第十三の主従   作:知人

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とりあえず初回なので10話くらいまとめて投稿してその後は毎日数話投稿していこうと思ってます。関西弁がわからな過ぎてAIに変えてもらっているんですが翻訳?されたものが正しいのか判断が出来ず違和感などがあったら申し訳ないです。


第一章 侵食率100.1%
第一話 侵食率100.1%


 

第一話 侵食率100.1%

 

夢を見ていた。

赤い海。

どこまでも続く、赤い海。

空には何もない。

太陽もない。

月もない。

ただ、赤い。

足元には水面があるはずなのに、俺の身体は沈まない。

いや。

そもそも、俺は立っているのか?

分からない。

上下もない。

前も後ろもない。

ただ、自分だけがそこにいる。

そして――遠くに何かがいた。

巨大な影。

人間よりはるかに大きい。

エヴァよりも大きい。

けれど、怖いとは思わなかった。

その影は、こちらを見ていた。

目はない。

口もない。

顔すらない。

なのに。

俺には分かった。

こいつは――寂しい。

影が、手を伸ばす。

俺も手を伸ばした。

指先が触れる。

その瞬間。

ドクン。

巨大な鼓動が響いた。

俺のものじゃない。

俺は思わず尋ねた。

トウジ:(……誰や?)

返事はない。

もう一度。

ドクン。

今度は、胸の奥が痛んだ。

そして――。

???:『……寒い』

俺は目を見開いた。

トウジ:(喋った……?)

???:『……暗い』

トウジ:(お前、誰や)

???:『……ひとり』

その言葉だけが、赤い海に沈んでいった。

俺は何故か笑った。

トウジ:(なんや。俺と一緒やんけ)

影が動く。

まるで、驚いたように。

その瞬間――。

世界が割れた。

 

目が覚めた。

トウジ:(……天井)

白い。

見慣れない天井。

けれど、知っている。

テレビで何度も見た。

いや。

「見たことがある」なんてレベルじゃない。

俺は、この場所を知っている。

NERV。

第三新東京市。

そして。

トウジ:(……鈴原トウジ)

自分の名前を思い出した。

同時に。

前世の記憶も戻った。

テレビ。

漫画。

映画。

エヴァンゲリオン。

俺が知っている世界。

俺が知っている物語。

そして。

トウジ:(……今日か)

胸が重くなる。

今日はエヴァンゲリオン三号機の起動実験。

原作では。

三号機に寄生型使徒――バルディエルが侵入する。

そして俺は。

三号機ごと初号機に破壊される。

妹もいる。

ヒカリもいる。

シンジもいる。

アスカもいる。

レイも。

ミサトも。

俺が何もしなければ、全部知っている通りになる。

トウジ:(……死ぬんは嫌や)

それだけは。

絶対に嫌だった。

そのとき。

病室の扉が開いた。

ヒカリ:「トウジ?」

俺は顔を上げた。

洞木ヒカリ。

いつもの顔。

少し心配そうな目。

トウジ:「……委員長」

ヒカリ:「よかった。起きたんだね」

トウジ:「ああ」

ヒカリ:「今日、起動実験でしょう?」

トウジ:「せや」

ヒカリ:「怖くない?」

俺は答えられなかった。

怖い。

当然だ。

これから自分の身体に使徒が侵入する。

そして、そのまま殺される未来を知っている。

でも。

トウジ:「……怖いで」

ヒカリが少し驚いた。

トウジ:「せやけど、逃げへん」

ヒカリ:「どうして?」

トウジ:「妹を安心させたいからな」

ヒカリは少しだけ笑った。

ヒカリ:「……トウジらしいね」

その笑顔を見て。

俺は決めた。

トウジ:(絶対に帰る)

何があっても。

 

