「百合って聞くと間に挟みたくなるよねw」「分かる〜w」 作:超かぐや姫!沼から抜け出せない人
淫魔アイ:黒白眼。光線とか出る。
淫魔イヤー:ちょっと尖ってる。地獄耳。
淫魔センサー:高感度。近くだと魂の形まで分かる。
淫魔ウィング:大きさの割に大して飛べない。
淫魔ホーン:めちゃくちゃ硬い。性感帯。
淫魔テール:性感帯。
最近、彩葉ちゃんとかぐやちゃんの距離がどんどん縮まっていると感じる。
「彩葉ー」
「なに?」
彩葉ちゃんに精神的な余裕が生まれているのか、かぐやちゃんと出会ったばかりの頃のようにかぐやちゃんを邪険にすることなく、ちゃんと構ってあげていることが多い。
二人が一緒にいるときに彩葉ちゃんはかぐやちゃんのことを目で追っているし、何より、ふとしたときの笑顔が増えた。良い傾向と言える。女の子は笑顔が一番だよ、うん。
多分だけど、これまで彩葉ちゃんはかぐやちゃんのことを手がかかる
「えへ、呼んだだけ」
「全く…」
もちろん、普通ならそのまま関係は進まないし、行っても家族止まりだろう。しかし彩葉ちゃんもかぐやちゃんも普通ではない。彩葉ちゃんは百合ハーレムの王の素質を持っているし、かぐやちゃんは最初から彩葉ちゃん大好きな上に傾国レベルの美貌と距離感バグの持ち主。
これでナニも起こらないはずは無いよなぁ!?
そう思って俺も邪魔しないように定期的に家を空けているのだが、まだ何も起きていなさそう。二人が
くそ、じれったい! でも女の子相手じゃサキュバスのやらしい雰囲気にする術が効かねぇ!!
ほんと肝心なときに役に立たん能力だ。さっさと男体化したい。そしてインキュバスになって二人をやらしい雰囲気にさせたい。
「ここムズすぎー。ヤチヨのやつ、自分はAIだからって…」
「あんまり根詰めないようにねー。はい、お茶」
「さんきゅ!」
そんな二人が家で何をしているかといえば、月見ヤチヨとのコラボライブの練習である。時間もあまりないし、ここ数日は暇なときはライブの振り付けの練習をしているっぽい。
夏休みが終われば学校も始まるし、彩葉ちゃんもかぐやちゃんのサポートはできなくなる。それもあって、彩葉ちゃんは結構張り切って練習しているようだ。神推しである月見ヤチヨと一緒にライブできるというのも大きいか。
「ありがとね、
「いいってー、このくらいしかウチは手伝えないからさー」
ちなみに、振り付け部分はかぐやちゃんのほうが苦戦している。彩葉ちゃんは伴奏なので動きが少ないというのもあるが、単純にかぐやちゃんの振り付けが難しいのだ。月見ヤチヨも結構スパルタだな。
これに関しては俺は手伝えないし適度に家を空ける理由にちょうど良かったんだが、肝心の関係がゆっくりとしか進行しない。どうなってんだよ…。もっと(恋愛的な意味で)熱くなれよ。八月だぞ今。
で、二人がそんな感じで忙しそうにしているし、俺はエネルギー収集に勤しんでいるのだが、相も変わらずクソ不味い例の液体を連日摂取するのも結構辛い。何でわざわざ飲んでいるのかといえば、その方が吸収効率が良いからだよ。死ね邪神(直球)。
というわけで久しぶりに配信することにした。ヤチヨカップの最終日以来配信してなかったから一週間ぶりくらい? 安定の低浮上である。
効率で言えばそんなに良くないが、配信は狩りよりも楽だしな。あとたまにやっとかないと露骨にファン人数減るし。いや
そういえば、この前見てみたらファン人数が四二〇万人まで増えていた。
あ、ヤチヨカップの最終順位は三位だったっぽい。なんかごめん。今度テレリリ・ティートテートちゃんとか湯雲ぬくみには謝っとこ…
んで、配信画面を開いたのだが。
「お
俺たちのUMA2が…
かぐやに毎晩抱き枕にされている女
クソクソクソクソ
あああああああああああああああああ!!!!!!!
