的な声が聞こえてくる。彩葉ちゃんは芦花と静かにお喋り、真実ちゃんは釣り、俺は溜まったスパムブロックと周りにいる人間が静かにしているから余計に忠犬オタ公ちゃんの声が響くな。
『ではでは今週もトップスリーの発表…と行きたいが、三位は公序良俗の観点から画面には出せないと判断しましたので、省略させていただきます。では第四位、癒し系アイドル…』
いったい三位は誰なんやろなぁ…てか公序良俗に反してるとか言われたんだけど。俺の趣味だと思われてるとしたらギリ名誉毀損にならないか?
あれデフォルトアバターだし、設定したの俺じゃないからね? もう月見ヤチヨを訴えるしかなくなっちゃったよ…。まぁ面倒くさくて変えてない俺も悪いんだが。
ちなみに忠犬オタ公ちゃんは公序良俗の観点からとだけ言ったけど、一応俺にも出せなくて申し訳ないって連絡来てます。律儀だねほんと。
NEWS TSUKUYOMIをやってるライバーとして人気もあるし、公式実況者ってことでランキングから除かれてなかったらこの子が一位もあったんじゃないか?
「いやー黒鬼強いねー。これはこのまま決まりかなー?」
「そう? かぐやちゃんもファン百万人超えてるし、何かあれば超えられそうだけどー」
「むむ…でも帝様にも勝ってほしいし…」
真実ちゃんの言うように、今のところはまだ黒鬼がだいぶ優勢である。ただ、ヤチヨカップ前から既に多くのファンを抱えている黒鬼とヤチヨカップからライバーを始めたかぐやちゃんでは、ファン一人当たりの獲得難易度に差がありすぎる。それでも何も文句を言わずに、かつトップを取っている黒鬼はやっぱ凄いんだが。
「真実の裏切り者ぉ」
「一応、かぐやも二推しで推してるよ?」
「やだー、かぐやだけにして!」
バスタオル一枚の姿で風呂に入っていたかぐやちゃんがモニター画面を消して吠える。まぁ真実ちゃんは黒鬼結成時からのファンらしいし許してあげなよ…。代わりに俺が二人分推してあげるから。
「ウチはかぐやいろPだけ推してるよー」
「ありがとー! 夢魔大好き!!」
「ウチも大好きー」
「でもそう思うならその順位をかぐやによこせー!」
「難しいなーそれは」
さっき忠犬オタ公ちゃんが言ってたけど、かぐやちゃんの勢いも衰えていない。猛追と言えるレベルでファンを増やし続けていて、現在のランキングは13位。もうひと押しあれば逆転も見えてくるんだけどね。
で、なんか知らんけど俺もランキングに食い込んでるんだよな。何で? ウケる。
「くっそー、帝出てこい! 勝負しろ!」
「あ、それいいんじゃない? かぐやVS帝でゲーム対決ってのは?」
「さっすが芦花、それだ!」
いい案ではあると思う。それをするメリットが帝側に無いってことを除けばな。かぐやちゃんが売れて来ているとはいえ、ツクヨミの中ではまだまだ新人。人気も実力も差がある。かぐやちゃんが申し出ても向こうは受け入れてくれないかもな。
とか考えていると俺のところにメッセージ。なんだ、またスパムか? 最近多いんだよな。あと養分からの怪文書とかも。そっちは面白かったら配信で晒しているが。
っと、これは…
「無理に決まってるでしょ。受け入れてくれるわけないじゃん。向こうはトッププロゲーマーだよ? 格が違うって」
「だってぇ〜! ヤチヨカップ終わっちゃうよ? 迎えがくるかもしれないし〜」
「来るなら早く来てくれ〜、連れて帰ってくれ〜」
「あ、いじわるゆってる!」
これでよし。ん? 彩葉ちゃんがかぐやちゃんに帰れとか言ってる。絶対嘘だゾ。いや絶対ってことはないかもしれんが、八割嘘であることは間違いない。
だって最近俺の勘が、彩葉ちゃんとかぐやちゃんの仲が深まってきてるって言ってるもん。今本当にかぐやちゃんが帰ったら多分彩葉ちゃん泣くぞ。ついでに俺も泣く。
そして、かぐやちゃんの事情を知らない芦花や真実ちゃんの前でそれを言うのはちょっと迂闊じゃないか?