起動実験

第三新東京市。

地下。

NERV第七実験場。

巨大なエヴァンゲリオン三号機が立っている。

黒い装甲。

巨大な四肢。

人間を模した異形。

俺はその前に立っていた。

マヤ:「鈴原君、準備はできてる?」

トウジ:「大丈夫です」

ミサト:「無理はしないでね」

トウジ:「葛城さん」

ミサト:「何?」

トウジ:「もし何かあったら」

ミサト:「あったら?」

トウジ:「……俺を止めてください」

ミサトの表情が変わった。

ミサト:「鈴原君?」

トウジ:「なんとなくです」

ミサト:「……分かった」

俺はエントリープラグへ乗り込んだ。

ハッチが閉じる。

LCL注入。

肺が液体で満たされる。

呼吸できる。

モニターが点灯する。

マヤ:「シンクロ率41.8%」

リツコ:「安定してるわ」

ミサト:「三号機、起動」

俺は目を閉じた。

トウジ:(大丈夫や)

自分に言い聞かせる。

トウジ:(原作を知ってる)

トウジ:(バルディエルが来る)

トウジ:(その瞬間に――)

ピシッ。

音がした。

俺は目を開いた。

トウジ:(来た)

装甲の向こう。

何かが動いている。

マヤ:「機体外装に異常!」

リツコ:「汚染反応は?」

マヤ:「確認! 急速に拡大しています!」

ミサト:「まさか……!」

紫色の肉が装甲の隙間から侵入してくる。

ケーブルが震える。

三号機の内部が赤く染まる。

マヤ:「侵食率12%!」

俺の身体が震えた。

トウジ:「ぐっ……!」

マヤ:「28%!」

頭の奥に何かが入ってくる。

映像。

知らない景色。

暗闇。

飢え。

痛み。

孤独。

そして――。

???:『……寒い』

俺は息を止めた。

トウジ:(こいつ……)

知っている。

この声。

夢で聞いた。

トウジ:(バルディエル)

侵食率が上がる。

41%。

52%。

67%。

身体が動かなくなる。

ミサト:「鈴原君!」

トウジ:「……聞こえてます」

ミサト:「離脱できる! 今ならまだ――」

トウジ:「いや」

ミサト:「鈴原君!」

トウジ:「もう少しだけ」

侵食率73%。

視界が暗くなる。

普通なら。

ここで恐怖に負ける。

拒絶する。

暴れる。

助けを求める。

けれど。

俺は逆に目を閉じた。

トウジ:(話そう)

トウジ:(お前と)

 

境界

暗闇。

俺は立っていた。

目の前に巨大な影がいる。

夢と同じ。

トウジ:「……やっぱりお前か」

影は動かない。

トウジ:「バルディエル」

沈黙。

トウジ:「俺を喰うんか?」

影が僅かに揺れた。

バルディエル:『……違う』

トウジ:「じゃあ何や」

バルディエル:『……繋がる』

トウジ:「なんで」

バルディエル:『……ひとり』

その一言。

それだけで分かった。

こいつは。

俺を殺したいわけじゃない。

ただ。

誰かと繋がりたかった。

俺は息を吐いた。

トウジ:「お前、ずっと一人やったんか」

バルディエル:『……』

トウジ:「誰にも聞いてもらえんかったんか」

バルディエル:『……』

トウジ:「……俺もや」

影が揺れる。

トウジ:「前の世界でもな」

俺は笑った。

トウジ:「俺は普通の人間やった」

トウジ:「こっちでは、突然エヴァに乗れ言われた」

トウジ:「妹がおる」

トウジ:「友達もおる」

トウジ:「死にたくない」

少し間を置く。

トウジ:「でも」

俺は影へ近づいた。

トウジ:「お前にも、生きたい理由があるんやろ?」

バルディエル:『……生きる』

トウジ:「そうや」

バルディエル:『……生きたい』

トウジ:「なら」

俺は手を伸ばした。

トウジ:「一緒に生きようや」

長い沈黙。

バルディエル:『……条件』

トウジ:「条件?」

バルディエル:『……契約』

俺は眉をひそめた。

トウジ:「何を要求する」

バルディエル:『……身体』

トウジ:「それは困る」

バルディエル:『……力』

トウジ:「力?」

バルディエル:『……貸す』

トウジ:「代わりに?」

バルディエル:『……痛み』

胸に激痛が走った。

俺は膝をついた。

トウジ:「ぐっ……!」

バルディエル:『……力を使えば』

バルディエル:『……お前の身体が変わる』

トウジ:「……」

バルディエル:『……左』

左腕。

そこに何かが入り込んでくる。

熱い。

焼ける。

痛い。

トウジ:「これが……代償か」

バルディエル:『……拒める』

トウジ:「いや」

俺は立ち上がった。

トウジ:「受ける」

バルディエル:『……なぜ』

トウジ:「お前を使うんやない」

トウジ:「一緒に戦うんや」

影が初めて動いた。

巨大な手が伸びる。

俺の手と重なる。

その瞬間。

――ドクン。

巨大な鼓動。

そして。

――ドクン。

俺の鼓動。

二つが重なる。

 