ヤチヨカップで負けた上に優勝者に食い物にされた大物ツクヨミライバー
消えろクズ女
UMA2の喘ぎ声ボイス販売してください
いやああああああああああああああ僕のかぐやちゃんがああああああ
真の清純系ライバーいろPを解放しろ
「またこの流れー? ウケるんだけど」
なんか一ヶ月前くらいにもみたような阿鼻叫喚のコメント欄になっていた。おもろ。
とはいえ、同じ流れにすることに養分どもも飽きていたのか、前とは違いすぐに荒らしは消されていく。
「なにー、またかぐやちゃん?」
この前の配信でUMA2と一緒に引っ越したって言ってた
前は近所だったけど今は同棲してるって
うわぁ急に落ち着くな!
同棲って単語を言わせたのはお前らだろ…
引っ越しはそもそもマナー悪い特定班のせいだろうに
で、なぜかかぐやいろPじゃなくてUMA2のSNSが炎上した
全然気にしてなかったけどいつの間にか俺のSNSアカウントが若干燃えてたらしい。そしていつの間にか鎮火していたと。まぁ荒らしても反応しなかったらすぐ落ち着くことが多いよね。
火消ししたのは養分たちだろうな。でも多分そもそも炎上を煽ったのも養分だなこれは。マッチポンプかよ。俺は優しいから察しても言わないでおいてやるが。
「かぐやちゃんに何言わせてんのー…てか、ウチが燃えてたの? まー普段の素行かー」
普段の配信内容が内容だしな…
残当
UMA2よく燃える
燃えて荒らされて話題になって新規が来て沼に落とされるまでが一連の流れみたいなとこある
可燃物UMA2
韻踏んでんじゃねーよ
「URLありがとねー。確かに、なんかめっちゃファン増えたよね。コメントにも結構新規とかいるのー?」
VS黒鬼のKASSENから
新規です! 声可愛いですね!
沼底から見上げてる奴がなんか言ってる
なんか埃臭い新規もいますねぇ
初見がいきなり二万ふじゅ〜も投げるわけないんだよなぁ…
またKASSENやらないの?
おお、出るわ出るわ初見コメント。俺が言うのも何だけどこんな配信に時間割いて大丈夫か? 特に面白い配信とかしてないが…
KASSENを希望するコメントもあるが、正直やっぱりあんまり乗り気じゃない。黒鬼に負けたとはいえ、あんなメチャクチャな作戦ができるのは彼らくらいだろうし。そうなるとまた無双状態になっちゃうからね。ガチ勢に悪いよそれは。
おい新規じゃない奴が新規ぶってるコメあるって。その名前見たことあるぞ、古参養分だろお前。数分間コメ入力不可の刑な。
「おー初見さんたちよろしくー。KASSENは気が向いたらね。で、件の動画は…これか」
『最近引っ越したんだ! もちろんいろPも一緒だよ。あとゆまも。え? 違う違う、同じ部屋に引っ越したの。だから一緒に住んでるよ?』
スキャンダルだろもう
3Pって…コト!?
ついに女も食い始めたUMA2
また誤解を生みそうな発言を…まぁ同居自体は事実だけどね。あ、配信部屋に来た彩葉ちゃんに殴られてる。そりゃそうだ。
でも個人情報を流出させたわけじゃないしそんなに怒らなくても…まぁプライベートを思いっきり見せてはいるが。
『夢魔はお姉ちゃんみたいなもんだし。え、いろP? いろPはねー、えへへ……いってー!?』
『勝手に人のプライベートを明かすな!』
「なんかウチってかぐやちゃんから生活をリークされてること多くない?」
かぐやに投げろよ…
かぐやにはもう上限まで投げた
ゆまって雑談する割にはどんな生活してるか分からんかったしな
俺の配信って猥談ばっかだしな。最近はかぐやちゃんとのコラボ動画とかもやったけど、確かに自分の生活環境をみんなに見せるようなことはほぼしたことないかもしれない。
精エネルギーを集めるには性的な話題でリスナーを興奮させた方が効率いいしな。思わぬところで興奮してるやつとかもいるから一概には言えないんだが。
てか夜の性活って何だよ。お前ら百合アニメの見過ぎだよ。(まだ)何もないし、何かあるとしたらかぐやちゃんたちが先だよ。
もちろんかぐいろが完成したら俺も頑張る予定ではありますが笑。まぁそうなってもわざわざファンどもに明かす理由はない。
「童貞キモ百合豚オタクのお前らに現実を見せるようで悪いけど、普通にルームシェアしてるだけだよー」
びっくりした、急に罵倒されたかと思った
されてるぞ
それを信じると思うか?
