転生者たちの戦争~山本五十六の記憶を受け継ぐ者、前世の知識で無双する~ 作:やきそばVer2
近衛艦隊は大損害を被りつつ、帝国艦隊中央部を通過して敵の風上側に布陣した。
近衛艦隊の残存戦力は、戦列艦3隻とフリゲートが6隻。
通過時の交戦で、3隻全ての戦列艦が既に小破している。
対する帝国艦隊は、戦列艦6隻とガレオン5隻およびフリゲート2隻。
緒戦での被害により、圧倒的な数的劣勢が生まれていた。
もはや、近衛艦隊に勝ち目は無いかに見えた。
一方帝国艦隊は、分割した艦隊を合流させた。
風下側で一列横隊で布陣し、上陸作戦の準備を進めていた。
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【ナルヴィナ国:首都レイキャナス近海】
帝国軍第二艦隊旗艦 旗艦オルペウス艦上
「ナルヴィナの軍隊も大したことねえな!」
「ああ、数だけはいっちょ前だったが、動きが素人みたいだ!」
勝利を確信した部下達。
艦内各所から、彼らの喜びの声が上がった。
良いことは続くようで、見張員から朗報が入る。
「敵は退却し始めました!それも風上に向かって。」
「風魔法の推進力しか使えない風上に向かってやがる!アホだな、それじゃ速度はほとんどでないだろ。まあ、風下には俺達がいるから風上以外に逃げ場はないけどな!」
見張員の報告を聞いて笑い出す水兵たち。
アレン提督は、この戦闘を次の段階へ進めるべく命令を下す。
「上陸準備を開始せよ!全ガレオンは投錨し、ボートを降ろせ。陸軍部隊を上陸させる!」
「戦列艦も投錨!余剰人員を陸戦隊として編成し、陸軍を支援せよ!」
「フリゲートは上陸部隊を援護、敵航空攻撃を警戒しろ。可能であれば水魔法を用いて海流を操作し、ボートの航行速度を底上げしろ!」
「提督!退却中の敵艦隊はどうしますか?それに、停泊すると無防備になりますが。」
「放っておけ、艦隊運用の基本すらわかっていない連中だ 、あんな馬鹿どもに何ができる。」
「それにこちらのほうが圧倒的に優勢だ。こちらが投錨したとはいえ、巻き返しなど不可能だろう。」
部下に返答して、少しの間物思いにふけるアレン提督。
(上層部は相変わらず無茶苦茶な作戦ばかり立てる。皇帝陛下の命だから仕方ないが……我々に負けてきてほしいのか?)
この作戦では、少数の艦隊と地上戦力で破壊工作を行う。
そのうえで、被害を最小限にして離脱する。
難易度が非常に高く、自殺行為ともいえる作戦だ。
だが、命令とあればやるしかない。
アレン提督は、最善だと考えた命令を告げる。
「ボートを全て下ろしたら、全艦抜錨!上陸部隊を援護しつつ敵首都へ進軍する。」
「首都に最も近い陸軍基地は30カルヤルド(1カルヤルド=1km)先にある。敵主力部隊の到着まで余裕はあるが、時間との勝負になる。急いで上陸を完了させろ!」
「設備の破壊後は速やかに撤収!引き際を誤るなよ!」
だが、この命令を出したことは致命的なミスだった。
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近衛艦隊 旗艦オーディン艦上
「艦ちょ......いえ臨時提督、敵が上陸準備を始めました。こちらへの追撃を行う気配もありません。」
「うまくいって良かった。狙い通り停泊してくれるとはな。」
私は、策がうまくいったことにほくそ笑んだ。
そして、逆転の一手を打つ。
「先程説明した作戦を実行する!」
「全フリゲートは操舵要員を残して全員離艦!戦列艦は乗員を収容せよ!」
「フリゲートの乗員を収容したら、戦列艦も敵への突撃を敢行する!」
「地上待機中のドラゴンナイトに合図を送ってくれ。攻撃開始を伝えるんだ!」
私は一息置いて続ける。
「我々なら勝てるぞ!国王に勝利の報告を行おう!」
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帝国軍第二艦隊旗艦 旗艦オルペウス艦上
「アレン提督!敵ドラゴンナイトがこちらに向かっていきました!数は8騎です!」
「来たか、だが8騎程度で何ができる!」
報告を聞き、指示を飛ばす。
「フリゲートは対空戦闘用意!」
「ナイアス、パエトゥサ、プリアポスの3隻の戦列艦も抜錨、対空戦闘の援護を実施!」
「8騎程度であれば、この戦力で十分だ!」
「それ以外の艦は、引き続き上陸部隊の展開を続けろ。」
(上陸部隊を乗せたボートを狙うつもりだろうが、戦力が少なすぎるな。最後の抵抗のつもりか?だが、その心意気やよし。間抜けな敵艦隊よりかはずっといい心がけだ。)
味方部隊が指示通りに動いていくのを確認し、彼はそう考えた。
だが、ナルヴィナの航空部隊は予想外の動きを見せた。
上陸部隊を乗せたボートの群れの付近まで、まっすぐ接近してきた。
ここまでは、予想通りだ。
しかし、その後の動きは不可解だった。
対空魔法の射程ギリギリで、大きく左に迂回したのだ。
(一体何のつもりだ?上陸部隊を狙うわけでは無いのか?)