侵食率100.1%

現実。

マヤ:「侵食率78%!」

リツコ:「まだ上がってる」

ミサト:「パイロットは!?」

マヤ:「意識反応あり!」

ゲンドウ:「……」

冬月:「碇」

ゲンドウ:「待て」

冬月:「何?」

ゲンドウ:「まだ終わっていない」

侵食率82%。

88%。

93%。

三号機の装甲が変形する。

左腕。

内部から黒い筋が走る。

マヤ:「左腕部に異常!」

リツコ:「エヴァ本体の組織じゃない」

マヤ:「使徒組織です!」

侵食率96%。

97%。

98%。

ミサト:「鈴原君!」

トウジ:「……聞こえてます」

ミサト:「もう離脱して!」

トウジ:「無理です」

ミサト:「どうして!」

トウジ:「俺は――」

100%。

警報が鳴り響いた。

マヤ:「侵食率100%!」

リツコ:「……!」

ミサト:「鈴原君!」

トウジ:「俺は」

一瞬。

全ての音が消えた。

そして。

表示が変わる。

100.1%。

マヤ:「……え?」

リツコ:「……?」

マヤ:「侵食率が」

数字が止まった。

100.1%。

マヤ:「停止しました」

リツコ:「そんな……」

侵食率は100%を越えている。

なのに。

三号機は暴走しない。

目も赤くならない。

拘束具も破壊されない。

ただ。

静かに立っている。

トウジ:「……終わったで」

ミサト:「何が?」

トウジ:「契約や」

その瞬間。

三号機の左腕が変わった。

装甲の隙間から白い組織が現れる。

骨。

筋肉。

そして。

黒い線。

エヴァの腕でありながら。

使徒の腕。

しかし。

それ以外は変わらない。

トウジの意識もある。

三号機も動いている。

マヤ:「暴走……なし」

リツコ:「あり得ない」

ゲンドウ:「……」

冬月:「使徒に侵食されたエヴァが、自我を維持している」

ゲンドウ:「違う」

冬月:「?」

ゲンドウ:「侵食ではない」

短く。

それだけ。

ゲンドウ:「共存だ」

 

初号機

別区画。

初号機。

シンジは状況を聞いていた。

ミサトからではない。

モニター越しに。

三号機が立っている。

シンジ:「……トウジ?」

返事はない。

シンジ:「トウジ!」

通信が繋がった。

トウジ:「シンジ」

シンジ:「……生きてる」

トウジ:「ああ」

シンジ:「よかった……」

シンジの声が震えている。

トウジ:「怖かったか?」

シンジ:「……うん」

トウジ:「俺もや」

シンジ:「……え?」

トウジ:「めちゃくちゃ怖かった」

シンジは黙った。

シンジ:「じゃあ……どうして?」

トウジ:「死にたくなかったからや」

シンジ:「……」

トウジ:「それにな」

左腕を見る。

白い皮膚。

黒い筋。

人間の腕ではない。

トウジ:「こいつも死にたくなかったんや」

シンジ:「……使徒?」

トウジ:「ああ」

シンジ:「でも……」

言葉が続かない。

トウジは待った。

シンジ:「怖くないの?」

トウジ:「怖いで」

シンジ:「じゃあ……」

トウジ:「せやから、これから考える」

シンジ:「……何を?」

トウジ:「こいつとどう生きるか」

シンジは答えなかった。

ただ。

通信を切らなかった。

それだけで十分だった。

 