ネタは上がってんだよこっちは
間抜けは見つかったようだな
「えー? 何言って…」
『彩葉だって夢魔と一緒に寝てるじゃん!』
『そ、それはベッドが一つしかないからで…』
『じゃあ、たまに後ろから夢魔にくっついて寝てるのは?』
『何で知って…!? そ、それ言うならかぐやの方がしょっちゅう夢魔に抱きついてるじゃない!』
『夢魔は彩葉と違って全身柔らかいから気持ちいいんだよねー』
「あー…」
Foooooooo↑
いろP…さてはむっつりだな?
朗報:UMA2は全身柔らかい
流石にこれは迂闊だったな彩葉ちゃん。適当にスルーすりゃよかったのに。こんなこと言ったらそりゃオタクは盛り上がっちゃうよ。
概ね事実だから否定もしづらいんだけど、一つだけ言うとしたらかぐやちゃんと彩葉ちゃんは俺じゃなくてお互いを想ってるってことだな。そんなデリケートな話題に触れるわけもないが。
あと何で俺が受けなの? 我サキュバスぞ? 攻めに決まってるんだよなぁ。ファンと解釈違いを起こす日が来るとはな…
「ウチの私物のベッドがめちゃ大きいからみんなでそこで寝てるってだけなんだよねー」
まぁUMA2から確信を得られる発言が出るとは思ってない
意外と隙がないからなゆまは
でも妄想するのは自由だから
男だったら営業の百合じゃないと信じたいもの
そもそも何でそんなにベッドが大きいんだ…?
急にマジレスすんなよ興奮するだろ
きっしょ
「てかウチは散々男食ってるって話してるのに百合の希望見出してんのウケるね笑」
煽ってきやがる
こいつ…!!
もう許さん
この煽りがだんだん気持ちよくなってくる
脳破壊系サキュバス
興奮してるやつらが多くてエネルギー収集的には何よりだよ。ただ、煽られて気持ちよくなってるやつは日常生活大丈夫そう?
初見の人たちはドン引きしてるが、悪いけど毎回こんな感じだよ。まぁ何故かファン登録解除する人はあんまりいないけど…
結局、かぐやちゃんの問題発言切り抜き同時視聴はかなり盛り上がった。みんな百合の話題好きだね。俺も好きだよ。
あとは彩葉ちゃんたちのコラボライブの宣伝でもして終わるかな。
「みんな知ってるとは思うけど、月末にかぐやちゃんといろPちゃんが月見ヤチヨとコラボライブやるから見てねー」
会場のチケット落選しました…
倍率20倍とか当たるわけねーべや
ライブビューイングで妥協
当たらないっす
おいこのタイミングで宣伝するってことはライブ後までもう配信しないつもりか???
あと一週間はあるんですが…
「あ、そんな倍率高いんだ。ウチはかぐやちゃんから貰ったからさー」
は?
許せねぇ
てめーふざけんなよ
これはギルティ
同棲の話題とかどうでもよくなるくらいの爆弾発言キタ
リア友ずるすぎる
そのチケットをこっちによこせ 全部だ
許されるわけないんだよなぁ
キレちまったよ…SETSUNAいこうぜUMA2
「んじゃ、ウチこの後用事あるし配信終わるねー。みんなライブ見ろよー、お2ー」
ざけんなよビッチがああああ
逃げるな卑怯者! 逃げるなあああああ!!!
久々に養分たちの気持ちが一つになった瞬間である
この煽りだけは許されない
おい本当に終わりやがった
お2ー
低評価した
ガキが…舐めてると潰すぞ…
失望しましたUMA2のファンやめます
羨ましすぎる
通報しました
見ろよーじゃねーんだわ、見れねーんだわ
その後芦花とのいつもの会議を終わらせて帰ってきたら俺のSNSがめっちゃ燃えてた。うける。
嫉妬に駆られたオタクどもは醜いねぇ…かぐやちゃんには見せたくないもんだ。
そしてやってきたコラボライブ当日。
煌びやかなステージでかぐやちゃんと月見ヤチヨが歌い、彩葉ちゃんがキーボードを鳴らして踊る。
『今は昔 誰もが知る物語──』
前にかぐやちゃんのソロライブを見たが、これは別格というか…想像以上だ。夢中にさせられる。
ツクヨミのVR技術に加え、月見ヤチヨが場の空気に合わせて演出を変えているように見える。かぐやちゃんのアドリブダンスにも乗り、さらには彩葉ちゃんに絡むことで注目を集めてその魅力を曝け出す。
正直なところ、俺は圧倒されていた。もちろん、演出とかライブそのものが凄かったからというのもある。
けど、そうじゃない部分で俺は
『誰かの書いた お話じゃない ここにいる キミと私』
(なんか…月見ヤチヨから彩葉ちゃんに向けてものすごい感情が発されてないか??)