(待てよ......だとすると、敵の狙いは!こちらの注意を空に向けるのが目的だ!)
気づいた時、見張員からの叫びが耳に入る。
「敵艦隊が突撃してきています!」
叫びを聞き、提督は慌てて視線を背後に移す。
追い風を帆に受け、猛スピードで海を滑るナルヴィナの6隻のフリゲート。
その後ろには3隻全てのナルヴィナの戦列艦が続く。
加えて、上陸部隊を無視したドラゴンナイトも投錨した艦への攻撃態勢に入る。
「全艦直ちに抜錨!敵艦隊への迎撃体制を取れ、フリゲートを最優先で沈めろ!」
「全魔道士は対艦魔法をよう......いや違う、あれは囮だ!ドラゴンの火力で押し切るつもりだ!」
(フリゲートは囮だな。注意をそらしてその隙にドラゴンブレスを浴びせるつもりだ。だが、その手には乗らない)
指示を変更するアレン提督。
「囮のフリゲートは無視して良い!主力艦もおそらく囮だ。総員対空戦闘用意!」
「手の空いている者は、甲板と帆に水を撒け!ブレス攻撃の被害を少しでも減らすのだ!」
だが、彼の読みは大きく外れてしまう。
攻撃態勢に入ったと思われたドラゴンが、再度旋回し攻撃を中断する。
そのまま上空へと進路を変え、対空魔法の射程外の高度へ上昇する。
そして、全てのフリゲートが一切の反撃を行うことなく突進を続ける。
こちらの攻撃で、穴だらけになる敵艦。
なぜ囮のはずのフリゲートが回頭しないのか?
明らかに非合理的な動きをする6隻のフリゲート。
アレン提督は致命的な判断ミスを犯したことに気づく。
だが、気づいた時には既に遅すぎた。
「まずい......奴らの本命は補助艦艇によるラムアタック(敵艦に体当たりして大ダメージを与える戦法。
『特攻』とは異なり、実行した艦艇は生き残ることが多い。)だ!」
「確実に損害を与えられるドラゴンを使わずに、成功率の低いラムアタックを本命にするとは......嵌められた!」
ターゲットにされた上陸部隊を展開中の5隻のガレオンと旗艦オルペウス。
かろうじて旗艦と1隻のガレオンが抜錨に成功して、回避運動を開始しようとする。
だが、すべては手遅れだった。
6隻全てのフリゲートが、帝国艦隊に襲いかかる。
最初に犠牲になったのは、停泊中の4隻のガレオン。
動きを止めた艦への攻撃が容易く成功する。
抜錨に成功した残り1隻のガレオンと、旗艦オルペウスも犠牲となる。
停泊していた直後のため、回避機動どころか低速で動き出すのがやっとだった。
舵を少し切って、こちらの動きに対応する残り2隻のフリゲート。
フリゲートによる決死のラムアタックが成功し、狙われた6隻の主力艦が大打撃を受ける。
喫水線下に大穴が空いたことで、大規模な浸水が発生する6隻の艦。
流入した海水の重みで、全艦が大きく傾く。
乗員全体が立っていることもままならなくなる。
砲を敵に向けることもできなくなり、砲撃不能。
傾斜のせいで魔方陣を展開するどころではなくなり、攻撃魔法も使用不能。
捨て身のラムアタックにより、狙われた六隻全てが戦闘能力を喪失する。
反撃不能となった6隻に、上空から炎の濁流が襲いかかる。
高高度から急降下してきた、ドラゴンナイトによるブレス攻撃だ。
背に乗る騎士たちの指示で、ドラゴンが炎を吐きつづける。
あらかじめ撒いておいた水により、すぐには火災は起きなかった。
だが、炎を浴び続けたことにより、時間差で船全体が火の海に包まれる。
ラムアタックの標的にならなかった2隻の戦列艦は、抜錨して反撃を試みた。
対空魔法『アイススピア』で迎撃を行った。
生み出された無数の氷の槍。
その全てがナルヴィナのドラゴンナイトたちに放たれる。
しかし、急降下により通常よりも高速で飛行するドラゴンには命中しない。
魔力を無駄に浪費しただけで、イゼル帝国艦隊の対空攻撃は失敗した。
第二波の氷の槍衾を用意する間に、射程外へと離脱していく。
アレン提督の当初の読みは間違っていなかった
しかし、『実は両方とも本命だった』とまでは考えが及ばなかった。
ラムアタックとドラゴンナイトのブレス。
この両方を時間差で実行して、標的となった6隻を戦闘不能に追い込むことが真の目的だった。
『停泊』することの危険性と、『航空戦力を持たない艦隊の脆弱さ』
山本五十六としての経験と教訓を生かしたアレクセイ艦長。