「そうだねー、家出状態だからねーかぐやちゃん」
「そうなんだ。やっぱ迎えって築地から?」
「もしご家族が来たら美味しいお鮨教えて貰わなきゃ〜」
「ウチが今度路地裏の寿司屋連れてってあげるよー」
ぎく、みたいな顔をして焦ってる彩葉ちゃんをさりげなくフォローし、視界の隅で俺に手を合わせて謝ってくる彩葉ちゃんに軽く手を振る。好感度稼ぎは地道にね。
「わ、びっくりした! ……え、これって」
そんな中、誰かからのメッセージを受け取ったかぐやちゃんが、その内容を読んで目を輝かせていく。そしてニヤニヤと笑いながら彩葉ちゃんに近づいていった。
「彩葉言ったよね? プロゲーマー様は格が違うって……じゃーあ断れないよねー! 格上のプロゲーマー様からの挑戦は!! 大物釣れたあ、よっしゃー!」
「終わった…」
どうやら帝アキラから、KASSENで勝負しないかという提案が来たらしい。面白いことに余念がない黒鬼らしい行動とも言える。黒鬼はトッププロゲーマーでもあるし、ツクヨミ盛り上げガチ勢でもあるからな。
どうやらわざと黒鬼の情報を絞ってかぐやちゃんに伝えていたらしい彩葉ちゃんは魂が抜けたような顔になっている。なんかぬとねの区別がつかなそう。おもろ。
そんなことがあったのが昨日。
で、ヤチヨカップ最終日である明日、かぐやいろPと黒鬼がKASSENで戦うというわけだな。
問題なのはKASSENには三つのモードがあり、今回の挑戦で使われるのが十中八九、三対三の陣取り合戦であるSENGOKUモードだということ。
黒鬼は三人組なのでそのまま出てくればいいが、かぐやいろPは二人組なのでもう一人誰か必要なのだ。で、彩葉ちゃんが選んだのが…
「帝様と戦うだなんて〜!」
「そんなに嫌なら私が出ようか?」
「それはもっと嫌! こんな名誉なこと、いち仔兎として受けるしかない…!」
帝アキラの熱狂的ファンである真実ちゃんである。芦花も真実ちゃんもKASSENはエンジョイ勢だが、実力的には真実ちゃんの方がちょっと上だ。
てかもし彩葉ちゃんが指名しなかったとしても真実ちゃんが立候補していただろう。そりゃ合法的に推しと同じ舞台に立てるなら出来る限りのことはするよね。
「てかこんなとこで油売ってる余裕なくない? かぐやちゃんたちと動き合わせなくていいのー?」
「それは夜に約束してるから。今は精神統一の時間…!」
「そう言いながら食べる手は止めないの、真実らしいよね」
いつの間にかテーブルに所狭しと並べられたスイーツの皿を次々と空にしていく真実ちゃん。いい食べっぷりだな本当に。俺は見てるだけで胸焼けしそうだよ…
そんな真実ちゃんを横目に、俺は昨日のメッセージを確認した。
【Black onyX 帝アキラ さんからのメッセージ
UMA2 様
突然のご連絡、失礼致します。
早速なのですが、UMA2様にご提案したいことがございます。
UMA2様は、かぐやいろPチャンネルのお二人を応援していらっしゃると伺いました。本件はそれに関連いたします。
もしUMA2様が私どもの提案をお聞きくださるなら、かぐやいろPチャンネルとゲームで直接対決したいと考えております。
提案の内容ですが、私たちがかぐやいろPチャンネルとKASSENにて勝負を行い、勝利しましたら、UMA2様に勝負を挑みたいと考えております。
例のシーズン、最後の試合以外でUMA2様がチートなど使用していなかったということは、私はもちろんのこと、他の上位プレイヤーも皆さまがご存じのことです。
UMA2様が汚名返上の機会を欲している訳ではないということは、私どもも重々承知しております。
しかし、身勝手な理由で申し訳ないのですが、私どももあの結果に納得できないのです。
どうかご検討の程、よろしくお願い致します。
Black onyX一同
P.S.
アンタは強かったが、今は俺たちの方がもっと強い。だから安心して勝負を受けな。
誰もアンタに勝てないなんて、そんなことはないんだって俺たちが証明してやる】
…ま、ランクマに行く訳じゃないし。
これでかぐやちゃんたちの役に立つなら、たまには一試合くらいやるさ。そもそもかぐやちゃんたちが帝に勝てばいい話だしな。
このチャンスを活かして、ぜひ帝に勝ってそのままヤチヨカップを優勝してほしい。百合の花を咲かすためにもな。
さて、色々と…
「…期待してるよー」
「夢魔、なんか言った?」
「ううん、なんにもー」
てかトリノコシティの原曲が出たの16年前とか言われたんですけど流石にガセですよね?信じられません。泣きました。