左腕

実験終了後。

医務区画。

トウジはベッドに座っていた。

左腕を見る。

見た目は人間。

だが。

意識を集中すると。

黒い線が浮かぶ。

そして。

ほんの少しだけ。

腕が白く変わる。

トウジ:「……痛っ」

すぐに元へ戻る。

リツコ:「無理に使わないことね」

トウジ:「赤木博士」

リツコ:「今の変化は、あなたの意思で起こしたの?」

トウジ:「……たぶん」

リツコ:「たぶん?」

トウジ:「頭の中で頼んだら、動いた」

リツコは少し考えた。

リツコ:「それ以上は?」

トウジ:「まだ分かりません」

リツコ:「そう」

リツコは端末を見る。

そこには生体情報。

エヴァ三号機。

パイロット。

そして。

未知の生体反応。

だが。

リツコは「契約」という言葉を入力しなかった。

そんなデータは存在しない。

入力できるはずもない。

画面にはただ。

UNKNOWN BIOPATTERN

と表示されている。

リツコ:「……一つ」

トウジ:「何が?」

リツコ:「あなたの中に、もう一つの生体反応がある」

トウジは黙った。

トウジ:「バルディエルです」

リツコ:「名前を知っているの?」

トウジ:「俺がつけたんやない」

リツコ:「……そう」

それ以上、リツコは聞かなかった。

説明しすぎれば。

この現象そのものが嘘に見える。

そんな気がした。

 

ゲンドウ

司令室。

冬月:「鈴原をどうする?」

ゲンドウ:「監視する」

冬月:「拘束は?」

ゲンドウ:「不要だ」

冬月:「使徒を宿しているぞ」

ゲンドウ:「分かっている」

冬月:「危険ではないのか」

ゲンドウはモニターを見る。

そこには。

医務室へ運ばれるトウジの姿。

ゲンドウ:「問題は」

一拍。

ゲンドウ:「使徒ではない」

冬月:「では?」

ゲンドウ:「選択だ」

冬月は黙った。

ゲンドウ:「予定を変える」

それだけだった。

 

医務室

夜。

トウジは一人だった。

窓の外。

第三新東京市の夜景。

俺は左腕を見た。

トウジ:(……ほんまに変わってもうた)

人間。

エヴァパイロット。

そして。

使徒と契約した存在。

原作にはない。

俺自身が作ってしまった未来。

怖い。

けれど。

胸の奥に。

小さな鼓動がある。

ドクン。

俺の心臓。

そして。

ドクン。

別の鼓動。

トウジ:「……バルディエル」

返事はない。

トウジ:「寝たんか?」

少しして。

バルディエル:『……いる』

トウジ:「そうか」

バルディエル:『……友』

トウジは少し驚いた。

トウジ:「なんや?」

バルディエル:『……友』

トウジ:「……」

思わず笑った。

トウジ:「そうやな」

バルディエル:『……友』

トウジ:「よろしくな」

沈黙。

そして。

バルディエル:『……よろしく』

俺は天井を見た。

トウジ:(これで原作から外れた)

でも。

それだけじゃない。

原作を知っているからこそ。

俺には分かる。

バルディエルを倒さなかったことで。

未来は変わった。

だが。

使徒がいなくなったわけじゃない。

ゼーレもいる。

ゲンドウもいる。

アダムも。

リリスも。

そして。

まだ名前すら知らない使徒たちも。

俺は知らない。

これから何が起こるのか。

ただ一つ。

確かなことがある。

俺は。

死ななかった。

そして。

バルディエルも。

 

ターミナルドグマ

同じ頃。

誰もいない最深部。

巨大な白い巨人。

リリス。

その顔は。

いつも通り。

白い仮面に覆われている。

動かない。

目も開かない。

何も起こらない。

ただ。

ほんの僅かに。

その頬を。

赤い液体が一筋だけ流れた。

涙にも見える。

血にも見える。

だが。

誰も見ていない。

そして。

リリスは何も語らない。

ただ。

静かに。

そこにいる。

 