彼の指揮官としての能力は飛躍的に向上していた。
火炎に包まれた5隻のガレオンと旗艦オルペウス。
消火が間に合わず、次々と海の藻屑と化していく。
ラムアタック前は6隻いた戦列艦と5隻のガレオン。
一連の攻撃で、合計11隻の主力艦のうち6隻が戦闘不能になってしまう。
残るは戦列艦5隻とフリゲート2隻。
優勢だったはずの帝国艦隊は、一気に追い込まれてしまう。
「くそ、こちらが焦っていることを見抜きやがった!なんて野郎だ!」
「せめて、こちらにも航空戦力がいれば......両方とも容易く潰せたのに!」
アレン提督が最後に見たのは、炎上し沈没していく旗艦の姿であった。
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近衛艦隊 旗艦オーディン艦上
「フリゲートによるラムアタック成功!うち3隻が攻撃後も生存!」
「残り3隻は衝突前に受けたダメージにより、ラムアタック後に沈没!また、生き残った3隻も大破しています。」
「航空攻撃も継続中。現在、残った敵戦列艦のうち1隻への集中攻撃を実施中!」
次々と上がる戦果報告。
それを聞きながら、副官のエリスが疑問を投げかける。
「もし敵がフリゲートに攻撃を集中したら、どうなさるおつもりでしたか?」
「ドラゴンを先に突っ込ませるだけさ。」
「敵魔導師の数は限られている。両方を迎撃することなんて不可能だ。こちらの陸軍が反撃体制に入る前に上陸することに注力して、我々を放置したのが彼らの敗因だ。」
「動いていれば、片方ずつ対処することは容易だ。うまくやれば、ラムアタック自体を回避することもできる。『停泊したことそのもの』が敵さんの敗因さ。」
「まあ、上陸を優先した気持ちはわかる。この状況なら、私だってそうしたかもしれない。」
敵がまんまと罠に嵌ったことで、希望を見出した部下たち。
そんな彼らに、最後の命令を下す。
これがトドメの一手となるだろう。
「まだ安心してはいけない!確実に残存戦力を排除していくぞ!」
「敵は沖合にいる抜錨直後の2隻と、上陸部隊の援護をしていた3隻に分かれている。フリゲート2隻も上陸部隊とともにいるが、距離があるから一旦無視していい。」
「まずは沖合の2隻を潰す!次に、上陸部隊の援護をしていた敵を攻撃する!」
「一気に畳みかけるぞ!」
「それと、ラムアタック後も生存した3隻のフリゲートへ通信。『戦闘海域から離脱せよ』と伝えてくれ。」
「上陸部隊に手を出す必要はない。敵艦隊の殲滅を優先!」
「全艦速度を維持して一列縦隊で前進!敵艦隊から400ヤルド地点で面舵を取れ !(1ヤルド=1m)敵艦隊の正面にこちらの全艦の側面を向ける!」
「敵の真正面に最大火力を投入する!」
帆船である戦列艦の構造上、正面に向けることのできる大砲は数門しかない。
また、この時代の大砲の命中率は低い。
そのため、艦首の数門の砲だけでは気休め程度の反撃しか出来ない。
対して側面方向であれば、50門ほどの大砲を敵に向けることができる。
反撃困難な敵艦の正面に味方艦の最大火力を投入する。
近衛艦隊はいわゆる丁字戦法を用いて、一方的な攻撃を試みる。
沖合に浮かぶ、ラムアタックを免れた2隻の戦列艦。
先ほどまで停泊していたため、速度が出せずに近衛艦隊の動きに翻弄される。
アレクセイによる丁字戦法が成功し、2隻の敵艦に一方的な砲撃が撃ち込まれていく。
最初に犠牲となったのは、丁字戦法実行前から砲撃を受けていた一隻。
満身創痍のその船は致命傷を負ってしまう。
残りの一隻の戦列艦も多数の砲弾を浴びて、こちらも戦闘不能となる。
こうして、沖合の二隻は戦闘能力を喪失して海に浮かぶガラクタと化す。
上陸部隊の援護に向かっていた残り3隻の戦列艦。
丁字戦法で一方的に攻撃された2隻を助けるべく、沖合に急行する。
速度が出ていたため、丁字戦法を阻止して同航戦(敵味方が同じ方向に平行して移動しながら撃ち合う状態)に持ち込む。
艦の側面を近衛艦隊に向けて、反撃を開始する3隻の帝国艦。
だが、海戦に勝利してもこの3隻のみでは上陸部隊全員を収容することは不可能。
また、助けるはずだった2隻の戦列艦も行動不能。
この状況を見て、作戦失敗を悟った帝国艦隊。
戦闘を継続しても無意味な出血が発生するだけだ。
イゼル帝国艦隊は戦闘を中止して、退却を開始した。