この前のヤチヨカップではそんなに感じなかったのだが。まぁKASSEN時には俺は会場にいなかったし、結果発表の時は月見ヤチヨが近くにいなかったからかもしれない。
え、なに、彩葉ちゃんはついにAIに感情を覚えさせることにまで成功したの? その上で自分に惚れさせたの???
百合ハーレムの王は存在しているだけで相手を百合に落としてしまうのか…流石だ、格が違うな。
『懐かしいような 初めてのような そんな歌だ これは』
あ、月見ヤチヨがこっちを見た。せっかくなので俺も手を振る。
これは知ってるぞ、アイドルとかがよくやるパフォーマンスなんだろ? ステージ全体をゆっくり見回すことで、「目が合った」と錯覚させる技法ってやつだな。スポットライト効果だっけ。
『キミと今見てるこの景色 何億回思い出したろう』
まぁこの会場に来てるファンなんてごまんといるんだ。普通に考えて、その中で一人だけを狙って見るなんてことができるはずがない。まして俺が月見ヤチヨのライブに来るの初めてなのだ、顔を覚えられているということはないだろう。
あ、今度はウインクされた。もしかしたら、VRであることを活かして映像として全員にウインクしてるように見させてるのかもな。さすがツクヨミ、サービスレベルが高いぜ。サイリウム振っとこ。
『EX-Otogibanashi!』
新曲に入ってから薄暗い場面もあったのだが、人物の姿はしっかり見えるようになっている。これどういう技術なんだろうな。EXの文字がかぐやちゃんと月見ヤチヨの目に浮かんでいるところまではっきり見えたぞ。すごい(小並感)。
そして、同じ部屋に住んでいる者の特権として、配信部屋からかぐやちゃんたちの声が聞こえてくる。これは俺の淫魔イヤーもあってのことだけど。
ふはははは! 羨ましかろう!! 歌声どころか息遣いまではっきり分かるわ! イヤホンじゃなくてスピーカーにした甲斐があったぜ。
『きっと永遠だった 逢いたいと願うまで そうよ 私』
『そんな おとぎ 話──』
えええええもう終わっちゃうのか…これが本物のライブ、度肝を抜かれた気分だ。
そして会場で爆発的な歓声が起こるのと同時、配信部屋の方でかぐやちゃんたちも結構騒がしくしている。マイクが入ってないから会場には流れていないようだが。
「やば、めーっちゃ楽しかったー!!」
「はぁ、はぁ…うん」
そりゃこんだけ歌って踊れば疲れるわな。でも、その疲労に恥じない最高のライブだった。あとで二人ともたくさん褒めて────
「彩葉、好き」
えっ…
エンダアアアアアアアアアアアアアア!!!!!
「あー、もー、彩葉と結婚しようかなー。ダメ?」
「…まぁ、生活費折半してくれるなら、一緒に住むのはいいけど」
「え、本当?」
カハッ…
0(:3 )~
こんなの…こんなのもうプロポーズじゃん!! それもOKしてるじゃん!!!
お前ら最高だ! これが、俺の求めた至高の百合…!!!
「だれか、たすけて…」
「────?」
やば、許容量以上の尊さを摂取して昇天してた。かぐやちゃんまだ何か言ってた? くそ、俺の淫魔イヤーが聞き逃すだと!? お願いします! もう一回言ってください!!
はー、もう最高。今日は興奮して寝れないかも────!?