翌朝

学校。

教室。

トウジが入ってくると。

教室中の視線が集まった。

ケンスケ:「鈴原!」

トウジ:「なんや」

ケンスケ:「お前、生きてるのか!?」

トウジ:「見たら分かるやろ」

ケンスケ:「いやいやいや! 昨日の三号機!」

トウジ:「……まあ」

ケンスケ:「使徒に乗っ取られたって聞いたぞ!」

トウジ:「乗っ取られてへん」

ケンスケ:「じゃあ何だよ」

トウジ:「……仲直りした」

ケンスケ:「は?」

トウジ:「なんでもない」

その横。

シンジが立っていた。

シンジ:「トウジ」

トウジ:「おう」

シンジ:「……今日も学校来たんだね」

トウジ:「当たり前や」

シンジは少しだけ笑った。

そこへ。

アスカがやってくる。

アスカ:「アンタ」

トウジ:「なんや」

アスカ:「昨日のアレ」

トウジ:「アレ?」

アスカ:「三号機」

トウジ:「ああ」

アスカ:「……気持ち悪い」

トウジ:「そうか」

アスカ:「そこで怒らないの?」

トウジ:「別に」

アスカ:「ふん」

アスカは腕を組む。

アスカ:「でも」

トウジ:「?」

アスカ:「アンタのこと、まだ信用してないから」

トウジ:「そらそうやろ」

アスカ:「……何よ、その反応」

トウジ:「会ったばっかりやし」

アスカは一瞬だけ黙った。

そして。

アスカ:「……分かってるじゃない」

それだけ言って。

席へ向かった。

シンジが小さく笑う。

シンジ:「アスカ、少し変わったね」

トウジ:「いや」

トウジは苦笑した。

トウジ:「まだめっちゃ警戒されとるで」

シンジ:「そうかな」

トウジ:「そうや」

そのとき。

レイが教室へ入ってきた。

綾波レイ。

彼女はトウジを見る。

しばらく。

何も言わない。

そして。

レイ:「……鈴原君」

トウジ:「なんや?」

レイ:「昨日」

トウジ:「うん」

レイ:「あなたの中から」

少し間。

レイ:「誰かの声がした」

トウジの表情が固まった。

トウジ:(……聞こえたんか)

レイ:「母……?」

トウジ:「え?」

レイは首を傾げる。

レイ:「違う」

トウジ:「……」

レイ:「母ではない」

トウジ:(母……?)

バルディエルが反応した。

ドクン。

レイの瞳が僅かに揺れる。

レイ:「……似ていた」

トウジ:「誰に?」

レイは答えない。

ただ。

小さく呟いた。

レイ:「遠い場所の、誰かに」

それだけ。

そして。

席に座った。

トウジはしばらく動けなかった。

バルディエル:『……知る』

トウジ:(何を?)

バルディエル:『……まだ』

トウジ:(まだ?)

返事はなかった。

 

その日の夕方

NERV。

地下。

MAGIが静かに稼働している。

画面には。

鈴原トウジ。

EVA-03。

そして。

UNKNOWN BIOPATTERN。

一つ。

その横には。

侵食率100.1%の記録。

リツコは画面を見つめる。

リツコ:「……使徒は死んでいない」

マヤ:「はい」

リツコ:「パイロットも死んでいない」

マヤ:「はい」

リツコ:「なら」

リツコは画面を閉じた。

リツコ:「これは侵食じゃない」

マヤ:「では……?」

リツコ:「まだ名前をつけない方がいいわ」

画面が暗くなる。

その一瞬。

ほんの僅かに。

UNKNOWN BIOPATTERNの波形が。

トウジの心拍と重なった。

ドクン。

ドクン。

二つの鼓動。

それは。

まだ。

始まりにすぎなかった。

 

第一話 終

次回予告

ミサト:「えーっと、次回予告!」

ミサト:「三号機事件から一夜明けて、学校に戻った鈴原君!」

ミサト:「でも、使徒と契約したって事実は、そう簡単には消えないわ!」

ミサト:「シンジ君はトウジ君を信じたい。でも、怖い。」

ミサト:「アスカは当然、もっと怖い!」

ミサト:「そして綾波は――何かを感じ取っているみたい」

ミサト:「その頃、NERVでは三号機の左腕に残った異常組織を調査開始!」

ミサト:「使徒と人間、その境界にあるものは一体何なの?」

ミサト:「次回!」

ミサト:「『第二話 使徒従属』」

ミサト:「サービス、サービスぅ!」

――第十三の主従。

その物語は。

まだ。

始まったばかりだった。

 

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