上陸部隊とその護衛のフリゲートを放置したまま。
その様子を確認した私は、指示を出す。
「総員戦闘止め!負傷者の救助を開始!」
「ラムアタック後に沈んだ2隻のフリゲートの操舵要員を優先的に救助!彼らはこの戦い最大の英雄だ!生き残った乗員を速やかに回収してくれ。」
「敵上陸部隊に対する警戒を実施。降伏を申し出てきたら受け入れてやれ。交戦の意図があるようであれば、戦闘を再開し敵を殲滅する!」
「念のため、退却中の敵艦隊への警戒も継続!ただし、深追いは厳禁だ。」
「ドラゴンナイトは上空待機!敵が反撃した場合は空から焼き尽くせ!」
だが、私は敵の作戦に大きな疑問を感じた。
「なぜこんな無謀なことをしたのか?」
エリスが私のつぶやきに反応した。
「あの状況を立て直すのは無謀でしたが。」
「いや、そうじゃない。敵の作戦のことだ。」
「敵が何を狙って地上部隊を上陸させようとしたのかはわからない。だが、一つだけ確実なことがある。」
「あれでは兵士たちに『犬死にしろ』と命じているのと変わらない。」
「近衛艦隊を撃破した上で、地上戦にも勝利する。この両方を最低限の兵力で成し遂げる。」
「艦隊戦で敗北する可能性も大いにあるし、上陸してもこちらの陸軍部隊に迎撃されて全滅することもありうる。そもそもが無理がありすぎる作戦だ。」
「敵の上層部はなぜ止めなかったのだろうか?」
「確かに引っかかりますが......考えてもしょうがないと思います。」
「そうだな、エリス。考えてもしょうがない。」
浮かんだ疑問を余所にやり、私は部下たちに向き直る。
そして、彼らに向かって叫んだ。
「私たちの勝利だ!全てが片付いたら、陛下にこの勝利を報告しよう!」
あちらこちらから、水兵たちの歓喜の声が上がる。
被害は甚大だったものの、首都への直接攻撃を防ぐことに成功した。
(護衛戦闘機を持たない艦隊はやはり脆いな。直援の航空隊がいたら、この戦法は成立しなかった。この世界に空母は存在しないから、やむなくそうなってしまうが。)
「この世界でも空母が重要になるかもな。」
「『クウボ』とはなんですか?」
「ああ、気にしなくて良い。」
思わず考えが口に出てしまう。
エリスの疑問の声をごまかす私。
私はこの考えを、どのようにすれば実現できるのかを考え始めた。
敵の不可解な作戦のことは一旦忘れて。
(さて、次の戦いでは前世の知識をフル活用してやろう。対応できるかな?イゼル帝国の諸君。)
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その後、敵上陸部隊と、退却に失敗した敵フリゲート2隻が降伏した。
降伏後に2隻のフリゲートはナルヴィナに拿捕された。
残された2隻の戦列艦は鹵獲を防ぐために自沈し、乗員のみ降伏。
これにより首都の港湾機能を奇襲により破壊し、継戦能力を削ぐという敵国の目論見は崩れ去った。
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本海戦による両軍の被害は以下のとおりである。
ナルヴィナ国近衛艦隊
沈没 戦列艦3(旗艦オルペウスを含む) フリゲート7
大破 フリゲート3
小破 戦列艦3
イゼル帝国第二艦隊
沈没 戦列艦1 ガレオン5 フリゲート4
自沈 戦列艦2
ナルヴィナに拿捕 フリゲート2
撤退 戦列艦3(2隻が小破、1隻が中破)
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こうして、後に『レイキャナス海戦』と呼ばれるこの戦闘は幕を下ろした。
だが、近衛艦隊の被害も甚大なものだった。
ナルヴィナは近衛艦隊の再編と、首都防衛の強化を余儀なくされた。
首都港湾設備の破壊は失敗した。
また、作戦成功後に回収予定だった上陸部隊も全員捕虜になった。
イゼル帝国の明確な敗北である。
作戦自体は失敗したが、『首都が危険に晒された』という事実は変わらない。
図らずも、ナルヴィナ国全体への心理的な爪痕を残す結果となった。
イゼル帝国の侵略は、この程度の敗北では止まらない。
その圧倒的な軍事力はまだ健在だ。
この海戦での敗北は、あくまでも『局地的な敗北』に過ぎないのだから。
第三話に続く
第三話は9月7日公開予定です。