「何、この気配!?」
あまりに異質な気配がした。それもリビングの方からだ。今まで感じたことがないような、何というか…とても禍々しい。
スマコンのVRモードを切り、急いで寝室を飛び出してリビングへと駆けて出る。
階下に見えるのは、いつものリビング。しかしそれだけではなかった。
ARモードのスマコンに映るのは、頭が灯籠のようになった複数の人型の異形。
只人ではないとすぐに分かった。そこにいるように見えるが、おそらく肉体はないだろう。手には赤い軍配のような、武器にも見えるものを持っている。
そして、人型たちが一斉に軍配を突きつけた先………そこには、真っ黒なモヤの塊のようなものが蠢いていた。
それが視界に入った瞬間に俺の魂が理解する。どう見ても化け物だが────あれは雄で、竿役だと。
モヤはだんだんと形を成していき、黒い触手の塊のような見た目になった。はっきり言ってキモい。
そのまま蠢いているだけかと思いきや…突如、そこからいくつもの黒い腕を突き出して振り回し始めた。
「下がって!!」
『アリガトウ ゴザイマス』
俺の近くにいた灯籠頭を掴んで引っ張った。その直後に腕が通り過ぎる。てかお前喋るんかーい!
灯籠頭に肉体はないようだが、魂はある。そして俺は魂を認識できる。直接触ったのは今回が初めてだったけどな。
どうやらこの灯籠頭たちも男判定のようだ。女の子だったら能力が効かなくて干渉できなかっただろうし、お前ら運が良かったな。
その間も黒い触手はめちゃくちゃに腕を振り回している。現実には干渉できていないが、灯籠頭たちはダメージを負っているようで、叩きつけられたやつは動きが鈍い。
触手は灯籠頭たちを蹴散らしながら、浮かび上がってゆっくりと移動している。
『ネラワレテイル ノハ アノオカタ デス』
「……!!」
あのお方って誰だよ、なんて分かりきったことは聞かなかった。
こんなヘンテコな奴らと関わりがありそうなのなんて、ここん
「抑えればいい!?」
『ハイ』
さっきから灯籠頭が赤い軍配を光らせて、それを妨害するかのように黒い触手が攻撃している。それを見れば何をするべきかなんてのは流石に察するよ。
黒い触手に魂は見えない。多分だけど、こいつは生き物ではないのだろう。しかし俺の本能が、コイツは竿役だと叫んでいる。百合に害をなすクズだと。かぐやちゃんや彩葉ちゃんに挟まろうとするカス野郎だと…!!
俺のサキュバスの能力で、相手に直接ダメージを与えるようなものは存在しない。まぁサキュバスだしな。
妨害みたいな感じで催眠や魅了はあるが、知能がなさそうなコイツに効くかは怪しい。
けど、俺が使えるのがそれしかないと思ったら大間違いだぞ…!!
「ウチ以外のやつが百合の間に挟まるな…!!」
喰らえ、人間相手には絶対使えない俺の必殺技の一つ!!
「感度三千倍ビーム!!!」
『!?!?!?!?』
『オミゴト デス』
色の反転した俺の目からピンク色のいやらしい怪光線が放たれ、黒い触手の塊に直撃した。光線と言いつつ大した速度ではないのだが、素早く動くわけでもない的相手には外さん。
ビームが当たった触手は大きく震えた後、全身を硬直させて動かなくなってしまった。当然だ。奴は今、感度三千倍状態にある。動いて自分から刺激を生み出したが最後、ありとあらゆる感覚が増幅されて襲いかかる。だから動けなくなっているのだ。
ちなみに人間に使ったら即死すると思う。やったことないから分からんけど。
『テンソウ シマス』
「おー」
無事だった灯籠頭の何人かが軍配を光らせ、その光が陣を描いていく。一分ほど経って陣が黒い触手を覆いきり、大きく光ったと思ったら触手は消えていた。
『ゴキョウリョク アリガトウゴザイマシタ』
「あ、ちょっとー。…説明くらいしてけよなー」
灯籠頭たちは俺に何の説明もすることなくその場から消えていった。魂ごと消えてるし、多分転移だなこれは。俺も自由に転移できるようになりたいもんだぜ。
「しかし…何だったのやら」
ようやく百合が完成したかと思ったのに、何だか不穏な感じだ。まだめでたしとはいかないみたいだな。
全く、俺がかぐやちゃんと彩葉ちゃんの間に挟まるためにも、厄介ごとはさっさと消しておきたいね。
主人公くんちゃんのサキュバスの能力は主人公くんちゃんのイメージに依存します。サキュバスならこういうことできそう、と思えればその能力は使えますし、思えなければできません。
なお、主人公くんちゃんはサキュバスが直接攻撃してくる印象を全く持っていないためそういう能力は皆無です。